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カテゴリー「田中芳樹関連」の検索結果は以下のとおりです。

銀英伝がGREEゲーム化

銀英伝がSNS大手のGREEでゲーム化されるのだそうです。
提供会社のサイトによると、カードゲーム形式の対戦ゲームとのこと。

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/03/gree-4edf.html
> 株式会社ダーツライブゲームズが、携帯ゲーム大手のGREEで「銀河英雄伝説」のゲームを始めます。
>  詳細は、このダーツライブゲームズのwebサイトをご覧ください。
>  現在、事前登録受け付け中とのことです。
>
>  私自身は、老眼が進んで携帯電話の画面を見るのも一苦労でして、携帯に限らず、ゲーム全般は敬遠していたのですが、こういうゲームを通じて、若いユーザーの皆さんに「銀河英雄伝説」をさらに楽しんでいただけるのは嬉しいものだと思います。
>  どうぞよろしくお願いいたします。

「銀河英雄伝説~銀河帝国編~」GREEで事前登録受付を開始 | 株式会社ダーツライブゲームズ
http://dlgames.co.jp/company/news/2012-03-01.html
> 本タイトルは、「紺碧の艦隊×旭日の艦隊」に続く、「徳間書店×ダーツライブゲームズ」のコラボレーションタイトル第2弾となります。

もう金儲けの意図がひたすら前面に出ているような企画ですね(苦笑)。
GREEのゲームはアイテム課金問題で何かと悪い噂ばかり耳にしますし、案の定、今回のゲームにもアイテム課金制が標準装備で搭載されていたりします。
加えて、徳間書店が今回の件を主導しているというのも「ああ、やっぱり」的な感じではあります。
いつぞやの銀英伝パチンコ売り飛ばし問題の際も、他ならぬ社長氏自身が「徳間書店が主導していた」と明言していましたし↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2007/09/post_b432.html
> 「銀河英雄伝説」のパチンコですが、こちらでは特に演出や監修はしてません。
> 徳間書店さんとの間では、アドバイスを含めた意見交換が行われたかも知れませんけど。
> 先にも書きましたとおり、私はまったくパチンコをしませんので、きっと監修を求められても、何も言えなかったと思います。以前、ネットワーク・ゲームで問題が生じた際、ネットワーク・ゲームで遊んだことのない私では対応がうまくいかず、ファンの皆様に迷惑をおかけしてしまった反省から、その後は
すべて徳間書店さんに版権管理業務をお願いしています。
> 今にして思えば、もっと早くやっておけば良かったと思います。

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2007/09/post_d205.html
> なににせよ、このような大きな話をまとめてきてしまう、徳間書店の版権管理部門は凄いなあ、と素直に思っております。はい。

まあ徳間書店も出版不況で台所事情が苦しいのでしょうし、赤字回避のために使えるものを使って何が悪い、といったところではあるのでしょう。
もちろん、そのスタンスは企業として間違っているわけではないのですが、しかし金持ちや企業の金儲け主義をことある毎に罵り倒してきた我らが御大が、そんなことを許可してやらなければならない理由はどこにもないはずなんですよね。
徳間書店の事情がどうだろうと頑として首を横に振り続け、徳間書店に「イギリス病」という名の貧乏のすすめを説くのが、田中芳樹的には正しい対応ですし、またそうでなければならないはずのですが。
まあ既に「己の作品をパチンコに売り飛ばし」という一種のルビコン川を渡りきった田中芳樹にとって、GREEのアイテム課金問題の片棒を担ぐなど今更な話でしかないのかもしれないのですけどね。
それ以前に、そもそも超がつくアナログ人間である田中芳樹が、GREEという存在自体を果たして知りえているのかどうかすら疑問ではあるのですが(爆)。

カードゲームなんかにして何をするつもりなのかも含め、ゲームの内容や品質に疑問を呈さざるをえないところですね。
そもそも、過去に徳間書店が出した銀英伝関係のコンシューマー系ゲームはクソゲーばかりでしたし(苦笑)。

田中芳樹が携帯電話を変える?

https://twitter.com/adachi_hiro/status/176574007796187136
田中さんに持たせている携帯電話が今年の7月22日で使えなくなるそうで、電話会社から機種変更の案内が来てる。いまは、いわゆる「らくらくホン」みたいなシンプル一辺倒のヤツを渡しているんだけど、さて、次はどうしようか。いきなりandroidというのも面白そうだが。

冗談抜きで面白そうなので、本気でアンドロイドを渡してみたらどうですか?
案外、銀英伝でテレビのリモコンを毛嫌いしていたヤンがリモコンを気に入ったようなことが起きるかもしれませんし(苦笑)。

そもそも、この情報化社会の時代に何故田中芳樹がデジタル系の機器を必死こいて忌避しようとするのか、それがそもそも理解に苦しむところなんですよね。
田中芳樹と同年齢またはそれ以上の年齢層ですら、ネットをやっている人間は決して少数派ではなくなっているというのに。
他ならぬ自分の姉でさえネットをやっているのですから、それを見習うことくらい別にやっても問題はないと思うのですが。
しかも、薬師寺シリーズのような現代物小説を書くとなると、今時の若者のライフスタイルとか流行とか、そういったものを避けて通ることは不可能に近いんですよね。
薬師寺シリーズ8巻でやっていたような「現在何が起こっているのかをネットではなく紙新聞から確認する」などという、今となっては完全無欠に非効率かつ時代錯誤な行為を、今度の新刊でも全く改めることなく作中のキャラクターにやらせるつもりなのでしょうかねぇ、田中芳樹は。
ストーリーを破壊しかねない愚劣な時事評論の類は平気で作中にぶち込むくせに。

ところで、社長氏が田中芳樹に新たに渡そうとしている携帯の今現在の第一候補はこれなのだそうです↓

イエデンワ(WX02A)
http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/wx/02a/index.html
ファイル 554-1.jpg

これでもPHS携帯の一種で、設置が容易かつ乾電池でも動くことが売りなのだとか。
大きさは200×195×76(mm)で重量600gとのことですから、携帯としてはかなり大きい部類になってしまいますが。
日常における持ち運びが非常に不便そうですし、こんなのを持たせられたら十中八九、田中芳樹は「置き電話」として使ってしまうのではないかと思えてならないのですけどね(苦笑)。
まあ、これはさすがに社長氏の釣り的なネタ話ではないか、とは思わなくもないのですが、あの田中芳樹相手だとマジの可能性もありえるのが何とも……。

薬師寺シリーズ9巻の2012年2月時点の執筆状況

https://twitter.com/adachi_hiro/status/172828831130980352
<出社~。今日は田中さんが編集さんに「薬師寺…」の新作の原稿を(途中までだけど)渡す日。これで半分は越えたのかな……。

https://twitter.com/wrightstaff/status/172873076076322818
<田中芳樹最新情報です。『薬師寺涼子の怪奇事件簿』新作ですが、半分まで受け渡しが終わりました。ペースがつかめてきたようです。>

2011年5月下旬頃から執筆が開始されてから9ヶ月も経過してやっと半分とは、相も変わらず、その遅筆ぶりは健在のようで(-_-;;)。
この調子では、薬師寺シリーズの新刊が出るかどうか【だけ】で今年1年が終わってしまいそうですね(T_T)。
これから執筆速度を加速させ原稿執筆を早期に終わらせたとしても、今度は出版社がそれを本にして刊行するまでに3~4ヶ月前後もかかってしまうわけですし。
一体いつまでストレス解消をするつもりなのでしょうかねぇ、田中芳樹は。

しかし、田中芳樹が遅筆なのはいつものことですが、原稿を受け取った出版社の対応までもが遅くなっているというのはどうにも解せないところではあるんですよね。
実は、出版社が田中芳樹サイドより原稿を受け取ってから本を刊行するまでの時間がこれほどまでに増大したのは、ここ最近の話だったりします。
たとえば、2005年に刊行されたアルスラーン戦記11巻の場合、「らいとすたっふ」公式による脱稿宣言が行われ編集者に最終原稿が手渡されたのが8月15日だったのに対し、刊行が9月25日となっています。
また、現時点で最新刊となっている2007年刊行の薬師寺シリーズ8巻も、「らいとすたっふ」社長氏のブログを読む限りでは同年10月中旬~下旬頃に脱稿して12月14日に刊行されています。
この時期までは、脱稿から刊行までだいたい1ヶ月~1ヶ月半、遅くても2ヶ月程度の時間で進行できていたわけですね。
ところが2008年になると、アルスラーン戦記13巻の脱稿が7月10日なのに対し、著書が刊行されたのは10月10日と3ヶ月もかかるようになり、2009年刊行の「蘭陵王」に至っては、5月8日脱稿の9月26日刊行で4ヶ月以上もの時間が必要となっているのです。
脱稿5月6日で著書発売10月31日だった2011年刊行の「髑髏城の花嫁」などは、田中芳樹本人が銀英伝舞台版のニコファーレ会談で直接ネタにしていたくらいですし↓

http://www.gineiden.jp/doumei/special01f.html
司会者:
1500万部、それだけの方たちに届いていて、その中に河村隆一さんもいらっしゃったということですよね。先生、親子2代で読みましたとか、こちらこそありがとうとか、先生に対するコメントもいっぱいリアルタイムで届いていますが、なかなか小説のお仕事ではないことですよね。いかがですか?この会場(ニコファーレ・ニコニコ生放送)の感想は。
田中:
いやぁ、圧倒されまして、何かたいへんな事をしてしまったような感じが(笑)。本当にありがとうございます。ただそれしかいえません。それと、もうひとつ、画面をチラチラ見ているとあの作品はどうなったとか、あの続きはどうしたというコメントがあって、だんだんと、肩の位置が下がってくるんですけれど、
小説というのは生き物でして、これは誓っていいますが、遅らせようと思って遅らせたことは一度もございません。作品のほうが、どうしても遅れるのです(笑)。で、いま書いているのは、9月に出るはずだったのが、これはもう強調しますが、出版社の都合で10月になりました(笑)。もし店頭で見かけましたら、手にとって見ていただければ幸いです。最後までずうずうしくも申し訳ありませんでしたが、本当に改めてありがとうございました。

ここ数年の間に出版社側で何かがあったとしか思えないのですが、一体如何なる「大人の事情」でもってこれほどまでに対応が遅れるようになってしまったのか、気になるところではあります。
出版業界も「出版不況」で売上が下がっているとはよく聞くところですが、リストラをやり過ぎて熟練の編集者が減り、対応に支障が生じるようにでもなってしまったのでしょうかねぇ(-_-;;)。

出版社側の対応まで遅くなってしまうと、ただでさえ自分の遅筆を開き直ったり笑いのネタにしたりしている田中芳樹が、ここぞとばかりに「悪いのは全て出版社」と責任転嫁な自己正当化行為を展開しかねないんですよね。
実際、先述のニコファーレ会談でもそういう言動を披露していたわけですし。
田中芳樹にそんな口実を与えないようにするためにも、出版社側にも迅速な対応をしてもらいたいところではあるのですが……。

銀英伝舞台版の製作メンバーが企画したらしい謎のツアー旅行

銀英伝舞台版公式サイトで「スペシャルツアー」と称する石川県ツアー旅行の参加者募集のページが公開されています。
期間は2012年3月24日~25日の一泊二日で、旅行中は銀英伝舞台版第一章「銀河帝国編」のDVD観賞が行われる他、総計5つの特典付とのこと。

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
第二章 自由惑星同盟編 トップページ
http://www.gineiden.jp/doumei/
銀河英雄伝説 スペシャルツアー2日間 募集
http://www.gineiden.jp/doumei/special02.html
銀河英雄伝説 スペシャルツアー スケジュール詳細(阪急交通社)
http://www.hankyu-travel.com/tour/detail_d.php?p_course_id=47900&p_hei=10

件のツアー旅行では、石川県能登半島のコスモアイル羽咋に訪問後、能登ロイヤルホテルに宿泊し、翌日は輪島朝市および輪島塗漆器工房に立ち寄りショッピング等を楽しんだ後、東京へ帰還する予定なのだとか。
しかし何故銀英伝関連のツアー旅行として石川県が選定されるのでしょうか?
「コスモアイル羽咋」というのは地元の宇宙科学博物館とのことなのですが、「宇宙」繋がりというだけで銀英伝と関連付けられるというのも少々乱暴な論理なのではないかと。
宮殿の名称絡みでドイツの「サンスーシ宮殿」への見学、というコンセプトの方が、まだ銀英伝との関連性が見出せるのですが。
ちなみにこの企画は、下のツイートを見る限りでは「らいとすたっふ」も全く関与してはいないようで↓

https://twitter.com/adachi_hiro/status/172580510151884800
<舞台「銀河英雄伝説」、同盟篇のチケットも付いた北陸スペシャルツアーが企画されたとのこと。UFOの街、羽咋にある施設で舞台「銀英伝」第一章の上映もするらしい。凄い。どこへ行くんだ、舞台「銀英伝」は……。

https://twitter.com/adachi_hiro/status/172614975012089857
<@key_sasaki それが私もよく知らないのですよ。制作委員会のメンバーのなかに、企画力に富んだ人がたくさんいて、楽しい企画をどんどん考えてくれるんです。北陸ツアーなんて、ふつう思いつかないですよねえ(笑)。誕生日イベントも、きっと楽しいモノになりますよ!>

一体誰が、どんな理由ときっかけからこんなことを思いついたのでしょうかねぇ(苦笑)。
全くもって謎だらけの企画です。
まあ、「出発地点が東京」という時点で、熊本暮らしの私とは接点すらも見出しようのない企画ではあるのですが。

「らいとすたっふ」が銀英伝の電子書籍化を公式発表

「あの」銀英伝が、2012年3月1日より電子書籍として販売されることが「らいとすたっふ」公式サイドより発表されました。
電子書籍の名称は「らいとすたっふ文庫」、対応機種はiPhone/iPad、Andoroid搭載の携帯端末になるとのことだそうですが…↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/02/post-f5a4.html
>  私の会社でマネージメントをしております作家、田中さんの著作につきましては、以前より、読者の皆さまから電子書籍化の要望が数多く寄せられていました。
>  しかし、
田中さん本人が根っからのアナログ人間で、電子書籍について否定的な考えをもっていたことから、その実現は難しいとお答えしていました。
>  それに、電子書籍を取り巻く環境は、まだまだ変化が大きく、私の会社のような零細企業としては、参入には慎重にならざるを得ませんでした。
>
>  とはいえ、電子書籍には紙の本にはない多くのメリットが存在しますし、このまま紙媒体のみの流通というのも読者の皆さまの選択肢を狭めてしまうことになります。
>  この点を繰り返し、
田中さんに説明した結果、このたびついに田中作品の電子書籍版の出版が実現することとなりました。
>
>  ただ、その際の条件として「電子書籍を商売にしている会社に丸投げするのではなく、できる限り、君たちがやりなさい」と指示がありました。そのため、既存の電子書籍問屋さんとの提携ではなく、私の会社が出版元となって電子書籍の販売を行うことになりました。

正直、私は「らいとすたっふ」が田中作品の電子書籍化を推進するとは思ってもいませんでしたね。
何しろ社長氏は、2004年と2010年に、自身のブログで電子書籍に対する懸念と問題点の指摘を行っていたのですから↓

2004年
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2004/05/post_4.html
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2004/05/post_11.html

2010年
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2010/02/post-717b.html
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2010/05/post-813e.html
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2010/05/post-330d.html

どちらかと言えば「技術的な問題などに対する懸念表明」的なものではあったのですが、これらの記事を読んでも、社長氏自身も電子書籍導入に消極的であったことが伺えます。
それに加えて、社長氏自身も述べているように、他ならぬ田中芳樹自身がネットすらマトモにやらないレベルのアナログ人間で、かつ電子書籍導入に否定的であるという事情もありましたし。
さらには「らいとすたっふ」側が電子書籍を導入する動きをこれまで欠片も見せていなかったこともあり、田中作品の電子書籍導入は当面難しいものがあるだろう、というのが私の考えでもありました。
それだけに、今回の「らいとすたっふ」の公式発表は私も寝耳に水でした。
ブログ記事の内容を読む限りでは、今回の電子書籍導入は社長氏の方が熱心に推進していて、あまり乗り気でない田中芳樹を何度も説得して実現にこぎつけたみたいですね。
アレだけ電子書籍に懸念を表明していたはずの社長氏が、一体いつの間に自身の主張を180度変えたというというのでしょうか?
社長氏が懸念を表明していた問題点の数々も、ある程度の改善はされつつも、未だ完全な解決にまでは至っていないというのが実情だというのに。
まあ昨今の出版業界も、長く続いている不況で台所事情が苦しくなっているという話は私もよく聞きますし、稼ぎ頭であるはずの田中芳樹もさらに遅筆に磨きがかかる惨状を呈していますから、その煽りを受けて転向せざるをえなくなったのかもしれませんが。

今回の電子書籍化でまず真っ先に浮上しそうな問題点としては、その料金設定にあるでしょうね。
銀英伝の電子書籍は、以下のような料金設定で販売されるとのことですが↓

> ■予定価格帯
>
100円〜600円。
> 『銀河英雄伝説① 黎明篇』は、
450円でのリリースを予定しております。
>
> ※当社の電子書籍は、カバー絵や挿画のないシンプルなものになります。

これに対し、現在銀英伝の最新版を刊行している創元SF文庫の一般的な販売価格は、巻毎でややバラつきがありますが、だいたい770円~840円といったところです。
これを考えると、「らいとすたっふ」側の電子書籍の販売価格は、明らかに創元SF文庫、ひいては東京創元社の利害に直結するものにもなりかねないのではないかと。
価格だけを見れば、どう考えても「らいとすたっふ」の電子書籍版の方に軍配が上がってしまうのですからね。
東京創元社側にしてみれば、せっかく自分のところで扱っている貴重な金ヅルを奪われる、と解釈しても不思議ではなく、最悪、「らいとすたっふ」に対して何らかの報復措置(著書の宣伝を一切行わない、今後一切田中作品および「らいとすたっふ」所属の作品を扱わないようにするなど)に打って出てくる可能性すらありえます。
また東京創元社だけでなく、田中作品を多く扱っている講談社や光文社などでも「自分のところでも同じことをやられたら…」と危機感と警戒心を持つことになるかもしれません。
これまで色々と世話にもなっているわけですし、それら既存の出版社とは何らかの利害調整をしておかないと、正直マズイことにもなりかねないのではないかと思えてならないのですが……。

日本で電子書籍がなかなか広まらない理由のひとつに、既存の出版社および印刷会社による既得権益死守がある、というのはよく聞く話です。
電子書籍は紙媒体に比べて利益率が低く儲けが少ない上、印刷会社などは仕事を取られてしまうことにもなりかねません。
だから大手出版社などでは、電子書籍を全く作らないか、作っても料金設定を意図的に高くしたり、購入手続きをわざと煩雑にしたりするなどして、既得権益を侵害しない範囲内で電子書籍を普及させようとするわけですね。
正直、良い傾向であるとはとても言えたものではないのですが、彼らも自分達の生活がかかっているのですから必死にならざるをえないわけで。
その意味では、「らいとすたっふ」の今回の価格設定の試みは、やり方によってはそういった電子書籍のあり方に一石を投じるひとつの社会実験にもなりえるかもしれません。
今後一体どうなるのか、予測がつかないところではあります。

しかしまあ、大手出版社の電子書籍に対する態度にも問題があるにしても、だからといって「らいとすたっふ」サイドのやり方が褒められたものであるとは到底言えたものではないのですけどね。
銀英伝の再販ってこれで通算何回目なのでしょうか?
私が知っているだけでも、最初の徳間ノベルズから徳間文庫、徳間デュアル文庫、創元SF文庫へと移転してさらに今回の電子書籍化ときているのですけど。
特に、徳間デュアル文庫で銀英伝が再販、それも各巻を2~3冊に分割して刊行するなどというアゴキな手法が取られた際には、「ファイナルバージョン」などと銘打たれてまでいたはずでしたよねぇ(苦笑)。
今でも「アレは一体何だったのか?」と思えてならないのですが(爆)。
田中芳樹と「らいとすたっふ」のこれまでの所業を鑑みると、今回の電子書籍化もまた、一連の再販戦略の延長線上で行われているようにしか見えないところがまた何とも言えないところでして(-_-;;)。
もちろん、「らいとすたっふ」はあくまでも営利企業であり、慈善事業で作家のマネージメントをやっているわけではないのですから、「企業として金儲けのことを考えて何が悪い!」とは当然主張するでしょうし、違法行為に手を染めているのでもなければ、それが悪いことだとは私も思いません。
しかし田中芳樹は、かつて己の著書でこんなことを述べていたはずなのですけどねぇ↓

イギリス病のすすめ・文庫版 P215~P216
<土屋:
 それともう一つ、日本はイギリス病を輸入しないといけないね、イギリス病にかからないといけないんじゃないか、それは
やっぱり「美しく老いる」ことなんだよね。その渦中にあったイギリスは、美しいなんて思ってられなかったと思うけどね。覚悟はあったとしてもいきなりのイギリス病だったし。……でも、今になってみると、やっぱりああいうふうに停滞をするということ、停滞をしなくちゃいけないということ……要するに、「進歩し続けることが唯一の道」みたいな考え方を、どこかで転換させなきゃいけないんじゃないか。かといって退化しろというわけじゃないけどさ。(笑)もともとそれは無理だしね。退化するわきゃないし、退化できるわけがないけど。
田中:
 永遠に全力疾走できるわけはないのに、そう思って走ってきて、一度でも転ぶともうレースに参加できない、という感じでずっとやってきたから
……やっぱりこれは「イギリス病のすすめ」ってのがいいかもしれない。少なくとも歩くとか休むとかっていう選択ができるようにしておきたいですね。
土屋:
 だからね、
貧乏になろうよ、国を挙げて貧乏になりましょうよ、って。おれは貧乏だけどね。(笑)
田中:
 
日本全体がもともと貧乏だったんだし。(笑)ちょっときれいごとすぎるけど、「清貧」って言葉もあるくらいだから。日本人自身も、そのほうが気楽かもしれない。
土屋:
 金持ちだから世界中で悪いことやるわけで、「貧乏になりゃあいいじゃないか」ってね。>

他人様に対しては「美しく老いよう」「貧乏になりましょうよ」などというタワゴトに全面同意して一緒にお説教までしておきながら、自身は金儲けに邁進するって、それはいくら何でも自分勝手が過ぎるのではないかと。
「らいとすたっふ」のなりふり構わぬ金儲け至上主義的な企業戦略を見て、「美しく老いよう」「貧乏になりましょうよ」とはほんの少しでも思ったことがないのでしょうかねぇ、田中芳樹は(爆)。
「らいとすたっふ」は銀英伝のみならず、他の田中作品についても「電子書籍化」という名の下に金儲けの道具としてとことんまで使い倒すつもりのようですし、田中芳樹の価値観的には今の「らいとすたっふ」にこそ「イギリス病のすすめ」が必要なのではないのかなぁ、と(笑)。

銀英伝舞台版第二章の新キャスト発表

銀英伝舞台版公式サイトで、第二章「自由惑星同盟編」で登場人物を演じるキャストが新たに発表されました。
また、既に公開済みのキャストについても、各キャラクターに扮した画像が公開されています。

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
第二章 自由惑星同盟編 トップページ
http://www.gineiden.jp/doumei/
第二章 自由惑星同盟編 キャストページ(既存)
http://www.gineiden.jp/doumei/cast.html
第二章 自由惑星同盟編 キャストページ(新規)
http://www.gineiden.jp/doumei/cast2.html

さらに2月10日から、舞台版の宣伝も兼ねたキャストによるリレー動画も公開されています。
第1回目はシドニー・シトレ役の西岡徳馬とのこと↓

第二章 自由惑星同盟編 リレー動画一覧
http://www.gineiden.jp/doumei/message00.html

今回新規に発表された登場人物およびキャストは以下の通りだそうで↓

ファイル 533-1.jpgファイル 533-2.jpg
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ファイル 533-7.jpgファイル 533-8.jpg
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これらのうち、「ナオミ」と「ビクトルフォン・クラフト」については、原作に名前が存在しないキャラクターですね。
「サレ・アジズ・シェイクリ」はオリビエ・ポプランとイワン・コーネフとライバル関係にあるスパルタニアンの撃墜王で、「コールドウェル」はイワン・コーネフの部下という形で原作にも名前がありましたが。
2人のオリジナルキャラクター達は、多分舞台ストーリーの一部として入ってくることになるであろう、ヤンの士官学校時代や「エル・ファシルの脱出」辺りのエピソードで活躍することにでもなるのでしょうか?

あと、グリーンヒル父親とビュコック辺りは一体誰が担うことになるのでしょうか?
グリーンヒル父親は原作2巻の主要人物ですし、ビュコックも作中の重要人物ですから、出てこないことはないのでしょうけど。
どちらも結構年配のキャラクターですから、配役もある程度年配かつ貫禄のある人と無理だと思うのですが、発表されたキャストの中で該当しそうな人がいないんですよね。
名前だけしか出ていない残りの配役の人達も皆若手っぽいですし。
こちらはまだ未公表の配役でも控えているのでしょうかね?

それと、今回の公式サイトの更新に関連して、「らいとすたっふ」社長氏のブログも更新されたようですね。
で、記事によると、どうも田中芳樹がこんな世迷言をほざいているようなのですが↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/02/post-b5c6.html
>  アニメ化のときにも、「男性声優ばっかりで、女性の声優さんの出番が少ない」と言われていたのですが、舞台になると、その「女っ気のなさ」が際だちます(笑)。
>  
田中さんも、「こんなことだったら、もう少し女性を出しておくんだったなあ」と頭をかいているのですが、これは今さら言っても仕方のないこと。舞台の関係者の皆さまにはご苦労をおかけしますが、なにとぞよろしくお願いいたします。はい。

いや、90年代以降の田中作品、特に薬師寺シリーズにおける女性描写の惨状を見る限り、田中芳樹の力量でマトモな女性が描けるようにはとても思えないのですが。
銀英伝がアレだけの大ヒットを記録したのも、むしろ逆に女性描写を抑えて「あえてテンプレートに徹した」ことが功を奏したのでしょうに。
薬師寺涼子や田中小説版キング・コングのアン・ダロウのごとき、救いようのない自己中な権力亡者の化け物でしかないバカ女を大量に登場させたところで、却って銀英伝の価値を下げるだけでしかないことが、田中芳樹にも周囲の人間にも全く理解できないのでしょうかねぇ。
「俺はちゃんとした女性を描ける作家なんだ!」というのは田中芳樹の根拠なき思い込みでしかないのですから、そんな妄想はいいかげん捨てた方が、自身も含めた万人のためにも良いのではないかと思えてならないのですけどね。

2次創作「銀河英雄伝説~新たなる潮流」の主人公人物評

銀英伝の2次創作小説「銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)」。
銀英伝の大ファンだったという日本人の佐伯隆二(25歳)が、何故か銀英伝世界に転生し、銀英伝の原作知識を持ったエーリッヒ・ヴァレンシュタインとして活躍するという、いわゆる「紺碧の艦隊」系架空戦記的な歴史改変を売りにした作品です。
小説一覧はこちら↓

銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
http://ncode.syosetu.com/n4887n/

本編は2012年2月11日現在、未だ未完結ながら総計239話にも及ぶ大長編で構成されており、またその内容や銀英伝原作に関する考察は、賛否いずれにせよ、銀英伝を詳細に読み込んだ上で練られていることがよく分かります。
銀英伝ファンか、あるいはタナウツの主旨に賛同できる人間であれば、まず読んでみて損はない2次創作作品であろうと思います。

ただ、人物評も人それぞれで千差万別であることを承知の上で言わせてもらうと、個人的にはこの作品の主人公であるエーリッヒ・ヴァレンシュタインという人物にはまるで共感も好感も抱けない、というのが正直なところだったりします。
そう思うようになった最初のきっかけは、作中におけるヴァレンシュタインの対人コミュニケーション能力がとにかく悪すぎることにあります。
作中のヴァレンシュタインは、その原作知識に基づいた事件や戦争の処理能力から、上司となる人物から何かと頼られることが多いのですが、それに対してヴァレンシュタインは表面的な礼儀作法すらもマトモにこなしている形跡がなく、不平満々な態度を相手の前で堂々と曝け出したりしています。
それどころか、平然と貴族に対して銃口を向けたり、後半になると門閥貴族の面前で堂々とゴールデンバウム体制批判まで展開したりしていますし。
銀英伝の原作設定から考えたら、不敬罪だの大逆罪だのといった罪を着せられて何度処刑台に直行してもおかしくないほどの言動を披露しているにもかかわらず、上司側はそれに対して特に問題視することもなくヴァレンシュタインを重用し続けるんですよね。
好き勝手に振る舞うヴァレンシュタインを受け入れられるほどに上司(リヒテンラーデ候や帝国軍3長官の面々)の人間性ができているのは、原作から乖離し過ぎているのみならず、ヴァレンシュタインの歴史改変とも全く無関係に発生しており、何故彼らの性格設定がこれほどまでに変わっているのかについての理由説明すらもありません。
まず、この構図自体が全く納得できませんでした。

次に引っかかったのは、ヴァレンシュタインがやたらと「奇麗事」にこだわる信念を披露する一方で、自身は謀略に邁進していたこと。
ヴァレンシュタインは、同盟軍に大打撃を与えることに成功した銀英伝原作1巻の同盟軍帝国領侵攻作戦における焦土戦略を「政治的なマイナス面の影響が大きすぎる」と採用せず(第99話)、またその後のリンチを使った原作の救国軍事会議クーデター絡みの謀略を「捕虜交換は紳士協定」だの「人道」だのといった言葉で否定しています(第136話)。
しかし、その前のイゼルローン要塞攻防戦でヤンに自分を消すための謀略を仕掛けられたことに激怒した挙句に同盟相手に謀略戦を展開し、原作同様の帝国領侵攻作戦を行わせたのは他ならぬヴァレンシュタイン自身ではなかったのでしょうか?
しかも第89話の最後では、「お前が俺を殺すために三百万の人間を殺すのなら俺がお前を殺すために三百万の人間を殺してもお前は文句を言えまい。お前が一番嫌がることをやってやる」などとヤンに対する個人的な怒りから大量の人間を殺す宣言までやらかす始末だったんですよね。
自分はこういうことを平気で明言した上に実行までしておきながら、同盟にクーデターを起こさせようとラインハルトが提言したら「紳士協定」だの「人道」だのを並べて拒否するって、それは自分だけを特別扱いしているタチの悪いダブルスタンダード以外の何物でもないでしょう。
謀略を否定するにせよ肯定するにせよ、自分と他人で一貫して同じ論理を適用するのであれば、まだヴァレンシュタインの言動は筋が通っていたのですが、これでは単に自己利益に基づいたその場その場の御都合主義でしかありません。
個人的な復讐心から千万単位の人間を殺すのは「紳士協定」だったり「人道」だったりするのでしょうかね、ヴァレンシュタインの論理では。

で、作中におけるヴァレンシュタインは、原作知識に基づいてラインハルトが抱える諸問題の数々をモノローグで指摘していたりします。
それ自体はタナウツでも過去に指摘されていたものもあって、それなりの説得力はあるのですが、上記2つの問題を鑑みると、さすがに「お前が言うな!」とは言いたくもなってくるんですよね。
ヴァレンシュタインはどう見てもラインハルトと同等、下手すればそれをも上回る人格破綻者ですし、それが周囲に受け入れられているのは、それが周囲にとっても利益をもたらしたことと、何よりも原作から著しく乖離している上にヴァレンシュタインの言動と歴史改変とは何の関係もない原作キャラクターの性格改変の産物によるものでしかないのです。
それに加えてヴァレンシュタインには、絶対的な預言書とすら言える原作知識という必勝の武器まで備わっています。
ここまでヴァレンシュタイン個人の才覚とは全く無縁なところで確立されている御都合主義的な絶対優位を前提に、それを持たない他者に、あたかも絶対に到達しえない高みから見下ろし神の鉄槌でも打ち下すかのような論評を繰り広げるヴァレンシュタインの態度は、どうにも受け入れ難いものがあります。
せめてあの上司達の設定が原作のままで、それをヴァレンシュタインが己の力と謀略と社交辞令の限りを尽くして心酔させていった、とでもいうのならばまだ共感もできたのですけどね。
自分の立場がどれほどまでに恵まれ、他者からは羨望されるものであるのか、ヴァレンシュタインはほんの少しでも考えたことがあるのでしょうか?
作中の言動を見ても、ひたすら被害妄想一歩手前レベルの被害者意識ばかりが前面に出ている始末ですし、自省という言葉ともかなり縁遠い性格をしていますからねぇ(-_-;;)。

また、これはずっと疑問に思っていたことなのですが、どうしてヴァレンシュタインは、自身の知識や戦略の出所、すなわち「自分が転生者であるという事実」を誰にも明かそうとしないのでしょうか?
全宇宙に向けてその事実を大々的に公表するわけはさすがにないにせよ、「これは信頼できる」と判断した1人~極少数の人間にその事実を伝えることで自分の利用価値をアピールしたり適切な助言をしたりする、という選択肢は、むしろない方が却って不自然なのではないかと思うのですが。
ヴァレンシュタインを取り巻く周囲の人間達は、ヴァレンシュタインの才覚に感嘆し頼りにする一方、その神がかり的な予見力に一種の恐怖心すら抱いていました。
ラインハルトやキルヒアイスなども、ヴァレンシュタインのその才覚に恐れを抱いたひとりでしたし、それを恐れるが故に彼らはヴァレンシュタインと反目する羽目になったわけです。
しかし、もしヴァレンシュタインが最初からラインハルトとキルヒアイスに「転生者である自分の事実」を教えていたら、すくなくとも2人はヴァレンシュタインに対して「得体の知れない恐怖」を抱く必要はなくなったはずですし、未来を知りえるヴァレンシュタインの力を利用することで利害関係が成立し、そこから相互信頼を得ることだってできた可能性もあります。
もちろん、最初は当然の反応として「こいつ気は確かか?」「正気か?」的な奇異な目で見られるでしょうが、本来誰も知りえない原作の事実などを当ててみせたり、原作知識に基づいた未来予測を披露したりすれば、相手だって最終的には納得せざるをえないでしょう。
現にヴァレンシュタインはそういう「神がかり的な予測」を作中で何度も披露しているのですから、なおのことその信憑性は高くなるはずです。
しかも未来を知るヴァレンシュタインは元々ラインハルトに仕えるつもりだったわけですからなおのこと、信頼の証として自身の秘密を打ち明けても良かったのではないかと思えてならないのですが。
ところがヴァレンシュタインは、作中の極々親しい人間に対してさえ、自身の転生の秘密を全く明かそうとしないどころか、そもそもほんの一瞬でも考えた形跡すらもないんですよね。
実はヴァレンシュタインって、一見外面の良い友好的な雰囲気に反して、自分以外の人間を一切信頼も信用もしてなどいないのではないか、とすら考えてしまったくらい、頑ななまでに秘密主義に徹し過ぎているのですが。
この辺りも、ヴァレンシュタインの対人コミュニケーション能力に致命的な問題があると私が考える理由のひとつだったりします。

ヴァレンシュタインを見ていると、どうも私は創竜伝の竜堂兄弟を想起せずにはいられないんですよね。
むやみやたらに自己防衛本能が強すぎる、他人を全く信用せず傍若無人に振る舞う、謀略を全否定して夢想的な3流ヒューマニズムを信奉する、全く同じことを自分がやるのはOKだが他人がするのはNGというダブルスタンダード。
全て竜堂兄弟が持っている人格的・思想的な欠陥ですからねぇ(苦笑)。
性格自体もあの兄弟4人のそれを全て合体させたかのようなシロモノですし。
まあ唯一、竜堂兄弟が持つ何よりも最悪の致命的欠陥である「反対しながら代案がない」とだけは無縁なのがせめてもの救いではあるのですが。

あと、エーリッヒ・ヴァレンシュタインの転生元である佐伯隆二という人物は、作中で披露している「原作知識」を見る限りでは、原作小説版ではなくアニメ版のファンだったみたいですね。
カストロプ星系の「アルテミスの首飾り」のエピソードやクラインゲルト子爵領の話なんて、当然のごとく原作小説版には全くありませんし。
そして、だからこそヴァレンシュタインは、作者である田中芳樹という存在に束縛されることなく、アレだけの原作考察ができるのではないかと。
ひょっとすると佐伯隆二は、銀英伝の原作者が田中芳樹であるという、ある意味最も基本中の基本である「原作知識」を知らなかった可能性すらありえます。
創竜伝やアルスラーン戦記などの他の田中作品は一切引き合いに出されていませんし、それどころか田中芳樹の「た」の字すらも全く出てこないのですから。
「絶対作者はそんな細かいことまで考えてねぇよ」と言いたくなるほどの内容ですからねぇ、ヴァレンシュタインの原作考察は。

かくのごとく、主人公には全く共感も好意も持ちようがないのですが、それも含めた総体としての「ひとつの物語」としては読み応えのある面白い作品ではあるので、今後とも注視していきたい2次創作シリーズではありますね。

何故手書き原稿を「直接手渡し」しなければならないのか?

https://twitter.com/adachi_hiro/status/160131194556653568
<今日は田中さんの原稿受け渡しで、某K談社の編集さんが来社されることになってる。こんな天気で本当に気の毒。田中さんが手書き原稿なのは仕方ないけど、毎回、編集さんに来て貰うことはナイよなあ。FAXだってあるんだし。むぅ。>

え?
講談社の編集の来社目的が「原稿をもらうこと【だけ】」で、かつ講談社側に「原稿は直接手渡しで貰うこと」とかいった類の社内ルールがあるわけでもないのであれば、原稿引渡についてはそれこそ「らいとすたっふ」側の方こそが配慮しても良いはずなのでは?
田中芳樹から原稿を受け取った社長氏なり他の「らいとすたっふ」社員なりが、原稿をスキャナにかけてPDFないしは画像ファイル化してメールするなりFAXするなりすれば、簡単に手間暇を省くこともできるはずでしょうに。
また実際問題、原稿の元本を自分の手元に置いておいたりデータ化したりしておけば、出版社側で原稿を紛失したり著作権絡みで揉めたりした際にも「保険」として機能するのですから、セキュリティの観点から言ってもそうするべきなのではないのかと。
出版社側の原稿引渡事情を調べてみても、「原稿は直接手渡しで作家から貰わなければならない」といった類の絶対的なルールが存在しているわけでもないようですし↓

http://shuppan.sunflare.com/essays/akibayashi_04.htm
>  作家や、いわゆる「もの書き」の人たちとおつきあいをしていると、いろいろな経験をします。この人たちは文章を書くことが仕事であり、また生きがいでもあるのでしょう。
>
>  いまは
作家から原稿を受けとるといっても、パソコンのメールだったりCDだったり、ファックスで送られてきたりで、手書きの原稿を受けとることはほとんどなくなってしまいました。紛失して社をあげて大騒ぎをする心配はなくなりましたが、私が現役で編集の仕事をしているころは、作家の家を訪ねて、万年筆などで書かれた原稿を受けとるときは、胸がふくらんだものでした。

もちろん、「原稿引渡」はあくまでも「ついで」であって、作家も交えて何らかの打ち合わせをするのが本来の主目的、という場合であれば、編集が来社したり、逆に作家側が出版社に赴かなければならなかったりすることは当然あるでしょう。
携帯電話やメールなどの連絡手段がどれだけ発達しても、「顔を合わせての打ち合わせ」の必要性がなくなることはないばかりか、場合によってはむしろ却って重要性を増したりもするのですから。
しかし社長氏の発言では、出版社の編集は「原稿を受け取ること【だけ】」を目的に「らいとすたっふ」へ来社しているケースが少なくないようなのですけどねぇ(-_-;;)。

あるいは、「らいとすたっふ」側も出版社側も原稿引渡の手間を簡略化したいとは思っているが、作者である田中芳樹自身が「原稿の直接受け渡し」に妙なこだわりを持っていて変革を断固拒否している、という話だったりするのでしょうか?
「イギリス病のすすめ」のあとがきで「自分が小説家であるということに妙なこだわり」を持っていると披露していたり、この情報化社会の時代にパソコンにも携帯にもあまり触れようとせず手書きの原稿執筆に固執したりしている諸々の事例を鑑みる限りでは、いかにもありえそうな話ではあります。
ただそれにしても、そんなことにこだわって何になるのかという問題もありますし、セキュリティの面でも非合理としか評しようのない話ではあるのですが……。

あと、現在執筆中らしい薬師寺シリーズ9巻は、どうやら講談社から出版されるらしいですね。
これまでは出版社の名前が公になっていませんでしたし、薬師寺シリーズは複数の出版社にまたがって刊行されているので、どこの出版社から出るのかについての情報が不明だったのですが。
前回の原稿引渡が去年の年末だったことを考えると、2回目のそれはまたずいぶんと早いですね。
ただ、去年の銀英伝舞台版ニコファーレ会談で田中芳樹は「現在第四章を執筆中」と述べていましたので、ひょっとするとそこまでの原稿が「引き渡しても良い」段階にまで何とか到達した、ということなのかもしれませんが。
もっとも、ただでさえ「遅筆作家」の勇名に恥じない遅れっぷりな上、ストレス解消に半年以上も無駄に費やしていることになるわけなのですから、まだまだペースを上げてもらわないと読者&出版社的には困るところではあるのですけどね。

創竜伝や薬師寺シリーズは「自分で納得のできる作品」なのか?

https://twitter.com/adachi_hiro/status/159063321834815489
<@ogawaissui 田中さんがよく言っている言葉は、「いま書いている作品が遺作になる覚悟」ということ。続けて「作品の評価は他人に任せるしかないけど、自分で納得のできない作品は残したくない」とのことです。>

……いや、言っていること自体は立派だと思うのですけど、じゃあ田中芳樹的には「あの」創竜伝や薬師寺シリーズなどが「自分で納得ができる作品」ということになるのでしょうか?
内容自体が徹底的に破綻しまくっている上に論の一貫性や整合性も全く顧みられていない場当たり的かつ余計な時事評論を作中に挿入しまくり、ストーリーの流れを阻害しまくった挙句、肝心要の物語構成&設定も支離滅裂かつ矛盾だらけと、まるで良いところを見出しようのないアレらの作品群が?
薬師寺シリーズ8巻なんて、執筆当時の安倍内閣&麻生氏憎しで書き綴ったのが祟って、発刊した瞬間から内容的に時代遅れな産物と化してしまっていましたよね?
普通だったら、必死こいて自分自身を説得しようとしても到底納得なんて出来るものではないと思うのですけどねぇ、あんなシロモノでは。

それに、最新刊であるはずの「髑髏城の花嫁」でさえも、過去の作品と比較してこれと言った違いがまるで見当たらないのですけど。
創竜伝にも登場したようなイギリス礼賛論があるかと思えば、薬師寺シリーズにも見られた「オカルトに依存しながらオカルトを全否定する」構図もしっかりブチこまれており、何より主人公の女性キャラクターはあたかも金太郎飴のごとく薬師寺涼子そっくりな性格をしていますし。
「いま書いている作品が遺作になる覚悟」とやらは、すくなくとも作品の品質を上げる方向にはまるで機能していないとしか言いようがないのですが。
ああいうのを自分で書いていておかしいとは思わないのでしょうかねぇ、田中芳樹は。

本当に「いま書いている作品が遺作になる覚悟」で「自分で納得のできない作品は残したくない」というのであれば、すくなくとも創竜伝と薬師寺シリーズを書くのだけは止めた方が確実に良いだろうと思えてならないのですが。
あんなのが「遺作」になるなんて、「晩節を汚す」以外の何物にもなりようがないのですから。

銀英伝舞台版公式サイトが回復&配役について

昨日1日、エラー画面が出るかサーバが重かったかで終始アクセスできなかった銀英伝舞台版公式サイトがようやく回復したようですね。

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
第二章 自由惑星同盟編 トップページ
http://www.gineiden.jp/doumei/

先日の記者会見で発表された配役の情報が公式サイトでも公開されています。
配役の人の名前と顔写真、その他詳細情報は以下の通りなのだそうで↓

ファイル 508-1.jpg
Wikipediaの項目ページ「河村隆一」
http://ow.ly/8w1Or
公式サイト
http://www.kawamura-fc.com/

ファイル 508-2.jpg
Wikipediaの項目ページ「馬渕英俚可」
http://ow.ly/8w1KE
公式サイト
http://horipro.co.jp/talent/PF016/
公式ブログ
http://blog.livedoor.jp/mabuchinco/

ファイル 508-3.jpg
Wikipediaの項目ページ「野久保直樹」
http://ow.ly/8w21b
公式サイト
http://nokubonaoki.com/
公式Twitter
https://twitter.com/nokubo_naoki

ファイル 508-4.jpg
Wikipediaの項目ページ「大澄賢也」
http://ow.ly/8w2ak
公式サイト
http://www.god-phoenix.com/talent/
公式ブログ
http://ameblo.jp/osumi-kenya/

ファイル 508-5.jpg
Wikipediaの項目ページ「天宮良」
http://ow.ly/8w2eY
公式サイト&ブログ
なし

ファイル 508-6.jpg
Wikipediaの項目ページ「中川晃教」
http://ow.ly/8w2my
公式サイト
http://akinori.info/
公式ブログ
http://blog.owakuri.com/

ファイル 508-7.jpg
Wikipediaの項目ページ「松井誠」
http://ow.ly/8w2u6
公式サイト
http://www.makotooffice.com/
公式ブログ
http://ameblo.jp/makoto-matsui/

ファイル 508-8.jpg
Wikipediaの項目ページ「西岡徳馬」
http://ow.ly/8w2zu
公式サイト
http://www.staff-up.net/profile/nishioka_tokuma.html
公式ブログ
http://gree.jp/nishioka_tokuma

これらの俳優さんの中で、私が知っている映画作品にも出ている人は、馬渕英俚可(2009年公開映画「感染列島」)と西岡徳馬(2007年公開映画「椿三十郎」、2011年公開映画「小川の辺(おがわのほとり)」「神様のカルテ」)がいますね。
後者については、知っている作品のうちの後2作が去年観賞だったこともあり、調べる過程で「ああ、あの人ね」とピンと来るものがありました。
「小川の辺」は序盤だけ登場の奸臣的な役回りで、「神様のカルテ」では主人公を信濃医大にスカウトしようとしていた人を演じていましたね、この人は。
銀英伝におけるシトレの役回りは「神様のカルテ」のそれに近いものがあるので、その点ではまずまずの配役と言えるでしょうか。
ただ、シトレって原作でもアニメでも黒人という設定なのですけど、日焼けして黒人ぶりを演出でもしたりするのでしょうか(^^;;)。

あと、舞台版第二章が原作2巻までのストーリーを扱うとなると、物語の終盤でメルカッツが亡命してくるはずなのですが、そうなると、第一章でメルカッツ役をやっていたジェームス小野田とシュナイダー役の村上幸平も出てくることになるのでしょうか?
ほとんど終盤ですからチョイ役にはなるのでしょうけど。
舞台版第一章でもしっかり亡命を宣言していましたからねぇ、あの2人は。

トリューニヒトやグリーンヒル親娘、その他キャラクターを誰が演じるのかも気になるところではありますが、それは続報に期待といったところですね。

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