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映画「ジョン・カーター(3D版)」感想

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映画「ジョン・カーター(3D版)」観に行ってきました。
ジョージ・ルーカス監督の「スターウォーズ」シリーズや、ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」の原点になったとされる、エドガー・ライス・バローズの小説「火星」シリーズの最初の作品「火星のプリンセス」を映画化したファンタジー・アドベンチャー大作。
ウォルト・ディズニー生誕110周年を記念して製作された映画でもあります。
今作は3D版しか上映されていなかったので、しかたなく3D版での観賞となりましたが、例によって例のごとく「あるのかないのか注意して見ないと分からない申し訳程度の3D映像」が披露されていただけでした(T_T)。
わざわざ観客から余分にカネを取っておきながらそういう映像ばかり見せつけるから、3D映画は多くの観客から愛想を尽かされてしまうことになるのですけどねぇ(-_-;;)。

物語は、地球とは異なる惑星バルスームで、とある飛行船が襲撃されているシーンから始まります。
飛行船の持ち主は、惑星バルスームの国のひとつであるゾダンガ王国の皇帝サブ・サン。
襲撃に際して勇猛果敢に戦う彼でしたが、突如圧倒的な力によって配下の兵達が襲撃者もろとも壊滅。
呆然とするサブ・サンの前に、その圧倒的な力を見せつけたサーン族の教皇マタイ・シャンが、どこからかワープでもしてきたかのごとくその姿を現します。
マタイ・シャンはサブ・サンに対し、自分達が駆使した驚異的な力を誇る破壊兵器を提供し、サブ・サンに惑星バルスームの支配者となるよう促すのでした。

ところは変わって、1881年のアメリカ・ニューヨークでは、ジョン・カーターという名の大富豪が亡くなったとの報が駆け巡っていました。
ジョン・カーターは「死」の直前、自身の甥で原作小説の原作者と同名(本人?)でもあるエドガー・ライス・バローズを呼び出し、全財産を譲り渡すよう弁護士に依頼していました。
呼び出されたエドガー・ライス・バローズは、弁護士からジョン・カーターから「エドガー・ライス・バローズ以外の人間には誰にも読ませないように」と指示されて預かったという日記を提示されます。
その日記を読み始めたエドガー・ライス・バローズの前に、ジョン・カーターが体験したとされる想像を絶する冒険譚が開陳されていくことになります。

その発端となる最初のエピソードは、ジョン・カーターが死んだとされる今現在から13年前に遡ります。
今作の主人公であるジョン・カーターは、アメリカのヴァージニア州出身でかつては戦争で勇名を誇った元兵士でしたが、今ではただひとり孤独に生き、黄金の洞穴を探しているらしい一匹狼。
酒場兼質屋?で問題を起こした彼は、現地の騎兵隊にその名声を見込まれてスカウトされるのですが、ジョン・カーターは暴力を行使して拒絶し、彼は牢獄に繋がれることになります。
しかし、ジョン・カーターは自力で見張りを倒し、騎兵隊の隊長パウエルの馬を奪いその場を逃走。
騎兵隊はただちにジョン・カーターの追撃を開始しますが、追撃の最中、ジョン・カーターがアパッチ族と接触。
ジョン・カーターとアパッチ族との間で話し合いが行われましたが、交渉の最中に騎兵隊の1人がアパッチ族に向けて銃を発砲。
この事態に怒り狂ったアパッチ族と騎兵隊の間で戦闘が始まってしまい、パウエルはアパッチ族が撃ち放った銃弾で脇腹を負傷。
混戦に紛れてそのまま逃げても良さそうなものだったのですが、ジョン・カーターは何故か負傷したパウエルを見捨てることなく彼を抱え一緒に逃走を開始します。
逃走した2人は、追跡してきたアパッチ族から逃れるため、逃走途上で発見した洞穴へ身を隠すことになります。
何とかアパッチ族をやり過ごした2人でしたが、洞穴の奥から人の気配がしたため、ジョン・カーターが調べてみることに。
そこで待ち受けていたのは、法衣のようなものを纏ったひとりのスキンヘッド男でした。
スキンヘッド男は後ろから不意打ちを仕掛けてきました、ジョン・カーターは運良く難を逃れスキンヘッド男を返り討ちにします。
銃弾を受けて倒れたスキンヘッド男は、右手に光るメダルのようなものを持って何かを唱えていました。
ジョン・カーターがそれを奪い取ると、彼は光に包まれ、次に気づいた時には見たこともない砂漠のど真ん中に倒れこんでいたのでした。
体を起こして歩いてみた途端、ジョン・カーターの身体は自分の意図に反して大きく浮き上がってしまいました。
戸惑いを覚えつつ試しにジャンプしてみると、本来考えられないほどに大きく飛翔できてしまうではありませんか。
しばらく調子に乗ってジャンプを繰り返しつつ、ジョン・カーターは砂漠の只中にあるひとつの山に辿り着きます。
そこでは奇妙な卵から、これまで見たこともなかった生物が飛び出してくる光景が展開されていました。
驚いたジョン・カーターがしかしその余韻に浸っている暇もなく、彼にまるで狙いを定めるかのごとく、これまた見たこともない生物の集団が突如砂漠の向こうから急速に接近してきて……。

映画「ジョン・カーター(3D版)」は、ジェームズ・キャメロン監督製作の映画「アバター」の原点になったというだけあって、話の構成も「アバター」とよく似ていますね。
「アバター」に登場した異種族ナヴィと似て体格が大きな「サーク族」という種族が登場しますし、そのサーク族の支配権を獲得してラスボスに挑む構成が全く同じだったりします。
主人公が軍人出身で、かつ異世界の先でヒロインと出会い彼女のために戦う構図も同じですし。
まあ、元々は「アバター」の方が今作の原作小説をヒントに作られたとのことですから、構成が似ているのもある意味当然なのかもしれないのですが。
一方「スターウォーズ」は、作中に登場していた「光で動く飛行船」と「銃と剣が戦闘の中で入り混じった世界観」辺りをモチーフにしていたのではないかと。
ストーリー展開が「アバター」そっくりで、使用している小道具が「スターウォーズ」とカブるとなれば、作品独自のオリジナリティという点ではややパッとしない部分がありますね。
製作費だけで2億5000万ドルもかけているだけあって、迫力あるSFX映像や演出はさすがに良く出来ていますし、決して見劣りするわけではありません。
ただ今作は、そこまで製作費をかけたのが災いしたのか、超大作の割には興行収益がイマイチ伸びていないことから、最終的には2億ドルもの赤字を抱え込む可能性すら囁かれているのだそうで↓

http://megalodon.jp/2012-0414-2102-14/jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPTYE82L02D20120322
> [ロサンゼルス 20日 ロイター] ウォルト・ディズニー生誕110周年記念の超大作「ジョン・カーター」が、映画史上最も興行赤字の大きい作品になる可能性が出てきた。
>
米ウォルト・ディズニー(DIS.N: 株価, 企業情報, レポート)は19日、同作品が約2億ドル(約166億円)の赤字になるとの見通しを示したが、それが現実になれば、ギネスブックに「最も興行赤字の大きい映画」として登録されている1995年の「カットスロート・アイランド」を超える赤字作となる。ウィキペディアによると、「カットスロート・アイランド」の赤字額は1億4700万ドル。
>
> 過去の不発作品としては、エディ・マーフィ主演の「プルート・ナッシュ」や、ペネロペ・クルスとマシュー・マコノヒーが出演した「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」、ロバート・ゼメキス監督の「少年マイロの火星冒険記」などがあるが、ウィキペディアの情報を基にすると、いずれも赤字額は1億4000万ドルを超えている。
>
> ただ、ハリウッド映画の赤字額については、不明瞭な部分が多いのも事実。映画情報サイトIMDbの編集長キース・シマントン氏は「ハリウッドはあまり数字をオープンにしないので、これらの作品の本当の予算を知ることはできない」と述べた。
>
> 複数の業界筋は、「ジョン・カーター」には制作費と販促費で3億5000万ドル以上がつぎ込まれていると指摘。調査会社ハリウッド・ドット・コムのポール・ダーガラベディアン氏は、
同作品が収支を合わせるには、世界興行収入6億ドル以上が必要だとしている。

過去のハリウッド映画では、アメリカでは不振であっても日本の興行収益だけで製作費を楽々回収した事例もありますから、今作が本当に史上最高額の赤字を抱えるのか否かは今後にかかっているのですが、状況的には結構厳しいものがありますね。
「ジョン・カーター」は今作も含めて3部作構成とのことなのですが、1作目時点で多額の赤字を抱えてしまうとなると、続編が本当に製作されるのか、はなはだ心許ない限りとしか評しようがないですし。
作中ではまだ第9光線や遺跡の機能、サーン族についてなど、まだ未解明の謎が少なからず残っているのですから、個人的には続編を作ってもらいたいところではあるのですけど……。

作中で意外に「なごむ」存在だったのは、物語後半で実は火星であることが判明した惑星バルスームの犬(キャロット)であるウーラですね。
このウーラ、外見上は「巨大なカエル」みたいな容貌をしているのに超高速で素早く動き回り、主人公達の危機の際には大きな助けにもなってくれる頼もしい動物です。
惑星バルスームでは「ジャスーム」と呼ばれている地球上の犬のごとく、「飼い主」に懐き甘えてすらくる愛嬌のある一面も見せていたりします。
一見不気味な外見なのに、物語が進むにつれて可愛らしくすら思えてくるのですから、何とも不思議なキャラクターです。
日本で言うところの「ゆるキャラ」的なものを意図して作ったのでしょうかね、これって。

ところで少し疑問だったのは、物語終盤、何故マタイ・シャンは自身の目論見を打ち砕いたジョン・カーターを、わざわざ地球に送り返すだけに留めてしまったのか、という点ですね。
あれだけの変装能力を持ち不意打ち同然に接近できるのであれば、地球に送り返すよりもジョン・カーターをその場で殺害してしまった方が、今後のことも考えると後腐れがなくて良かったのではないかと思えてならなかったのですが。
何しろジョン・カーターは、マタイ・シャンとサーン族のことを知る(あの世界では)数少ない人間のひとりだったわけですし、下手に生かしておけば今後の自分達にとって邪魔になるであろうことも最初から目に見えています。
地球に送り返して以降も、ジョン・カーターにはマタイ・シャンの手の者と思われる監視がついていたみたいですし、そんな手間暇などをかけるくらいなら最初から殺しておいた方が面倒もなくて良かったでしょうに。
あの変装能力や、序盤で見せつけていたテレポート能力があれば、たとえあの場でジョン・カーターを殺したとしても悠々と姿をくらますことだって簡単にできたでしょうし。
マタイ・シャンには何かジョン・カーターを殺せない理由でもあったのでしょうか?
地球にいた手下のひとりは、序盤で普通にジョン・カーターを殺そうとして返り討ちに遭っていましたから、そんな理由があるようにはとても思えなかったのですが……。
今後続編が製作されることがあれば、この辺の謎についても解答が与えられるかもしれないのですけどねぇ。

映画の内容だけを見れば普通に良作ではないかと思うのですが、それで赤字の危機に直面せざるをえないとは何とも不幸な作品ですね。
個人的には、もう少し評価が高くても良いのではないかと思えてならないのですが。

映画館で映画を安く観賞する方法

映画を映画館で観賞するに際し、誰もが一度は「映画料金が高い」と考えたことがあるのではないでしょうか?
通常、映画料金は1人1作品観賞につき1800円、3D版映画ではさらに追加で300円~400円の別途料金が徴収されます。
1993年からずっと固定され続けているこの料金は、物価の値下がりが続いているこの御時世からすると如何にも高いイメージがあります。
しかし、実は映画料金は、色々なサービスを利用することで「定価」よりもずっと安く観賞することが可能なのです。
生粋の映画ファンな方々にとっては何を今更な話になるでしょうが、今回はそんな映画料金に纏わる割引サービスについて少し。

映画館には、映画を観賞するための様々な料金割引サービスがあります。
テレビの台頭などで映画館から離れていった客を再び引き寄せることを目的に、映画館は1990年頃から様々な料金割引サービスを立案・実行していきました。
全国共通で行われているその手の料金割引サービスの有名どころとしては、以下のようなものが挙げられます。

全ての人に映画料金割引が一律で適用されるサービス
・ 毎月1日のファーストディ(映画の日、1800円 → 1000円)
・ 毎日20時以降から始まる映画を1200円で観賞できるレイトショー

特定層限定で1800円 → 1000円
・ 特定曜日の観賞で女性のみ1000円となるレディースディ
60歳以上の人は毎日1000円で映画を観賞できるシニア割引
どちらか一方が50歳以上の夫婦が2人揃って映画を観賞すると2人で2000円(つまり1人1000円)になる夫婦50割引
障害者が対象のハンディキャップ割引(障害者手帳の提示が必須)

この他、以前は高校生3人で映画を観に行けば1人1000円で観賞できる高校生友情プライスというサービスも全国規模で行われていたのですが、利用率が低く2008年に全国的なものは廃止され、現在は一部の地域限定のサービスとなっています。
シニア割引や夫婦50割引などは、年を取って映画が割引になることが良いのか否か、かなり微妙なところではあるのですが、この高齢化社会では割の良いサービスとなるのでしょうか。
今の高齢者は人口が多いですからねぇ(-_-;;)。

映画館独自の料金割引サービスもあります。
TOHOシネマズには、毎月14日(とうフォー)にファーストディと同じく一律1000円での映画観賞が可能となるTOHOシネマズデイがあります。
本来は2007年9月~2008年8月までの1年間限定のサービスだったのですが、期間が延々と延長され、もはや常態のサービスと化している感がありますね。
また同じくワーナー・マイカル・シネマズでも、毎月20日の観賞で1000円となるサービスディがあります。
ファーストディと併せ、一番安く観賞できるこの日を見逃す手はないでしょう。
もちろん、土日祝日などの休日と上手く重ならないとなかなか活用できないサービスではあるのですが、使える時には積極的に使っていきたいものです。

また、各映画館で会員登録を行い、会員サービスの特典を受けるという手も使えます。
会員登録して交付されるカードを使えば、カードをカウンターで提示したりネットでチケットを購入したりした際に会員割引が適用されることがあります。
TOHOシネマズでは、毎週火曜日がシネマイレージディとなっており、この日のみ会員カードであるシネマイレージカードを提示することで、通常より500円割引で映画を観賞することができます。
一方、ワーナー・マイカル・シネマズはイオンカードを、角川シネプレックスではシネプレックスカードを提示すれば、全ての日で200円~300円の料金割引を受けることができます。
さらに、会員カードを使って6本の映画を観賞すると、1本分の映画料金が無料になる特典もあります。
カード自体の割引よりも、最後の「6本観賞で1本無料」こそが一番使えるサービスですね。

さらにTOHOシネマズでは、通常の「6本観賞で1本無料」の映画観賞ポイントとは別に「マイル」と呼ばれるものが存在します。
マイルは観賞映画の上映時間1分につき1マイルで換算され、このマイルを貯めることで様々な特典を得ることができるのです。
300マイルと1000マイルでも特典があるのですが、一番の目玉商品は、6000マイル(一部映画館では9000マイル)貯めるともらえる1ヶ月フリーパスポートです。
この1ヶ月フリーパスポートは、申請から1ヶ月間は何回映画を観賞しても映画料金が全て無料になる(ただし3D料金は別)という優れもので、これが欲しいためにTOHOシネマズで集中的に映画を観賞する人もいるほどです。
ただし、当然のことながらこれを獲得するのは容易なことではありません。
映画観賞で得られたマイルは、得られた年の翌年12月31日にはゼロリセットされるため、2年以内に最低でも50本以上もの映画を観賞する必要があります。
年間10本程度のペースではまず獲得できないので、相当な映画ファン向けのサービスであると言えるでしょう。

あまり面倒なことをせず手軽に映画割引サービスを受けたいというのであれば、映画前売券を購入するという手もあります。
映画前売券は、通常の映画料金1800円よりも500円安い1300円で購入することが可能で、映画館だけでなくコンビニやネットでも購入することができます。
また、映画前売券は全国共通で利用できるものも売られているため、特定の映画館と懇意にする必要がありません。
さらに映画前売券は、ファーストディやレイトショーなどのように日時を気にすることなく、いつでも使用することが可能です。
そのため、いつでも確実に安く映画を観賞したいという場合には大変便利なサービスです。
ただ一方では、一度購入するとキャンセルが効かないため、たとえば映画観賞日がちょうどファーストディだったりしても1300円で映画を観賞しなければなりませんし、何らかの事情から映画を観に行けなくなったという場合は1300円をドブに捨てるも同然となるので、その辺については注意が必要です。
また、映画館やコンビニなどで売られている映画前売券は、全ての映画について用意されているわけではなく、場合によっては映画前売券が全く売られていない映画も存在します。
その点ではネット販売が優れているのですが、しかしこちらはこちらで送料がかかるという問題が無視できません。
その点では匙加減が難しいサービスであると言えるかもしれません。

また、コンビニやネットで売られている前売券などでは、ネットで座席を予約する仕様にはなっていないため、事前に座席を取るのが難しくなるという問題もあります。
そういう事態に対応するため、最近ではネット購入にも対応したムビチケカードという形態のカード型前売券も出てきています。
ネットの座席予約画面で、ムビチケカードに書かれている暗証番号を入力すると座席の予約とチケット購入ができるという前売券で、前売券とネット予約の利点を融合したようなサービスとなっています。
ただムビチケカードは、映画にもよるのですが通常の映画前売券と比べて100円~200円ほど購入価格が高いケースがあったりします。
ムビチケカードを買ったは良いが、スクリーンの座席状況がスカスカで買う意味が全くなかった、では無駄もいいところです。
映画毎の購入価格と混雑予測も含めて買った方が良いカードではあるでしょうね。

映画を安く観賞する際の奇策としては、試写会に手当たり次第に応募してみるという手も有効です。
試写会に当選し、かつ時間が上手く合いさえすれば、3D料金も含め映画料金を全く支払う必要なく、しかも全国劇場公開予定日よりも前に映画を観賞できます。
もっとも、試写会に当選するという条件自体が結構な関門だったりしますし、試写会は大抵の場合は平日の夕方から上映されるのが常なので、色々と誓約も多いのですが。
私個人の感覚では、試写会に当選する確率はだいたい20%~30%の間といったところになるでしょうか。

映画館での映画観賞がレンタルDVDでのそれよりも優れている利点としては、大迫力の映像が楽しめることと、レンタルDVDよりも先に作品が観賞できることが挙げられます。
何かと問題視される高い映画料金ですが、これまで紹介してきたような安く観賞できるサービスを駆使して、映画館で映画を観賞してみるのはいかがでしょうか?

映画「SPEC~天~」感想

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映画「SPEC~天~」観に行ってきました。
特殊能力を題材にした独特の世界観で人気を集めたTBS系列のテレビドラマ「SPEC(スペック) ~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」の続編作品です。

今作は、テレビドラマ版のラストからそのまま続くストーリーな上、テレビドラマ版の設定が分かっていないと意味不明なエピソード話がかなりの数出てきます。
冒頭からして、主人公である当麻紗綾(とうまさや)が左手を三角巾で吊るしているという特殊な光景が当たり前のように描かれていますし、主人公の性格設定や周囲の人間関係についても当然のごとく何の説明もありません。
また作中では、「津田助広(つだすけひろ)」と名乗る人物の本物が出現するというエピソードが出てくるのですが、これも初見の人間には一体何のことやら不明なシロモノです。
よって、テレビドラマ版について知らない方は、事前にテレビドラマ版の予習をしておくことが確実に求められる作品であると言えるでしょう。
間違っても、今作単独で楽しめる映画などではありえません。
かくいう私自身も、テレビドラマ版「SPEC」は全く視聴していなかったこともあり、あえて予備知識も入れることなく白紙の状態で今作を観賞してみたのですが、そもそも冒頭15分の時点で「今どんな状況で、何故そんな事態が発生しているのか?」からして全く分からなくなってくるという惨状を呈するありさまでした。
過去のシリーズも全部観ないと話そのものが全く理解できないという点では、映画「SP」シリーズ2部作に近いものがあります。
「海猿」シリーズ「麒麟の翼」などは、同じテレビドラマ版からの続きものであっても映画単独で充分に楽しめるストーリー構成だっただけに、今作でも同じように楽しめることを期待していたのですけどねぇ(-_-;;)。

映画の冒頭では、2014年11月3日の海辺?に佇むひとりの女性が手紙を読み始める描写が映し出された後、「ファティマの預言」なるものの説明が行われます。
「ファティマの預言」というのは、1917年にポルトガルのファティマに聖母マリアが突如出現して残したという3つの預言のことを指すそうです。
第一の預言は当時繰り広げられていた、当時は欧州大戦という名で呼ばれていた第一次世界大戦の終焉を、第二の預言は第二次世界大戦の勃発についてそれぞれ語られており、最後となる第三の預言はバチカン教皇庁によって厳重に管理されているとのこと。
第三の預言は「1981年に教皇が暗殺されることを示したものだった」と発表されましたが、過去の預言との文脈から言っても辻褄が合わないという疑問で説明は締めくくられていました。
この、いかにもおどろおどろしく出てきた預言の解説が終わり、海に浮かぶクルーザーが突如氷結する描写が繰り広げられた後、舞台は当麻紗綾と瀬文焚流(せぶみたける)が属する警視庁公安部公安第五課の未詳事件特別対策係、通称「未詳(ミショウ)」の一室で自分達の趣味にそれぞれ没頭している様子が描かれます。
瀬文焚流は机の上に○分の1ジオラマか何かを置いて桶狭間の戦い?を再現しようと躍起になっており、当麻紗綾は自身の好物らしい餃子の模型を作っている最中といったところ。
やがて2人は、互いの行為にブチキレて体を張った殴り合いを演じることになるのですが、そんな2人の元に、何故か警視庁のお偉方が2人やってきました。
「未詳」が担当しているSPEC(特殊能力)持つ人間「スペックホルダー(SPEC HOLDER)」について話があるとのことで、その場にいる人間が2人に注目します。
2人が話そうとしていたのは、「ファティマの預言」の話の後に出てきたクルーザーの氷結事件についてでした。
ところが説明を受けている最中に2人が突然狂い出し、外部のスペックホルダーのSPECに操られているかのごとき様相を呈し始めます。
ひとしきりその状態が続き、好き勝手にしゃべくり倒した後に2人は元の状態に戻るのですが、操られていた間のことは何も覚えていないありさま。
新たなスペックホルダー達の蠢動を感じざるをえなかった当麻紗綾と瀬文焚流の2人は、問題となったクルーザーの調査へと向かうのですが……。

映画「SPEC~天~」の宣伝では、「真実を疑え」「未来を掴め」「人気シリーズ完全映画化! 最強の敵。仲間の死。そして全ての謎に終止符が打たれる」などといったキャッチフレーズが使われています。
ところが実際に映画を観てみると、「SPEC」シリーズは全然終わっていないどころか、今後も続ける気満々であることがはっきりと明示されているんですよね。
特にエンドロール開始以降はその手のネタが次々と頻出するありさま。
作中最大の敵だった一十一(にのまえじゅういち)のクローンが実は1体ではなく複数あったことが明示され、4体のクローンが登場したかと思いきや、その場にいた白いタキシード?の謎の男が片手を振っただけであっさり消し飛んでしまったり、何故か国会議事堂が砂に埋もれて廃墟と化している未来?が明示されていたりと、「全ての謎に終止符が打たれる」どころが、逆に「新たな謎」が出てきてしまう始末。
トドメは、当麻紗綾と瀬文焚流が並んで立っている場面で、「この物語における起承転【けつ】の最後の文字は『結』ではなく『欠』」などと主張して、続編があることを問答無用に示唆してしまっていました。
冒頭に出てきた「ファティマ第三の預言」とやらも、結局作中では内容がある程度明らかになっただけで、結局預言が具現化していたような描写もなかったですし。
宣伝文句に偽りがあり過ぎますし、ただでさえ意味不明な展開が多すぎた中でこれではちょっとねぇ……。
観客を舐めまくっているとしか思えなかったですね、あのエンドロールは。

当麻紗綾と瀬文焚流が作中で繰り広げまくっていたドツキ漫才なギャグの連発はむしろ清涼剤的な効果もあったと思うのですが、肝心の話の内容がここまで分かりにくいというのは予想外もいいところでした。
「SPEC」と同じくテレビドラマ版視聴前提だった「SP」シリーズでさえ、すくなくとも作中で繰り広げられたミッション内容程度くらいは理解でき、かつ「テレビドラマ版も面白そうだからそちらも観賞してみようか」と関心を持たせてくれるだけの構成ではあったのですが……。
しょっちゅうテレビドラマ版とリンクしたエピソードが繰り広げられたことも、初見者である私にとっては分かりにくさに拍車をかけるシロモノでしかありませんでしたし。
テレビドラマ版からのファンであればそれでも問題なく楽しめるのかもしれませんが、そうでない人達については、すくなくとも予備知識なしにイキナリ今作を観賞することのないよう、これは強く忠告しておきます。

映画「ももへの手紙」感想

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映画「ももへの手紙」観に行ってきました。
沖浦啓之監督が7年の製作期間をかけて完成させた、120分長編アニメーション作品。
今作は本来、2012年4月21日に劇場公開される映画なのですが、今回無差別に応募していた試写会のひとつに当選し、劇場公開日より先行しての観賞となりました。
作画監督&キャラクターデザインの安藤雅司がスタジオジブリ出身と言うこともあってか、今作はスタジオジブリ作品ではないにも関わらず、微妙にスタジオジブリ的な雰囲気がありますね。

調査船の父親が死んだことから、母親の宮浦いく子と共に、母方の実家がある瀬戸内海の汐島(しおじま)に引っ越すことになった、今作の主人公である宮浦もも。
広島県三原市から出港したフェリーで汐島へと向かう途中、船外に出て晴れた空を眺めていたももは、懐からおもむろに1通の手紙を取り出します。
そこにはただ「ももへ」の3文字だけ書かれて終わっている手紙がありました。
手紙を見て「お父さんは何を言いたかったのだろう」と考えるももの頭に、頭上には雲ひとつなかったにもかかわらず何故か3粒の水滴が落ちてきます。
当然ももは不審に思い、周囲をキョロキョロするのですが、ほぼ同時に母親のいく子が「島が見えてきた」とももに話しかけてきたため、詮索は曖昧なままに終わるのでした。
ももに落ちてきた3粒の水滴?は、しかし地面に落ちた後も何故かその形状を崩すことなく、まるで見張るかのようにももの後を追っていくのでした。

今作の主要舞台となる瀬戸内海の汐島(しおじま)は、広島県呉市にある大崎下島の豊町を中心とした、本州と四国を結ぶ3つの交通ルートのひとつ「しまなみ海道」より西にある島々の風景を取り入れた架空の島。
フェリーで汐島に降り立ったももは、島内にある母親の実家へと向かうことになります。
もちろん、ももの頭に落ちてきた謎の3粒の水滴も。
母親の実家には、ももの大おじと大おばが住んでおり、ももといく子の宮浦母子は、今は使われていないらしい住居を借りて住まうこととなるのでした。
しかし、母親いく子がやたらと元気な様子を見せるのと対照的に、ももはとにかく無口で、大おじと大おばから話しかけられても必要最小限の受け応えしかしない状態にありました。
ももは元々人見知りな性格で、実家の大おじと大おばに会ったのも、すくなくとも物心ついてからは初めてだったようで、それが打ち解けない原因のひとつだったようです。
しかし、ももにはそれとは別に、心に残っていたしこりのようなものがありました。
ももは父親が死ぬ直前、親子3人で父親が好きだったらしいウィーン少年合唱団?の公演を観に行く計画を立てていたのに、急な仕事が入り予定をキャンセルした挙句調査船への長期出張に向かうべく準備し始めた父親に腹を立て、「お父さんなんかもう帰ってこなくていい!」と啖呵を切ってしまったのです。
ところがその後、父親は調査船の事故で本当に「帰らぬ人」となってしてしまい、ももは父親と和解するチャンスを永遠に失ってしまったのでした。
そんな理由でどこか沈みがちなももは、新しい住居を大おじと大おばに案内される中、2人に「空」と呼ばれている屋根裏部屋でひとつの箱を発見します。
箱の中には地元伝来とおぼしき奇妙な風体の妖怪の絵が描かれた本が一冊あり、何故かももはその本のことが気になりました。
そして、ももが屋根裏部屋から去った後、ももを追跡してきたあの3粒の水滴が、意味ありげに本の中へと入っていったのでした。
そしてその夜、ももは寝静まったはずの家の中で、屋根裏部屋から聞こえてくる正体不明の音に悩まされることとなります。
母親にそのことを訴え、「東京に帰りたい」と嘆くももですが、母親はそんなももの嘆願を一蹴。
そればかりか、本土で行われるらしい介護ヘルパーの講習を受けるべく、快速船で島から離れてしまうのでした。
ところが、快速船まで母親を見送りに来ていたももは、船でももに向かって手を振る母親の真横で、モヤモヤした人型の影を目撃することになります。
最初から目の錯覚か何かではないかと考えたももは、腑に落ちないまま実家へ戻るのですが、不可解な現象はその後もさらに続き……。

映画「ももへの手紙」では、イワ・カワ・マメという3人(?)の妖怪モドキが出現します。
彼らは普通の人間にはその姿すらも全く見えず、主人公である宮浦ももと、汐島の住人である5歳の幼女・海美だけがその目で見ることができるという特性を持っています。
妖怪モドキの姿は、ももが見つけた箱に入っていた妖怪の姿を借りたものに過ぎず、その正体は物語冒頭でももの頭に落ちてきた3粒の水滴です。
彼らの主張によれば、元々は名のある妖怪だったものが、何か悪さをしたとかで呪いのようなものをかけられ、今のような下っ端的な立場にまで落ちてしまったとのことでしたが。
姿が見えないのを良いことに、畑を荒らしたり家の中のものを食い散らかしたりと好き勝手に振る舞うのですが、どこか憎めないところがあるコミカルなキャラクターでしたね。
最初は怯えていたももも次第に大胆になっていき、気がつけば打ち解ける人間がいなかった汐島で最初の友人的なポジションに納まっていましたし。
父親の死で鬱屈としていたももにとっても、彼らの存在はある意味「癒し」「心の慰め」的なものになっていたのではないでしょうか。

ストーリーを総合的に見てみると、映画「ももへの手紙」は、洋画の「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」「ヒューゴの不思議な発明」などと同じく「家族愛」をテーマとした作品ですね。
父親が不慮の事故で突然死んでしまう点と、父親の死を引き摺っている子供の独りよがりな性格が3作品全てで共通していますし、夫を亡くした悲しみを押し隠す母親の描写は「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」と同じですね。
ただ、洋画の2作品の父親が基本的に子供から尊敬の念を受けていたのに対し、今作は子供の方から喧嘩別れになったまま永遠の別離になってしまった点が、違うと言えば違うところですが。
夫の死を引き摺りつつも、娘の前ではそのことをひた隠しにしつつ、悲しみを忘れるために娘を顧みず介護ヘルパーの勉強にひたすら打ち込む母親いく子も、映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」に登場したサンドラ・ブロック演じる母親と大いにカブるものがありました。
しかしこちらも、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」の母親が息子の行動を全て承知の上で密かに暖かく見守っていたラストのインパクトが強烈だったのに比べれば、どこかテンプレートかつありがちな現代の母親像ではあったのですけど。

あの母親で正直疑問だったのは、物語後半で「妖怪が畑を荒らして果実を奪ってきた」というももの主張を信じず頬を引っ叩いた母親が、ラストで一体いつの間に「藁船に乗っていた手紙を『死んだ父親からのものだ』と信じられる」ほどにまでなったのか? という点ですね。
確かに母親とももは、一時険悪になったものが母親の喘息がきっかけで和解することになったわけですが、しかし一方で、母親がももの主張を信じるべき理由は相変わらず何もなかったわけですし、母親がももの主張を受け入れていく描写も特に何もなかったので、「それはそれ、これはこれ」で母親が相変わらずもものことを疑うのがむしろ当然な態度にすら見えてしまうのですが。
あえて好意的に解釈すれば、母親いく子の幼馴染である幸市が、台風の中で物の怪達による怪奇現象を目の当たりにしているので、そこから話を聞いて信じる気になったのかもしれませんが、ただそれだと「じゃあ何故娘の話は全く信じないんだよ」ということにもなりかねないわけで。
ラストの母親のスタンスが、微妙に「取って付けた」ような形になってしまっているのが、ちょっとした減点ポイントになるでしょうか。
ひょっとすると、あの時の母親は、いかにも絵空事じみたことを主張しているももにただ調子を合わせていただけで、心の中では「そんなことあるわけないだろ」と密かに考えていたのかもしれませんが。

今作はアニメーション作品ではありますが、対象年齢層はどちらかと言えばやや高めの部類に入るのではないかと。
大人でもそれなりに楽しめる構成になっている一方、小学校低学年層には正直難易度の高そうな話ですし。
子供を持つ母親と、小学校中高学年層以上の子供向けの作品と言えるのかもしれません。

第32回ゴールデンラズベリー賞の受賞作品決定

2012年4月2日(アメリカ現地時間4月1日)に、2011年公開映画の中で最低の作品を決定する第32回ゴールデンラズベリー賞ことラジー賞の発表が行われ、映画「ジャックとジル」が全10部門を制覇するという結果となりました。

http://www.cinematoday.jp/page/N0040817
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] その年に公開された最低映画を決める第32回ゴールデンラズベリー賞ことラジー賞が現地時間4月1日に発表され、アダム・サンドラーが一人二役に挑戦した映画『ジャックとジル』が史上初めて全10部門を制覇するという快挙(?)を成し遂げた。
>
>  とりわけ、双子の兄妹ジャックとジルと演じたアダムは、史上初めて最低男優賞、最低女優賞をW受賞。さらには、最低カップル賞、最低スクリーン・アンサンブル賞、最低脚本賞を総なめ。もともと本命視されていたものの、圧倒的な弱さを見せつけた。
>
>  これまではアカデミー賞のノミネーション発表前日にノミネーションを発表し、同授賞式の前夜に受賞作を発表していたラジー賞。今年はアカデミー賞の授賞式前日にノミネーションを発表、4月1日に結果発表という変則的なスケジュールが組まれたことも話題になった。(編集部・福田麗)

しかしまあ、相変わらず何を基準にしているのか意味不明な結果ですね(苦笑)。
受賞作品である映画「ジャックとジル」からして「何故これが受賞したのか?」という理由について全く語られてもいませんし。
賞の受賞理由をきちんと語ってくれた方が、観客や映画制作者達が納得できるか否かは別にして、賞の基準や意義が理解されやすいでしょうに。
芸術一辺倒で評価するアカデミー賞の方が、映画の評価としてはともかく選考基準においてはまだ納得できるというのが何とも言えないところで(T_T)。

ちなみに来年に行われるであろう第33回ゴールデンラズベリー賞ことラジー賞では、2012年10月に日本公開予定の映画「エクスペンダブルズ2」がすくなくともノミネートは確実にされるであろうと予測します。
理由は「シルヴェスター・スタローンが監督でかつ主演だから」「他にも有名な俳優さんたちが数多く出演するから」だけで充分でしょう(爆)。
ストーリーなんか観るまでもなくこれだけでノミネートの決定打となる、そんなシロモノですからねぇ、ラジー賞は(笑)。

映画「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島(3D版)」感想

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映画「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島(3D版)」観に行ってきました。
2008年に公開され、日本初となる実写フル3D映画公開ということで話題となった前作「センター・オブ・ジ・アース」の続編で、ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」をベースに繰り広げられる冒険アドベンチャー作品。
ちなみに前作「センター・オブ・ジ・アース」は、劇場公開当時に映画館で観賞しました(^^)。
今回はちょうど「映画の日」ことファーストディである1日が日曜日だったこともあり、安い映画料金で観賞することができたのですが、3D料金がその割引分をほとんど埋めてしまった感がありました(-_-;;)。
今作は熊本の映画館では「熊本シネプレックス」1箇所のみ、しかも3D日本語吹替版でしか上映されていなかったので、最初から選択の余地が全くなかったのですが(T_T)。
まあ3D映像については「意外に良く出来ている」と一応評価できる部類に入ってはいたので、それがせめてもの救いではありましたが。
3D映画はただでさえ余計に料金が徴収されますし、これまで散々なまでに裏切られ続けてきた経緯もありますから、たとえ3D映像の出来が良くても出来る限りは避けたい、というのが正直なところではあったりするのですけどね。

前作「センター・オブ・ジ・アース」での冒険から4年。
前作から成長したショーン・アンダーソンが、しかし何故か警察からオートバイを駆使して逃走中のところから物語は始まります。
警察の追っ手を掻い潜って逃走を続けるショーンでしたが、その最中にオートバイごと他人の家のプールに突っ込んでしまい、あえなく御用に。
そこへ、ショーンの義理の父親で建設会社の社長?であるハンク・パーソンズが警察に口添えし、そのおかげでショーンは警察のお世話になることなく無罪放免となります。
ハンクは当然のことながらショーンに理由を問い質すのですが、ショーンはハンクに反発を示して部屋に閉じこもってしまいます。
そしてショーンは、文字でびっしりと埋められたメモを取り出し、何やら作業を始めるのでした。
一方、義理の息子と何とか上手くやっていきたいハンクは、ショーンに直談判すべくショーンの部屋へと入ってきます。
そしてハンクは、ショーンが微弱な暗号電波をキャッチしたこと、その解読を行うために人口衛星研究センターに不法侵入し、その罪で警察に追われていた事実を知ることになります。
元軍人であり、暗号解読でもそれなりの実力があったらしいハンクは、ショーンが入手した暗号の解読に協力し、あっさりと暗号の全容を明らかにすることに成功します。
暗号の内容は、伝説とされている「神秘の島」の存在と座標を示しており、ショーンはここに自分の祖父がいるのではないかと確信し、すぐにでも「神秘の島」に向かおうとします。
そんな義理の息子に一度は反対したハンクでしたが、すぐに自分も保護者として同行しショーンとの関係を改善するきっかけに出来ればと考え直し、ハンクは自分も一緒に行くことを条件にショーンの旅を承諾するのでした。

暗号で指定された座標は海にあり、当然海を渡れる何らかの移動手段を調達する必要がありました。
ショーンとハンクは座標に程近い港町へと赴き、指定された座標へ船を出してくれるよう船頭に依頼するのですが、指定された座標の近辺では嵐が多い上に座礁しやすい地形であることもあり、けんもほろろに断られてしまう始末。
ところが「依頼を受けたら(アメリカドルで)1000ドル出す」という声に釣られ、声をかけてきた中年の男がひとり存在しました。
その人物ガバチョは、あまりにも年季が入りすぎている、マトモに飛ぶかどうかすらも保証の限りではないオンボロヘリを使って2人を目的地まで案内しようと申し出てきます。
あまりにもヘリがオンボロであることから、むしろ2人の方が難色を示してしまうのですが、そこで登場したガバチョの娘カイラニ。
カイラニに一目惚れしてしまったショーンはガバチョのヘリに乗り込むことを決断し、4人は一路目的の座標へと向かうことになります。
ところがそこでは竜巻が荒れ狂っており、ヘリはコントロールを失い竜巻に巻き込まれてしまうことに。
そして4人は、どことも知れない見知らぬ島で目を覚ますこととなるのですが……。

映画「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」に登場する「神秘の島」には、以下のような特徴があります。

1.動物の一般的な大きさが全て逆になっている
2.火山が金でできている
3.一定の周期(70年~140年)で浮上したり沈没したりを繰り返している

「1」の実例としては、やたらと大きなトカゲや人間2人が乗れるスズメバチなどが出てくる一方、象が人間の手で抱えられたり、サメが小魚程度の大きさしかないほどに小さかったりします。
象やサメは一見普通の大きさであるかのような登場の仕方をするので、実際の大きさが分かると結構拍子抜けになったりします。
まあ、トカゲやスズメバチなどは人間が乗れたり追いかけられたりと一目で分かりますから、その対比としてのインパクトを与える必要があったのでしょうけど。
しかし、島が「3」の要素で浮いたり沈んだりを繰り返しているのに、海はまだしも、陸上の動物達は一体どうやって生き延び、かつ生態系をどのようにして維持しているのか、その辺は何とも不思議なところではありますね。
エンドロールで象が海の中を普通に歩き泳ぎしているシーンがあるので、彼ら(?)って実は水陸両用生物(??)だったりするのでしょうか?
両生類とはちょっと性質が異なるように思いますし、そもそも島が沈んでいる時期は陸地が全くないわけですからねぇ(苦笑)。

あと、この手の上映映画館数の少ない作品というのは、ストーリーが一般受けしなかったりR-15指定だったりするなど特殊な場合が多いのですが、今作を観た限りでは特に観客層を限定することのないオーソドックスな物語でしたね。
人が死ぬこともなければ、登場人物の設定もストーリーも子供が観て何の問題も起きないであろう要素だけで構成されていましたし。
一応2作目でもあるのですし、そんなに人気がない作品というわけでもなさそうなのに、何故ここまで上映映画館数が少ないのか、そこが少し疑問に思えてならなかったところです。
3D映像も、昨今の3D映画の中では上の方に数えても良い出来ではあったわけですし。
一体どんな「大人の事情」が介在しているのかは分かりませんが、もう少し評価されても良い映画なのではないですかねぇ。

ラストはさらにジュール・ヴェルヌの「月世界旅行」をベースにしたストーリーが展開されそうな引きで終わっているのですが、これの続編って実際に出てくるのでしょうかねぇ。
2作目までは製作されたのですから、3作目が出来ても不思議ではないのですが、まあこれは興行成績次第、といったところになるでしょうか。

映画「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」感想

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映画「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」観に行ってきました。
1960年代におけるアメリカの田舎町を舞台に、白人家庭で仕事をする黒人メイド達の実態を暴いた、実在する同名の本が出版されるまでの経緯を描いたヒューマン・ドラマ作品。
今作はアカデミー賞3部門にノミネートされ、オクタヴィア・スペンサーが助演女優賞を受賞しています。

物語の舞台は1960年代、アメリカ南部のミシシッピ州にあるジャクソンの町。
今作の主人公ユージニア・スキーター・フェラン(以下「スキーター」)は、黒人メイドであるエイビリーン・クラークを取材していました。
エイビリーンから黒人メイドの実態について聞き、それを「THE HELP」という著書にまとめるためです。
ここから物語中盤頃までは「エイビリーンの回想」という形で物語が進行していきます。

エイビリーンは、白人の家庭で家事や子育てをこなしつつ生計を立てる黒人メイド。
彼女によって育てられた子供は実に17人にも及び、その筋のプロであることは疑いの余地がありませんでした。
当時の彼女はヒリー・ホルブロックエリザベス・リーフルトという女性の家で仕事をしており、出産後に産後鬱を起こして事実上育児放棄をしてしまったヒリーエリザベスの娘の子育てを代わりに行う日々を送っていました。
そんなある日、ヒリーエリザベスは自宅で友人達を招いて開いたパーティで、彼女の友人であるスキーターと再会することになります。
既に結婚して子供がいる他の女性達と異なり、大学へ進学し、ニューヨークの出版社で作家としてデビューする夢を叶えるべく、地元の新聞社に就職して経験を積むべく奔走するスキーター。
新聞社で面接したスキーターは、女性だからという理由で家事コラムの代筆を任され、コラムの穴埋めをするために友人達に協力を依頼。
結果、スキーターはエイビリーンを紹介され、コラム欄を埋めるためのツテを手にすることとなるのでした。

エイビリーンと接触を続けていく中で、スキーターは友人達の黒人メイド達に対する仕打ちに不快感を抱くようになってきます。
特に友人のひとりであるヒリー・ホルブロックは、「黒人メイドが自分の家にあるトイレを使うと病気に罹ってしまう」などという迷信から、黒人メイド専用のトイレを別に作り、あまつさえそれを法案としてミシシッピの州知事?に採用させようと働きかけたりするありさま。
一方、スキーターの実家では、自分を親代わりに育ててくれたコンスタンツェンが何故か大学在学中にいなくなっており、スキーターはそのことについても不信感を覚えるようになります。
それらのことから、やがてスキーターは、黒人メイドの実態をまとめた本を出版することを考えるようになり、エイビリーンに情報提供を依頼します。
当時のアメリカ南部州には「人種分離法(ジム・クロウ法)」と呼ばれる人種差別を正当化する法律があり、スキーターの依頼内容がその法律に抵触しかねないものであったことから、最初はエイビリーンも協力に難色を示します。
しかし、ヒリーの人種差別と潔癖症のない混ざった狂気の反応と、自身が育てた白人の子供達が成長すると結局親と同じになってしまうという苦い経験から、やがてエイビリーンはスキーターに協力するようになるのでした。
さらにエイビリーンの友人&同業者で、ヒリーの自宅内のトイレを使ったためにヒリーからクビにされたミニー・ジャクソンも加わり、「THE HELP」を構成する黒人メイド達の赤裸々な実話が語られていくことになるのですが……。

映画「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」では、登場人物の大部分が女性のみで占められています。
男性も全く登場しないわけではないのですが、出番はほんのわずかであり、しかもほとんど「女性の引き立て役」的な役割しか与えられていません。
その上で今作は、1960年代におけるアメリカの女性差別と黒人差別、そして女性だけの世界ならではの人間模様が大きくクローズアップされています。
女性差別については当時のアメリカのみならず日本でも、いや世界各国全てで似たような光景が繰り広げられていたのでしょうが、黒人差別の実態についてはアメリカならではの「差別伝統」に基づいた偏見と悪意の産物ではありました。
当時のアメリカで公民権運動が盛んだったのも当然の帰結ではあったのでしょうね。
今作で面白いのは、その女性差別・黒人差別を、あくまでも女性の視点のみからスポットを当て、ともすれば暗い雰囲気に陥りがちなテーマを、可能な限り明るくコミカルに描写したところにあります。
この手の話って、これまでの作品で語られたにしても、男性オンリーか男性&女性の視点が半々ずつというのがほとんどでしたし、その点では結構斬新な視点であると言えるのではないでしょうか。

たた、個人的に一番印象に残ったのは女性差別でも黒人差別でもなく、女性同士で繰り広げられる陰湿なやり取りの数々でしたね。
外で嵐が荒れ狂い外に出られない中、自分達が使うのと同じトイレで用を足したという理由から黒人メイドのミニーにクビを宣告した挙句、再就職すらできないように他の白人家庭に手を回すヒリー。
そのヒリーに対し報復すべく、自分の糞便を混ぜ込んだチョコパイをヒリーに食べさせてしまうミニー。
さらに、まんまとウンコ入りチョコパイを食わされてしまった自分を嘲笑ったという理由で、母親ミセス・ウォルターズを老人ホームにぶち込んでしまうヒリー。
女性の報復手段は陰湿極まりないシロモノだという事例をこれでもかとばかりに披露していったこの描写は、女性に対するある種の幻想を木っ端微塵に破壊してくれるだけの要素はありましたね。
ヒリーは他にも、元恋人を取られたなどという個人的な理由で、シーリアという女性を村八分状態にしてしまうというイジメな行為にも及んでいたりしますし。
女性って怖いわ、と改めて感じさせてくれる一幕でした。

しかし、ヒリーやエリザベスはアレだけ黒人をほとんどバイ菌扱いしているにもかかわらず、その黒人メイドに自身の娘の子育てをほとんど一切合財委ねてしまうというのは一体どういう感覚をしているのか、その辺は少々疑問ではありましたね。
普通、ああまで黒人に対する差別意識を持ち、かつおかしな迷信まで信じてしまうような人間であれば、むしろ自分が差別している黒人を子供には近寄せまいとするのではないのでしょうか?
にもかかわらず、ヒリーやエリザベスは自分達の娘がアレだけ黒人メイドに触られたり抱き締めあったりしても何ら反応してすらいませんでしたし。
作中でもヒリーエリザベスは「産後鬱にかかって以降はほとんど子育てを放棄して気難しくなっている」という説明がありましたが、立派なネグレクトをやらかして平然としていた辺り、自分の子供を少しも愛してはいなかったのだろうなぁ、とは考えずにいられませんでしたね。
物語のラストでエイビリーンをクビにした際、娘が別れを嫌がって泣き叫んでいたのでさえも、ヒリーや母親であるはずのヒリーエリザベスは完全に無視していましたし。
黒人差別以上に悪質な犯罪も同然のことを、ヒリーやエリザベスはよりにもよって年端もいかない子供に対して行っているように思えてならなかったのですが。

アクションもサスペンスもSFX的な描写の類も一切ないため、一般受けは結構難しいものがある作品ですね。
アメリカでは安い制作費ながらも口コミで大ヒットを記録したとの話なのですが、さて日本ではどういう結果になるのでしょうか?

※取消線と青字部分は間違いとの指摘を受けましたので修正しております。

ジェームズ・キャメロン監督が語る「3D映画への熱い思い」の矛盾

映画「タイタニック」3D版の日本公開に合わせて来日したジェームズ・キャメロン監督が「2Dで撮影した名作は3Dに変換するしかない」と3D映画への熱い思いを語っています↓

http://www.cinematoday.jp/page/N0040756
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 超メガヒット大作を3D化した映画『タイタニック 3D』のプロモーションで来日したジェームズ・キャメロン監督が30日、都内で行われた記者会見に出席し、3D映画へのこだわりについて熱く語った。監督の来日は映画『アバター』以来、2年半ぶり。この日は製作のジョン・ランドーも出席した。
>
>  会見でキャメロン監督はまず『アバター』での来日後に起きた東日本大震災に触れ、「多大な被害にお見舞いを申し上げたい。そして、その後の日本人の強さと、見事に立ち直ったことに敬意を表したい」とコメントした。
>
>  次いで、オリジナルの発表から15年後に改めて『タイタニック』を3D化することの意義を説明。タイタニック号の悲劇から100年ということもあり、「タイタニックの事件に再び注目を集めたいと思った」と明かすと、
3D化については「2Dで撮影した名作は3Dに変換するしかない」とフィルム・メーカーとして自身の考えを展開した。
>
>  
「わたしは3Dが好きだ。3Dになると、俳優の演技がよく見え、観る側により臨場感を与えることができる。今回も3D化したことで、本作のドラマ性をより高めることができた」と熱弁を振るうとともに、60週間の変換作業には計300人ものスタッフがかかわり、費用にして1,800万ドル(約14億4,000万円・1ドル80円計算)が掛かったことを明かした。
>
>  オリジナル映像の全フレームを改めてチェックするなど、完ぺき主義者として知られるキャメロン監督のこだわりが随所に見られる本作。今後の予定について、キャメロン監督は代表作『ターミネーター』などの3D化についても「やる気はある!」と断言。3D映画の可能性を追求するキャメロン監督の姿勢が印象に残る会見となった。(福住佐知子)

しかしジェームズ・キャメロン監督は以前、「2Dで撮影した映画を3Dで公開するなど、まったくの無意味」とも語っていたのではないのでしょうか?

http://www.cinematoday.jp/page/N0025070
>  後処理で3Dにした映画を観ると、往々にして画像が暗く、鮮明な立体感にも欠けるという違いが表れます。ちなみに日本でも大ヒットしたティム・バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』も後処理で3Dにしたものです。後処理決定を下したバートン監督に対して、『アバター』のキャメロン監督は、「2Dで撮影した映画を3Dで公開するなど、まったくの無意味」と公の場で厳しく批判し、話題になりました。

映画「タイタニック」の3D版を試写会で観賞した限り、ジェームズ・キャメロン監督がかつて主張した「2Dで撮影した映画を3Dで公開するなど、まったくの無意味」の方に理があるとしか思えず、「2Dで撮影した名作は3Dに変換するしかない」とはとても言えたものではないのですけど、ジェームズ・キャメロン監督はいつから趣旨換えしたというのでしょうか?
今の主張がジェームズ・キャメロン監督の本心だというのであれば、すくなくとも自身が以前批判したティム・バートン監督には「あの批判は完全に間違っていた」という謝罪の一言くらいはあって然るべきではないのかと。
これではティム・バートン監督は、いい面の皮としか言いようがありませんね(T_T)。

それに、旧作映画の3D版が劇場公開されると、有限である映画館のスクリーンがその分取られてしまい、結果として本来観賞できるはずの新作映画が上映されなくなるという問題もあります。
現状でさえ、地方の映画館では、都会で上映される作品数の半分以下、下手すれば3分の1以下の映画本数しか上映されないという地域格差の問題があるのに、旧作3D映画の台頭はその傾向をさらに悪化させかねません。
しかも旧作映画は既にレンタルDVDなどでも観賞可能であり、「どの媒体よりも先んじて観賞できる」という元来映画が持つ強力な売りのひとつが存在せず、かつ現状の3D映像では「観賞費用が無駄に高いだけ」にしかなっていないわけです。
旧作映画のファンでさえ、映画館まで行く手間と映画料金の高さを鑑みれば「レンタルDVDで充分」と考える人は決して少なくないでしょう。

「スターウォーズ」や「タイタニック」に限らず、旧作3D映画が下手に大ヒットでもした日には、新作を製作する意欲が映画制作者達から失われてしまい、それが旧作3D映画の乱造という形になってますます新作が上映されなくなり製作も至難となり、さらにそれが映画制作者達の……という負のスパイラルまでもが発生しかねず、最悪、映画産業衰退の引き金を引いてしまうことにもなりかねません。
何しろ、映画の製作工程という観点から見れば、1から映画を製作するよりも3D化する【だけ】の方がはるかに容易かつ費用も抑制できることは間違いないのですから。
旧作3D映画が一時の泡沫の流行で終わってくれることを、映画ファンのひとりとしては心から願わずにはいられませんね。

映画「エクスペンダブルズ」の3作目が2012年秋から撮影開始

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その豪華なキャスティングとシルヴェスター・スタローンの存在自体で、公開前どころか製作発表時点から既に次回のゴールデンラズベリー賞ことラジー賞の最有力候補作品として注目されている「エクスペンダブルズ2」ですが、何と既に3作目の撮影が2012年秋から開始されるそうです。
何とも気の早い話ではあるのですが↓

http://www.cinematoday.jp/page/N0040614
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 映画『エクスペンダブルズ2』は全米では8月公開の予定だが、すでに『エクスペンダブルズ3』が秋から撮影されるという。
>
>  これは、映画『エクスペンダブルズ』でセラピーを受けている繊細なトール・ロードに扮したランディ・クートゥアのインタビューで確認されたものだ。
>
>  というのも
シルヴェスター・スタローンは最初からこの作品を3部作ととらえており、当然のスケジュールなのだという。
>
>  このシリーズは自ら消耗品「エクスペンダブルズ」と名乗る軍用銃のエキスパートであるバーニー・ロス率いる少数精鋭の命知らずの最強無敵の傭兵軍団がどこの国も合法的に手が出せないやっかいな事件を怒濤の超絶アクション満載で解決するというもの。
>
>  先日、スタローンはインタビューで『エクスペンダブルズ2』のレイティングが「R指定」(=17歳以下の観賞は保護者の同伴が必要)を受けるだろうと語っている。彼の考えは、それによってファンが期待している暴力シーンやFワードなど前作『エクスペンダブルズ』でファンが楽しんだ成人向け要素がすべて盛り込まれていることをファンに知らせたかったのではないか?
>
>  まだまだあいつらは大暴れをしそうだ。(後藤ゆかり)

日本でも1作目の「エクスペンダブルズ」はR-15指定でしたし、これから考えても2作目・3作目もまた同様の指定を受けることになる可能性は高そうではありますね。
R指定を受けないとああいう映画を劇場公開できないというのも、正直窮屈な気はしなくもないのですが。
日本では10月に2作目が公開される予定ですが、指定云々はともかく内容はそれなりのアクションやドラマを期待したいところです。

映画「僕達急行 A列車で行こう」感想

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映画「僕達急行 A列車で行こう」観に行ってきました。
松山ケンイチと瑛太が演じる鉄道マニアの2人が、ふとしたきっかけから出会い意気投合し、仕事に恋愛に精一杯生きる様を描いたコメディ・ドラマ作品。
作品タイトルを見て、アートディンクの鉄道経営シミュレーションゲーム「A列車で行こう」シリーズを真っ先に連想したのは、多分私だけではないのではないかと(^^;;)。
かくいう私自身、最初に作品名を知った際には、ゲーム版「A列車で行こう」の実写映画化作品に違いないとついつい考えてしまったクチでしたし(^_^;;)。

この映画では、九州北部と東京近郊他を走る総計20路線80モデルもの列車が作中で登場します。
その最初のトップバッターを飾る鉄道は「わたらせ渓谷鐡道」。
その路線を走行している列車「わ89-315号」の車内で、一組の男女のカップルが向き合って座っていました。
列車の外の景色を見ながらイヤホンで音楽を聴くのに熱中している男性と、何かに耐えるようにじっとしている女性。
女性は男性に対し「座席のシートが硬い」と訴えるのですが、男性は全く聞こえていないのかイヤホンを外すことすらなく外の景色に夢中になっています。
そんな男性の態度に耐えかねたのか女性は怒り出してしまい、「次の駅で降りる」と席を立ちその場を離れてしまいます。
後を追うに追えない男性は、そこで黒人?2人と一緒にいた優男風の男性と目が合い、互いに何か感じるものがあったのか、2人はアイキャッチだけの会釈を交わします。
女性にフラれた男性は、鉄道風景を見ながら音楽を聴くことを趣味とする小町圭(松山ケンイチ)。
黒人と一緒にいた男性は、やや堅物で鉄道の列車そのものを好む小玉健太(瑛太)
同じ「鉄道オタク」でもその中身は若干異なる2人の、これが最初の出会いでした。

小町圭は、東京に本社を持つ大手不動産会社「のぞみ地所株式会社」に勤めるサラリーマン。
どちらかと言えば「イケメン」の部類に入る彼は、女性達にも相応に注目されていたりする人物です。
ある日、彼が居住していたマンションで水道管の構造的な問題が発覚し、全面的な立替工事が行われることが決定され、小町圭はマンションから退去を余儀なくされてしまいます。
しかたなく小町圭は新しい住居を探し始めるのですが、なかなか気に入った住居が見つかりません。
しかしそんな最中、彼は冒頭の「わたらせ渓谷鐡道」で会釈を交わした小玉健太と偶然にも再会することになります。
小玉健太は、町工場レベルの規模しかない有限会社コダマ鉄工所の2代目跡取りで、社長である父親・小玉哲夫と共に会社を切り盛りしていました。
同じ「鉄道オタク」ということで小玉健太と意気投合した小町圭は、コダマ鉄工所の寮を借りることとなったのです。
趣味が合うもの同士で鉄道絡みの会話を楽しみながら日々の生活を送る2人。
ところが小町圭は、会社の会議の中で「都心に高層ビルを建設し、都心を見下ろせる景観を客に提供する」という会社の方針に対し反対の声を上げたことから、会社の女性社長に目をつけられてしまいます。
「彼はどちらかと言えばベンチャー向きね」という、褒めているのか貶しているのか微妙な女性社長の評価と決定により、小町圭は福岡にある九州支社への転勤(という名の一般的には左遷)を命じられることになってしまうのでした。
とはいえ、元来が「鉄道オタク」である小町圭は、「九州の鉄道巡りができる」とむしろそのことを喜んですらいたのですが(苦笑)。
福岡のシーサイドももちの一角にある高層ビルの住居が与えられた小町圭は、九州支社の社員達と仲良くやりつつ、「鉄道オタク」としての鉄道めぐりを満喫することになるのですが……。

映画「僕達急行 A列車で行こう」に登場する名前は全て鉄道の特急の名称がつけられています。
主人公2人の苗字である小町・小玉、および会社名である「のぞみ地所」の「のぞみ」は明らかに新幹線のそれですし、他の登場人物もまた、苗字と名前のいずれかに全国各地の特急の名称が冠せられています。
物語後半に登場する九州地元企業「ソニックフーズ」も、元ネタは福岡-大分間を結ぶ日豊本線を走る特急の名称「ソニックにちりん」だったりしますし。
また作中では、いかにも「鉄道オタク」的な会話が盛んに繰り広げられています。
主人公2人がコダマ鉄工所で働く外国人とキャッチボールをしている場面では、ボールを投げながら列車の速度についてのウンチクが披露されていたりしていますし、物語後半では、後でソニックフーズの社長・筑後雅也と判明する鉄道オタクな人物が、どう見ても鉄道に興味なさげな付き人の女性2人に「スイッチバック」についての解説を行っている描写があったりします。
久大本線の豊後森駅にある「豊後森機関庫」では、主人公2人が筑後雅也と出会い意気投合する様が描かれていたりしますし。
作中の描写のあちこちでも様々な列車が風景の一部として走っていてその存在をアピールしまくっており、「鉄道オタク」の方々にとってはこれだけでも一見の価値があるのではないかと。

ちなみに私は生まれてこの方一貫して九州在住なので、作中で走っていた九州北部の列車には見覚えのあるものが多数ありましたし、いくつかの列車には実際に乗ったこともあったりします。
作中に登場しているもので私が実際に乗ったことのある路線は鹿児島本線・日豊本線・福北ゆたか線の3つで、列車はソニック(日豊本線)・813系100番台(福北ゆたか線)ですね。
鹿児島本線の列車で作中に登場したものについては、見たこと自体は何度もあるのですが、不思議と乗ったことは一度もなかったですね。
一方で、元々熊本出身の人間としては、熊本-大分別府間を結ぶ豊肥本線が出てこなかったのが少々惜しいところではありました。
作中でも言及され説明が行われていた「スイッチバック」が存在する全国的にも珍しい路線なので、ひょっとすると出てくるのではないかと期待していたのですが。

物語に目を向けてみると、主人公2人が「鉄道オタク」という趣味を持っていることが、仕事と恋愛で見事に正反対の結果をもたらしているような感がありましたね。
仕事面では、「のぞみ地所」の九州支社が長年懸案として抱え込んでいたソニックフーズとの交渉が、主人公2人とソニックフーズ社長が同じ趣味で意気投合したことにより前進を見せ、結果的に懸案を解消することに成功しました。
ところが恋愛面では、主人公2人が鉄道にばかり熱中する様を相方の女性が戸惑う様が描かれていますし、特に小町圭の場合はそれが原因で相方の女性にフラれたようなものでした。
ああいうのを見ていると、恋愛や夫婦生活などでは「相手の趣味を理解し許容する」という要素は結構重要なものなのだなぁ、とついつい考えさせられてしまいますね。
ちなみにこのエピソードを見ていて、私はかつて2chの生活板でネタにされていたという以下の話を思い出していました↓

【ストレス】家族が「物を捨てられない病」3【ジレンマ】
ttp://life7.2ch.net/test/read.cgi/kankon/1128500852/802-
> 802 名前:おさかなくわえた名無しさん 投稿日:2006/03/10(金) 17:32:24 ID:s2RHsW2o
> 上にコレクションについての話がありましたけど
>
私は夫のコレクションを捨ててしまって後悔した立場でした
>
鉄道模型でしたけど
>
> かなり古い模型がまさに大量(線路も敷いてて一部屋使っていた)という感じでした
> 結婚2年目ぐらいから
「こんなにあるんだから売り払ってよ」と夫に言い続けたのですが
>
毎回全然行動してくれずに言葉を濁す夫にキレてしまい
>
留守中に業者を呼んで引き取ってもらえるものは引き取ってもらいました
>
> 帰ってきた夫は「売り払ったお金は好きにしていい」「今まで迷惑かけててごめん」と謝ってくれました
> 残っていた模型も全部処分してくれたのですごく嬉しかったです
>
> でも
その後夫は蔵書をはじめ自分のもの全てを捨て始めてしまいました
> 会社で着るスーツとワイシャツや下着以外は服すらまともに持たなくなり
> 今では夫のものは全部含めても衣装ケース二つに納まるだけになってしまって
>
> あまりにも行きすぎていて心配になり色々なものを買っていいと言うのですが
>
夫は服などの消耗品以外絶対に買わなくなってしまい
>
かえって私が苦しくなってしまいました
>
> これだけ夫のものがないと夫がふらっといなくなってしまいそうですごく恐いのです
> こういう場合ってどうしたらいいんでしょう

> 828 名前:802 投稿日:2006/03/11(土) 12:21:02 ID:ImOgEUVz
> 皆さんありがとうございます
>
> 今朝出勤前の夫と話をしました
> 謝ろうとしたのですが
> 「君の気持ちに気づけなかった僕が悪いんだから」
> という答えしか返ってこなく謝らせてもらえませんでした
>
> 取り戻すか新しいのを買おうとも言ったのですが
> 「もういいんだ」を繰り返すばかり
>
> 考えてみれば
夫のコレクションは結婚以来ほとんど増えてません
> 昔からのものばかりだったのでしょう
> 夫の部屋の中だけでしたし掃除もしていました
> (共働きのため家の掃除は殆ど夫がしています)
>
> ただ
新婚の家に既に夫のコレクションが沢山あったので
>
私は結構苛ついていたんだと思います
> 別に部屋に籠っているというわけでもなく
> 二人で映画を見たりご飯を作ったりしている時間の方が遥かに長かったのに
> なぜか私は苛ついていました
>
> 本も読まなくなってしまいました
> 私が見ているテレビを後ろからボーと見ているだけ
>
> 謝らせてもくれないぐらい傷つけてしまったんだと思います

夫と妻との間でそれぞれの趣味に対する理解というものがないと、こういう惨劇が実際に起きかねないわけで、こういうのを見ていると、作中の小町圭も「今の時点で別れることになって却って良かったじゃないの」という感想すら出てきたりもするんですよね(苦笑)。
あの女性はまさに、小町圭の「鉄道オタク」な趣味を理解するどころか反発すらしていたわけですし。
あの主人公2人の場合、「自身も鉄道オタクである」という女性を選んだ方が後々のことを考えると良いのではないか、とついつい考えてしまいましたね(^^;;)。

物語の雰囲気は全体的にほのぼのとしていて、御都合主義的な展開はあるものの安心して楽しめる構成となっています。
鉄道オタクな方々や、ほのぼの系のストーリーを楽しみたい方向けの作品と言えるでしょうね。

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