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カテゴリー「映画観賞関連」の検索結果は以下のとおりです。

映画「エクスペンダブルズ2」が2012年10月に日本公開決定

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ハリウッド映画で活躍する新旧アクションスターが集結することで話題を呼んだ映画「エクスペンダブルズ」の続編「エクスペンダブルズ2」が、2012年10月に日本公開されることが正式に決定しました↓

http://megalodon.jp/2012-0207-2010-10/www.cinematoday.jp/page/N0039149
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] シルヴェスター・スタローンによる、アクションオールスター大集合映画の続編『エクスペンダブルズ2』の日本公開が今年の10月に決定しシュワルツェネッガーやブルース・ウィリスに加え、チャック・ノリスにジャン=クロード・ヴァン・ダムまで登場する、アクション映画ファン感涙ものの特報が公開された。
>
>  本作は、スタローンが自らメガホンを取り、アーノルド・シュワルツェネッガーにブルース・ウィリス、ジェット・リー、ドルフ・ラングレンにジェイソン・ステイサムなど、新旧アクションスターが集結した映画『エクスペンダブルズ』の続編。今回はこれまでのキャストに加え、チャック・ノリスにジャン=クロード・ヴァン・ダムという、さらなる大物たちの参戦も報じられ、ファンの期待が高まっていた。
>
>  そんな本作の日本公開が今年10月に決定、同時に日本版特報が公開された。映像は、スタローン演じるバーニーとブルース演じるチャーチが敵対するかと思わせる、緊迫の場面からスタート。そして、ジェイソン、ジェット、ドルフら不死身の傭兵(ようへい)軍団「エクスペンダブルズ」メンバーと共に、貫禄を漂わせながら悠然と歩くチャックに、悪役らしいふてぶてしい表情を見せるヴァン・ダムが登場する。
>
>  特報だけに短いものではあるが、奇跡の共演の実現を目の当たりできる映像は、まさにファン待望といったところ。すでに本作では、ヴァン・ダムが悪役にふんすることや、シュワルツェネッガーとブルースが前作以上にアクションシーンに参戦することが判明しているが、これから公開に向けてさらに詳細が明かされるはず。それまでこの映像を観ながら、筋肉と爆発、そして男気ですべてを解決する、最高のチームの活躍を見る日を楽しみに待ちたい。(編集部・入倉功一)

ちなみに日本で公開された特報映像というのはこういうものなのだそうで↓

「エクスペンダブルズ」シリーズを巡っては、盗作疑惑が持ち上がって訴訟沙汰にまで発展したり、続編映画の撮影中にスタントマンの死亡事故が発生したりと、何かとトラブルが頻発しており、一時は公開延期や中止の声すらも囁かれていました。
それだけに、何とか無事に続編公開が決定したのは何よりですね。
前作ではチョイ役での登場でしかなかった(にもかかわらず、その部分が前作一番の売りになったのは皮肉もいいところですが)ブルース・ウィリスとアーノルド・シュワルツェネッガーも是非見てみたいところですし。
当然、私も「エクスペンダブルズ2」は映画館で観賞する予定です。

映画「ペントハウス」感想

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映画「ペントハウス」観に行ってきました。
「ナイトミュージアム」シリーズのベン・スティラーと「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズのエディ・マーフィという、アメリカの著名なコメディ俳優2人が初めて共演を果たした、これまたコメディタッチなノリのクライム・アクション作品。

ニューヨーク・マンハッタンの一等地にそびえ立つ、全米一の超高級マンション「ザ・タワー」。
一戸当たりの平均物件価格数百万ドル以上、65階建ての高層ビルから眺望できる景観と最新鋭のセキュリティシステム、さらには居住者の生活をサポートする専属のスタッフによる最上のサービスが受けられるという、まさに金持ちのためにあるようなマンションです。
今作の主人公ジョシュ・コヴァックスは、その「ザ・タワー」の専属スタッフをまとめ、「ザ・タワー」に居住する人々からの要望や苦情を的確に処理することを生業とする管理マネージャー。
「ザ・タワー」居住者の誕生日や好み、性格などに至るまで把握し尽くしているジョシュは、居住者達からも専属スタッフからも頼られる存在でした。
なかでも、「ザ・タワー」の最上階(ペントハウス)に居住し、屋上のプールをも独占的に使用している大富豪アーサー・ショウは、自身の趣味であるチェスの相手をさせるほどにジョシュを信用し、「君を引き抜いてホテルの支配人にしたい」と高く評価していました。
ジョシュもまた自分に目をかけてくれるアーサー・ショウを尊敬しており、2人はまさに理想的な人間関係を具現化しているかのように思われました。
……ショウの正体が判明するまでは。

ある日、ジョシュがいつものように住人からの要望や苦情を処理している中、スタッフのひとりから不審な黒ずくめの車が2日前から「ザ・タワー」の前に駐車されているという報告を受けます。
ジョシュが問題の車を玄関先で確認すると、その車からこれまた怪しい人物が4人、車から降りて「ザ・タワー」の方へと向かってきます。
ジョシュはただちに正面玄関にカギをかけるようスタッフに指示すると、自身は警備室へと向かいます。
そこでは何と、ペントハウス在住のショウが裏口に停められていた別の車に乗せられ、その場から離れる場面が捉えられていました。
これを要人誘拐だと判断したジョシュは、一大事とばかりに警備室を飛び出し、走って車の追跡にかかります。
人と車では最初から勝負になどなりようもないはずでしたが、地の利を熟知していたジョシュは、車が通れない道を使って先回りすることで何とか車を捕捉できていました。
ところがその追跡劇の最中、通りがかりの女性からラリアット?を食らい沈没してしまうジョシュ。
それとほぼ同時に、逃走していた車もまた曲がり角を曲がりきれず横転、そこへ先ほど見かけた黒ずくめの車が停止、逃走車を確保するのでした。
実は黒ずくめの車はFBIのもので、ショウは証券詐欺の容疑をかけられ逃走を図ろうとしていたのです。
のみならず、ショウはジョシュを介して「ザ・タワー」の従業員達全員の年金運用を請け負っていたにもかかわらず、その資金を全て私的流用してしまっていたのでした。
「ザ・タワー」の仕事を辞めて年金生活をするはずだったスタッフのひとり・レスターは、長年働いて稼いだはずの7万ドル以上の積立金をショウに預けたことで全てパーになったことを知ってショックを受け、地下鉄に飛び込もうと自殺未遂に走り、病院に運ばれてしまいます。
ショウを信頼して年金運用を任せてしまった責任もあり、ジョシュは保釈金1000万ドルを支払って保釈されたショウの下へ、従業員達から巻き上げたカネを返すよう直談判へ赴きます。
ところがショウは自責の念を感じるどころか、「投資に失敗はつきもの」と開き直る始末。
この発言に怒りを爆発させたジョシュは、その場でショウがリビングに大事に飾っていた旧型のフェラーリをゴルフクラブで叩き壊してしまいます。
当然のごとく、ジョシュはその日のうちに「ザ・タワー」の総支配人にクビを言い渡されてしまうのでした。
しかし、そんなジョシュの言動に何か感じ入るものでもあったのか、FBIの女性捜査官であるクレアは、酒場でジョシュと顔を合わせ、ショウが逃走資金として用意していたはずの2000万ドルが見つからないという情報を提供します。
使用人としての知識と経験から、ジョシュはショウの部屋が改装された際にも手付かずの状態で残された壁が怪しいと睨むと共に、そのカネを奪取して失われた年金の補填に当てる計画を考えつくのでした。
計画を実行せんと、早速ジョシュは計画遂行のための仲間を集め始めるのですが……。

映画「ペントハウス」でショウの隠し資金を奪取すべく一大作戦を繰り広げる主人公とその仲間達は、しかしジョシュの幼馴染で収監されていたスライド以外は元々が「ザ・タワー」の使用人ということもあり、盗みのノウハウなど最初から全く持ち合わせてもいないズブのド素人集団です。
それどころか、基本的なチームワークすらも皆無に近く、作戦を練っている段階から勝手に離反したり、作戦にない単独行動に出たりする人間が続出した挙句、互いにいがみ合いを始めたりする始末。
さらには、大事なフェラーリを叩き壊されたことに腹を立てたショウが、週末にはジョシュを告訴し、逮捕拘禁させる旨まで明言しており、入念な準備を行うための時間的余裕すらもないという状況だったりします。
そんな彼らの唯一の武器は、「ザ・タワー」の構造や警備体制などといった、元使用人であるが故に身についた経験と知識のみ。
あまりにも悲惨な条件から考えれば、成功するのがいっそ不思議なくらいの奪取作戦ではありましたが、しかしいざ計画が実行されると、決行日がちょうど感謝祭で「ザ・タワー」周辺がお祭り騒ぎになっていたことも手伝ってか、序盤は意外と順調に推移していたりします。
監視カメラが侵入者の姿をバッチリ捕らえているのに、肝心の警備員達は監視映像の方を見ることすらなく雑誌に夢中になる始末でしたし。
順調に行き過ぎて、逆に「これって警備体制の方に重大な問題があるのでは……」などと考えてしまったくらいです。
まあ、凶事が来るかどうかも分からず、そもそも何事もない平穏な日々が長く続いている状況下で、しかもお祭り騒ぎで世間が沸いている時期に、四六時中緊張感を保ち続ける方が無理な相談ではあるのかもしれませんが。

また、ジョシュ達はショウの隠し資金を探し出す過程で、序盤でジョシュが叩き壊したフェラーリの中から、ひとつの元帳を発見します。
それはショウがこれまで行ってきた不正取引の全記録を綴ったもので、それは証拠不十分で無罪になろうとしていたショウを有罪にするだけの動かぬ証拠でもありました。
そして物語終盤、ジョシュはその元帳を使ってFBIに交渉を持ちかけ、元帳を提供する代わりに自分達を無罪放免にしてくれと、一種の「司法取引」を申し出るんですよね。
しかも、ショウを証券詐欺で立件したいFBIはこれに応じて、計画の首謀者であるジョシュを除く全員を無罪放免にしてしまうんですよね(ジョシュは懲役2年)。
この辺りは「司法取引」が当たり前であるアメリカならではの光景ですね。
仮に日本で同じようなケースがあった場合、警察は当然のごとくそのような取引には応じることなく、計画の首謀者にも共犯者達にも刑法通りの重罰を裁判で求刑するでしょうし、また元帳は問答無用で接収された挙句、下手すればその証拠能力が裁判で認められない事態すらも充分に起こりえるのです。
元帳は合法的な手続きに基づいて入手した証拠物品ではないから裁判の場で提出することすら認められない、そういう話になってしまうわけです。
法理論的な観点だけから言えば、むしろ日本のような行政・司法のあり方こそが正しくはあるわけなのですが、現場は当然のことながら理論だけで動いているわけではありません。
日本のような(すくなくとも表面的には)コチコチの法理論最優先の行政・司法形態が望ましいのか、それともアメリカなどのようにある程度の柔軟性があるものが良いのかについては正直微妙な話ではありますね。
もっとも、司法取引が法制化・マニュアル化されていない日本では、警察が一種の誘導尋問を意図して「釈放」「この案件については不起訴にする」などを餌に司法取引モドキなことを容疑者相手にやらかした挙句、裁判の場で堂々と取引内容を覆して被告と新たな紛糾の種になる、といった事例も多々あったりするのですが。

コメディ俳優としての有名どころ2人が共演しているだけあって、作中ではしばしばコメディ的なやり取りがかわされる場面もあったりしますが、基本的には「オーシャンズ11」シリーズばりのシリアスな展開がメインですね。
「オーシャンズ11」シリーズのような「盗みの頭脳戦」が好きという方にはオススメできる作品ですね。

映画「日本列島 いきものたちの物語」感想

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映画「日本列島 いきものたちの物語」観に行ってきました。
カメラマン達の実に2年半にも及ぶ動物達の観察と記録を元に製作されたドキュメンタリー映画。

映画「日本列島 いきものたちの物語」の内容は、イギリスのBBCが製作し、日本では去年公開された映画「ライフ -いのちをつなぐ物語-」の日本国内限定版、といったところですね。
ただ、「ライフ -いのちをつなぐ物語-」が、世界各国に生息する様々な動物10数種類およびその特徴をひたすら紹介していく進行だったのに対し、今作では主要なスポットが当てられる動物は以下の6種に限定されます。

北海道 知床半島 ヒグマ(双子の兄弟)
北海道 釧路湿原 キタキツネ
北海道 襟裳岬  アザラシ
青森県 下北半島 ニホンザル(人を除く霊長類で世界最北端に生息)
兵庫県 六甲山地 イノシシ
鹿児島県 屋久島 ヤクシマザル(ニホンザルの亜種)

これら以外にも紹介されている動物や海洋生物は一応いることはいるのですが、それらの生物達は上記6種の動物紹介の幕間に、ほんの一場面を紹介される程度の内容しか紹介されていないんですよね。
メインはあくまで上記6種で、彼らは冬の終わり頃から翌年の春頃までの生態の様子が紹介されています。
子育て関係は「ライフ -いのちをつなぐ物語-」でも描かれた部分ですが、親から離れて独立していく過程は今作オリジナルですね。

見ていて対照的だったのは、台風に耐えられず死んでしまった自分の子供を、まるで生きているかのように毛繕いをし続けた挙句、死んだ子供の後を追うように死んでいった屋久島ヤクシマザルの母ザルと、子育て5ヶ月で子供に噛み付いて自分のところから叩き出した釧路湿原キタキツネの母キツネですね。
一見正反対に見える母親としての行動ですが、これはどちらも立派な母性本能の産物なのです。
単独で生きていくことが不可能な子供の時期は、もちろん親として子供を外敵から守り育てていく。
そして子供が一人前に育ち、自立できる時期になると、子供を自立させるために自分の子供をあえて攻撃し自分から引き離す。
どちらも、生き抜くために必要不可欠となる動物的な母性本能の為せる業であるわけです。
母キツネの元から追い出された子ギツネは、同じように追い出された異性のキツネを探して子作りを行い、産まれた子供に対してまた同じことを繰り返すわけですね。
キタキツネの子供追い出し行動は奇異なものに映るかもしれませんが、動物一般における母性本能としてはこちらの方が普通なのです。
むしろ、人間のように「子供が成長してもなお子供を保護し続けようとする心理」が母性本能に備わっているような生物の方が極めて稀だったりします。
これは、人間が他の動物に比べて子育ての期間を長く必要とすることが影響しているのでしょうね。
人やサルなどの霊長類系は寿命が長いこともあってか子育ての期間も長いのですが、キタキツネは一般的な寿命が5~6年で子育て期間5ヶ月、イノシシやヒグマなども子育て期間は半年程度と作中でも明示されていましたし。

今作は映画「ライフ -いのちをつなぐ物語-」と同じく、動物をドキュメンタリー的に見せるのがメインの作品なので、物語としての面白さやハリウッド系のような迫力ある演出などとは全く縁がありません。
動物がとにかく好きという方や、誰かに動物を見せたいという人には必見の価値もあるのでしょうが、一般受けする映画とはやはり言い難いですね。

映画「ドットハック セカイの向こうに(3D版)」感想

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映画「ドットハック セカイの向こうに(3D版)」観に行ってきました。
2002年から始まり、マンガ・アニメ・ゲームその他多彩にメディアミックス展開されてきた「.hack(ドットハック)」シリーズの3Dアニメ映画。
当初、今作は私の映画観賞予定リストには含まれていなかったのですが、たまたま休みとなった2月1日がちょうど「映画の日」で映画料金が割安だったこともあり、急遽映画館へ足を運ぶことになりました。
3D版しか上映されていなかったので泣く泣く3D料金での観賞となりましたが、相変わらず2Dとどこら辺が異なるのかよく分からない映像で、その点については「何故こんなことに余計なカネを使わなければならないのか?」といつものことながら嘆かざるをえなかったですね(T_T)。

物語は2024年、何故か数匹のクジラとそれを取り囲んでいる数隻の船の様子が描かれている有明海の描写がひとしきり映し出された後、とある中学校で行われている学力テストの風景から始まります。
作中における2024年の学校では、机に固定されている?iPadの発展型のような端末を使って授業やテストが行われているらしく、また黒板もチョークで書き込むものではなく「黒板型電光掲示板」のようなシロモノに変えられています。
また、テストが終わったら後ろの席から解答用紙を集めていくのではなく、教師の端末に答案内容を送信するという形になっています。
ただ、この一見「未来」を感じさせるハイテクの数々にも問題がないわけではなく、テストの問題を解くのに難儀していたらしい今作の主人公・有城そらの席では、端末の調子が悪いのか教師の下へなかなかデータが送信されないといった不具合が発生したりもしていました。
ああいうのって意外に大きな問題になりそうな気もするのですが、それはさておき、テストが終わったクラスでは、冒頭に出てきた有明海に流れ着いたというクジラの話題で持ちきりになっていました。
ちなみにクジラの描写は、今後の物語で何らかの伏線として機能するのではないかと思ったのですが、結局序盤でクラスメイト達に話題を提供した以上の役割はありませんでした(T_T)。
話題となっている有明海が中学校からほど近いこともあり、友人達から一緒にクジラを観に行こうと誘われる有城そらですが、有城そらは迷った末にこれを断り、そのまま自宅への帰路に着きます。
その帰り道、有城そらは街の水路にあるベンチに座り込んでいる熱中しているクラスメイト・田中翔に出会います。
彼は「FMD」と呼ばれている特殊なメガネをかけ、携帯でも出来るオンラインゲーム「THE WORLD」に没頭していたのでした。

実は有城そらのクラスでは「THE WORLD」が流行しているらしく、「THE WORLD」をプレイしたことがないのは有城そらひとりだけという状況でした。
有城そらは頑固一徹の祖父の影響もあり、その手のゲームに全く近づこうとはしなかったのです。
他のクラスメイトとの会話でもしばしば「THE WORLD」の話が持ち出され、ひとり全くゲームをプレイしていない有城そらは、どこか話題から取り残されたような感覚を覚えるようになっていました。
幼馴染の岡野智彦および田中翔と一緒に福岡市の天神へ遊びに行った際も、「THE WORLD」絡みで新型「FMD」を購入するため家電ショップへ向かう友人達と途中で別れてしまうことに。
ところがその家電ショップで岡野智彦と田中翔は、ちょうど買い物を済ませて店から出てこうとする有城そらの祖父・有城武生を発見。
近くのマクドナルド?で問い詰めた結果、有城武生もまた「THE WORLD」にハマっていることを告白したのでした。
有城武生と出会ってすぐに再度合流するよう携帯で連絡を受けた有城そらもこの事実を知るところとなり、これが有城そらが「THE WORLD」の世界に踏み込むひとつの大きなきっかけとなります。
そんな中、ホームサーバー情報収集ロボ「まことさん」から「THE WORLD」のお試しが届いたという連絡を受け、さらに田中翔から「FMD」を貸してもらったことなども手伝い、有城そらは「THE WORLD」の世界へ足を踏み入れることになるのですが……。

この映画では、オンラインゲーム「THE WORLD」と、福岡県柳川市を主要舞台に物語が展開されます。
「THE WORLD」はあくまでも架空の存在ですが、作中に登場する現実世界の施設などは、現実にあるものがそのまま使われています。
たとえば、主人公達が通っている中学校のモデルは柳川市立柳城中学校で、体育館や校舎といった外観もそっくりに描写されています。
また、主人公達が福岡市の天神へ遊びに行く際に使用していた鉄道は、作中で走行している列車内にある電光掲示板に「福岡(天神)行き 次は花畑」と表示されていたことから、福岡市天神から福岡県南端の大牟田市までを結ぶ西鉄天神大牟田線であると簡単に特定できます。
福岡(天神)駅も花畑駅も共に西鉄天神大牟田線にある駅であり、特に西鉄久留米駅の南隣に位置する花畑駅は西鉄天神大牟田線にしか存在しないのですからね。
これが西鉄天神大牟田線の駅一覧↓

http://www.nishitetsu.co.jp/train/rosen/o.htm

さらに、天神で主人公達が街を歩いていた際に描写されていた大通りや建物などといった諸々の風景も、実際に天神で見られるそれをそのままベースにしていますし、作中に出てくる家電ショップでは、九州大手の家電量販店「ベスト電器」オリジナルの店内放送BGMが流れていたりします。
アレを聞いた時は、映画「ニューイヤーズ・イブ」および映画「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」で、「TOSHIBA」という実在の企業名がしばしば登場していた事例をついつい思い出してしまったものでした(苦笑)。
物語後半に登場する病院に至っては、そのものズバリ「長田病院」という固有名詞がデカデカと描写されていましたし、その外観もまた、福岡県柳川市に実在している長田病院そのものだったりします。

柳川市の内科専門病院:清和会長田病院(ながたびょういん)
http://www.seiwakai.info/nagata/index.html

公式サイトのプロダクションノートによれば、今作の映画制作者達は、作中に登場している店や施設のほとんどから実際に許可を取って描写していたのだそうです。
西鉄天神大牟田線と福岡天神は個人的に馴染み深いものだったこともあり、風景などはよく覚えているだけに「ああ、ここは見覚えがあるな、あそこら辺だろう」とあちこちで何度も感慨を抱いたものでした。
現地を知っている九州の人間としてそう感じるわけですから、その作りこみぶりは相当なまでに気合が入っているものなのではないかと。
ただ、肝心の柳川市はロクに行ったことがないので、柳川市のシンボルにして観光名所にもなっているはずの水路と川下りは、すぐには「柳川のことか!」と連想することができなかったのですが(^^;;)。
一応知識としては柳川にもそういう名所があることを知ってはいたのですけど、個人的に「川下り」と言ったら、一度も行ったことのない柳川の川下りよりも、過去に実際に乗ったことのある球磨川のそれの方が先に結びつくものだったりしますからねぇ(苦笑)。

九州ローカルネタ以外で印象に残ったことと言えば、2012年時点の水準から見ればとてつもなく高性能なのに、作中の基準的には2世代前の旧型らしいホームサーバーの「まことさん」の存在ですね。
IT絡みについては何も知らない主人公を完璧にサポートできる機能がある上に、主人公の命令や質問に対しても受け答えができるという高性能なAI機能が搭載されているときています。
今から僅か12年後でああいうのが一般化するというのはまさに夢のような世界ではありますね。
ただ、いずれはAI機能が実用化されるにしても、今から僅か12年で、それも一般家庭でも普通に購入できるというところまで発展できるのかと言われれば、かなり疑問と言わざるをえないところではあるのですが。
「ナイトライダー」シリーズを観ていた頃からああいうのは好きではあるのですけど、いつになったら作中のようなAI機能が一般的な商用実用化のレベルにまで到達するのかなぁ、と。

映画「ドットハック セカイの向こうに」は、良くも悪くも「オンラインゲームについて知っている人向けの内容」で構成されていますね。
一応主人公を「オンラインゲーム初心者」に設定した上で、何も知らない人間の視点からオンラインゲームにハマっていく過程を描いてはいますが、オンラインゲームのことを知らなかったり、偏見を抱いていたりする層に受けるような作品ではないのではないかと。
客層をかなり限定しそうなので、大ヒットは難しいと言わざるをえない映画ですね。

映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」感想

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映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」観に行ってきました。
東野圭吾原作のミステリー小説「加賀恭一郎シリーズ」の「新参者」を基に、阿部寛主演で放送されたテレビドラマの劇場版。
「加賀恭一郎シリーズ」は、第1弾「新参者」が2010年4月~7月にテレビドラマシリーズとして、第2弾「赤い指」が2011年1月3日に新春ドラマスペシャルとして、それぞれTBS系列で放映されており、今作はその流れの続きという形になります。
公式サイトによると、今作は「新参者」から1年後の設定なのだとか。
残念ながら私は原作&テレビドラマシリーズについては未読&未観賞だったのですが、一部主人公の人物関係で不明な点はあったものの、主要な設定などについて問題があるということもなく、前作を知らなくても充分に楽しむことができました。
もちろん、予め原作&テレビドラマ版を知っておいた方が「より」楽しめるであろうことは確かでしょうけど。

6月13日午後8時58分、東京都中央区にある日本橋の中央にある麒麟の像まで歩いてきた男性が倒れる事件が発生。
現場にいた警官がすぐさま所轄の警察本部と連絡を取り、男性はただちに救急車で搬送されたものの、病院で死亡が確認されました。
男性の腹部には刃渡り8cmのナイフが突き刺さっており、殺人事件であることは誰の目にも明らかでした。
一方その頃、今作の主人公である加賀恭一郎は、現場からそう遠くないとある喫茶店だかレストランだかで、亡くなった自身の父親の三回忌に出席するよう、父親の最後を看取った看護師・金森登紀子に詰め寄られていました。
加賀は父親との約束を持ち出して頑なに三回忌出席の確約を拒否しようとしますが、金森は何故かしつこく加賀恭一郎に出席を迫り続けます。
彼女が何故そのような態度を取るのかは物語中盤の終わり頃に明らかとなるのですが、そんなやり取りの最中、加賀の携帯に先述の殺人事件発生の連絡が入りやり取りは中断、加賀はただちに現場に赴くこととなります。
殺害された男性はカネセキ金属という企業で製造本部長を務めていた青柳武明という人物で、日本橋の麒麟の像から(負傷の身では歩いて8分近くもかかる)離れた地下道で血痕が残っていたことから、そこで刺されたという事実が判明。
何故彼は刺された場所から麒麟像まで、瀕死の身で歩いてきたのか?

また事件現場から程近い別の場所では、青柳武明のカバンを抱えて草むらに隠れているひとりの男性の姿がありました。
その男性・八島冬樹は、同居中の恋人・中原香織に携帯で電話をかけ「俺、大変なことをやってしまった」というメッセージを残した後、巡視中の警官に職務質問されて逃走中、トラックに撥ねられて意識不明の重態に。
あまりにも怪しすぎる状況から、警察の対策本部では八島冬樹が事件の犯人ではないかと睨んで捜査を開始します。
すると、一見何の関係もないかのように見えた被害者と容疑者の間に「カネセキ金属」という共通項があることが判明。
八島冬樹は、かつて青柳武明が製造本部長を担っていた「カネセキ金属」の派遣労働者として働いていたことがあり、契約期限前に解雇された経歴があることから、その恨みで犯行に及んだのではないかと推察されたわけです。
一刻も早く事件を解決済みとしたい警察の対策本部は、八島冬樹の容態が回復する気配がないこともあり、容疑者死亡のまま送検すること目的にマスコミに情報を流し、その推察を既成事実化して記者会見で公式発表しようとします。
しかし、八島冬樹が「カネセキ金属」から解雇されてから半年もの時間が経過していることや、殺害に使われたナイフが八島冬樹の物であることが立証できないことなどから、加賀は上層部に記者会見を思いとどまらせ、独自の捜査を進めていきます。
やがて、その捜査から、被害者が殺された真の経緯と事件の真相が浮かび上がってくるのですが……。

映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」を観ていて個人的に強く印象に残ったのは、殺人事件の容疑者として警察が最初にクローズアップされた八島冬樹を巡る各人の反応ですね。
彼が「カネセキ金属」から契約期間前に解雇されたのは、工場で稼動させているベルトコンベアーを非常時の際に緊急停止させる「インターロック」を起動させていなかったことによる労災事故が原因だったのですが、「カネセキ金属」の現場工場長はこの事実を上司である青柳武明に報告しなかった上、彼の死後にそれが明るみに出た途端、今度は「死人に口なし」とばかりに青柳武明にその全責任を押し付けているんですよね。
結果、殺された被害者の遺族達は「殺されて当然だ」と言わんばかりの非難を浴び、さらには被疑者の長女が自殺未遂を図るなどという事態にまで発展してしまいました。
また、「八島冬樹犯人説」がワイドショーなどで盛んに報道された結果、恋人兼同居人だった中原香織は、「自分の店について悪い噂が流れると困るから」という理由で肉屋のバイト先からクビを言い渡されてしまいます。
このいかにも「事なかれ主義」的な営利企業の自己保身な言動の類は、現実にも普通に起こりえることなのでしょうが、風説の流布によってそういう目に遭わされる側にしてみればたまったものではないでしょうね。
物語の終盤で、それらの風説は事件の真相と共に事実とは全く異なることが判明するのですが、名誉を回復されたはずの関係者達は、しかし当面の間は引き続き白眼視され続ける環境に置かれ続けることになるのが目に見えています。
一度毀損された名誉はそうそう簡単に回復するものではありませんし、虚偽の風説を信じて解雇などの権限を発動した企業や人間が、その自身の責任を認めて被害者に謝意を表する事例なんてほとんどないのですから。
「そんな報道を流すマスコミが悪い」か「そんな報道を流された被害者にも責任がある」かのどちらかの主張を展開した挙句、最後の結末は「自分は悪くない」で締めくくるわけで。
いや、後者はともかく前者は必ずしも間違っているわけではないのですが、それを含めて考えても「その間違った報道を信じて行動に移した自分」の責任は免れないのですから、本来は何の言い訳にもならないはずなのですけどね。
しかも、それでも「事実関係が間違っていた」ことを認めるのであればまだマシな方で、それすらも認めなかったり後者の理由を振り回したりした挙句、相変わらず被害者を罵りまくるという、救いようのないほどに最悪な連中もいるのが現実です。
これも「間違った情報を元に間違ったことをやらかした事実を認めたくない」「そのことに対する責任を取らされたくない」という自己保身の産物なのでしょうが、作中における被害者の遺族は、これからも一度流された風説に苦しめられ続ける日々が続くことになるのではないかと。

それと、これはテレビドラマ版の延長線上にあるのでしょうが、主人公の加賀恭一郎ってやたらと顔が広いですね。
現場に程近い店々の店員達の多くと顔見知り&かなり親しげな様子でしたし、彼ら彼女らから被害者や容疑者に対する多くの情報を引き出すことにも成功しています。
実際の警察の捜査でも、一般人の協力から事件解明や犯人調査に纏わる重要な情報が得られることが少なくないそうなので、ああいうのって結構な「強み」になるでしょうね。

あと、今作では銀英伝舞台版第一章でラインハルト役を演じた松坂桃李が「殺害された青柳武明の長男役」で出演しています。
「父親に隔意ありげな息子」という役柄を存分に演じきっていました。
映画観賞中は全く気づくことがなく、観賞後に公式サイトで作品情報や登場人物名を調べていた際にその事実を知って「意外な縁があったなぁ」と少々驚いた次第で(^^;;)。
個人的には、銀英伝舞台版第一章絡み以外で彼の名前を見かけたのも、またそれ以外の出演作品を観賞したのも今回が初めてだったりします。
1年半以上ぶりに改めて調べてみたら、松坂桃李は去年から映画やテレビで積極的に顔を出すようになっているみたいですね。

映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」は、同じ東野圭吾原作のミステリー小説でも、まるで救いようのないバッドエンドと、人間の冷酷さがこれでもかとばかりに繰り広げられた映画「白夜行」とはまた一味違った面白さがありましたね。
ミステリー的な出来の良さや人間ドラマにスポットを当てたドラマ展開は相変わらず秀逸で、観る者を退屈させることがありません。
作中に出てくるエピソードの数々も、上記で挙げた通り現実にも充分に起こりえる展開ばかりで、それらが全て繋がることで謎が解明されていく過程は爽快感すら覚えるものがありましたし。
また今作は「白夜行」と違ってバッドエンド物ではないので、その手の作品が苦手という方にも素直に楽しめる作品ではないかと思います。

男女逆転「大奥」の続編がTVドラマ&映画で制作決定

すっかり見逃していましたが、2010年に劇場公開された男女逆転「大奥」の続編製作が決定したそうですね。
原作の2巻~4巻に当たる「有功・家光篇」がTBS系列のTVドラマとして2012年10月から、ドラマ終了後の12月に、原作の4巻終盤~6巻前半頃までの物語となる「右衛門佐・綱吉篇」が劇場公開になる予定とのことです↓

http://megalodon.jp/2012-0123-1746-26/www.cinematoday.jp/page/N0038526
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 2010年に公開された映画『大奥』の続編が、映画とテレビドラマで製作されることが発表され、その両方で堺雅人が主演を務めることが明らかになった。原作2~4巻にあたるテレビドラマ「大奥[有功・家光篇]」では多部未華子が3代将軍・家光を、同4~6巻にあたる映画『大奥[右衛門佐・綱吉篇]』では菅野美穂が5代将軍・綱吉を演じる。堺が、多部、菅野と共演するのは今回が初めてだ。
>
>  2004年に連載開始されたよしながふみの原作は、謎の疫病により男女の立場が逆転した江戸時代の大奥を舞台にしたマンガ。二宮和也と柴咲コウが共演した映画第1作では、8代将軍・吉宗の時代を描き、興収23億円というヒットを記録した。待望の続編で描くのは、第1作以前の時代だ。テレビドラマが10月よりTBS系列で放送された後、12月22日より映画版が公開という一大プロジェクトになる。
>
>  ドラマ版では汚れなき心を持つ院主・有功(ありこと)、そして映画版では胸に野望を秘めた、有功にうり二つの男・右衛門佐(えもんのすけ)という一人二役に挑戦する堺は「大河ドラマに参加するときのような、意気込みと緊張感で臨みたいと思っています」とコメントすると、大奥総取締役という役柄に掛けて、「華やかな世界ですが、あくまでも裏方。いい作品になるよう、(将軍役の)お二人を支えながら粉骨砕身力の限りを尽くす所存です」と明かしている。
>
>  その堺に「運命を見据えた、強いまなざし」と評されたドラマ版の多部は、初の女将軍という役どころについて「大きなプロジェクトで重要な役柄を担うことに、とても緊張していますし、不安でいっぱいです」と語れば、「かなしげな、悩ましい吐息」と評された映画版の菅野も「まさか自分が、将軍の役をやらせていただく機会があるなんて、夢にも思いませんでした」と驚きを隠せない。
>
>  現在、すでに衣装合わせは終わったといい、菅野は「将軍の葛藤(かっとう)、孤独、やり切れない運命を、そして、生きている人間だからこそのどうにもならない弱さ、愚かさを、エンターテインメントとして演じられたら良いなと思います」と意気込んでいる。前作に続き、監督は金子文紀が務める。(編集部・福田麗)

あの男女逆転「大奥」の映画版1作目は、それ単体で自己完結するように出来ており、かつ続編を匂わせる描写も全くなかったので、続編が出るかどうかは正直微妙なところではあったんですよね。
特に映画となると、「有功・家光篇」にせよ「右衛門佐・綱吉篇」にせよ、1作目の「水野・吉宗篇」よりもはるかに長い話になりますから、かなりエピソードや途中経過を端折って一種の「ダイジェスト」的なものにでもしないと、せいぜい2時間前後くらいしかない上映時間枠内にはとても収められないという問題もありましたし。
何よりも、延々と江戸城内における政治的駆け引きや陰湿な人間模様ばかり描かれることもあって、映画を盛り上げる派手なアクションやSFX的な描写がまるでないときていますからねぇ。
映画版1作目も、原作にない夜中の決闘の描写を無理矢理に挿入していたくらいなのですから。
そういった条件を鑑みると、続編を制作するならば映画よりもTVドラマの方がはるかに向いていることは確かで、その点では妥当な選択と言えるでしょうか。

しかし、右衛門佐に「有功とうり2つの男」などという設定なんてありましたっけ?
一応、同じ京の出身で、かつ自分のところ挨拶にやってきた右衛門佐の姿に桂昌院が有功の面影を見たという描写はあるのですが、直後に桂昌院は「奴と有功様は似ても似つかない」などと全否定に走っていますし、それ以前にコミック版における両者の顔はそれほど「似ている」という感じでもなかったのですが。
有功と右衛門佐双方と面識があった村瀬とかいう「大奥」の歴史書「没日録」を綴っていた老人も、右衛門佐が有功そっくりとは全く述べていないのですし。
原作で明確に「有功とうり2つの男」と謳われているのは、徳川4代将軍家綱の父親となった「お楽の方」こと捨蔵であって、右衛門佐ではないはずなのですが。
映画&TVドラマ版のオリジナル設定なのでしょうかね、これって。

ちなみに私は、男女逆転「大奥」について映画感想以外にもこれだけの記事を書いていたりするのですが↓

実写映画版とコミック版1巻の「大奥」比較検証&感想
コミック版「大奥」検証考察1 【史実に反する「赤面疱瘡」の人口激減】
コミック版「大奥」検証考察2 【徳川分家の存在を黙殺する春日局の専横】
コミック版「大奥」検証考察3 【国内情報が流出する「鎖国」体制の大穴】
コミック版「大奥」検証考察4 【支離滅裂な慣習が満載の男性版「大奥」】
コミック版「大奥」検証考察5 【歴史考証すら蹂躙する一夫多妻制否定論】
コミック版「大奥」検証考察6 【「生類憐みの令」をも凌駕する綱吉の暴政】
コミック版「大奥」検証考察7 【不当に抑圧されている男性の社会的地位】
コミック版「大奥」検証考察8 【国家的な破滅をもたらす婚姻制度の崩壊】

今回の映画&TVドラマ化で、これら私が提起した問題点の中の何かが補完・解消される、ということが果たして起こりえるでしょうか?
個人的には、作中における女性の男性蔑視思想が醸成されていく過程がきちんと描かれれば、結構面白い上級シャーロキアン的な設定補完になるのではないかと思うのですけど。
健康的な男性が働こうとするのを「赤面疱瘡」の名の下に意図的かつ強引に「押し込め」てしまったり、幼い男子に無理矢理「ジェンダーフリー教育」モドキな女性化教育を施して男性的な要素を取り除こうとしたりとか、そういった「女性による組織的な男性の去勢化」が普通に横行しているような世界でもなければ、そもそも「男女逆転」なんて発生のしようもないのですからねぇ。
目先の女性受けと視聴率狙いに狂っている上に思想自体も左がかっている昨今のテレビ局であれば、鼻に付きまくる女性至上主義的な描写を乱発することで案外簡単に実現してしまいそうな気もしなくはないのですが(苦笑)。

映画「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」感想

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映画「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」観に行ってきました。
「Mr.ビーン」で有名なイギリスのローワン・アトキンソンが主演を担う、スパイアクションコメディシリーズの2作目。
ちなみに前作「ジョニー・イングリッシュ」は未観賞です(^^;;)。
作品の邦題タイトル自体が、イギリスで2008年(日本では2009年)に劇場公開された映画「007 慰めの報酬」をもじったものであることからも分かるように、今作は「007」シリーズのパロディ物的な要素が強いですね。
「007」ばりの秘密兵器やボンドガールもどきも出てきますし。

前作の活躍?で、一時はイギリスの秘密諜報組織MI7で一番のエースにまでのし上がっていた主人公ジョニー・イングリッシュ。
しかし彼は、5年前にモザンビークで要人警護に失敗し、要人を暗殺されてしまうという大失態を犯してしまい、MI7からクビを言い渡され、チベットの僧院で修行に明け暮れる日々を送っていたのでした。
このモザンビークでの失態の詳細については物語中盤で明らかになるのですが、どう見ても「イングリッシュでなければやらないであろう失態」でしたね。
イングリッシュにとってもこの失態は相当なまでに堪えているようで、作中でも他人にモザンビークの件について触れられる度に右瞼が震えまくるという形で表情に出てきます。
後半ではすっかり開き直ったのか、「アレは俺の失敗ではない、今回追っている連中が関わっていたんだ」などと言い訳がましいタワゴトをのたまいまくっていましたが(苦笑)。
それはさておき、チベットの僧院で金的攻撃に対する耐性を身につけるための修行をしていたらしいイングリッシュの元に、MI7の復帰要請が届けられます。
チベットの僧院に何故か存在していた、全く似つかわしくないパソコン端末から復帰要請を受けたイングリッシュは、チベットから一路イギリスへ。

イングリッシュがいなくなっていた5年の間に、MI7はすっかり様変わりしていました。
何故か日本企業である東芝の傘下に入り、しかも自らがスパイ組織であることを大々的に公示するかのような垂れ幕を1F正面ロビーに堂々と掲げているMI7。
東芝と言えば、映画「ニューイヤーズ・イブ」でも「TOSHIBA」の文字が作中のあちこちにやたらと出てきていましたが、そういう宣伝戦略でも東芝はやっているのでしょうかね?
さらに中へ入っていき、これまたすっかり様変わりしたMI7の局長パメラ・ソーントン、通称「ペガサス」と対面。
「ペガサス」はイングリッシュに説明を始めるのですが、イングリッシュは話を聞いていないばかりか、部屋のソファーに座っていたネコをビルから落としてしまったり(ネコはイングリッシュにとって最悪のタイミングで戻ってきます)、同じく部屋の中にあったバランスボールに座ろうとして転倒したりと、ここでもドジを振りまきまくります。
その後でイングリッシュは、映画「007」シリーズでもおなじみとなっている、秘密兵器を開発している部署へと案内され、そこで秘密兵器の紹介と使い方の説明が行われるのですが、その最中でも兵器を誤作動させたり、変声キャンディを無断で食べたりと、やはりお笑いネタをばら撒いていきます。
そんなイングリッシュに与えられた任務は、英中首脳会議に出席する予定となっている中国の首相の暗殺を阻止すると共に、暗殺を企んでいる組織についての情報収集を行うこと。
イングリッシュは、その情報を提供したフィッシャーという人物に会うため、MI7から相棒として自分と共に行動することになった諜報員タッカーと共に香港へと向かうのですが……。

映画「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」では、主人公ジョニー・イングリッシュがとにかくドジを繰り返します。
敵を追い詰めている最中に余所見をしてその隙に相手に逃げられたり、何とか手に入れた重要アイテムの扱いが諜報員とは思えないほどに雑で簡単に敵に奪われたり、せっかくヘリが操縦できるのに道が分からないからと超低空飛行(地上からたった50cm浮いているだけ)&クルマ以下の速度で道路上を滑空していたり。
老婆なのに恐ろしく俊敏でイングリッシュをつけ狙ってくる殺し屋クリーナー相手には、全くの別人の後ろ姿をクリーナーと勘違いして襲撃した挙句、頭を押さえつけてトレイでバンバン叩くという失態を二回も繰り返していますし。
「可能を不可能にする男」のキャッチフレーズを裏切らない活躍(?)を次から次に演じてくれます。
一番笑えたのは、英中首脳会議に臨むイギリス首相も交えたMI7の事前ミーティングの場面でしたね。
イギリス首相の顔も知らないで首相の隣の席に座り、「首相はまだ来ないのか?」などとのたまうイングリッシュ。
イングリッシュが座った椅子には、取っ手部分に座高を調整する電動機能が搭載されていたのですが、イングリッシュその取っ手を適当に弄り回した挙句に壊してしまいます。
その結果、イングリッシュの椅子の座高は限界まで下がったり、逆に上がったりを繰り返すことに。
ただ座っているだけのイングリッシュが上がったり下がったりを繰り返しているのに、当のイングリッシュはひたすら無表情で取り繕っていますし、周囲も明らかに奇異な目で見ていながら全くツッコミを入れないしで、単純ながらも滑稽なその構図は大ウケで、スクリーン内でも笑いの小声があちこちから上がっていました。
アレは共演者達も、さぞかし笑いを堪えるのに大変だったことでしょうね。

また、映画終了時に流れるスタッフロールでも、イングリッシュのお笑い劇場は続きます。
そこではイングリッシュが料理をする場面が出てくるのですが、イングリッシュの調理方法がとにかく「雑」のひとこと。
音楽をかけながら素材を切っていくのは良いのですが、切った際に素材がまな板から飛び散っていく上、散らばった素材をキッチンの引き出しの中に隠蔽するイングリッシュ。
最後は無造作に切断しまくった素材をかき集めてレンジにぶち込むところで終わるのですが、何がやりたかったのかすらもロクに分からないところも含めてここでも笑えましたね。
そんなわけで、今作を観賞する際には、スタッフロールが終わるまで席を立たないことをオススメしておきます。

映画「マイウェイ 12,000キロの真実」感想

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2012年映画観賞のトップを飾る作品は「マイウェイ 12,000キロの真実」。
1944年のノルマンディー上陸作戦時に捕虜になったという東洋人の証言を元に作られた韓国映画です。
韓国映画は、2001年に日本で公開された映画「リベラ・メ」以来、実に11年ぶりの観賞であり、さらに今作が2作目の作品となります。
しかも「リベラ・メ」は元々「ハリウッド系」と勘違いして観に行った映画でしたし、最初から韓国映画と承知の上で観賞した作品としては、実は今作が初めてだったりするのですが(^^;;)。
さて、その出来の程は如何に?

物語は、1948年のロンドンオリンピックにおけるマラソン競技が映し出されるところから始まります。
競技の終盤になったところで突如、265番のゼッケンを付けた選手が他の先頭走者をごぼう抜きしていく描写が展開されます。
競技を実況していたアナウンサーが叫んだ、ここでは後ろ姿しか描写されないその選手の名前は「韓国のキム・ジョンシク」。
そしてここから、舞台は1928年の日本へと移っていくのです。

日本の併合下にあった1928年当時の朝鮮。
その中心地であった京城(現在のソウル)に、現地の憲兵隊司令官の孫である長谷川辰雄が親に連れられてやってきました。
まだ少年だったこともあってか、両親と一緒に乗っている車の中でこれからの生活に不安を抱く長谷川辰雄。
しかし窓から外を見ると、自分のことを見つめながら車を一緒に走っている自分と同年齢くらいの少年の姿が。
そして憲兵隊司令官である祖父の家に着くと、長谷川辰雄は門の前まで出迎えに出ていた祖父に使用人の兄妹を紹介されます。
その兄こそがキム・ジョンシクであり、長谷川家の使用人をやっている朝鮮人の息子だったのです。
同じ「足が速い」ことを特技としている2人は、その場で競争を開始。
以後、2人は様々なマラソン競技大会で競い合うようになり、自他共に認めるライバル関係となっていきます。
ところが、そんな2人の良好な関係は、とあるマラソン大会の直後に行われた祝賀パーティーで一変します。
長谷川辰雄の祖父が、朝鮮人によるものと思われる爆弾テロによって殺されてしまったのです。
そのありさまを目の当たりにした長谷川辰雄は、以後、朝鮮人を激しく憎むようになってしまい、同じ朝鮮人であるキム・ジョンシクに対しても「二度と俺の前に現れるな、その時は殺す」という脅し文句を叩きつけて絶交してしまうのでした。

その後、キム・ジョンシクは人力車の仕事で生計を立てていくのですが、その走りがベルリン・オリンピックに「日本代表」として出場し金メダルを獲得した朝鮮人のソン・ギジョン(孫基禎)の目に止まり、彼に1940年開催予定の東京オリンピック出場者を選考するためのマラソン大会に出場する権利を与えてくれます。
もちろん、そのマラソン大会には、あの長谷川辰雄も当然出場することが決まっており、当然のごとく2人はマラソン大会で雌雄を決することになります。
結果的に言えば、マラソン大会を1位で制したのはキム・ジョンシクだったのですが、彼はレース終盤で日本人選手の妨害を受けた上、その選手を転ばせたということで失格扱いを受けてしまいます。
その裁定に不満を持ったキム・ジョンシクは審査員達に胸倉を掴むレベルの直談判をやらかし、それに刺激された現地の朝鮮人達も一斉に暴動を展開。
もはやマラソン大会どころではなくなる騒動にまで発展してしまいます。
キム・ジョンシクをはじめとする暴動に参加した朝鮮人達は裁判にかけられ、刑罰として日本軍への強制徴用を言い渡され、望まぬ軍での戦いを強いられることになるのですが……。

ここまでの展開を観た際に最初に出た私の感想は、「ああ、やっぱりこの映画は反日的な韓国人が作ったものなのだなぁ」というものでしたね。
日本の併合下にあった当時の朝鮮人達が、その出自を巡って日本人から差別を受けていた、という事例は確かにあったでしょう。
しかし、暴動を起こした朝鮮人に対して日本軍への強制徴用を言い渡す、などというようなことは、当時の朝鮮における政治・経済的事情から考えてもありえません。
というのも、当時の朝鮮人にとって日本軍に入ることは「金と名誉が得られる」ことと同義だったのであり、1938年に志願兵募集が開始されて以降、その倍率は常に高い水準を維持していたのです。
朝鮮で日本の国民徴用令が適用されたのは1944年な上、その前年の志願兵募集では、6300人の募集に対して30万人以上が殺到する事態となっており、倍率は実に48倍にも達していました。
朝鮮人にとって当時の日本軍というのはそれほどまでの垂涎の職種でもあったわけです。
それが暴動を起こしたことへの刑罰として得ることができる、というのであれば、誰でも進んで暴動を起こし、喜んで徴用されていったことでしょう。
それをわざわざ「強制連行された」と言わんばかりの主張に置き換えてしまう辺りに、昨今の日韓で揉めている従軍慰安婦問題と全く同じ構図があったので、「いかにも韓国だよなぁ」という感想を抱かざるをえなかった次第で(笑)。

また、当時の日本軍側にとっても、軍内における朝鮮人の管理・扱いは頭の痛い問題でした。
日本軍に入った朝鮮人達は、日本軍の権威を笠に着てやりたい放題なことばかりやらかしており、大東亜戦争時においても「占領地で最も残虐な行為をやっていたのは朝鮮人だった」などと現地の人間にすらも言われていたりします。
作中でも、ノモンハン事件で捕虜になった日本人に対して、ソ連の威光を笠に着て残虐に扱った挙句に暴動を引き起こされた朝鮮人が登場していましたが、あの朝鮮人が媚び諂っている対象を日本軍に置き換えると話が分かりやすくなるのではないかと。
朝鮮人の「強者の権威を背景にした弱者に対する残虐非道ぶり」は、ベトナム戦争でも現地住民からアメリカ軍以上に恐れられていましたし、当時にも全く同じ問題が存在していたわけですね。
また当時の日本陸軍も、朝鮮人の扱いにはかなり手を焼いていたようで、こんな通達まで出していたりするほどでした↓

一、いつ、いかなる時でも唐辛子粉を食事に際し好きなだけ使わすこと。
一、絶対に頭、体を叩いてはいけない。怨みを持って復讐する気質があり、脱走の原因となる。
一、清潔な食事運搬用バケツと雑巾バケツの区別をよく教えること。
一、危険な状況下では銃を投げ捨てて哀号!と泣き出す習癖があるから、日本兵二名で一名の朝鮮兵を入れて行動せよ。

こんなに管理が大変な朝鮮人を押し付けられれば、当の日本軍だってウンザリせざるをえないところでしょう。
ましてや作中のケースでは、日本に対し反感を抱き、暴動まで起こすことも辞さない朝鮮人達が相手です。
意に沿わないことをやらされているのですから当然のごとく士気も低く、また脱走やサボタージュその他諸々の問題を引き起こす可能性も濃厚に存在するのです。
現に作中でも、強制徴用された朝鮮人達は不平タラタラでやる気が全くありませんでしたし、実際に軍を脱走までしていました。
こういう面々では当然、志願した朝鮮人達よりもはるかに管理が難しくなりますし、そもそもマトモな兵力として使用できるかどうかすらも、大いに疑問符と言わざるをえないところです。
そして、もし万が一にも軍内の朝鮮人達が問題を起こせば、それは当然、軍を管理している上層部が責任を取らされることになるのです。
そんな「厄介事」を自ら好き好んで抱えようとする「日本人」が一体どこにいるというのでしょうか?
ただでさえ、朝鮮人の入軍志願者が多すぎて困っているくらいなのに。

そんな朝鮮人達を効率よく扱うにはどうすれば良いのか?
それについては、皮肉なことに作中のソ連が見事に実践していますね(苦笑)。
作中におけるソ連軍は、ノモンハン事件で捕虜にした日本人と朝鮮人達に対して「自分達の命令に従うか、死ぬか」という選択を、銃口を突きつけて強要していました。
逆らう者は反抗の余地も与えずにその場で即刻射殺。
そこまでやられれば、別に朝鮮人でなくても人は動かざるをえないわけです。
残念ながら、現実どころか作中の日本軍でさえも、朝鮮人に対してそこまで徹底した管理を行うことはできませんでした(爆)。
ソ連のやり方は、スターリン統治下では3000万人以上もの自国民を粛清し、独ソ戦争では2000万以上もの自国の国民を完全武装したドイツ軍相手に万歳突撃させまくった国ならではの手法ではあったのでしょうけど。
なので、ソ連が日本軍の捕虜達に軍服を着せてドイツ軍相手に万歳突撃をさせた、という話の方は充分にありえそうなエピソードではあるんですよね。
自国の国民すらも粗末に扱うような国が、他国、しかも「敵国ドイツと同盟を締結している日本」の捕虜に対して容赦するとは到底考えられない話なのですし。

しかしまあ、ソ連に捕虜にされた朝鮮人達は、作中のような過酷な扱いを受けながら「日本の方がソ連よりはまだマシだった」とは寸毫たりとも考えなかったのですかねぇ。
同じ捕虜になった日本人に対してボロクソに罵ったり暴力を振るったりしているにもかかわらず、ソ連の将校に対しては陰口すらも全く叩いていませんでしたし。
それだけソ連軍の「調教」が凄まじかったのかもしれませんが、ああいうのを見ていると「当時の日本もソ連と同じくらいのことを朝鮮人に対して行った方が良かったのではないか?」と逆説的に思わなくもなかったですね(爆)。
中途半端に扱っているから作中のような造反や暴動を朝鮮人に起こされたりもするわけで(苦笑)。

戦争映画としては、去年観賞した映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」よりも「戦争をやっている」的な派手なシーンや「戦場の残虐な現実」が上手く描かれていますね。
負け戦の連続なので、物語的にはかなり暗いと言わざるをえませんが。
また、「リベラ・メ」で問題になった「アクションシーンなどのメイン描写そっちのけの心理描写乱発」も、今作では比較的抑え目で、また作中の戦争描写とも程よくマッチしている感じです。
日本絡みの歴史考証ではツッコミどころが多々ありまくりますが、「戦争描写がメインの戦争映画」「日本人と朝鮮人の友情物語」として観る分にはそれなりの出来なのではないかと思います。

専用メガネ不要の3D映像が一般的になる日はいつ?

映画館でメガネなしの3D上映が実現するのは、その手の研究者によれば「真面目に研究をして、20年くらいかかる」とのことです。
テレビサイズはともかく、スクリーンの巨大サイズで3Dを実現するのはまだまだ課題も多いのだそうで↓

http://megalodon.jp/2012-0110-1748-00/www.cinematoday.jp/page/N0038284
>  ニンテンドー3DSなどで裸眼で観ることができる3D映像が身近になりつつあるが、映画館でメガネなしの3D上映が実現するのはいつになるのか……株式会社IMAGICAで、3Dスーパーバイザーを務める灰原光晴氏が語った。「真面目に研究をして、20年くらいかかります」。灰原氏が、研究者に話を聞くと、そう応えが返ってくるという。しかし、「ということは、その研究をしている人も、その研究を真面目にする気はないんですよね」と灰原氏。理論上はできるという映画館でのメガネなしの3D上映だが、その実現にはまだまだ長い道のりが必要だという。
>
>  左目を隠し、右目だけで見て指し示したものを、両目で見てみると、ずれが生じる。左目だけで見たものを、両目で見ても、同じようにずれが生じる。現在、映画館で導入されている3Dの映写システムは、この、幼いころに誰もが一度はやったことがあるであろう“目の遊び”、“視差”を利用している。2台のカメラを使って右目には右目用の映像、左目には左目用の映像を撮影し、3Dメガネを使い、右目には右目用の映像だけを、左目には左目用の映像だけを映し出すことによって、立体視が実現しているのだ。
>
>  では、映画館でメガネを使わずに立体視を実現するためには、どうすればよいのだろうか? 灰原氏は、現在は右目用の映像、左目用の映像と2視点で制作しているものを、多視点映像にすれば、メガネを使わない立体視は、理論上は可能だと言う。しかし、それを大きなスクリーンで実現するとなると、まだまだ課題は山積み。
「テレビの裸眼3Dは広がっていくと思いますが、スクリーンサイズは難しいですね」という灰原氏の言葉から“真面目に研究すれば20年”という月日は、リアルな数字なのであろう。

裸眼の3Dで連想するものと言えば、私の場合は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の2015年の世界に登場していたジョーズの3D映像ですね。
主人公の眼前まで飛び出して消滅したあの3D映像は、いかにも「未来的な世界」を連想させるものではありましたし、当時は「30年後ならばああいうのも社会的に普及しているのではないか?」という期待感もあったのですが。
同映画に登場していたような「空を飛ぶクルマ」も、実験的なものはあっても未だ商用実用化の目処までは立っていませんし、あの映画における「2015年の未来世界」は本当に絵空事のままで終わってしまうのでしょうかねぇ(T_T)。

ただ3D映像については、裸眼よりもまず「メガネ付3D」で確実に立体感を持った映像が出せるようにして欲しい、というのが大多数の映画ファンの本音なのではないでしょうか?
ただでさえ3D映画は3D料金があるために普通の映画よりも料金が高いというのに、「どこら辺が3D映像なの? 映像が飛び出るシーンなんて全編通して全くないんだけど?」と首を傾げざるをえないような作品があまりにも多すぎるのですが。
「通常よりも料金が高い」というだけでも敬遠する理由になるというのに、下手すればアイスの当たり棒レベルくらいに当たり率が低いというのではねぇ……。
挙句の果てには、そもそも3D演出をしなければならないような描写がどこにもないはずの映画までもが3D対応になっていたりする始末ですし。
何故3D映画はアレほどまでにハズレが多いのかと、つくづく疑問に思わざるをえないのですが。
こういう惨状を呈しているから、「3D料金はボッタクリと同じ」「映画業界の利権でもあるのでは?」などと言われてしまうのですが。

「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」のような3D映像が、一部のテーマパークのアトラクションだけでなく、そこらの街角や映画館などでも一般的にも見られるようになる日が来るまでには、果たしてあとどれくらいの年月を必要とするのでしょうか?
そんな日が早く来てくれることを願いたいものなのですけどね。

2011年映画観賞総括

色々あった2011年も、あと数時間を残すのみとなりました。
映画業界では、震災の影響もあってか、今年の年間興行収益が去年の8割にまで落ち込む公算が大なのだとか↓

http://megalodon.jp/2011-1231-1138-05/sankei.jp.msn.com/entertainments/news/111223/ent11122308020008-n1.htm
>  今年の映画界は邦画、洋画ともに大ヒット作は少なく、東日本大震災の影響もあって年間興行収入は過去最高となった昨年の8割程度にとどまることが確実となっている。その中で、国際映画祭での日本人の受賞や、邦画で佳品が目立つなど収穫もあった一年だった。(市川雄二)
>
>  ■3・11の前と後
>
>  日本映画製作者連盟によると、10月末現在、大手13社の興行収入は1440億円で昨年同期の80・1%。大震災が発生した3月11日を境に映画興行は様変わりしたといっていい。残念な例はクリント・イーストウッド監督(81)の秀作「ヒア アフター」だ。2月19日に封切られたが、冒頭に津波のシーンがあることから配給元が考慮し、地震発生の翌週に上映中止。中止や延期になった映画は十数本に上った。

あの「震災自粛」は本当に単なる「空気」の類でしかなかったですからねぇ。
あんなので被災者達が一体何の得をしたのかについては、今に至るも不明のまま。
それどころか、当の被災者達ですら「自粛は止めてくれ」という宣伝動画を流して販促を促す始末でしたし。
あの当時他人に「自粛」を強要していた人々が実は被災者ではない、とは当時からもよく言われていましたし、彼らは被災者のことなんて実はどうでも良くて、ただひたすら「被災者の境遇に同情し配慮している俺様カッコ良い!」などと自分に酔っていただけなのではないかとすら思えてならないのですけどね。
一方の「自粛」をする方はする方で、こちらは単なる自己都合かクレーマー対策としてやっている以外の何物でもなかったわけで。
そんなシロモノに振り回され、中止や延期に追い込まれた映画も、その他諸々のイベントなども、つくづく災難としか評しようがないのですが。

さて、そんな映画業界の事情とは裏腹に、私個人の今年の映画観賞本数は、これまでの最高記録だった2010年の35本をさらに大幅に上回る65本に達していたりします。
2011年の観賞映画作品は以下の通り↓

 1.アンストッパブル
 2.ソーシャル・ネットワーク
 3.グリーン・ホーネット(3D版)
 4.デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~
 5.GANTZ
 6.RED/レッド
 7.白夜行
 8.ウォール・ストリート
 9.ザ・タウン
10.太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-
11.ヒアアフター
12.ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島(3D版)
13.ツーリスト
14.わさお
15.SP THE MOTION PICTURE 革命篇
16.トゥルー・グリット
17.ガリバー旅行記
18.エンジェルウォーズ
19.GANTZ:PERFECT ANSWER
20.岳-ガク-
21.パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉
22.アジャストメント
23.プリンセストヨトミ
24.マイ・バック・ページ
25.X-MEN:ファースト・ジェネレーション
26.星守る犬
27.スカイライン-征服-
28.SUPER 8/スーパーエイト
29.アンダルシア 女神の報復
30.マイティ・ソー(3D版)
31.小川の辺(おがわのほとり)
32.アイ・アム・ナンバー4
33.ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(3D版)
34.コクリコ坂から
35.ロック ~わんこの島~
36.トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
37.こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~
38.ツリー・オブ・ライフ
39.シャンハイ
40.神様のカルテ
41.日輪の遺産
42.ライフ -いのちをつなぐ物語-
43.世界侵略:ロサンゼルス決戦
44.サンクタム(3D版)
45.グリーン・ランタン(3D版)
46.ワイルド・スピード MEGA MAX
47.DOG×POLICE 純白の絆
48.はやぶさ/HAYABUSA
49.猿の惑星:創世記(ジェネシス)
50.キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(3D版)
51.一命
52.カウボーイ&エイリアン
53.三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(3D版)
54.ミッション:8ミニッツ
55.カイジ2~人生奪回ゲーム~
56.コンテイジョン
57.インモータルズ -神々の戦い-
58.タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密
59.RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ
60.リアル・スティール
61.源氏物語 千年の謎
62.ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
63.ワイルド7
64.ニューイヤーズ・イブ
65.聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-

今年の観賞映画における全体的な特徴は、やはり何と言っても「アクション・SFX系以外の映画が多い」ということに尽きます。
それ系の作品も相変わらず多くはあるのですが、それ系の作品でも家族絡みの問題や葛藤などが描かれるケースが少なくなく、また人間ドラマをメインにした映画がかなり増えている感じですね。
特に、人間の冷酷さと歪んだ連帯が描かれていた「白夜行」や、アメリカの大晦日の日常を描いた作品である「ニューイヤーズ・イブ」などは、以前であればまず観に行っていないであろう作品でしたし。
また今年は、邦画の観賞本数が65本中25本と、去年の10本から大幅に躍進したことも大きいですね。
かつては「駄作の代名詞」とされていた邦画がここまで観賞されるようになったのですから、時代も変わったものです。

洋画・邦画別に見てみると、今年の洋画は何故かエイリアン物が多かったという印象がありますね。
私が観賞した映画だけでも「スカイライン-征服-」「SUPER 8/スーパーエイト」「アイ・アム・ナンバー4」「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」「世界侵略:ロサンゼルス決戦」「カウボーイ&エイリアン」と実に6作品がエイリアン物だったりします。
エイリアン物はアクションやSFXな描写が必ず付き物なので、昔から馴染み深く安心して観れるジャンルではあるのですが、それにしても今年は多いよなぁ、とは思わずにいられませんでしたね。

一方の邦画では、「SP」シリーズ「GANTZ」二部作、それに「ワイルド7」などの派手なアクションシーンを売りにする作品が目立つ一方、これまでほとんど観賞することがなかったペット物が出てきたのが大きな特異点ですね。
今年観賞したペット物映画は「わさお」「星守る犬」「ロック ~わんこの島~」「DOG×POLICE 純白の絆」の4作品。
それまで私が観賞したことのあるペット物映画は、1986年公開映画「子猫物語」くらいしかなかったので、今年だけで結構観に行っていることになるわけですね。
元々私は実家が犬を5匹も飼っていることもあって大のペット好きで、動物が活躍する映画も積極的に観たいとは考えているのですが、如何せん最近のペット物映画は「ペットと飼い主の悩み」だの「忠犬ハチ公のごとく悲劇的な結末を迎える」だのといったバッドエンドな作品ばかりで、どうしても観賞を躊躇してしまうものが少なくないんですよね。
「星守る犬」なども、予告編の段階から悲劇的な結末が明示されていたこともあり、当初は観賞を見合わせようとしていたくらいでしたし。
「星守る犬」以外の3作品はハッピーエンドな終わり方でしたが、こちらはこちらで内容の矛盾や問題点が少なくなく、まだまだ今後の課題が残されているといったところです。
動物の撮影が人間のそれに比べて難しく時期や機会なども限定されるという事情もあるのでしょうけど、今後も良作な「ハッピーエンドなペット物作品」が出てくることを期待したいですね。

今年一番の駄作映画の称号は、その圧倒的な内容と前衛芸術ぶりを観客にまざまざと見せつけた「ツリー・オブ・ライフ」が、その他の映画を全く寄せ付けることなくぶっち切りで獲得することになりました。
起承転結が全くなっておらず、前後の繋がりもなく伏線も回収されない意味不明なストーリーと、中盤で延々20~30分も展開され続けた地球創生絡みの描写、および各所に挿入された宗教的前衛芸術なシーンの数々は、名の知れた有名どころの俳優さん達の名声と演技をもってしても到底補完できるシロモノなどではなく、観客に退屈感をも超えた苦痛を味あわせるだけの威力を誇っていました。
カンヌのパルム・ドール賞を受賞したというのだからそこまで悪い映画ではないだろう、などという期待感も徹底的にぶち壊すそのやり方は、ある意味詐欺的ですらあります。
今年一番どころか、「きけ、わだつみの声 Last Friends」および「クローバーフィールド/HAKAISHA」と並ぶ、私の映画観賞史上最悪のワースト作品にすら数えられることにもなりましたし。
時間とカネを無駄にした以外の何物でもありませんでしたし、レンタルDVDでの観賞すらも全くオススメしえるものではないですね。

一方、今年の良作としては、アクション物で言えば洋画は「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」「ワイルド・スピード MEGA MAX」「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」が、邦画では「GANTZ」二部作と「ワイルド7」辺りが妥当なところですね。
迫力ある演出というだけなら「アンストッパブル」と「SUPER 8/スーパーエイト」の列車絡みの描写が秀逸でしたが。
人間ドラマがメインの作品としては、洋画では「ヒアアフター」「アジャストメント」、邦画では「岳-ガク-」「神様のカルテ」辺りがオススメになるでしょうか。
「白夜行」「星守る犬」「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」なども、人間ドラマとしての出来は秀逸ですが、これらは観る人の世代や好みで結構評価が左右されそうな内容なので、その辺が若干のマイナスですね。

「ツリー・オブ・ライフ」という惨禍に見舞われはしたものの、全体的には去年の「大豊作」をはるかに上回る数の作品に巡り合えた2011年映画観賞。
来年もまた、洋画・邦画共に多くの映画作品に出会える年であって欲しいものですね。

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