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カテゴリー「田中芳樹関連」の検索結果は以下のとおりです。

作品の二次利用における原作使用料の問題について

映画「テルマエ・ロマエ」の原作使用料の問題について、らいとすたっふの社長氏がツイートしているみたいですね↓

https://twitter.com/adachi_hiro/status/306217132440576002
<テルマエの原作料の話。旬な作家さんが「原作料って、こんなもんだよ」と言ってくれたの正直言ってありがたい。うちの親分の作品がアニメや舞台になっても、原作者側はさほど儲からないよ。でも、親分は自分の作品が別の表現方法で広がるのが楽しみ、って言ってる。でも、これは親分個人の話だから。>

https://twitter.com/adachi_hiro/status/306217420127891456
<私だって、「銀英伝」がアニメになって、舞台になったとき、よく知らない人から「儲かっているんでしょ。メシでも奢ってよ」って言われたもん。うちなんか原作者の、さらにその代理人だもん。>

https://twitter.com/adachi_hiro/status/306217888249966592
<あと、ちゃんと「原作者側って儲からないですよね」って言ってくれた人がいて、あ、この人は内情を知っている人だな。と思ったら、「私があいだに入ったら、もっと原作料、ふんだくれますよ」って。うーん。そういう考えがあるのも判るんだけど、ちょっと引いてしまったのも事実。>

https://twitter.com/adachi_hiro/status/306218273119289344
<ただ、原作者代理人という仕事をきちんと突き詰めていけば、どんな相手からも出来るだけたくさんの原作料を支払ってもらえるように交渉すべきなんだよね。それは自分でも判ってる。だけど、原作を使って何かをしよう、という人は、自分たちでリスクを背負って映画なりアニメなりを作ろうとしてる。>

https://twitter.com/adachi_hiro/status/306218691358494723
<だから、私の考えとしては、とっかかりの部分では原作料を安くしてもいいのかな、と思う。だけど、アニメや映画がうまく軌道に乗って、続篇が作られたり、DVDや地上波での放映権料が入ってくる段階になったら、ちゃんと原作者側にも相応のものを支払って欲しい。と思うのね。>

これらのツイートを読んで思うのは、「個人としてはともかく、出版業界全体に与える影響というものを軽く考えすぎなのではないか?」ということですね。
確かに田中芳樹の性格からいえば、自分の作品を映像化してくれるのだから、気前良く自分の作品は提供するし、あまりカネを取る気にはなれないという「善意」を示すであろうことは想像に難くないですし、実際にアニメ化や舞台化の際にもそうしてきたのでしょう。
しかし世の中には、そういった「善意」すらも「悪意」に転用して私腹を肥やそうとする輩が後を絶たないのです。
つまり、田中芳樹が「善意」に基づいて自分の作品を安く提供した、という事実を逆手に取り、他の作家の作品を実写化等をしようとする際に、制作サイドから「あの田中先生でさえこの程度の額だったんですよ」という値切りの材料に使用されてしまう可能性があるわけです。
大御所でさえこの程度の金額で良いのであれば、それよりも立場の弱い新人や中堅どころの作家の場合はさらに値切ることが可能、という認識を制作サイドに植え付けてしまうのでは、結果的には他の作家の立場を窮地に追い詰めることにもなりかねないでしょう。
大御所は大御所にふさわしいギャラをもらわなければ、それが前例となり、それよりも弱い立場の同業者達もまた、「清貧な大御所」と同列もしくはそれ以下のギャラに甘んじなければならなくなるのです。
現に「テルマエ・ロマエ」の原作者は、そうやって100万円程度の原作使用料しか支払われることがなかったわけです。
のみならず、映画の宣伝のためにノーギャラで協力させられる、などという横暴まで堂々とまかり通る始末だったのですし。
その辺りの「後発への影響力」といったものが、どうも田中芳樹はまるで理解できていないのではないか、と考えずにはいられないですね。
田中芳樹が所属するらいとすたっふには、後発の新人もそれなりの数がいるはずでしょうに、何故自分自身が持つ影響力というものにそこまで無頓着でいられるのかと。

また田中芳樹の場合、自分の作品を自分が批判していたはずのパチンコに売り飛ばしたなどという前歴もあるわけですよね。
自分で「警察利権の温床」などと主張し、また「北朝鮮の資金源」との黒い噂も絶えないパチンコに、田中芳樹は一体何を期待していたというのでしょうか?
パチンコ相手に、「原作を使って何かをしよう、という人は、自分たちでリスクを背負って映画なりアニメなりを作ろうとしてる」なんて論理が通用するはずもないでしょうに。
カネ儲けが目当てでなかったのであればなおのこと、自分の作品をポルノと同等かそれ以下の存在であるパチンコに売り飛ばした理由が意味不明もいいところなのですが。
まさか、警察物である薬師寺シリーズを連載していることから自分も警察利権のおこぼれに与ることができる、などと考えたわけではないでしょうし(苦笑)。
あの当時でも、徳間書店とはとっくに縁を切っていたのですし、田中芳樹が著作権を主張してパチンコ売り飛ばしを拒否するのは簡単なことだったはずなのですけどね。

原作使用料については、映画のヒットに関わらず必要最低限支払われる額をまずは保証した上で、その額に興行収益に応じた金額を追加する、といった歩合制方式を採用し、かつそれを制度化すべきだと思いますね。
単純に制作サイドや出版社の「善意」に期待する現行のやり方では、制作サイドや出版社による値切りや中間搾取等で、作家の権利がないがしろにされることを防止することができないのですから。
というか、テレビ局等の映画の制作サイドなどはともかく、作家と緊密な仕事関係にあるはずの出版社までもが作家の権利を軽んじているというのは驚きの事実ではあるのですが。
作家と出版社って、実は敵対関係にでもあったりするのでしょうかねぇ(-_-;;)。
田中芳樹のごとき「善意の作品提供」すらも「制作サイドの悪意」に利用される世の中なのですから、作家の権利を保証し相応のギャラを確保させるための制度は必須と言えるのではないでしょうか?

タイタニア4巻の2013年2月18日時点の執筆状況

2013年2月18日に、らいとすたっふでタイタニア4巻の原稿引き渡しがあったみたいですね↓

https://twitter.com/adachi_hiro/status/303675590270144513
<今日は軽井沢に行くのだが(というか、いま行く土地なのだが)、会社では田中さんが編集さんに「タイタニア」の原稿を渡すことになっている。さて、今回は何枚くらい渡せるのかな。まだまだ先は長いのだけどね。>

https://twitter.com/wrightstaff/status/303704932803039235
<本日、『タイタニア4』の原稿受け渡しがありました。少しずつですが、着実に進んでいます。>

去年の年末にタイタニア4巻第1章の原稿を編集に渡していたとの情報がありましたから、今回は2章~3章辺りの引き渡しといったところになるのでしょうか?
未だ折り返し地点にも到達していないようで、確かにまだまだ先は長いと言わざるをえないですね(-_-;;)。
この調子では、やはり年内に新刊が刊行されるのは難しい状況であるのではないかと。
何しろ、最近は田中芳樹の執筆速度の問題だけでなく、脱稿してから出版されるまでについても相当な時間がかかるみたいなのですし。
過去には、脱稿から初版発行まで4ヶ月近くも費やした、などという事例まであったくらいですからねぇ。
何か出版社の経営的な事情でも絡んでいるのでなければ、田中芳樹の担当編集が相当なまでに無能であるとしか言いようがないのですが。
年内に刊行できるためのタイムリミットがあるとすれば、それは今年の9月一杯ということにでもなるでしょうか。
正直、とてもそれまでに田中芳樹がタイタニア4巻を脱稿するとは思えないところなのですけど……。

銀英伝舞台版第三章「内乱」の配役発表

銀英伝舞台版公式サイトが更新され、第三章「内乱」の配役が発表されました。
ヤン役が引き続き河村隆一が担当するなど前章と同じ配役がある一方、帝国サイドはかなり配役が変更されています。

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
第三章「内乱」公式ページ
http://www.gineiden.jp/nairan/
第三章「内乱」キャスト一覧
http://gineiden.jp/nairan/gn0_cast.html

今回の舞台では、過去の舞台における配役の多くが変更されているみたいですね。
これまでと配役が変わらないのは以下の通り↓

同盟サイド
ヤン・ウェンリー = 河村隆一
フレデリカ・グリーンヒル = はねゆり
ジェシカ・エドワーズ = 馬渕英俚可
オリビエ・ポプラン = 中川晃教
イワン・コーネフ = 中村誠治郎
ヨブ・トリューニヒト = 井田圀彦

帝国サイド
アンネローゼ・フォン・グリューネワルト = 白羽ゆり
パウル・フォン・オーベルシュタイン = 貴水博之
アンスバッハ = 高山猛久

特に帝国サイドはラインハルトやキルヒアイスといったメインキャラクター達も含め、配役の多くが入れ替わる事態となってしまっているようで。
どんな「大人の事情」が蠢いているのかは知りませんが、キャストの頻繁な変更というのは物語の継続性やキャラクター性の観点から言っても望ましくないことであるはずなのですけどねぇ(-_-;;)。
まあ、今作の主人公兼筆頭的存在らしいヤン役の河村隆一は何とか健在のようですし、その点は評価すべきなのでしょうか。
ただ一方で、外伝舞台で不評の嵐だったらしい横尾渉と二階堂高嗣も続投のようで、この辺りはブーイングが大いに懸念されるところではありますね。
あの2人は、舞台版公式ブログを炎上させるほどの悪評を誇っているわけですし(苦笑)。
客足を遠ざけてしまうほどに評判が悪いのにこの2人をなお出演させるって、舞台版銀英伝を企画した面々も一体何を考えているのやら。

そこはかとなく不安な要素を滲ませる今度の舞台、果たして大丈夫なのでしょうかねぇ……。

オリジナルな展開を本格的に始動させたコミック版の薬師寺シリーズ

垣野内成美が連載しているコミック版の薬師寺シリーズで、完全なオリジナルストーリーを元にした巻が出版されています。
月刊連載に対する田中芳樹の桁外れな遅筆ぶりに、連載側がついに見切りをつけざるをえなくなった形ですね↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2013/01/post-dcf9.html
>  田中さんの『薬師寺涼子の怪奇事件簿』を原作に、垣野内成美さんがコミックを描いてくださっております。
>  田中さんも、毎月、雑誌「アフタヌーン」が届くたび、垣野内さんの筆により活き活きと活躍する涼子の姿を楽しみに読んでおります。
>  で。
>  垣野内さんのコミック版は月刊連載。田中さんの原作は、不定期…と言えば聞こえは良いのですが、いささか停滞気味。
>  
ついにコミック版が追いついてしまいました。
>  そこで、「アフタヌーン」編集部の担当N氏が考えたのがコミック版オリジナル・ストーリー。
>  
もともと田中作品を愛読してくださっていた脚本家の植竹須美男氏の手によってストーリーが作られ、これを垣野内さんがコミックに仕立てて下さいました。
>  私はストーリーの段階からチェックさせていただいたのですが、さすが植竹さん。しっかり「お涼」の世界になっておりました。もちろん、
田中さん本人もすっかりお気に召したようで「これはいいなあ。これから先も原作がなくても大丈夫だ」などと口走り、担当さんに白い目で見られておりました(笑)。

いや、冗談抜きで原作者の存在意義は皆無なのですし、もう原作者はいらないのではないかと結構本気で思えてならないのですが(笑)。
田中芳樹が原作を書いたところで、原作の品質はひたすらに下がる一方でしかないのですから(爆)。
まあ、講談社その他出版社の担当者にしてみれば、そんなことをされたら自社の売上や自分の評価などに響くわけですから必死にならざるをえないのでしょうけど。
加えて、現在執筆中のタイタニア4巻に、次に執筆予定のアルスラーン戦記14巻が控えている事情を鑑みると、次の薬師寺シリーズの新刊が出るまでには、早くても3年以上はかかることになるでしょうし。
連載を完全に打ち切るか、田中芳樹を完全に除外した連載継続の体制を本格的に構築するかしないと、これ以上のコミック版の連載は出版社の視点から見ても不安定要素が大きすぎるでしょう。
今回のオリジナルストーリー作成だって、今後も永続的に続いていくという保証はどこにもないわけなのですから。
というか、オリジナルストーリーの方が原作よりも人気になった場合、原作者の面目は丸潰れもいいところなのではないですかねぇ(苦笑)。
かつてのシェアードワールド作品と異なり、薬師寺シリーズは原作の品質が悪すぎるのですから、そういう事態も充分にありえるわけですし。
コミック版の薬師寺シリーズの今後については、連載継続にせよ打ち切りにせよ、田中芳樹界隈にとっては何とも笑える喜劇的な展開が待っているような気がしてなりませんね(^_^;;)。
もちろん、自業自得な田中芳樹はともかく、原作者の職務怠慢に振り回される周囲の人間にとっては、何とも気の毒な話ではあるのですが。

実は田中芳樹はマイナー映画の愛好家だった?

http://twitter.com/adachi_hiro/status/292834969280192512
田中芳樹さんがマイナー映画が好きって言う話。同じような感覚を持つ人たちを集めて、それぞれが自分の推薦する映画のビデオを持ち寄って鑑賞する会を開いたら面白そう、と思ったけど、立ちあわされるのは私だと気付いて辞めた。>

田中芳樹って、実は映画そのものが嫌いなのではないかとすら私は考えていたくらいなのですけどね。
何しろ、過去にはこんなタワゴトをくっちゃべっていた経緯もあるわけで↓

イギリス病のすすめ・文庫版 P185
<田中:
 政権交代があることを当然と思ってるところと、現実にないところではね、意識が全然違う。
ぼくは映画の「インディペンデンス・デイ」に見られるようなアメリカ人のセンスをなにかと言うと笑い話のネタにしてるけども……。(笑)
土屋:
 うん、ぼくもそうだから。(笑)>

アメリカの1映画、それも全体的な傾向を代表しているわけでもない作品を論って「アメリカ人のセンス」なるものを嘲笑っている人間のどこに、映画に対する理解や愛情などといったものが存在するのかと、何度も私は考えざるをえなかったくらいなのですが。
ディズニー映画についても、「既存作品の借り物」「独創性がない」などと散々な評価を叩きつけまくっていましたし。
田中芳樹は映画というものが大嫌いで、極端なことを言えば「映画のポスターを見ただけで映画批評をやっている」レベルの人間であろうとすら、私は偏見混じりに見做していたくらいだったのですけどね(苦笑)。
田中芳樹の映画評というのは、映画を観賞する手間すら惜しむ人間が、巷に溢れる俗説的な映画レビューをコピー改変しながら適当に殴り書きしたようなシロモノでしかなかったのですから(爆)。
そんな田中芳樹が実はマイナー映画の愛好家だったとは、逆の意味で驚きですね。
一体どんな映画が好みだったのやら。

田中芳樹が「神様のカルテ」文庫版の解説を担当?

2013年最初の記事となります。
いささか遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

さて、年明け早々、田中芳樹が「神様のカルテ2」文庫版の解説を書いたという情報が飛び込んできました。

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2013/01/post-54b6.html
>  新年最初のニュースは、田中さんが文庫の解説を書かせて頂いた、という話。
>
>  シリーズ累計258万部突破……って、ちょっと想像もつかないほどのヒット作、
夏川草介さんの『神様のカルテ』第2巻が小学館文庫に収められ、その解説を田中さんが書かせて頂きました。
>  信州の病院に勤務する内科医、栗原一止と、その周りの人間模様を描いた本シリーズは、前作と本作、二年連続で本屋大賞にノミネートされるヒット作となりました。
>  さらには、このたび櫻井翔さん、宮崎あおいさん、藤原竜也さんで映画化されることが決まったとのこと。

しかしまあ、田中芳樹と「神様のカルテ」って、これ以上ないほどに水と油な関係ですね(苦笑)。
「戦争か妖怪を出さなければ話が前に進まない」などと評されることすらあるほどに戦争物や非日常系な小説ばかり世に出している田中芳樹が、そのどちらも全く出てこない医療現場の日常風景や登場人物達の葛藤を描いた作品の解説をするというのですから。
田中芳樹が好きらしい推理物ミステリー系の話というわけでもないのですし。
田中芳樹と「神様のカルテ」で唯一関連がありそうな縁と言えば、銀英伝舞台版第二章の同盟編でシドニー・シトレ役を演じた西岡徳馬が、映画「神様のカルテ」でも主人公をスカウトしようとする信濃医大教授・高山秀一郎役として出演していたことくらいでしょうか。
一体どんなしがらみから田中芳樹が「神様のカルテ2」の解説などをすることになったのか、その経緯は大いに興味をそそられますね。
まあそれ以前の問題として、現在タイタニア4巻を執筆しているらしい田中芳樹が、余所様の小説の解説などを書いているヒマがあるのかと、いつものごとく嘆かざるをえないところではあるのですが(-_-;;)。

ちなみに「神様のカルテ」の続編映画については、現時点ではまだ製作が決定したばかりで公開予定までは明らかになっていないようですが、公開されたら私は確実に観に行くことになると思います。
シリーズの主人公夫婦役である櫻井翔&宮崎あおいに加えて、「デスノート」「カイジ」シリーズの藤原竜也が出演するとなれば、内容にも充分に期待できるものがあります。
ストーリー的にも、前作のラストで妊娠が発覚した主人公の奥さんや主人公自身の動向がどうなるのか、気になるところですし。
こちらは続報を期待して待つことになりそうですね。

タイタニア4巻の2012年年末時点の執筆状況

http://twitter.com/adachi_hiro/status/284617077107597312
<そうそう。一昨日、田中さんが『タイタニア』第4巻の第一章を編集さんに渡したよ。おいらも読んでみたけど、さすがだ、文体変わってないわ。まあ、「先生、この船、もう沈んでます」とか、些細なミスはあったけど。……些細か? >

……えーと、確かタイタニア4巻って、いくら遅く見積もっても2012年7月からは既に書き始めているはずですよね?
「らいとすたっふ」社長氏の公式発表によれば、薬師寺シリーズ9巻の脱稿が2012年4月で、その後5月から6月にかけて短編を執筆してからタイタニア4巻執筆に入ったらしいので。
その後全く続報がないので、「本当に書いているのか?」という疑問すら抱かざるをえなかったくらいだったのですが、とりあえず書いてはいたようで、それ「だけ」は何よりですね。

ただ正直、例によって例のごとくあまりにも執筆速度が遅いとは嫌でも評価せざるをえないところなのですけど。
過去の事例でみる限り、タイタニア4巻は8章~10章くらいの構成になるかと思われるのですが、半年近くもかけてやっと1章って、いったいどれだけ時間をかけているのかと。
田中芳樹の執筆速度は、終盤に近づけば近づくほど上がっていくという傾向があるので、単純に「1章につき半年=完成までに4年~5年」という計算式が必ずしも成り立つわけではないのですが、それでも来年中の脱稿は既に絶望的なものがあると見做さざるをえない状況ではありますね(T_T)。
ただでさえ今回は、ストレス解消気分で書ける薬師寺シリーズのごとき「手軽さ」がまるでないのですし。
さらに昨今の田中芳樹的には、先の衆院選でせっかく自分が魂まで込めて入れあげていたであろう民主党の惨敗と第二次安倍政権の発足というダブルパンチを食らってしまい、薬師寺シリーズでのストレス発散行為がやりたくてやりたくてたまらない状況にもあるでしょうからねぇ(苦笑)。
その激しい衝動に耐えながらの執筆というのは、田中芳樹的にはなかなかに辛いものがあるのではないかと(爆)。
その点に関して「だけ」はさすがに同情申し上げたいところではあるのですが、しかし新刊の執筆についてはきっちりキリキリと行って頂かなくてはなりません。
来年中に脱稿まで行けば凄い、などと評価しなければならないところに、田中芳樹の執筆状況の悲惨な惨状が浮き彫りになっているのですが、果たしてそういう「奇跡」の類というのは実現しえるものなのでしょうかねぇ(-_-;;)。

銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察17

二次小説投稿サイト「にじファン」の閉鎖後、同主旨のサイト「暁」に移転した銀英伝二次小説「銀河英雄伝説~新たなる潮流」は、すっかり更新ペースが遅くなってしまいました。
更新自体も、以前は「本編」と「亡命編」の長編一本に絞っての頻繁な更新だったものが、「にじファン」閉鎖後は「異伝」や「美しい夢」など、長年放置されていたシリーズの執筆が多くなっています。
両シリーズの更新が遅々たるものになったのは、「本編」はもはや消化試合的な感が否めなくなっており、「亡命編」はストーリー自体があまりにもトンデモ&無理筋&主人公を勝たせ過ぎなために、それぞれ話の展開がやりづらくなったという事情が、少なからぬ影響を与えているのではないかと思われます。
しかし、「では今まで放置されていたシリーズがなぜ突然再開されたのか?」という疑問はどうにも拭えないところですね。
「本編」と「亡命編」以外のシリーズは途中放棄されていたも同然の惨状を呈していたのですから、そのまま継続して放置か、もしくは「本編」「亡命編」の完結で再開されるかのどちらかとばかり考えていましたし。
そもそも、あんな風に複数のシリーズの同時並行的な進行などやっていては、よほどの速筆でもない限り1シリーズ毎の更新速度が遅くなる上、田中芳樹のごとく収集がつかなくなった挙句の「燃え尽き症候群」にも陥りかねないのではないかと思えてならないのですけどね。
「本編」「亡命編」がなかなか先に進められないことに対する逃避行為、という要素もあるのかもしれませんが……。
作者氏の思惑はともかく、銀英伝の原作者たる田中芳樹の壮絶な遅筆&作品劣化ぶりに悩まされ続けてきた一読者的には、「1話完結等の短編ならまだしも、新しい長編シリーズを始めるのであれば、既存のシリーズを完結OR断筆宣言させてからにして欲しい」というのが正直なところです。
四方八方に色々なシリーズを立ち上げた挙句にことごとく放置してしまった田中芳樹の悪癖を、こんな形でなぞる必要はないでしょうにねぇ(T_T)。

というわけで、今回は久々にエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察を再開してみたいと思います。
以前に比べれば亀のごとく鈍重なペースながらも、ようやくある程度話数もたまってきたわけですし。
なお、「亡命編」のストーリーおよび過去の考察については以下のリンク先を参照↓

亡命編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://www.akatsuki-novels.com/stories/index/novel_id~116
銀英伝2次創作「亡命編」におけるエーリッヒ・ヴァレンシュタイン考察
その1  その2  その3  その4  その5  その6  その7  その8  その9  その10  その11  その12  その13  その14  その15  その16

さて今回はヴァレンシュタイン本人ではなく、その周辺および敵対陣営の人間による発言を追ってみたいと思います。
今回取り上げるそれらの発言には、明らかに作者氏がヴァレンシュタインの言動を擁護することを最優先目的に作り上げたとしか思えない内容が含まれており、しかもそのことによって作品の合理性までもが大きく損なわれてしまっています。
その最初のものは、73話でラインハルトと幕僚達がヴァレンシュタインの過去の動向について推察していた際に発生しています↓

http://www.akatsuki-novels.com/stories/view/1916/novel_id~116
> 「小官が思うに事態はもっと深刻かもしれません」
> 「?」
> 言葉通り、クレメンツは深刻な表情をしている。クレメンツは何に気付いた?ケスラーを見た、彼はクレメンツを見ている。
>
> 「第六次イゼルローン要塞攻略戦で反乱軍の総司令官、ロボス元帥を解任したのは参謀長のグリーンヒル大将と言われていますが、それを提案したのはヴァレンシュタインです」
> クレメンツの声が会議室に流れる。何かを確かめるような声だ、そして表情も厳しい。
>
> 「軍法会議ではロボス元帥は軍の勝利よりも己個人の野心を優先させようとした、従って解任は止むを得ないものと判断されました」
> 「それがどうかしたか」
> 俺の問いかけにクレメンツが俺を、ケスラーを交互に見た。
>
>
「ロボス元帥解任後、宇宙艦隊司令長官になったのはシトレ元帥……。これが最初から仕組まれたものだとしたら……」
>
「……仕組まれた……、どういう事だ、副参謀長……」
> ケスラーの声が震えている。クレメンツがまた俺を、そしてケスラーを見た。昏い眼だ、どこか怯えのような色が有る様に見えたのは気のせいだろうか。
>
> 「ロボス元帥が解任された遠因はヴァンフリート星域の会戦に有ると小官は考えています。あの戦いはヴァレンシュタインの作戦により反乱軍の勝利に終わりました。しかし、あの戦いでロボス元帥は決戦に間に合わず面目を潰した……」
>
> 「覚えている、ヴァンフリート4=2に来た反乱軍は第五艦隊、そして第十二艦隊の二個艦隊だった。総司令官であるロボス元帥はあそこには来なかった。何度も戦闘詳報を読んだから覚えている……」
>
> 味方を収容して逃げる俺には状況を確認する余裕などなかった。何が起きたのかを知るため何度も戦闘詳報を読んだ。読む度に体が震えた、負けるとはこういう事なのかと思った。苦い思い出だ。
>
>
面目を潰されたロボス元帥は第六次イゼルローン要塞攻略戦で焦りから不適切な命令を出し解任されました、解任の提案者はヴァレンシュタイン……」
> クレメンツの声が続く。ヴァンフリート星域会戦を勝利に導いたのはヴァレンシュタイン、そして第六次イゼルローン要塞攻略戦でロボス元帥の解任を提案したのもヴァレンシュタイン……。
>
>
「……ロボス元帥は嵌められたと卿は考えているのか?」
>
「そうとしか思えません」
> 俺の問いかけにクレメンツが頷いた。

ここで挙げられている仮説「ロボスが嵌められた」というのは、亡命編のストーリーを見れば過大評価の類に属するものでしかありません。
73話における会話シーンは、ヴァレンシュタインを過大評価して必要以上に恐れおののく元原作主人公率いる敵対陣営の構図という、典型的なメアリー・スー的描写を描くために準備されたものだったのでしょう。
しかし実際の真相を知ろうものならば、彼らは作者氏の意図に反して、「事実は小説よりも奇なり」「現実って一体何なのだろう?」と、その桁外れな非現実性にむしろさらに目を剥いて驚愕せざるをえなかったことでしょうね(苦笑)。
何しろ、ロボスとヴァレンシュタインとの間には、「他人を嵌める」だけのことが可能となるだけの人間関係など皆無なばかりか、むしろ「いつ殴り合いを演じてもおかしくないほどの敵対関係」にすらあったのですから。
そもそもヴァレンシュタインは、会戦当初は、ロボスに陸戦部隊を壊滅させた後、会戦終了後に「兵を無為に死なせた」という責任を問うことでロボスを処断する方法を画策していましたし、表面的な態度でさえも露骨なまでに敵意剥き出しな言動に終始してもいました。
第6次イゼルローン要塞攻防戦におけるヴァレンシュタインのロボスに対する態度に深慮遠謀とか一貫性とかいった高尚なシロモノなど一切なく、上官侮辱罪ものの罵倒を繰り出した後に誠実な提言を行なったりするという支離滅裂な言動を披露してすらいるわけでしょう
ロボスがヴァレンシュタインに嵌められるためには、ロボスとヴァレンシュタインとの間に一定の信頼関係が醸成されており、ヴァレンシュタインの言動をロボスがある程度受け入れる人間関係が存在することが前提条件とならざるをえないのですが、両者はそのような関係には全くなかったのです。
公衆の面前でロボスに対し面と向かって直截的に罵倒を並べ立てるなどという、上官侮辱罪を立派に構成する違反行為を堂々とやらかしてすらいるヴァレンシュタインがロボスを嵌めるなど、どうやっても不可能そのものでしょうね。
しかし、陰謀論の観点からヴァレンシュタインを検証するのであれば、むしろ「何故ヴァレンシュタインはロボスから全く処断されることがなかったのか?」という点から問題視すべきだったでしょう。
一連のヴァレンシュタインの言動は、ロボスの個人的感情はむろんのこと、政治的立場や軍司令官としての権限から見てさえも、処断される口実としては充分過ぎるものがあったのですから。
ロボス失脚後のヴァレンシュタイン自身、「軍のトップの意に従わないものはクビにすれば良い」と主張したり、各艦隊司令官達や部下から直接意見を述べることすら憚られるほど恐れられたりもしているのですから、軍のナンバー2の立場にあるロボスが、それも新参者のヴァレンシュタイン相手に断固たる処罰ができない理由など、宇宙の果てまで探してもあるはずがないでしょうに。
むしろ、理屈もへったくれもなく感情任せに処断してもおかしくないくらいなのですし。
第6次イゼルローン要塞攻防戦においては、総司令部内部で交わされた作戦内容の節々に至るまで帝国側に網羅されていることが明示されている(39話)のですから、ラインハルト一派もロボスに対するヴァレンシュタインの上官侮辱罪行為を当然熟知しているはずでしょうに、何故その驚愕の事実は完全無視を決め込んでメアリー・スーな推論を掲げたりするのでしょうかねぇ(-_-;;)。
「亡命編」だけでなく、「銀河英雄伝説~新たなる潮流」の各シリーズに登場するヴァレンシュタインを論じるに際しては、「アレだけ好き勝手なことをやりまくっていて何故罰せられないのか?」というテーマを避けて通ることはできないはずなのですが……。

また、ラインハルト一派の推論にはもうひとつ大きな問題があります。
それは、「不適切な命令だからと言って、新参者の大佐(当時)でしかなかったヴァレンシュタインが総司令官の解任を進言するような行為が果たして妥当と言えるのか?」という視点と疑問がないことです。
たとえ如何に不当なものであったとしても、軍において上官の命令が絶対であることは、古今東西、また帝国・同盟を問わず基本中の基本な鉄則です。
その例外兼緊急避難措置として下位の軍人による上官の排除を定めた自由惑星同盟軍規定第214条にしたところで、それが認められるのは「指揮官が精神的、肉体的な要因で指揮を執れない、或いは指揮を執るには不適格だと判断された場合(指揮官が指揮を執ることで味方に重大な損害を与えかねない場合)」という特殊な場合のみに過ぎないわけです。
考察11でも述べたことですが、「亡命編」におけるロボスの場合は214条で挙げられているケースのいずれにも該当することはなく、このようなことが認められようものならば、それが判例となって今後の軍の運用それ自体に重要な支障をきたすようなシロモノですらありえるでしょう。
法的な観点から見れば、ヴァレンシュタインの主張などは到底認められるものではなく、逆にヴァレンシュタインの方こそが「軍の秩序を悪戯に乱し軍規に違反した」として処罰を受けなければならないシロモノでしかないのです。
そして、身分制度があるが故に同盟以上に上意下達を絶対なものとしているであろう帝国の軍人であるラインハルト一派が、このヴァレンシュタインの行為の妥当性について何ら疑問を抱くことがないというのは実に不思議な話でしかありません。
さらに笑止なのは、メアリー・スー的な「原作主人公による二次創作主人公礼賛&恐怖から来る過大評価や陰謀論」を描く意図があったであろう作者氏の思惑に反して、実は彼らの主張こそが作中のストーリーにおいて最も正鵠を射た有力な説になってしまっていることです。
ラインハルト一派の面々は、38話における軍法会議に至るまでの顛末を以下のように推測しているのですが↓

http://www.akatsuki-novels.com/stories/view/1916/novel_id~116
> 「有り得ない、総司令官を嵌めるなど……」
> ケスラーが呻くような口調で呟いている。俺も同感だ、そんな事が有るとは思えない。
> 「卿の考えすぎではないか」
> しかしクレメンツはそうではないと言うように首を横に振った。
>
> 「彼一人でやったわけではないでしょう、ヴァンフリートにヴァレンシュタインを派遣したのはシトレ元帥です」
> 「つまり、シトレ元帥とヴァレンシュタインが手を組んでロボス元帥を陥れた……」
> 声が掠れた。そんな俺をクレメンツが見ている、そして頷いた。
>
> 「第五次イゼルローン要塞攻略戦、ヴァレンシュタインが亡命した戦いですが、この時の反乱軍の総司令官がシトレ元帥です。あの二人はそこで出会っているのですよ……」
> 顔が強張る、ケスラーも顔が強張っている。有り得ない、有り得ない事だ。しかし……その有り得ない事を行ってきたのがヴァレンシュタインではなかったか……。クレメンツの声が続いた。
>
> 「小官はこう考えています。ヴァレンシュタインは両親を殺害された後、士官学校に入校しました。理由は貴族達への復讐と帝国の改革のためだったと思います。そのためには力が必要だと思ったのでしょう」
> 「……」
>
> ごく自然に頷けた。俺も力が欲しかった。姉上を救い、皇帝になるために……。だから力を得るために軍に入った。俺もヴァレンシュタインも無力な存在だ、力を得ようと思えば考える事は同じだ。クレメンツの声が続く、ゆっくりと自分の考えを確かめながら話しているような口調だ。
>

(中略)
>
>
「シトレ元帥はそんなヴァレンシュタインの力を見抜いたのだと思います。そして積極的に彼を受け入れるべきだと考えた。しかしロボス元帥は違った。彼はシトレ元帥とは敵対していた。当然ヴァレンシュタインに対する扱いも違ったのでしょう」
>
> 「シトレ元帥はそんなロボス元帥に不満を持った、卿はそういうのだな」
> 俺の問いかけにクレメンツは無言で頷いた。確かに
シトレは不満に思っただろう。ヴァレンシュタインを用いれば帝国との戦いを有利に進められる、そう思ったはずだ。そしてヴァレンシュタインを活用できるのは自分だけだと思った……。
>
> 「シトレ元帥だけではないでしょう、ヴァレンシュタインも同様だったはずです。彼はカストロプ公によって全てを失った。それがリヒテンラーデ侯の、帝国の方針だと知っていた……」
> 「……」
>
> 「である以上、彼はカストロプ公が粛清されるまで自分が帝国に戻れる可能性は無いと思ったはずです。そして何よりもヴァレンシュタインのカストロプ公、リヒテンラーデ侯への恨みは強かったでしょう。彼に残されたのは帝国への報復しかなかった。そして彼が帝国に報復するには同盟の力を借りるしかない……」
>
> 「シトレ元帥とヴァレンシュタイン……、この二人が結びつくのは必然という事か」
> 「その通りです、ケスラー参謀長」
> クレメンツとケスラーが顔を見合わせて頷き合っている。二人とも顔色が良くない。

作者氏が意図しているであろう「過大評価な陰謀論」らしく、ところどころに事実の間違いが含有されている推論ではあるのですが、ことシトレに関してだけは事実関係的にも全面的に正しいことを述べていると評価しても良いのではないですかね?
でなければ、ヴァレンシュタインは「伝説の17話」や38話の軍法会議でとっくの昔に「亡命編」の世界から退場を余儀なくされていたでしょうし、他にも軍紀違反に問われる違法行為の数々がありながら、しかも亡命者の身で、あそこまで出世などできるはずもないのですから。
シトレの超がつくレベルの強力なバックアップがあり、ロボスに対しても「ヴァレンシュタインに何かしたら、ありとあらゆる手段を用いてお前を社会的に抹殺する」的な脅しないし圧力でもかけていたというのであれば、ロボスがヴァレンシュタインを処断できなかった理由もある程度は説明可能なのですし。
権力も出自も何もない同盟における亡命者としてのヴァレンシュタインが、あそこまで好き勝手やりまくりながら何の処罰も受けない理由が、皮肉にもシトレのバックアップ説でかなりの部分が説明できてしまうわけです。
とはいえこの説では、メアリー・スー的なヴァレンシュタインの「強さ」が実は門閥貴族もビックリな要素で構成されている、ということにもなりかねないのですけどね。
シトレが権力に物を言わせて押しまくっている豪奢な乳母車にふてぶてしく鎮座し、その威光を背景に好き勝手な言動を披露しまくり、しかもそれによって罪に問われることなく免罪されていることを自分の実力がもたらしたものであると勘違いしている。
そんな原作知識ともヴァレンシュタイン自身の才幹とも全く関係のない「虎の威を借るキツネ」的な構図の一体どこに、メアリー・スー的な最強主人公のチートぶりを楽しめる部分があるというのでしょうか?
自分の足で立って歩いている、とは到底言えたものではないでしょう、ヴァレンシュタインは。
ヴァレンシュタインがのし上がっていく過程のストーリーがトンデモ&無理筋だらけで、作中における肝心要な問題点をスルーしていったがために、本来根拠のない過大評価&陰謀論が却って説得力のある正論になってしまっている、という図式ですね(笑)。
それとも作品や作者氏的には、かくのごときヴァレンシュタインに纏わる醜悪な権力構図を露わにすることで、ヴァレンシュタインを卑小な人間として描く的な意図でもあったりしたのでしょうか?
作中のストーリーの流れを見る限り、とてもそのような「高尚な」意図があるようには思えないのですが……。

さて、ラインハルト一派によるヴァレンシュタイン論については、それでもまだ、彼らが同盟と敵対する側であり、かつヴァレンシュタインという人間そのものを間近で常に見ることがないが故の過大評価として見ることも不可能ではないかもしれません。
しかし、76話におけるヤンが「伝説の17話」をフレデリカに話しているシーンについては、そういう擁護論すら適用することができません。
相も変わらず、擦り切れたテープレコーダーのごとき十年一昔な破綻論理を繰り出すしかないときていますし↓

http://www.akatsuki-novels.com/stories/view/2687/novel_id~116
> 連絡艇の窓からハトホルが見える。第三艦隊旗艦ク・ホリンに比べるとアンテナが多い、通信機能を充実したようだ。ハトホルを見ているとヤン提督の呟きが聞こえた。
>
「ヴァンフリートの一時間か……」
>
> 驚いて提督に視線を向けると提督は私に気付いたのだろう、視線を避ける様に顔を背けた。“ヴァンフリートの一時間”、以前にも聞いた事が有る。あれは第七次イゼルローン要塞攻略戦でのことだった。あの時、ワイドボーン提督がヤン提督に言った言葉だった。“ヴァンフリートの一時間から目を逸らすつもりか?”……。一体どういう意味なのか、分かっているのはそれがヴァレンシュタイン提督に関係しているという事だけだ……。
>

(中略)
>
> 「私は当時第八艦隊司令部に居た。だがヴァレンシュタイン提督の要請で第五艦隊司令部に異動になった」
> 「第五艦隊?」
> ヤン提督が頷いた。提督の表情は暗い。
>
> 第五艦隊はヴァンフリート星域の会戦に参加している。ヤン提督はヴァレンシュタイン提督の要請で第五艦隊に異動になった……。つまりヤン提督の協力が必要だったという事だろう……。ヤン提督は憂欝そうな表情をしている。提督は協力できなかった、そういう事なのだろうか? しかし戦争は同盟の大勝利で終わっている。第五艦隊は決戦の場で活躍した殊勲艦隊のはずだ。ヴァンフリートの一時間、一体何を意味するのか……。
>

(中略)
>
> ヴァレンシュタイン提督は当時まだ少佐だったはずだ。しかも総司令部の参謀でもなかった……。
> 「可能だと思ったのだろうね。そして実際に会戦はヴァレンシュタイン提督のコントロール下に置かれた……。彼が私に望んだ事はロボス総司令官が軍を把握できなくなった場合、そして帝国軍がヴァンフリート4=2に襲来した場合、第五艦隊を速やかにヴァンフリート4=2へ導く事だった……」
>
> ヤン提督はそれきり黙り込んだ。憂鬱そうな横顔だ、視線は小さくなりつつあるハトホルに向けられている。
> 「……一時間と言うのは……」
> 私が問いかけるとヤン提督は微かに横顔に笑みを浮かべた。苦笑? 自嘲だろうか、そして口を開いた。
>
> 「そう、ヴァンフリート4=2への移動が一時間遅れた。第五艦隊が基地からの救援要請を受け取った時、私は基地の救援をビュコック提督に進言したんだが第五艦隊司令部の参謀達がそれに反対した……。最終的にはビュコック提督が基地の救援を命じたが一時間はロスしただろう」
>
> ヤン提督はまだ笑みを浮かべている。多分自嘲だろう、提督はヴァレンシュタイン提督の期待に応えられなかった……。ヤン提督が私を見た、そして直ぐに視線を逸らした。まるで逃げるかのように……。
>
> 「会戦後、ヴァレンシュタイン提督に自分の予測より一時間来援が遅いと指摘されたよ。そしてエル・ファシルで味方を見殺しにしたように自分達を見殺しにするつもりだったのかと非難された……」
>
> 「そんな! あれはリンチ少将が私達を見捨てたのです。提督は私達を救ってくれました。非難されるなど不当です! 何も知らないくせに!」
> 許せない! あの時の私達の不安、絶望を知らないくせに……。リンチ少将、あの恥知らずが逃げた時、ヤン提督が居なければ私達は皆帝国に連れ去られていた。それがどれほど怖かったか……。私の身体は小刻みに震えていた、怒り、恐怖、そしてヴァレンシュタイン提督への憎悪……。
>
>
「彼の言うとおりだ」
> 「提督!」
> 驚いて提督を見た。
ヤン提督は薄い笑みを浮かべている。
> 「提督……」
>
>
「彼の言うとおりなんだ。私はリンチ少将が私達を見捨てる事を知っていた。そしてそれを利用した。私のした事はリンチ少将のした事と何ら変わらない……。今、リンチ少将がここに居たら私は彼と目を合わせる事が出来ないだろう、やましさからね。……私は、……私は英雄なんかじゃない!」
> 「……」

ありとあらゆる意味で破綻だらけな「伝説の17話」こと「ヴァンフリートの一時間」を、この期に及んでもなお執拗に取り上げ続けるつもりなのですねぇ、「亡命編」は。
そりゃストーリー的にはこのエピソードが少なからず重要な位置を占めてはいるのでしょうが、普段は礼賛調な投稿が多くを占める感想欄でさえ非難轟々だった「伝説の17話」は、そこまでして軌道修正すらも拒否して絶対的に正当化しなければならないものなのでしょうか?
ヴァレンシュタインが言うところの「一時間遅れた」云々の発言は、その根拠が原作知識というヴァレンシュタインの脳内にしか存在せず、しかもそれをヤンに提示できていない時点で誇大妄想の域を出ることなんてないでしょう。
しかもその原作知識に基づく歴史の流れ自体、考察4でも述べていたようにヴァレンシュタイン自身の行動によって改変されていた可能性が少なくないわけですし。
リンチの件に至っては、「自分が同じ状況に置かれていたらどういう行動を取るのか?」という命題を故意に無視したダブスタ&ブーメラン発言でしかありえないでしょう。
リンチはヤンや民間人を、それも軍務を放棄してまで見捨てようとしていたのに、見捨てられた側のヤンや民間人がリンチを見殺しにしてはならない理由などどこにもありはしません。
自分が生き残るなどという自己一身の利己的な目的のために、歴史を改変し本来死ぬはずのない人間を戦場で殺してきたヴァレンシュタインごときが、上から目線で偉そうに他者に説教して良いものではないですね。
何度も同じことを言っていますが、全く同じことを自分がやるのはOKなのに、他人がすると途端にNGになるというヴァレンシュタインのダブスタ&ブーメランぶりにはつくづく呆れ果てるものがあります。
で、当事者ではない私でさえあまりの不当ぶりにウンザリせざるをえないヴァレンシュタインの暴走ぶりに対し、ヤンが何故ここまで全面屈服に近い態度を取らなければならないのか、原作におけるヤンの性格から考えてさえも理解に苦しむものがあります。
原作のヤンは、原作3巻の査問会や6巻の不当逮捕劇などを見ても、自分が不当に評価されたり冤罪を着せられたりすることを著しく嫌う性格であることが見て取れますし、その際には「そこで黙って従うのは奴隷であって市民ではない」として全身全霊を挙げて戦うことを全面的に肯定してすらいるくらいなのですが。
ヴァレンシュタインを礼賛したいがために、原作設定を改竄してまでヤンに不当な懺悔の発言をさせるというのは、原作ファンとして見ても気分が良いものとは到底言い難いですね。
さらにその上、原作設定云々以前にいっぱしの社会人ともあろう者が、以下のごときタワゴトな論理をネタではなく真顔で展開できるという事実には、ある意味驚きを隠せないのですが↓

http://www.akatsuki-novels.com/stories/view/2687/novel_id~116
> 吐き捨てるような口調だった。ヤン提督は苦しんでいる、でも私は何も言えなかった……。どれほど提督に非が無いと私が言っても提督は納得しないだろう。それでも無言で居る事は耐えられなかった。なんとか提督を救いたい、そんな気持ちで言葉を出した。
> 「ですが……、ヴァンフリート星域の会戦は同盟軍の勝利で終わりました。その一時間が問題になるとは思えないのですが……」
>
> ヤン提督が私を見て苦笑を漏らした。
> 「バグダッシュ准将が大尉と同じ事を言ったよ。戦争は勝った、何故その一時間に拘るのかと」
> 「……」
>
> 「第五艦隊はヴァンフリート4=2に停泊中のグリンメルスハウゼン艦隊を撃破した。一万二千隻程の敵艦隊の内、逃れる事が出来たのは五百隻程度だったはずだ。本来なら大勝利と言って良い、だがその五百隻の中にラインハルト・フォン・ミューゼルの艦隊が有ったんだ……」
> 「!」
>
> ラインハルト・フォン・ミューゼル、ヴァレンシュタイン中将が天才だと評し恐れている人物。その人物がヴァンフリート4=2に居た、そして逃げた……。彼は今帝国軍中将になり宇宙艦隊司令長官、オフレッサー元帥の信頼が厚いと聞く。驚愕する私の耳朶にヤン提督の自嘲交じりの声が聞こえる。
>
> 「ヴァレンシュタイン中将は私達にこう言った。彼を相手に中途半端な勝利など有り得ない、だが彼は未だ階級が低くその能力を十分に発揮できない。だから必ず勝てる、必ず彼を殺せるだけの手を打った。おそらく最初で最後のチャンスだったはずだと……。そしてこのチャンスを逃した以上、いずれ自分は彼に殺されるだろうと……」
> 「……」
>
> 必死に驚愕を押さえヤン提督を見た。提督は昏い眼をしている。
>
「第五艦隊の来援が一時間早ければグリンメルスハウゼン艦隊を殲滅し、逃げ場を失ったミューゼル中将を捕殺できたはずだった。だがそのチャンスを私が潰してしまった」
> 提督の声は苦みに満ちていた……。

それはヤンが反省すべきことではありません。
一番問題なのは、そういう重要な情報を事前に同盟軍、あるいはシトレとヤンにだけでも提示することなく、会戦終了後に自分の支離滅裂な主張が論破されそうだからと言って後付で出してきたヴァレンシュタイン自身なのですから。

社会人としての基本中の基本である「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」の心得を、ヴァレンシュタインは前世でも今世でも全く学ぶことがなかったとでもいうのでしょうか?
「ほうれんそう」が全く為されていない事案について後付でクレームをつけたところで、普通であれば「じゃあ何故そのような情報を隠していたんだ?」と逆に糾弾されるのがオチですし、ましてやこれが軍であれば重罪に問われても文句は言えない行為ですらあるでしょうに。
というか「亡命編」の作中にさえ、事前に行う「ほうれんそう」の重要性を描写している箇所があったりするのですが↓

http://www.akatsuki-novels.com/stories/view/1876/novel_id~116
> オフレッサーが唸るような口調で話し始めた。呆れているのかもしれない。
> 「カストロプ公は大貴族だ、そして財務尚書でもある。
彼を排除するとなれば事前に根回しが要るだろうが
> 「……」
>
> 「
いざ潰すという時になってリッテンハイム侯が反対したらどうなる? その時点で贄の秘密を話すのか? 侯はへそを曲げるぞ、何故前もって教えなかったとな。それに後任の財務尚書の事もある。おそらくは既にリヒテンラーデ侯、ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯の三者で話し合いがもたれたはずだ、その中で全ての秘密が共有され、そして後任の財務尚書も決まった……」

リッテンハイム侯には普通に通用する論理が、何故ヴァレンシュタインが発信者になると途端に適用されなくなってしまうのでしょうか?
ラインハルトの脅威を隠蔽されていたヤンやシトレだって、ヴァレンシュタインに対して「何故前もって教えなかった」と「へそを曲げる」権利くらいは当然のごとくあるはずなのですが(苦笑)。
前述のように、「ヴァンフリートの一時間」にしたところでヴァレンシュタインの電波な「迷推理」の可能性が濃厚な上に他者に根拠が明示されない以上、ヴァンフリート星域会戦におけるヤンは、その権限から考えても充分に最善を尽くしたと言えます。
それに満足できないのは、ヴァレンシュタインのごとき常軌を逸した被害妄想クレーマーだけです。
ヴァンフリート星域会戦でラインハルトを取り逃がした最大の元凶は、「ほうれんそう」を怠り脳内世界だけで戦争をコントロールしようとしたヴァレンシュタイン自身にこそあるのです。
その責任問題から目を背け、本来一番反省すべき人間が他者に責任を転嫁し、その不当な冤罪行為に一番怒るべき人間が委縮して懺悔をする。
釣りか炎上マーケティングでも意図していたのであれば間違いなく大成功だったと評価もできるのでしょうが、そうでなければこれほどまでに原作ファンを敵に回す描写もそうはないのではないかと。

76話におけるこれ以降の会話なんて、「俺が悪かった、ヴァレンシュタインは素晴らしい」と嘆きまくるヤンと、その場にいなかったにもかかわらず必要以上にヴァレンシュタインの心情を思いやるフレデリカという、実に気持ち悪いメアリー・スー描写のオンパレードですからねぇ(-_-;;)。
原作設定を尊重せず愚劣な理論でもって原作主人公を貶め、オリジナルな主人公を礼賛する行為というのは、メアリー・スーの中でも特に最悪の部類に入る所業なのではないかと、つくづく思えてならないですね。
物語の演出にしてもこれほどまでに自分の作品および原作を貶める愚かな描写というのはそうそうあるものではないですし、もし万が一にも作者氏自身がこんな言動を社会通念的に正しいものであると本気で考えているとしたら、その頭の中身と具合を疑わざるをえない惨状を呈しているとしか評しようがないのですが。
本当に読者に対してヴァレンシュタインを有能に見せたいのであれば、「神(作者)の奇跡」「神(作者)の祝福」などに依存することなく、もちろん朝日新聞の中国礼賛報道のごとき原作主人公達の盲目的なマンセー発言で文章を埋め尽くすでもない、本当の意味での才幹と「有能な敵キャラ」を見せつける必要があるのではないかと思うのですけどね。

次回の考察は、ヴァレンシュタインのフェザーン謀略戦?について述べてみたいと思います。

銀英伝舞台版第三章「内乱」の公演日程&出演キャスト発表

銀英伝舞台版公式サイトが更新され、第三章「内乱」の具体的な公演日程と出演キャストが発表されました。
舞台の公演日程は2013年3月31日~4月13日。
第二章に引き続いて河村隆一が主演のようで、また外伝舞台で悪評の嵐だった横尾渉・二階堂高嗣の両名も出演するとのことです↓

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
第三章「内乱」公式ページ
http://www.gineiden.jp/nairan/

また社長氏も自身のブログで舞台発表の告知を行っています↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/12/post-3a10.html

キャストの顔ぶれから考えると、今度の舞台はヤンを主人公にしつつ、帝国・同盟のキャラクターが入り乱れた形での公演となりそうですね。
ラインハルト&キルヒアイスの配役は否応なく変更を余儀なくされるようですが(T_T)。
しかし横尾渉・二階堂高嗣の両名の出演は、舞台の宣伝をするにはあまりにも逆効果に過ぎるのではないかと思えてならないのですが、一体如何なるコネで出演することになったのでしょうかね?
アレだけ公式ブログのコメント欄で非難轟々だったというのにねぇ(苦笑)。
舞台の興行的な成功を投げ捨ててでも、あの両名を出演させなければならない「大人の事情」が舞台主催者側にあるとでも言うのでしょうか?
確信犯的な炎上マーケティングを狙った戦略などというシロモノが、客層を限定する舞台で通用するとはとても思えないのですが……。

初っ端からマイナスのスタートラインに立つ羽目になりそうな第三章の舞台ですが、果たしてその成否は一体どうなることやら。

イラストに依存している薬師寺シリーズの魅力?

http://twitter.com/adachi_hiro/status/273625695266160641
<いわゆる自炊代行業者さんを一部の作家さんが訴えている話。自炊されるのが嫌だったら自分たちで電子書籍を出してしまえば良いのに。うちの会社は社員4人だけど自前で電子書籍書店を立ち上げてる。「銀英伝」の電子書籍は、けっこう読んでもらっているよ。http://bit.ly/R3CIWo

http://twitter.com/adachi_hiro/status/273642672219115520
<@tora2m 「薬師寺涼子の怪奇事件簿」シリーズの場合、垣野内さんのイラストあっての魅力という気もするので、うちで電子書籍にしても需要があるかなあ。>

確かに、薬師寺シリーズの魅力はあのイラストにあるのであって、田中芳樹の文章など添え物程度のシロモノでしかないですね(苦笑)。
いや、「ない方がマシ」という点では添え物にすらなっていないというか(爆)。
実際問題、前から言っていることではありますが、薬師寺シリーズは垣野内成美がイラストのみならずシナリオや設定も一緒に作った方が、現行よりもはるかに出来が良くなるであろうことは確実なのですし。
作者個人のストレス解消のため「だけ」に存在するシリーズ作品なんて、読者を舐め腐っている以外の何物でもないというのに。
そして、そこまで傾注しているはずのストレス解消ですら、自分がお好きな民主党が相手になると、途端に言及を避けて格下相手に責を求めるときているのですから、その御都合主義とダブスタぶりはもはや失笑レベルなシロモノにまで堕しているわけで。
田中芳樹がストレス解消とやらに邁進すればするほどに、薬師寺涼子や泉田準一郎をはじめとする作中の登場人物達はどんどん低能バカになっていってしまうのですが。
しょうもないストレス解消などのために、自分の作品および自作品の登場人物達を結果として貶めることになっている構図が、田中芳樹には果たして理解できているのでしょうかねぇ(-_-;;)。

田中芳樹が薬師寺シリーズに関わることで生じる利点があるとすれば、それは、
「スレイヤーズと極楽大作戦の元ネタが、作中のどこら辺にどのような形で反映されることになるのか?」
という「パクリ探し」なシロモノしかないでしょう。
主要登場人物はもちろんのこと、薬師寺涼子の姉の薬師寺絹子の露骨極まりない両作品からのパクリっぷりを鑑みても、田中芳樹が完全に開き直った上での確信犯でパクリを展開しているのはほぼ確実なのですし。
どうせそのうち、魔神アシュタロスやルシオラらの昆虫三姉妹的な存在も出てくるでしょうし、薬師寺涼子が幼少時の頃に死んだという設定になっている母親なども、美神令子の母親よろしく「公式では死んだことになっているが実は密かに……」という形で登場しそうな気がしてなりませんし(笑)。
さらにその母親は薬師寺涼子の妹をこれまた密かに出産していて、かつその妹はパイロキネシスの超能力を生まれながらに保持している、などというモロパクリな設定も出てきかねないのではないですかね(爆)。
まあそこまで確信犯的にパクリに徹することができるのであれば、それはいっそ逆に賞賛に値することですらあるのかもしれませんが。

ただ問題なのは、こういう展開が仮に将来ありうる話であったとしても、それが出てくるのは早くても数年以上は先であるという点ですね(-_-;;)。
田中芳樹も、安倍総裁率いる自民党にせよ、橋下徹率いる日本維新の会にせよ、すくなくとも民主党より毛嫌いしていることは確実なのですし、今頃さぞかしストレス解消をしたくてしたくてウズウズしていることではあるでしょうが、当面はタイタニア4巻とアルスラーン戦記14巻の執筆に専念しなければならない身です。
この2つが出るだけで一体何年かかることになるのやら、知れたものではないのですし。
あの想像を絶する遅筆ぶりや、昨今の不安な健康状態などを鑑みると、次の作品が出てくるまでに田中芳樹の寿命そのものが尽きるという可能性も考えられなくはない、というのは何とも厳しい現実ではあります(T_T)。

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