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カテゴリー「洋画感想」の検索結果は以下のとおりです。

映画「RED/レッド」感想

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映画「RED/レッド」観に行ってきました。
ブルース・ウィリス主演のアクション物。
「Retired Extremely Dangerous(引退した超危険人物)」を略して「RED」と呼ばれる、老齢となったかつてCIA凄腕スパイ達が活躍する作品です。

ブルース・ウィリス扮する主人公のフランク・モーゼズは、年金課で働いているサラ・ロスと電話で会話することを唯一の楽しみにしているオハイオ州クリーブランドの年金生活者。
彼女と会話をする口実のために、自分宛に届けられた年金の小切手をわざわざ破いて「年金が届いていない」などと苦情を述べていたりします。
そんなある日の深夜、フランク・モーゼズの自宅に最新火器で武装した数人の集団が来襲します。
まずは3人が自宅内に侵入してフランク・モーゼズを仕留めようとしますが、自宅の地の利を生かして後方から接近したフランク・モーゼズに逆に奇襲されあっさり全滅。
しかし敵方もさるもので、初動の奇襲失敗を悟ると、今度は外に予め待機していた第二陣が主人公の自宅に大量の銃弾を浴びせまくります。
家をメチャクチャにした後に死体を確認すべく接近した第二陣を、再びフランク・モーゼズが奇襲で危なげなく各個撃破。
襲撃者達を撃退したものの、サラ・ロスにかけた電話が盗聴されている可能性に気づいたフランク・モーゼズは、彼女が住んでいるミズーリ州カンザスシティへと向かうことになります。
あくまでも一般人であるサラ・ロスは、突然自分の自宅に不法侵入した上、「君は狙われている」などと主張するフランク・モーゼズを当然のように信じず口論に。
そこへお約束のように襲撃者達が襲い掛かり、フランク・モーゼズは仕方なくサラ・ロスを拉致って裏口から脱出。
追跡をかわしつつ事件の真相を探るべく、フランク・モーゼズはかつての自分の上司で現在は介護施設にいるジョー・マシスンを頼るべく、ルイジアナ州ニューオリンズまで車を走らせます。
ここから、「RED」達を訪ね歩く旅が始まるわけです。

映画「RED/レッド」は、老人が活躍する作品だけあって、スピーディーに溢れたアクションシーンはさすがにあまり多くありません。
どちらかと言えば、頭を使った作戦で機転を利かせたり、相手の不意を突く奇襲で敵を一撃で倒したりといった類の描写がメインだったりします。
この辺りは映画「エクスペンダブルズ」もそうだったのですが、老齢になるとどうしても体力や瞬発力が衰えて機敏な動きができなくなるため、そういう戦い方をせざるをえなくなってくるんですよね。
アラバマ州モビールの空港で主人公達の前にバズーカ砲とロケットランチャーを携えて立ちはだかった中年の小太りオバサンも肌ツヤツヤでしたし、メインの敵役である若きCIAエージェントのウィリアム・クーパーをはじめとする主要なCIA要員達も、一部を除き軒並み若い面々で固められています。
ただそれでも、数々のアクション物で主役を演じてきたブルース・ウィリスだけあって、要所要所のアクションシーンや奇襲は上手いの一言に尽きます。
中盤付近までのメインな敵役である若きCIAエージェントのウィリアム・クーパーとも格闘戦を演じていたりしますし。
今作の前に私が観たブルース・ウィリス主演作品が、日本では2010年1月に公開された映画「サロゲート」で、この時は本人のアクションシーンがほとんど披露されなかっただけに、今作はスタンダードに楽しむことができましたね。
ブルース・ウィリスで連想するものはと問われれば、やはり「ダイ・ハード」シリーズに代表されるアクションシーンなわけですから。

「RED」の面々は、身体的な衰えはあっても過去の実戦含めた経験が豊富なためか、駆け引きや臨機応変な決断力については敵方から危険視されるに充分な要素を持ち合わせていますね。
作戦も緻密ならば、副大統領を襲撃することに何の抵抗感も覚えていないし、仲間が危機に陥って助けられないと判断したら躊躇なくその場から撤退していたりします。
逆に、物語中盤までは敵方の中心的な人物として登場するウィリアム・クーパーなどは、私生活で大事にしているらしい妻と2人の子供の身柄をネタに脅迫された際に動揺した様子を見せていますし。
この辺りの描写の違いは、有能さや素質といったものだけでは埋められない「経験の差」といったところでしょうか。

映画「RED/レッド」は続編も計画されているのだそうで、製作会社であるサミット・エンターテインメントが、今作で脚本を担当したジョン・ホーバー&エリック・ホーバーの兄弟に再び脚本製作を依頼しているのだとか。
続編が公開されるとしたら、またブルース・ウィリス主演で製作して欲しいところですけどね。

映画「デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」感想

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映画「デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」(以下「デュー・デート」)観に行ってきました。
妻の出産を5日後に控えた「誰よりもキレやすい男」と、ハリウッドに向かう俳優志望の「呼吸するだけでトラブルを呼ぶ男」のコンビが、アトランタからロサンゼルスまで3200キロを横断するコメディ作品。
作中では「車中でオナニー」などという身も蓋もない18禁な描写があったり、麻薬を吸引するシーンがあったりするため、この映画は当然のごとくR-15指定されています。

アトランタで建築家としての仕事を終え、妊娠中の妻が待つ自宅のロサンゼルスに飛行機で帰る予定の日の朝、主人公であるピーター・ハイマンはある夢を見ます。
その夢の内容は、妻の出産に際して自分は全く動くことができず、何故か自分の隣にいた毛むくじゃらのクマが臍の緒を噛み切るというもの。
いかにも意味ありげに語られるこの夢は当然のごとく物語終盤の伏線となるのですが、それはさておき、飛行機で帰るために空港へと向かったピーター・ハイマンは、フレンチブルドックを連れてハリウッドへ向かう途中だったイーサンに、乗車していた車のドアを吹き飛ばされてしまいます。
この鮮烈な出会いがピーター・ハイマンにとっては不幸の始まりで、搭乗した飛行機でもたまたま席が前後で隣り合った2人は、イーサンが何の脈絡もなくテロの話を始めてしまったために、空港関係者から2人共々テロリスト扱いされ、搭乗拒否リストにまで載せられてしまいます。
しかもこの過程でピーター・ハイマンは身分証も財布も失ってしまい、移動手段を失って途方にくれることに。
そこへ、自分を今の苦境に追いやった元凶であるイーサンが、ピーター・ハイマンの前にレンタカーに乗って現れ、一緒に大陸横断をしようと持ちかけてきます。
「お前のせいで俺は…!」と怒りを抱きつつも、他に方法もなかったピーター・ハイマンは、怒りを抑えてしぶしぶながらも助手席に乗り込み、かくして3200㎞の珍道中が始まるわけです。

物語序盤を見ただけでも分かるように、映画「デュー・デート」は、マトモなビジネスマンである主人公が奇矯な男の言動に振り回される、というスタイルでストーリーが進行していきます。
主人公を常に不幸のどん底に追いやるイーサンは、フレンチブルドックのサニーと父親の遺灰が入ったコーヒー缶を常に持ち歩く小太りで髭もじゃな中年男で、その風貌からして不潔さとセンスの無さが滲み出ています。
その言動は好感度ゼロの風貌以上に最悪で、自分の年齢を23歳と自称したり、麻薬をキメていたり、主人公も同乗しているはずのクルマの中で「就寝前のオナニー」にふけっていたりと、間違ってもお近づきにはなりたくないキャラクターとして描かれています。
こんな男と一緒に3200㎞の旅に出るわけですから、当然その道中が何事もなく進むわけがありません。
麻薬を買うためにわざわざ寄り道したり、そのために貴重な資金を200ドルも浪費して旅費が欠乏してしまったり、挙句の果てには居眠り運転でクルマごと橋から転落してピーター・ハイマンに骨折の重傷を負わせたりと、イーサンはとにかくトラブルメーカーとして大活躍しています。
物語後半でも、道を間違えて何故かメキシコ国境に入ってしまったり、国境の検問所で分捕ったクルマにあった拳銃をピーター・ハイマンに向けて発砲してまたも怪我を負わせたりと、イーサンはとにかく疫病神としか言いようがないほどにトラブルを持ち込んできます。

ただそれでも、大陸横断を進めていく過程で次第に両者の間には友情のような感情が芽生えていく、というのはこの手の作品のお約束というものですね。
メキシコ国境でのゴタゴタ後に立ち寄ったグランドキャニオンで、2人の友情は頂点に達します。
……そこでのイーサンの衝撃的なトンデモ告白によって、2人の仲は再びギクシャクしたものに戻ってしまうのですが(苦笑)。

「アイアンマン」シリーズで主役を演じ、今作でも主役に抜擢されたピーター・ハイマン役のロバート・ダウニー・Jrと、イーサン役のザック・ガリフィアナキスは、見た目だけでも対比が分かりやすい組み合わせでしたね。
男っ気溢れるコメディ映画を観たいという方にはオススメの作品かもしれません。

映画「グリーン・ホーネット(3D版)」感想

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映画「グリーン・ホーネット(3D版)」観に行ってきました。
1936年~1952年にかけてアメリカで放送されたラジオ番組を原作とする同名作品の現代版実写映画。

物語は主人公であるブリット・リードと、その父親で新聞社デイリーセンチネル社の社長であるジェームズ・リードの20年前の会話から始まります。
ここでは「家庭内暴君」として振る舞う父親に対し、主人公が反発する様が描かれています。
そのせいで性格が捻じ曲がったブリット・リードは、20年後も父親に呆れられるほどの自堕落な生活を送っていたのですが、その父親が突然ハチに刺されて急死し、急遽父親の後を継いでデイリーセンチネル社の社長に就任することになります。
急なことだった上に父親に対する反発もあってか、ブリット・リードは会社運営について全くやる気がありません。
社長就任後のある日、朝に飲んだコーヒーに不満を持ったブリット・リードは「今日のコーヒーをいれたのは誰だ!」と家の中で怒鳴りまくります。
それに対し、家の中にいたメイドが「今までのは昨日あなたが解雇した運転手兼整備士のカトーが入れていた」と証言。
その発言を聞いてブリット・リードが早速カトーを呼び戻し、「整備士のお前が何故美味いコーヒーを入れているんだ?」と問い詰めます。
するとカトーは、キッチンにあった隠し戸棚から高性能なコーヒーメイトを披露し、あっさりとブリット・リードお気に入りのコーヒーを再現してのけます。
発明家としてのカトーの才能に感心し、さらに父親に対する評価が自分と同じだったことも相まって意気投合したブリット・リードは、カトーを相棒に「悪人として正義の活動をする」ことを思いつきます。
ここから、「緑のススメバチ」ことグリーン・ホーネットの活躍が始まるわけです。

作中に登場するグリーン・ホーネットの自動車「ブラック・ビューティ」は、その外見といい性能といい、とにかく「昔のアメリカ」的なセンスが滲み出ていますね。
車の型からして、思わず「古っ」とツッコミをいれたくなるようなシロモノでしたし、室内で音楽を鳴らす際には何故か昔懐かしいレコードプレーヤーが出てきたりします。
また「ブラック・ビューティ」はまるで戦争でもするために作られたような自動車で、ゴルフクラブで力一杯殴っても銃で撃ってもボディには傷ひとつつかない上、当然のように重武装が施されています。
セオリーに忠実すぎるくらいに忠実に作られたアメリカンなクルマ、というのが感想ですね。

あと、映画「グリーン・ホーネット」では、ラスボスであるベンジャミン・チュドノフスキーも良い味出していましたね。
敵味方問わず、躊躇無く人を殺せる極悪非道な悪役として描かれているはずなのですが、自分の外見がよほど気になるのか、「俺は怖く見えないのか」的な発言を何度も繰り返しています。
挙句の果てには、グリーン・ホーネットへの対抗心からか、自らの衣装を赤一色で固め「ブラッドノフスキー」と称し、敵を追い詰める際の長々とした前口上まで作り出し、部下にすら「これほどバカな提案は初めてです」とまで言われてしまう始末(その部下は直後に殺されてしまいましたが)。
しかもバカ正直なことに、チュドノフスキー改め「ブラッドノフスキー」は、グリーン・ホーネットを追い詰める際にもわざわざ前口上を最初から御丁寧にしゃべろうとして、グリーン・ホーネット側にその隙を突かれて反撃されてしまうという失態を2回も演じていたりします。
あの惨状を見ていて「格好つけるよりも前に目の前の敵をさっさと殺せよ」「そんなに威圧感のない外見にコンプレックスを抱いているのか」と考えずにはいられませんでしたね。

ストーリーといい設定といい、良くも悪くも典型的と言えるアメコミチックな作品ですね。
アメコミが好きという方には是非ご観賞を。

映画「ソーシャル・ネットワーク」感想

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映画「ソーシャル・ネットワーク」観に行ってきました。
世界最大のSNSに成長したFacebook(フェイスブック)の創設者で、天才肌ながら奇矯な人物として描かれているマーク・ザッカーバーグと、彼の親友だったエドゥアルド・サベリンの2人を軸に展開する、ノンフィクションの人間ドラマ作品です。
作中では男女が絡み合ったり、女性が服を脱ぐシーンが含まれていたりするためか、この作品はPG-12指定されています。

映画「ソーシャル・ネットワーク」は、天才であるが故に反社会的な振る舞いが目立つ主人公に凡人が振り回され、そこから亀裂が生まれて訴訟にまで至る、という構図で物語が展開していきます。
この映画のストーリーは、作中でも展開されている裁判の当事者となっているエドゥアルド・サベリンの視点に基づいた証言を元に構築されているとのこと。
作中におけるエドゥアルド・サベリンは、マーク・ザッカーバーグの早口かつ奇矯な言動と、自分に無断で進められる会社運営の数々に振り回されるわ、タチの悪い女には引っかかるわと、見ていて思わず同情したくなってしまう不幸っぷりで描かれています。
その一方で、主人公たるマーク・ザッカーバーグは、物語冒頭ではエリカという女性に早口で奇矯な言動を披露してフラれ、その腹いせに彼女の悪口雑言をブログに書き殴った挙句、ハーバード大の女性の顔を格付けするサイト「フェイスマッシュ」を即興で作成・公開し、大学から処分を受けるなど、序盤から「天才とバカは紙一重」を地で行く人物として描写されています。
ちなみにマーク・ザッカーバーグをこっぴどくフッたエリカ・オルブライトは、物語の最後でFacebookにアカウント登録していることが明らかになるのですが、誰がFacebookを創設したのか当然知っているでしょうに、そこに自分の個人情報を載せるなんて凄く豪胆な女性だなぁ、というのが感想でしたね(苦笑)。

マーク・ザッカーバーグとエドゥアルド・サベリンの関係は当初良好だったのですが、音楽無料配信サービス「ナップスター」の創設者であるショーン・パーカーが2人に接近し、Facebookの運営に関与するようになってから仲が急激に悪化します。
天才肌同士で意気投合し、Facebookを飛躍的に拡大していくマーク・ザッカーバーグとショーン・パーカー。
それに対し、地道な努力が全く報われず、プライベートではヒステリー女の口撃に晒されるエドゥアルド・サベリン。
ショーン・パーカーに敵意を抱き、マーク・ザッカーバーグに対しても不信感を抱いたエドゥアルド・サベリンは、2人に無断で会社の口座を凍結させてしまい、さらにそのことで所持していた株の大部分を剥奪されるという報復を受けた結果、訴訟にまでもつれ込むことになります。
ただ、作中におけるエドゥアルド・サベリンの行動は、個人的には「理解や同情はできても共感や賛同はできない」というのが本音だったりします。
動機が「会社の悪事を暴く」的なものですらないばかりか、彼の勝手な行動が創業期のFacebookの活動に少なからぬ障害を与えかねないものだったことは事実なのですし。
常識的な行動に終始しすぎて努力が空回りしていた、という側面が否めないですね。

この親友2人を当事者とする訴訟とは別に、「ソーシャル・ネットワーク」ではもう1件、「Facebookは自分達のサイトを盗作して製作した」とする「ConnectU論争」と呼ばれる訴訟が取り上げられています。
知名度的にはこちらの方が有名な話のようなのですが、映画の中では扱いが比較的小さい上、原告であるウィンクルボス兄弟&ディヴィヤ・ナレンドラの主張に対し、被告たるマーク・ザッカーバーグは「聞く耳持たない」的な態度に終始していました。
原告側の人物描写も「姑息」「権威主義」といった類の言葉で全てが表現できるような言動ばかり披露される始末で、こちらについては同情すらもできませんでしたね。
こちらの裁判は結局、Facebook側が原告に対し6500万ドルの和解金を支払うことで終息したとのこと。

マーク・ザッカーバーグがほとんど無茶苦茶かつ好感度ゼロな人物として描かれているにもかかわらず、微妙に観客を惹きつけるキャラクターになっていたのは面白かったですね。
映画のモデルにされた「本物」のマーク・ザッカーバーグも、映画制作の際の取材は拒否したものの、完成した映画は映画館を借り切ってFacebook社員全員と観賞したのだとか。
本人談によれば、映画の中で描かれている自身の言動や動機に関して異を唱えているものの、作中に登場する衣装や俳優の演技などについては高く評価しているのだそうです。

2011年1月現在、Facebookは未だ日本SNS最大手の一角すら担えていない惨状を呈しているのですが、映画「ソーシャル・ネットワーク」は果たして日本SNS市場におけるFacebookの起爆剤となりえるのでしょうか?

映画「アンストッパブル」感想

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2011年映画観賞のトップバッターを飾る最初の映画は「アンストッパブル」。
新米機関士扮するクリス・パインと勤続29年のベテラン機関士役であるデンゼル・ワシントンが主役を演じる、トニー・スコット監督作品です。

映画「アンストッパブル」のストーリーは、2001年5月15日にアメリカのオハイオ州で実際に起こったCSX8888号暴走事故をベースに進行していきます。
CSX8888号暴走事故とは、47両編成の貨物列車が、操車場から約2時間、最高51マイル(約82km)ものスピードで暴走した事件のことを指します。
貨車の中に有毒で燃えやすい溶解フェノールを満載している車両があり、脱線した際には大惨事が予測されたため、州警察と鉄道会社による大規模な停車作戦を展開されたわけです。
映画「アンストッパブル」で777号という機関車が牽引する39両もの貨物列車が暴走するに至った経緯はCSX8888号暴走事故とほぼ同じ。
また、作中で州警察と鉄道会社が行い、失敗に終わっている暴走列車の停止作戦のいくつかは、CSX8888号暴走事故でも実際に用いられていたものです。
実際の事件を元にしたエンターテイメント作品、という点では、以前に紹介した映画「パーフェクト・ストーム」に通じるものがあります。

ただ、ひたすら実際の事件に忠実に作り過ぎてエンターテイメントしては却って失敗した感のある「パーフェクト・ストーム」と異なり、「アンストッパブル」では映画ならではの人物描写や演出が随所に追加されています。
CSX8888号ならぬ777号の暴走速度は優に70マイル(約112km)を超えていましたし、また最大の見せ場としてペンシルバニア州スタントン郊外にあるという90度の方向に曲がる急カーブ(序盤から存在が明示されている)が用意されています。
また架空の列車停止作戦として、別の機関車を暴走列車の前方に回り込ませて追突させ、減速させつつヘリコプターから人を乗り込ませるという、無謀な上に無残に失敗した挙句重傷者まで出た作戦(実際のCSX8888号暴走事故では、列車を暴走させた機関士が軽傷を負った以外には死者も負傷者も出ていない)も展開されていました。
無能な上司が悪戯に事態を悪化させていき、ラストで無様な扱いを受けるというのもハリウッド(に限らず)映画ならではのお約束ですね。

暴走列車および無残に失敗していく停車作戦の迫力満点な描写、および主人公2人の機関士の掛け合いエピソードやアクションシーンの数々は、ハリウッド映画としては充分に見応えのある出来と言えます。
今年最初の映画としてはまずまずのスタートですね。

映画「トロン:レガシー(3D版)」感想

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映画「トロン:レガシー(3D版)」観に行ってきました。
アメリカ・台湾合作による1982年公開映画「トロン」の続編。
前作「トロン」で主人公だったケヴィン・フリンと、その息子で今作の主人公となるサム・フリンが活躍する作品となります。
ちなみに私は、前作「トロン」は全く観ないまま今作を観に行っています。

ストーリーは、一言で言えば「プログラムの叛乱」がテーマですね。
エンコム社の重役で前作の登場人物でもあるアラン・ブラッドリーの連絡で、これまた前作の主人公ケヴィン・フリンが運営していたゲームセンター跡に隠されていた秘密部屋の端末を動かしたことにより、コンピュータ世界・グリッドへ転送されてしまいます。
そこは父親の補佐役として作られた「クルー」というプログラムによる独裁体制が行われている世界。
グリッドに到着早々、主人公はグリッドの治安当局?に拉致されてしまい、グリッド・ゲームという生死を賭けたトーナメント方式の勝ち抜き戦を強いられる主人公。
その最中、グリッド・ゲームの会場に乱入し、主人公を救出する謎の女性クオラ。
クオラに連れられていった先で父親と再会することができた主人公は、元の世界に戻るべく活動を開始することになります。

作中に登場するライト・サイクルやライト・ジェットなどの乗り物については、前作「トロン」でも登場したものがほぼそのまま使われているとのこと。
28年前の当時は凄く新鮮かつ斬新なアイデアだったのでしょうが、CGが発達し、ああいう乗り物が映画やゲームの世界でも普通に見られるようになった今となっては、CGや演出についてはともかく、アイデアについては感動のしようがないというのが何とも言えないところです。
まあ3D描写を駆使したアクションシーンや演出そのものは良くできていたので、それを最優先目的として観る映画としてならオススメではあるのですけどね。

ストーリーや設定・世界観は、28年前の前作映画をそのまま引き継いでいる上、作中でも明確な説明がほとんどないため、全体的に分かりにくいところが多々ありましたね。
序盤に登場するゲームセンターの存在や、「行方不明の父親から連絡があった」と主人公を導くアランという登場人物は、前作を観ていなければ全く意味不明なエピソードでしかありませんし。
数年前にヒットしたシリーズの前作作品でさえ、予め復習しなければストーリーや設定を忘れやすいことを考えれば、ましてや28年も前の前作映画など、ストーリーや設定どころか存在すら知らない、という人がほとんどなのではないでしょうか。
しかも前作「トロン」自体、すくなくとも日本ではそれほど知名度の高い映画というわけでもない上、興行的にも失敗しているときているのですから。
前作から続く人間関係や世界観の繋がりといった「分かりやすさ」という点では課題が残る映画と言えそうです。

映画「ロビン・フッド」感想

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映画「ロビン・フッド」観に行ってきました。
12世紀末のイギリスを舞台に伝説上の無法者(アウトロー)にして弓の名手とされるロビン・フッドの活躍を描いた作品。

物語は、十字軍で有名なイングランドのリチャード獅子心王が、フランスのシャールース城を攻撃しているところから始まります。
主人公であるロビン・フッドことロビン・ロングストライドは、リチャード獅子心王の下で十字軍遠征にも従軍しており、シャールース城への攻撃で弓の名手としての実力を如何なく発揮します。
ただ、ロビン自身は十字軍遠征について肯定的ではなかったようで、軍内で喧嘩騒動を起こしてリチャード獅子心王直々の検分を受けていた際には、王の面前でアッコンの捕虜虐殺を批判していたりします。
リチャード獅子心王はロビンに感心しながらも拘束し、処罰を後回しにしてシャールース攻城戦を続けるのですが、その最中に矢を肩に受けあえなく戦死。
王の死でイングランド軍が混乱する中、ロビンは仲間によって救出され、イングランド軍から離脱します。

一方、フランスでは時の君主フィリップ尊厳王が、リチャード獅子心王の暗殺と、その死後を見越した対イングランドの策謀を巡らします。
ここで登場するのが、リチャード獅子心王の弟ジョンの親友であるゴドフリー。
ゴドフリーは、少人数の護衛のみで駆け抜けてくるであろうリチャード獅子心王を、森の中で暗殺する計画を立てます。
ただ、その計画が発動した時はすでにリチャード獅子心王は戦死した後で、結果的には王の遺品となる王冠を携えてイングランドへ帰還する途上の騎士ロバート・ロクスリー率いる部隊を襲撃することになります。
襲撃後にリチャード獅子心王の死を知ったゴドフリーは、王冠を奪って引き上げる方針に切り替えるのですが、そこにイングランド軍から離脱したロビン達が偶然にも遭遇。
戦闘の後、ゴドフリーから王冠を奪取することに成功したロビンは、事切れる寸前のロバート・ロクスリーの遺言を聞き、彼の剣を彼の父親に返すべく、イングランドのノッティンガムへと向かうことになります。
これが序盤のストーリーですね。

映画「ロビン・フッド」では、主人公が「弓の名手」ということもあってか、作中の戦闘では一騎打ちよりも矢戦に重点が置かれており、また要所要所でも弓矢を使った描写が多く盛り込まれています。
序盤のシャールース攻城戦やゴドフリーとの戦いも、ほとんど矢戦がメインの展開でしたし、その後の戦いやクライマックスな場面でも矢戦や弓矢が積極的に活用されています。
騎士の全軍突撃や一騎打ちの描写もないわけではないのですが、メインとはとても言い難い扱いだったりします。
矢戦をメインに据えた映画、といっても良いでしょうね。

また、リチャード獅子心王の死後、イングランドは弟のジョンが王位に就くのですが、これがまた凄まじいまでの暗君として描かれています。
イングランドのジョン王は「欠地王」とも呼ばれており、日本ではマグナ・カルタ(大憲章)とセットで語られることが多いのですが、ジョン王自身は別にマグナ・カルタを積極的に肯定していたわけではなく、相次ぐ失政と対外戦争の惨敗、それに伴う重税の数々で諸侯達から叛乱を起こされ、それにすら負けそうになって渋々ながら認めざるをえなかった、というのが実態だったりするんですよね。
そんなジョン王は、華々しい活躍をした先代のリチャード獅子心王と対比されることもあり、イングランド史上最悪の暗君とまで評されている始末です。
映画「ロビン・フッド」におけるジョン王もまた、最初はフランスのスパイである親友のゴドフリーの進言である税の強制徴収策を愚かにも採用し、ゴドフリーの意図通りに圧政の象徴として諸侯達から叛乱を起こされています。
ジョン王は最後の場面でも、諸侯達に認めると約束していたはずのマグナ・カルタを「神に選ばれた自分を制約するとは何事だ!」として破棄していたり、対フランス戦で活躍したロビン・フッドに嫉妬した挙句に「奴に対しては何をしても罪に問わない」という無法者(アウトロー)認定をしたりと、ロクでもないことを平気でやっていたりします。
対フランス戦で自ら率先して先頭に立ってイングランド軍の指揮に当たったシーンでは少々見直しもしたのですが、最後の場面で全てが台無しになりましたね、作中におけるジョン王の評価は。

あと、映画「ロビン・フッド」におけるマグナ・カルタは、石工だったロビンの父親が作ったということになっていたりします。
この辺りはフィクションならではの設定、といったところでしょうか。

映画「キス&キル」感想

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映画「キス&キル」観に行ってきました。
元CIAの凄腕スパイと、過保護な両親に育てられたお嬢様によるアクションラブコメディ。

この作品の最初の舞台は南フランスのニース。
それまで付き合っていた男にフラれたか何かで失意に中にあった(らしい)女主人公のジェンは、裕福な両親に連れられ、ニースへ旅行にやってきます。
そこで、たまたま現地で「敵」を始末する仕事をこなしていたCIAのスパイであるスペンサーと「運命の出会い」を果たし、2人は恋に落ちます。
スペンサーは、ジェンと結婚するためにCIAに辞職を叩き付け、上司の「お前は辞められんぞ」という声も無視してその場を後にします。
その後、スペンサーは自身の素性を隠したまま、ジェンの両親を説得し結婚。2人は家庭と新たな仕事を持つことになります。

それから3年後、アメリカの郊外で順調な結婚生活を送っていたスペンサーに、かつての職場であったCIAの元上司から、指定の場所に今日中に来るようにとの連絡がもたらされます。
奇しくもその日はスペンサーの誕生日で、自宅でパーティが行われることになっていたため、スペンサーは連絡を無視してパーティに出席。
その翌日、パーティの中で眠りこけてそのままスペンサーの自宅で一晩を過ごしていたスペンサーの仕事の同僚が、突然スペンサーを殺すべく戦闘用ナイフを振り回し襲い掛かってきます。
同僚の話すところによると、スペンサーには懸賞金2000万ドルがかけられたとのこと。
自宅をぶち壊しながら派手なアクションが繰り広げられる中、タイミング悪くその場に居合わせ、否応なくトラブルに巻き込まれていくヒロインのジェン。
ここまでで、ストーリー全体の3分の1くらいは占めているでしょうか。

映画の予告を見ていた時点で分かっていたことではありましたが、「キス&キル」のストーリー内容は、今年の10月に日本で公開された映画「ナイト&デイ」と相当なまでにカブっていますね。
運命の出会い、男が組織のエージェント、トラブルに巻き込まれるヒロイン、コメディタッチなアクション展開と、両者には多くの共通点があります。
しかも「キス&キル」も「ナイト&デイ」も、アメリカでは共に2010年6月に劇場公開されているんですよね(「キス&キル」が6月4日、「ナイト&デイ」が6月25日)。
ただ、「ナイト&デイ」のカップルはあくまでも「通りすがり」の段階からゴタゴタが始まって最後も「恋人同士」のレベルで終わっていたのに対し、「キス&キル」は結婚して家庭を築き、さらには作中で「おめでた」のエピソードまであるところが、違うと言えば違うところでしょうか。

「キス&キル」で2000万ドルの懸賞金目的からスペンサーを狙ってくる敵は、仕事の同僚だのご近所付き合いのあるオバサンだの宅配人だのといった「主人公達の身近にいる人達」ばかり。
彼らはご丁寧にも、3年もの間スペンサー一家を監視していたのだそうで、何ともご苦労様な話ではあります(苦笑)。
そして物語終盤、彼らを操る真の黒幕として、全く意外な人物が登場することになります。
その正体は、映画を観てのお楽しみということで。

「キス&キル」は、アメリカでは興行的にあまりふるわなかったのだそうで、この辺りもまた、トム・クルーズ主演のアクション映画としては過去20年の中で最低の興行収益だったと言われる「ナイト&デイ」と全く同じですね。
アメリカでは、アクションラブコメディの類ってあまり大衆受けしないのでしょうか?

映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」感想

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映画「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」観に行ってきました。
「ハリー・ポッター」シリーズ最終章2部作前編。
この映画、元々は3Dと2D同時公開で、劇場用のCMでもそのようにアピールされていたのですが、「3D品質で完成させることができなかった」という製作側の事情により、2Dのみの劇場公開となっています。
真のシリーズ最終作品となるであろう後編のPART2では、3Dと2D同時公開となるようですが。

今作品は、ラスボスであるヴォルデモードの追っ手からひたすら逃げつつ、ヴォルデモードの死命を制する分霊箱のひとつを探し破壊するのがメインのストーリーとなります。
前作「ハリー・ポッターと謎のプリンス」でホグワーツ魔法学院の校長だったダンブルドアが殺害されたことにより、ヴォルデモードの勢力は飛躍的に増大。
ホグワーツ魔法学院はもちろんのこと、その上の魔法省までもがヴォルデモードの勢力によって乗っ取られ、ハリー・ポッターは指名手配犯として追われることになります。
全体的にこれといって派手なアクション描写はこれと言ってなく、また予告編にあった描写も今作品にはあまりありませんでしたね。
ラストは、ラスボスであるヴォルデモードが、前作で死んだダンブルドアの墓から、「死の秘宝」のひとつにして「最強の魔法の杖」であるニワトコの杖を取り出し、天に向かって雷を打ち放つところで終了。
全面戦争的な描写は後編に持ち越し、というところですね。

「ハリー・ポッター」シリーズは小説が原作な上、限られた時間内に話を無理矢理詰め込んでいるような急展開や唐突な新設定の登場などが多いため、映画版だけではストーリーや設定が追いにくい部分が多々あるんですよね。
映画版自体、シリーズ1作目の公開からすでに9年以上も経過しているわけですし、最初から観直さないと繋がりが理解しにくいのではないでしょうか。
私自身、映画版「ハリー・ポッター」シリーズは4作目(ハリー・ポッターと炎のゴブレット)と5作目(ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団)を観ていないこともあるのですが、主要登場人物はともかく、脇役や魔法アイテムの設定などで今ひとつ分からなかったところが少なくありませんでしたし。
この映画を観る際には、原作小説か既存の映画版でこれまでの話や設定を予め復習しておいた方が良いかと思われます。

映画「エクスペンダブルズ」感想

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映画「エクスペンダブルズ」観に行ってきました。
シルヴェスター・スタローン監督&主演のアクション物。
作中では、手足や首がもげたり、銃弾に当たった上半身が吹き飛んだり、流血がドバドバ流れまくったりする等のバイオレンスなアクションシーンがふんだんに盛り込まれているため、当然のごとくR-15指定されています。

この作品の特徴は、何と言ってもハリウッドを代表する新旧のアクションスター達が多数出演していることですね。
主人公バーニー・ロスを演じる、「ロッキー」「ランボー」シリーズでおなじみのシルヴェスター・スタローン。
主人公の相棒であるリー・クリスマス役のジェイソン・ステイサムは映画「トランスポーター」シリーズ、映画「デス・レース」でそれぞれ主人公を演じています。
作中のストーリーはこの2人を中心に進んでいくのですが、他の脇役ばかりか悪役まで含めた登場人物達も他の作品で主役や悪役を担当して有名になっている俳優が演じています。
たとえ俳優の名前を知らなくても、「この人どこかで見たことがあるような……?」と映画ファンでなくても首を捻ること請け合いですね。
俳優の顔ぶれは、まさに「史上最強の消耗品軍団(エクスペンダブルズ)」と呼ぶにふさわしい豪華さを備えていると言えます。

また、映画「エクスペンダブルズ」では、カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーやブルース・ウィリスが友情出演することでも話題となりました。
両者が登場するのは主人公に対する仕事の依頼が行われるシーンで、アーノルド・シュワルツェネッガーは仕事を依頼される主人公のライバル候補として、ブルース・ウィリスは依頼を行うCIAの人間として登場しています。
出演時間はほんの2~3分程で、まさに文字通りの友情出演でした。
ただ、特にアーノルド・シュワルツェネッガーについては、ここ最近は映画「ターミネーター4」で顔だけCG合成した演出のみの友情出演でしか映画では見ていなかっただけに、本物が出てきた際には「おおー、本物だ」と感動もひとしおでしたね(苦笑)。
ブルース・ウィリスの方は、今年最初に観た映画「サロゲート」で演じていた主人公とイメージが全然違っていましたので最初全く気づかなかったのですが(-_-;;)。

ストーリーは、ソマリアのアデン湾で大型タンカーを占拠した海賊達を一掃するところから始まり、南アメリカの小さな島国ヴィレーナの独裁者ガルザ将軍の暗殺を依頼され実行していくという、ハリウッド的にはスタンダードなシナリオで進行していきます。
主人公バーニー・ロスと相棒役のリー・クリスマスのコンビによる掛け合いはなかなか味があって良かったですね。
この両者、演じている俳優の間には実に20歳以上もの年の差があるにもかかわらず、全くそれを感じさせない会話と演技をこなしていましたし。

作品そのものの全体的な評価としては、R-15なバイオレンス描写が多発することを除けば、「良くも悪くも安心して観れるアクション系ハリウッド映画」といったところですね。

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