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カテゴリー「邦画感想」の検索結果は以下のとおりです。

映画「大奥」感想&疑問

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映画「大奥」観に行ってきました。
男女逆転の江戸時代を舞台に繰り広げられる男性版「大奥」を巡る物語。
ちょうど映画の日ということもあり、今回は金曜日の映画観賞となりました。

この作品は当然のことながらアクションやSFX系の映画などではなく、私の好みとなる映画のジャンルからは大きく外れるものでした。
それを承知の上であえてこの映画を観に行ったのは、ひとつにはこの映画のテーマのひとつである「男女逆転」がどのような歴史的背景の元、どのような過程を経て成立しえたのか、という命題に興味を抱いたからです。
作中では徳川幕府第3代将軍家光の時代に、男性にしか発症しない、真っ赤な発疹が全身に広がり高熱を発して死んでいく「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」という原因不明の奇病が日本中で爆発的に蔓延したことにより、男性の人口が女性の4分の1以下になったことが明示されています。
この病の致死率は80%、つまり「5人にひとりしか助からない」という設定です。
この結果、人口で女性の占める割合が圧倒的となったことにより男女逆転が発生し、男性が一種の「種馬」として珍重される女系社会へと変わっていった、とされているわけです。

しかし、ここで大きな疑問が出てきます。
まず、「赤面疱瘡」という奇病は、作中の舞台となっている第7代将軍家継~第8代将軍吉宗の時代に至るまで治療法が全く確立されていないということ。
そして「赤面疱瘡」は、その時代に至っても相変わらず猛威を振るい続けており、それによって男性の多くが昔ほどではないにせよ死に至っている状態にあることが作中でも明示されているのです。
致死率80%の病気が80年以上にわたって猛威を振るい続ける、という設定では、「男女逆転」どころか、下手をすれば「男性絶滅」などという事態にすら至っても何ら不思議なことではありません。
しかも作中では、「赤面疱瘡」の患者に対する隔離政策すらもあまり行われていないようで、男性版「吉原」で「赤面疱瘡」を患っている十代の少年が主人と思しき人間から仕事を言い渡されて街中へと向かう描写が普通に描かれていました。
また一方、数少ない男性達にも特に「赤面疱瘡」対策としての外出規制等が行われている様子もありません。
「赤面疱瘡」の恐怖がおどろおどろしく描かれ、治療法も確立されていない割には、予防対策的なものが全くなく、また病に対する偏見や社会的迫害・隔離といったものも存在しないときているわけです。
これでよくもまあ、「男性絶滅」という事態に至らないものだと逆に感心すらしてしまいましたね。

次に疑問に思ったのが、男性版「大奥」の存在意義そのものです。
前述のように、映画「大奥」の世界では、希少種となっている男性が子種の供給源として重宝されているという設定があります。
作中では、主人公が子種を欲しがる女性達を相手にボランティアで性行為を行っている描写がありますし、男性版「大奥」に入っている男性のひとりもまた、親から命じられてカネを取り多くの女性と性交を行っていたと主人公に告白しているシーンがあります。
男性が女性の4分の1しかいないわけですから、厳格な一夫一妻制では女性の大半が子作りどころか結婚すらもできないわけで、子種獲得が目的の「売春婦」ならぬ「売春夫」的な商売が成立するのは自然の流れです。
というより、普通に考えれば「一夫多妻制」が成立したって何らおかしなことではないどころかむしろ合理的ですらありえますよね、この世界って。

それに対して、ひとりの女性に多くの男性を侍らせる「一妻多夫制」としかいいようがない男性版「大奥」を成立させなければならない理由というのは一体何なのでしょうか?
史実の「大奥」に限らず、諸外国で見られる「後宮」の類であれば、多くの女性を侍らせることで、世継ぎを多く産ませることができるという大きなメリットがありますし、そもそもそれが存在意義でもあるわけです。
しかし男性版「大奥」では、いくら男性を多く増やしたところで、子供が産めるのはあくまでも女性側の将軍ただひとりだけなのですから、世継ぎ対策としては全く使い物になりません。
もちろん、作中の「大奥」には世継ぎ対策だけでなく、将軍の身の回りの世話や護衛をするなどの役目もあり、そのための人員も少なくないのですが、それは別に男性版「大奥」が特に担わなければならない理由はなく、女性でも充分に代替が利くものでしかありません。
最大の存在意義がないも同然であるにもかかわらず、何故「大奥」という一種の「後宮システム」があの世界で成立し存続しているのか? その疑問こそが今回、私が映画「大奥」を観に行くことを最終的に決断するに至った最大の動機だったりします。
残念ながら、作中における男性版「大奥」も、その点については「無駄な贅沢だからこそ存在する」ということが強調されているだけで、私が抱いていた謎は解けるどころか却って深まるばかりでしたが(-_-;;)。

あと、作中における支離滅裂な慣習もいいところの設定として、「ご内証の方」という概念が挙げられます。
映画「大奥」における「ご内証の方」というのは、未婚の女将軍に対する初めての相手となる男性を指す言葉で、「ご内証の方」は将軍を破瓜させる罪人として死を与えられる定めにあります。
そして主人公は、8代将軍となる吉宗に見初められ「ご内証の方」として選ばれてしまうわけです。
……何と言うか、これほどまでに「女性としての潔癖症」丸出しの慣習というのも非常に珍しい限りですね(苦笑)。
史実の「大奥」にも「内証の方」という言葉があるのですが、こちらは「将軍のお手つき」、つまり「将軍と直接性交した女性」という意味合いの言葉に過ぎず、ましてや「初めて性交した者には罪人としての死が与えられる」的な慣習などありません。
正直、あまりにも意味不明過ぎる慣習で、「ひょっとしてこれは時の政敵を抹殺するだけのために勝手にでっち上げられたものが放ったらかしにされているだけなんじゃ……」などという疑惑まで浮かんでしまったほどです。

かくのごとく、世界設定面ではあまりにもツッコミどころ満載で、それ故に設定検証は逆に楽しめる作品ですね。
かく言う私自身、半分はそれが目当てだったようなものでしたし(苦笑)。
ただ、そこまで設定面で深く考える人もあまりいないでしょうし、もっと手軽に18禁エロゲー「恋姫無双」の江戸時代男女逆転版とでも解釈しておいた方が素直に作品を楽しめるかもしれません。
まあ「恋姫無双」は社会システムまで改変されてはいませんでしたけど。

世界設定面以外の作中描写で特に強く印象に残ったシーンは2つ。
ひとつ目は「大奥」の男同士で何度も繰り広げられた男色描写、特に主人公による「男同士」のキスシーンで、このシーンはさすがの私も少々ビビりました。
男女同士の濃厚なキスシーンや残虐シーンなどは特にハリウッド映画で何度も見慣れていたのでそれなりに免疫もあるのですが、男同士のキスシーンはすくなくともこれまで私が観てきたハリウッド映画には全く存在しなかったので完全に意表を突かれたというか(^^;;)。
この間観に行った映画「十三人の刺客」にもオマケ程度の扱いながら男色描写がありましたし、この辺りはキリスト教圏に比べて同性愛を罪悪視していない日本ならではのものと言えるのかもしれませんね。
二つ目は第8代将軍吉宗の初登場シーン。
緑の草原を舞台に白馬にまたがって疾走する初登場シーンは、明らかに時代劇TVドラマ「暴れん坊将軍」のオープニングテーマを意識している以外の何物でもありませんでした。
そりゃ「吉宗」と聞いて連想する第一印象と言えば確かにアレではあるのですけど、あまりにあからさま過ぎるパロディで、心の中で笑わずにはいられませんでしたね。

それと、銀英伝舞台版でアンネローゼ役を担当する白羽ゆりが「大奥」でも出演しているという事前情報があったので確認したところ、確かに主人公の姉役として作中で登場していました。
作中における出番は序盤と終盤のわずかな時間しかなかった上、台詞もほとんどありませんでしたが。

時代劇と男性同士による同性愛が好きという方、または世界設定面にツッコミを入れまくりたいという方には、映画「大奥」は間違いなく一押しの作品と言えるでしょう。

映画「十三人の刺客」感想

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映画「十三人の刺客」観に行ってきました。
1963年に公開された同名の時代劇映画のリメイク作品。
作中に切腹シーンがあったり、手足を切り落とされた裸の女性が映し出されるシーンがあったりすることもあり、この作品はPG-12指定されています。

ストーリーは、将軍の弟という地位にものを言わせて残虐の限りを尽くす明石藩主・松平斉韶(まつだいらなりつぐ)を13人の刺客が討ち取るというもの。
松平斉韶の暴虐ぶりは映画の序盤で明示されているのですが、手始めに、尾張藩の木曽上松陣屋詰である牧野靭負(まきのゆきえ)の息子の妻を犯した上、犯行現場で妻の惨状を発見し嘆き悲しむ息子を背後からなぶり殺しにするという行為に及びます。
次に、名もなき娘の手足を切り落として性奴隷として扱った挙句、その親族一同を全て皆殺しにするなど、現代どころか当時から見てさえも狂人扱いされて当然の所業が明らかになっていきます。
確かにこれは殺されても文句は言えないよなぁ、と観客および主人公に示されたところで、いよいよ松平斉韶を暗殺するための刺客が集められることになります。

ちなみに、この作品に登場している松平斉韶にはモデルが2人いて、ひとり目は全く同姓同名かつ明石藩第7代藩主の松平斉韶(1803年~1868年)。
そして二人目で、映画「十三人の刺客」の松平斉韶にまつわるエピソードの大部分の元ネタとなっているであろう人物が、明石藩第8代藩主の松平斉宣(まつだいらなりこと)(1825年~1844年)。
尾張藩とゴタゴタを引き起こしている経歴や、作中で舞台となっている年代とほぼ同じ1844年頃に死んでいることから考えても、映画「十三人の刺客」の松平斉韶は後者のエピソードを元に作られた人物と言って良いでしょう。
……名前だけ適用されてしまった明石藩第7代藩主の人が可哀想ではありますが(苦笑)。

松平斉韶の暗殺を成功させるため、主人公にして「十三人の刺客」のリーダー格である島田新左衛門(しまだしんざえもん)は、参勤交代で自分の藩に帰る松平斉韶を中山道の木曽落合宿を要塞化し、そこで待ち伏せ襲撃する計画を立てます。
松平斉韶が絶対に落合宿を通るという保証はなく、作中でもその部分は「賭け」と言われていましたが、主人公達が事前に手を打った尾張藩封鎖と、何よりも松平斉韶の自滅的な性格に助けられ、松平斉韶の一行は見事に落合宿を通ることになります。
かくして、映画の後半では落合宿を舞台とした壮絶な戦いが繰り広げられることになるわけです。

落合宿で襲撃された明石藩藩主・松平斉韶一行が引き連れている人数は、尾張藩封鎖に伴う分断効果で本来75名前後しかいないはずでした。
ところが落合宿に差し掛かった際、途中で人数を増強したのか200人以上も引き連れているという情報が「十三人の刺客」達に明示されています。
Wikipediaで元作品を調べてみた限りでは「13人対53人の殺陣シーン」しか行われていなかったようなので、この人数増強はリメイク作品のオリジナル設定なのでしょう。
しかも実際に映画を見ていると、明石藩側の人数はその200人よりもさらに多いとしか思えない描写ばかり出てくるんですよね。
落合宿序盤戦では、「十三人の刺客」達が落合宿に張り巡らせた罠の数々と、高みから一方的に放たれる矢戦によって、明石藩側の70人ばかりがほとんどワンサイドゲームで一方的に潰されています。
にもかかわらず、主人公の「斬って斬って斬りまくれ!」の号令で白兵戦に移行後、明石藩側は刺客ひとりにつき10人以上で取り囲んでいる上、どう見ても無傷にしか見えない新手の援軍が何回も登場していました。
松平斉韶自身の護衛に15~20人前後が付いていたにもかかわらずです。
当初は刺客の内3人くらいが待ち伏せ要員だったことを考えても、「明石藩側の人間、どう見ても300人近くいたんじゃないの? 残存130人にしては多すぎないか?」と考えざるをえなかったところです。
まあこの辺りは、時代劇の1対多数の殺陣シーンを見慣れている現代人向けに、人数を増やさざるをえなかったという事情もあるのでしょうけどね。

主人公を演じる「三匹が斬る!」の役所広司や、その補佐役で「遠山の金さん」でも御馴染みの松方弘樹など、時代劇では有名どころの俳優さんを揃えているだけあって、殺陣シーンはさすがに良く出来たものです。
時代劇が好きという方にはオススメできる映画ですね。

映画「-ザ・ラストメッセージ- 海猿」感想

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映画「-ザ・ラストメッセージ- 海猿」観に行ってきました。
同名の漫画原作作品の映画第3弾にしてシリーズ完結編。
ただ、「シリーズ完結編」といっても、それは前作に当たる2006年公開映画「LIMIT OF LOVE 海猿」でも、続編製作が発表されるまでは同じことを言っていたので、本当にこれで完結するのか否かは分かりませんが。
今作は3D版としても公開されているのですが、私が観に行ったのは通常版となります。

今作の舞台は、福岡県玄界灘沖に建設された天然ガスプラント「レガリア」。
このプラントには韓国とロシアも出資しているという設定で、そのためなのか、序盤で展開される救助活動では韓国人やロシア人らしき救助部隊の姿も見られます。
「レガリア」で火災事故が起こったのは、「レガリア」に変わり一時的に掘削作業を行っていたドリルシップが高波に煽られて制御を失い、「レガリア」に激突したことによるもの。
救助活動は順調に進んでいたものの、救助活動終了寸前になって「レガリア」が爆発の危機に晒された挙句、そのための安全措置として下ろされたシャッターに、主人公である仙崎大輔を含めた5人の人間が閉じ込められてしまいます。
おりしも台風が接近していたこともあり、海上保安庁の救助隊は一時現場から退避。
その後、たびたび危機的状況に見舞われる「レガリア」の問題に主人公がもうひとりの海上保安庁隊員と共に対処しつつ、ストーリーが進行していくことになります。

仙崎大輔は前作「LIMIT OF LOVE 海猿」の後、ヒロインである伊沢環菜と結婚、今作までの間に男の子が生まれています。
男児出生の際には、男児が未熟児だった上に母体も危機的事態に晒されるなど色々と問題もあったとのこと。
作中では「結婚3周年記念の日」に仙崎大輔が救助活動に向かっていることが示されており、前作からすくなくとも4年近くは経過している計算になりますね。

前作もそうでしたが、映画「-ザ・ラストメッセージ- 海猿」は人間ドラマの作り方が上手いですね。
主要人物全員分のエピソードが用意されていて、一定の感情移入ができるようになっています。
あと、主要人物が誰も死なないのも大きな特徴ですね。
同じ題材をハリウッド映画が扱ったら、誰が一人くらいはピエロ役として死ぬ人間が確実に出そうなものなのですが(苦笑)。

紆余曲折の末、「レガリア」はそのまま待てば破滅確定という最悪の事態に陥り、最終的には主人公達の手によって自沈させられることになります。
「レガリア」の建造には1500億円もの費用と韓国・ロシアの出資もあったことから、日本政府の上層部はゴーサインを出し渋っていましたが、あの状況で「レガリア」を自沈させなかったら、「レガリア」に取り残された5人全員死亡はもちろんのこと、「レガリア」破滅に伴う大火災や海洋汚染も発生するという最悪の結末を迎えただけでしょう。
作中では「たかが5人の生命を救うためにレガリアを放棄するのか!?」的な主張を政府高官が行っていましたが、何故か「大火災や海洋汚染の可能性」は無視されていて、その辺りは少し違和感を覚えたところですね。
「ガスタンクにいつ引火するか分からない」という報告は、主人公によって対策本部にも充分に伝わっていたわけですし。

映画「-ザ・ラストメッセージ- 海猿」は、人間ドラマ以外にも、手に汗握る緊迫感漂うシーンが結構続いたりするので、そういう映画が好きな人であれば、映画館へ直接観に行っても損はしない作品ですね。

映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」感想

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映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」観に行ってきました。
人気TVドラマ映画化シリーズ第3弾。
主人公である青島俊作を演じる織田裕二と室井慎次役の柳葉敏郎には一時期不仲説も囁かれ、映画の成立自体が危ぶまれる報道もありましたが、とにもかくにも映画が公開されて何よりです。
人気シリーズ作品かつ初日ということもあってか、スクリーン内はほぼ満席状態でしたね。

「踊る大捜査線」の映画は前作もそうでしたが、今作もとにかくギャグが満載。
湾岸署の引越し本部長に任命された青島俊作の「作戦会議」から始まり、その引越しのゴタゴタにまぎれて発生した事件と不祥事の数々、そして湾岸署外部に不祥事が発覚した後、身体を張っていかにも衰弱しているかのごとき過剰演出な3文芝居を繰り出しつつ、自己保身だらけの官僚答弁的な言動を披露しまくるスリーアミーゴスの公式会見シーンの辺りまではまさにギャグとツッコミのオンパレード。
その手のギャグが出てくる都度、スクリーン内のあちこちから声を潜めた笑い声が頻出していましたし、かくいう私も同じように笑っていたクチです。

ただ、今回の映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」は、過去2つのシリーズ作品とも内容がリンクしており、そちらも観ないと登場人物の相関関係が把握しにくいところも多々ありますね。
私も映画観賞後、Wikipediaを読んで過去作の登場人物を確認したりしていましたし。
今回の映画を観る際には、過去作である、
「踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!」
「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」
を事前に観ることをオススメしておきます。

それ以外で個人的に気になったのは、湾岸署を閉鎖状態に追い込んで囚人の釈放を要求してきた犯人に対し、室井慎次以外の警察の首脳陣達全てが「犯人の要求を呑む」という意見で完全に一致し、しかもそれが日本国首相の公式声明として発表されてすらいたこと。
作中でも「人道的見地」だの「人の命は地球より重い」だのといった類の発言が飛び交っていましたが、アメリカであれば映画でも現実でも絶対にありえないこの描写が、日本だと「うん、普通にありえる話だよね」と素直に頷けてしまう嫌な実態がありますからね~(T_T)。
ましてや今の売国民主党政権、特にその頭目が「あの」カンガンスであれば、これ幸いと嬉々として要求を呑むどころか、下手すれば国家としての無条件降伏すら本気でやりかねないところがありますし(-_-;;)。
あのヘタレ過ぎて情けない日本の首脳陣達の描写を「ありえないフィクション」として本当に笑い飛ばせる日が来て欲しいものなのですけどね。

「踊る大捜査線」はハリウッド映画と異なり、特にこれといった直截的な恋愛描写やアクションシーンがないにも関わらず、巧みなストーリー進行とギャグによる独特のテンポを駆使して観客を魅了する非常に優れたシリーズ作品ですね。
今作も、邦画の中では今年度最優秀作品の最有力候補として数えられることになるのではないでしょうか。

「邦画の復権」を象徴する映画「ホワイトアウト」

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2000年8月公開映画「ホワイトアウト」。
織田裕二主演のこの映画は「日本版ダイ・ハード」という宣伝文句が謳われ、邦画では珍しいハリウッド映画ばりのアクションシーンや迫力あるストーリーで人気を集めました。
興行収益で見ても、2000年度の邦画の中ではトップとなる42億円を記録しており、充分に成功した映画作品であると言えるでしょう。

私的にも映画「ホワイトアウト」は、映画観賞史上最悪の反戦教材動画「きけ、わだつみの声 Last Friends」以来、実に5年ぶりに観た「邦画」となります。
そして、
「こういう作品がきちんと作れるのであれば、邦画の未来にも希望が持てるのではないか」
と強く印象づけられた映画として記憶に残っていますね。

逆に言えばその評価は、それまでの日本映画がいかに絶望的なシロモノであったかを証明するものでもあるわけなのですけどね(-_-;;)。
「きけ、わだつみの声 Last Friends」は論外にしても、それ以外の映画も「『ハラキリ・ゲイシャ・フジヤーマ』的ステレオタイプな日本のイメージを持つ外国人相手に賞を取るために制作された作品」というイメージが定着していましたし。

映画「ホワイトアウト」は、その宣伝文句のごとく、ストーリーも設定も「ダイ・ハード」そのもの。
テロの襲撃に不運にも巻き込まれつつ自分はたまたま難を逃れ、地の利や奇襲戦法を使ってテロリストをひとりずつ倒していき、最後に敵によって追い詰められた際は奇策を使って一発逆転と、その構成はまさに「日本版ダイ・ハード」と言える作品です。
そのため「ホワイトアウト」には、そのパクリな作品構成を批判する向きも多分にあります。

しかし、それまでの日本映画の惨状を知る私としては「オリジナルな超駄作よりは、パクリ&テンプレートでも面白い売れ筋作品の方がまだマシ」という評価でしたね。
「ダイ・ハード」と比較しながら観るのであればともかく、それ単体として評価する分にはストーリーも構成も良く出来ており、観て損はしない作品です。

2010年7月3日からは、映画「ホワイトアウト」で主役を演じた織田裕二がこれまた主人公として活躍する映画「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」が公開されます。
前作からまた年月が経ち、主人公が係長に出世しているこの映画が如何なる出来なのかも期待が寄せられますね。

邦画への偏見を助長した映画「きけ、わだつみの声 Last Friends」

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私が映画館に行って観る映画というのは、その大部分が洋画の、特にアクション物とSFX系によって占められています。
元々私は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」から映画観賞が本格化したという経緯がありますし、また観ていて爽快感が伴う映画というのが好きなこともあって、ハリウッド映画は自分の好みに合うものが多いんですよね。

一方、邦画はどうかというと、こちらは長いこと

「アニメや特撮を除けば、エンターテイメント性を捨て去り、外国向けのステレオタイプ的な日本の宣伝広告を目的にしている、映画というものを根本的に勘違いしているジャンル」

などという偏見に満ち溢れた評価ばかり叩きつけていた時期がありました。

私の場合、元々その偏見は漠然とながら存在していたものなのですが、それが深刻なまでに確たる評価として確立してしまうきっかけになった映画が存在します。
それは、1995年に戦後50周年記念と銘打って公開され、戦時中における最前線の悲惨な実態を描いた「きけ、わだつみの声 Last Friends」という映画です。

この映画は最初から最後までとにかく雰囲気が暗く、また日本側はやることなすこと全面的に悪として描かれている反面、アメリカ軍がまるで正義の使徒であるかのように描写されています。
ラストも主人公を含めた日本軍側の登場人物全員死亡という何の救いもない結末で、爽快感を楽しむためのエンターテイメントとしてはゴミもいいところ。

「反戦平和」というものを強調し宣伝広報したいがあまり、肝心要なエンターテイメント性をかなぐり捨てていたそのスタンスは、映画作品というよりも「反戦平和のための教材」とでもいうべきシロモノ。
一応は映画作品なのだから、エンターテイメントとして面白い物にはなっているだろうという私の期待は完膚なきまでに裏切られました。

この映画以後、「邦画は駄作の代名詞」という評価が完全に確立してしまい、邦画自体を再び観るようになるまで5年、その評価が覆るのには実に10年近くもの時間が費やされました。
これまで観てきた映画の中でも「時間を無駄にした、カネ返せ」とまで思った映画は、これともうひとつの作品だけですね。

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