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カテゴリー「2012年」の検索結果は以下のとおりです。

映画「日本列島 いきものたちの物語」感想

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映画「日本列島 いきものたちの物語」観に行ってきました。
カメラマン達の実に2年半にも及ぶ動物達の観察と記録を元に製作されたドキュメンタリー映画。

映画「日本列島 いきものたちの物語」の内容は、イギリスのBBCが製作し、日本では去年公開された映画「ライフ -いのちをつなぐ物語-」の日本国内限定版、といったところですね。
ただ、「ライフ -いのちをつなぐ物語-」が、世界各国に生息する様々な動物10数種類およびその特徴をひたすら紹介していく進行だったのに対し、今作では主要なスポットが当てられる動物は以下の6種に限定されます。

北海道 知床半島 ヒグマ(双子の兄弟)
北海道 釧路湿原 キタキツネ
北海道 襟裳岬  アザラシ
青森県 下北半島 ニホンザル(人を除く霊長類で世界最北端に生息)
兵庫県 六甲山地 イノシシ
鹿児島県 屋久島 ヤクシマザル(ニホンザルの亜種)

これら以外にも紹介されている動物や海洋生物は一応いることはいるのですが、それらの生物達は上記6種の動物紹介の幕間に、ほんの一場面を紹介される程度の内容しか紹介されていないんですよね。
メインはあくまで上記6種で、彼らは冬の終わり頃から翌年の春頃までの生態の様子が紹介されています。
子育て関係は「ライフ -いのちをつなぐ物語-」でも描かれた部分ですが、親から離れて独立していく過程は今作オリジナルですね。

見ていて対照的だったのは、台風に耐えられず死んでしまった自分の子供を、まるで生きているかのように毛繕いをし続けた挙句、死んだ子供の後を追うように死んでいった屋久島ヤクシマザルの母ザルと、子育て5ヶ月で子供に噛み付いて自分のところから叩き出した釧路湿原キタキツネの母キツネですね。
一見正反対に見える母親としての行動ですが、これはどちらも立派な母性本能の産物なのです。
単独で生きていくことが不可能な子供の時期は、もちろん親として子供を外敵から守り育てていく。
そして子供が一人前に育ち、自立できる時期になると、子供を自立させるために自分の子供をあえて攻撃し自分から引き離す。
どちらも、生き抜くために必要不可欠となる動物的な母性本能の為せる業であるわけです。
母キツネの元から追い出された子ギツネは、同じように追い出された異性のキツネを探して子作りを行い、産まれた子供に対してまた同じことを繰り返すわけですね。
キタキツネの子供追い出し行動は奇異なものに映るかもしれませんが、動物一般における母性本能としてはこちらの方が普通なのです。
むしろ、人間のように「子供が成長してもなお子供を保護し続けようとする心理」が母性本能に備わっているような生物の方が極めて稀だったりします。
これは、人間が他の動物に比べて子育ての期間を長く必要とすることが影響しているのでしょうね。
人やサルなどの霊長類系は寿命が長いこともあってか子育ての期間も長いのですが、キタキツネは一般的な寿命が5~6年で子育て期間5ヶ月、イノシシやヒグマなども子育て期間は半年程度と作中でも明示されていましたし。

今作は映画「ライフ -いのちをつなぐ物語-」と同じく、動物をドキュメンタリー的に見せるのがメインの作品なので、物語としての面白さやハリウッド系のような迫力ある演出などとは全く縁がありません。
動物がとにかく好きという方や、誰かに動物を見せたいという人には必見の価値もあるのでしょうが、一般受けする映画とはやはり言い難いですね。

映画「ドットハック セカイの向こうに(3D版)」感想

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映画「ドットハック セカイの向こうに(3D版)」観に行ってきました。
2002年から始まり、マンガ・アニメ・ゲームその他多彩にメディアミックス展開されてきた「.hack(ドットハック)」シリーズの3Dアニメ映画。
当初、今作は私の映画観賞予定リストには含まれていなかったのですが、たまたま休みとなった2月1日がちょうど「映画の日」で映画料金が割安だったこともあり、急遽映画館へ足を運ぶことになりました。
3D版しか上映されていなかったので泣く泣く3D料金での観賞となりましたが、相変わらず2Dとどこら辺が異なるのかよく分からない映像で、その点については「何故こんなことに余計なカネを使わなければならないのか?」といつものことながら嘆かざるをえなかったですね(T_T)。

物語は2024年、何故か数匹のクジラとそれを取り囲んでいる数隻の船の様子が描かれている有明海の描写がひとしきり映し出された後、とある中学校で行われている学力テストの風景から始まります。
作中における2024年の学校では、机に固定されている?iPadの発展型のような端末を使って授業やテストが行われているらしく、また黒板もチョークで書き込むものではなく「黒板型電光掲示板」のようなシロモノに変えられています。
また、テストが終わったら後ろの席から解答用紙を集めていくのではなく、教師の端末に答案内容を送信するという形になっています。
ただ、この一見「未来」を感じさせるハイテクの数々にも問題がないわけではなく、テストの問題を解くのに難儀していたらしい今作の主人公・有城そらの席では、端末の調子が悪いのか教師の下へなかなかデータが送信されないといった不具合が発生したりもしていました。
ああいうのって意外に大きな問題になりそうな気もするのですが、それはさておき、テストが終わったクラスでは、冒頭に出てきた有明海に流れ着いたというクジラの話題で持ちきりになっていました。
ちなみにクジラの描写は、今後の物語で何らかの伏線として機能するのではないかと思ったのですが、結局序盤でクラスメイト達に話題を提供した以上の役割はありませんでした(T_T)。
話題となっている有明海が中学校からほど近いこともあり、友人達から一緒にクジラを観に行こうと誘われる有城そらですが、有城そらは迷った末にこれを断り、そのまま自宅への帰路に着きます。
その帰り道、有城そらは街の水路にあるベンチに座り込んでいる熱中しているクラスメイト・田中翔に出会います。
彼は「FMD」と呼ばれている特殊なメガネをかけ、携帯でも出来るオンラインゲーム「THE WORLD」に没頭していたのでした。

実は有城そらのクラスでは「THE WORLD」が流行しているらしく、「THE WORLD」をプレイしたことがないのは有城そらひとりだけという状況でした。
有城そらは頑固一徹の祖父の影響もあり、その手のゲームに全く近づこうとはしなかったのです。
他のクラスメイトとの会話でもしばしば「THE WORLD」の話が持ち出され、ひとり全くゲームをプレイしていない有城そらは、どこか話題から取り残されたような感覚を覚えるようになっていました。
幼馴染の岡野智彦および田中翔と一緒に福岡市の天神へ遊びに行った際も、「THE WORLD」絡みで新型「FMD」を購入するため家電ショップへ向かう友人達と途中で別れてしまうことに。
ところがその家電ショップで岡野智彦と田中翔は、ちょうど買い物を済ませて店から出てこうとする有城そらの祖父・有城武生を発見。
近くのマクドナルド?で問い詰めた結果、有城武生もまた「THE WORLD」にハマっていることを告白したのでした。
有城武生と出会ってすぐに再度合流するよう携帯で連絡を受けた有城そらもこの事実を知るところとなり、これが有城そらが「THE WORLD」の世界に踏み込むひとつの大きなきっかけとなります。
そんな中、ホームサーバー情報収集ロボ「まことさん」から「THE WORLD」のお試しが届いたという連絡を受け、さらに田中翔から「FMD」を貸してもらったことなども手伝い、有城そらは「THE WORLD」の世界へ足を踏み入れることになるのですが……。

この映画では、オンラインゲーム「THE WORLD」と、福岡県柳川市を主要舞台に物語が展開されます。
「THE WORLD」はあくまでも架空の存在ですが、作中に登場する現実世界の施設などは、現実にあるものがそのまま使われています。
たとえば、主人公達が通っている中学校のモデルは柳川市立柳城中学校で、体育館や校舎といった外観もそっくりに描写されています。
また、主人公達が福岡市の天神へ遊びに行く際に使用していた鉄道は、作中で走行している列車内にある電光掲示板に「福岡(天神)行き 次は花畑」と表示されていたことから、福岡市天神から福岡県南端の大牟田市までを結ぶ西鉄天神大牟田線であると簡単に特定できます。
福岡(天神)駅も花畑駅も共に西鉄天神大牟田線にある駅であり、特に西鉄久留米駅の南隣に位置する花畑駅は西鉄天神大牟田線にしか存在しないのですからね。
これが西鉄天神大牟田線の駅一覧↓

http://www.nishitetsu.co.jp/train/rosen/o.htm

さらに、天神で主人公達が街を歩いていた際に描写されていた大通りや建物などといった諸々の風景も、実際に天神で見られるそれをそのままベースにしていますし、作中に出てくる家電ショップでは、九州大手の家電量販店「ベスト電器」オリジナルの店内放送BGMが流れていたりします。
アレを聞いた時は、映画「ニューイヤーズ・イブ」および映画「ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬」で、「TOSHIBA」という実在の企業名がしばしば登場していた事例をついつい思い出してしまったものでした(苦笑)。
物語後半に登場する病院に至っては、そのものズバリ「長田病院」という固有名詞がデカデカと描写されていましたし、その外観もまた、福岡県柳川市に実在している長田病院そのものだったりします。

柳川市の内科専門病院:清和会長田病院(ながたびょういん)
http://www.seiwakai.info/nagata/index.html

公式サイトのプロダクションノートによれば、今作の映画制作者達は、作中に登場している店や施設のほとんどから実際に許可を取って描写していたのだそうです。
西鉄天神大牟田線と福岡天神は個人的に馴染み深いものだったこともあり、風景などはよく覚えているだけに「ああ、ここは見覚えがあるな、あそこら辺だろう」とあちこちで何度も感慨を抱いたものでした。
現地を知っている九州の人間としてそう感じるわけですから、その作りこみぶりは相当なまでに気合が入っているものなのではないかと。
ただ、肝心の柳川市はロクに行ったことがないので、柳川市のシンボルにして観光名所にもなっているはずの水路と川下りは、すぐには「柳川のことか!」と連想することができなかったのですが(^^;;)。
一応知識としては柳川にもそういう名所があることを知ってはいたのですけど、個人的に「川下り」と言ったら、一度も行ったことのない柳川の川下りよりも、過去に実際に乗ったことのある球磨川のそれの方が先に結びつくものだったりしますからねぇ(苦笑)。

九州ローカルネタ以外で印象に残ったことと言えば、2012年時点の水準から見ればとてつもなく高性能なのに、作中の基準的には2世代前の旧型らしいホームサーバーの「まことさん」の存在ですね。
IT絡みについては何も知らない主人公を完璧にサポートできる機能がある上に、主人公の命令や質問に対しても受け答えができるという高性能なAI機能が搭載されているときています。
今から僅か12年後でああいうのが一般化するというのはまさに夢のような世界ではありますね。
ただ、いずれはAI機能が実用化されるにしても、今から僅か12年で、それも一般家庭でも普通に購入できるというところまで発展できるのかと言われれば、かなり疑問と言わざるをえないところではあるのですが。
「ナイトライダー」シリーズを観ていた頃からああいうのは好きではあるのですけど、いつになったら作中のようなAI機能が一般的な商用実用化のレベルにまで到達するのかなぁ、と。

映画「ドットハック セカイの向こうに」は、良くも悪くも「オンラインゲームについて知っている人向けの内容」で構成されていますね。
一応主人公を「オンラインゲーム初心者」に設定した上で、何も知らない人間の視点からオンラインゲームにハマっていく過程を描いてはいますが、オンラインゲームのことを知らなかったり、偏見を抱いていたりする層に受けるような作品ではないのではないかと。
客層をかなり限定しそうなので、大ヒットは難しいと言わざるをえない映画ですね。

映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」感想

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映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」観に行ってきました。
東野圭吾原作のミステリー小説「加賀恭一郎シリーズ」の「新参者」を基に、阿部寛主演で放送されたテレビドラマの劇場版。
「加賀恭一郎シリーズ」は、第1弾「新参者」が2010年4月~7月にテレビドラマシリーズとして、第2弾「赤い指」が2011年1月3日に新春ドラマスペシャルとして、それぞれTBS系列で放映されており、今作はその流れの続きという形になります。
公式サイトによると、今作は「新参者」から1年後の設定なのだとか。
残念ながら私は原作&テレビドラマシリーズについては未読&未観賞だったのですが、一部主人公の人物関係で不明な点はあったものの、主要な設定などについて問題があるということもなく、前作を知らなくても充分に楽しむことができました。
もちろん、予め原作&テレビドラマ版を知っておいた方が「より」楽しめるであろうことは確かでしょうけど。

6月13日午後8時58分、東京都中央区にある日本橋の中央にある麒麟の像まで歩いてきた男性が倒れる事件が発生。
現場にいた警官がすぐさま所轄の警察本部と連絡を取り、男性はただちに救急車で搬送されたものの、病院で死亡が確認されました。
男性の腹部には刃渡り8cmのナイフが突き刺さっており、殺人事件であることは誰の目にも明らかでした。
一方その頃、今作の主人公である加賀恭一郎は、現場からそう遠くないとある喫茶店だかレストランだかで、亡くなった自身の父親の三回忌に出席するよう、父親の最後を看取った看護師・金森登紀子に詰め寄られていました。
加賀は父親との約束を持ち出して頑なに三回忌出席の確約を拒否しようとしますが、金森は何故かしつこく加賀恭一郎に出席を迫り続けます。
彼女が何故そのような態度を取るのかは物語中盤の終わり頃に明らかとなるのですが、そんなやり取りの最中、加賀の携帯に先述の殺人事件発生の連絡が入りやり取りは中断、加賀はただちに現場に赴くこととなります。
殺害された男性はカネセキ金属という企業で製造本部長を務めていた青柳武明という人物で、日本橋の麒麟の像から(負傷の身では歩いて8分近くもかかる)離れた地下道で血痕が残っていたことから、そこで刺されたという事実が判明。
何故彼は刺された場所から麒麟像まで、瀕死の身で歩いてきたのか?

また事件現場から程近い別の場所では、青柳武明のカバンを抱えて草むらに隠れているひとりの男性の姿がありました。
その男性・八島冬樹は、同居中の恋人・中原香織に携帯で電話をかけ「俺、大変なことをやってしまった」というメッセージを残した後、巡視中の警官に職務質問されて逃走中、トラックに撥ねられて意識不明の重態に。
あまりにも怪しすぎる状況から、警察の対策本部では八島冬樹が事件の犯人ではないかと睨んで捜査を開始します。
すると、一見何の関係もないかのように見えた被害者と容疑者の間に「カネセキ金属」という共通項があることが判明。
八島冬樹は、かつて青柳武明が製造本部長を担っていた「カネセキ金属」の派遣労働者として働いていたことがあり、契約期限前に解雇された経歴があることから、その恨みで犯行に及んだのではないかと推察されたわけです。
一刻も早く事件を解決済みとしたい警察の対策本部は、八島冬樹の容態が回復する気配がないこともあり、容疑者死亡のまま送検すること目的にマスコミに情報を流し、その推察を既成事実化して記者会見で公式発表しようとします。
しかし、八島冬樹が「カネセキ金属」から解雇されてから半年もの時間が経過していることや、殺害に使われたナイフが八島冬樹の物であることが立証できないことなどから、加賀は上層部に記者会見を思いとどまらせ、独自の捜査を進めていきます。
やがて、その捜査から、被害者が殺された真の経緯と事件の真相が浮かび上がってくるのですが……。

映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」を観ていて個人的に強く印象に残ったのは、殺人事件の容疑者として警察が最初にクローズアップされた八島冬樹を巡る各人の反応ですね。
彼が「カネセキ金属」から契約期間前に解雇されたのは、工場で稼動させているベルトコンベアーを非常時の際に緊急停止させる「インターロック」を起動させていなかったことによる労災事故が原因だったのですが、「カネセキ金属」の現場工場長はこの事実を上司である青柳武明に報告しなかった上、彼の死後にそれが明るみに出た途端、今度は「死人に口なし」とばかりに青柳武明にその全責任を押し付けているんですよね。
結果、殺された被害者の遺族達は「殺されて当然だ」と言わんばかりの非難を浴び、さらには被疑者の長女が自殺未遂を図るなどという事態にまで発展してしまいました。
また、「八島冬樹犯人説」がワイドショーなどで盛んに報道された結果、恋人兼同居人だった中原香織は、「自分の店について悪い噂が流れると困るから」という理由で肉屋のバイト先からクビを言い渡されてしまいます。
このいかにも「事なかれ主義」的な営利企業の自己保身な言動の類は、現実にも普通に起こりえることなのでしょうが、風説の流布によってそういう目に遭わされる側にしてみればたまったものではないでしょうね。
物語の終盤で、それらの風説は事件の真相と共に事実とは全く異なることが判明するのですが、名誉を回復されたはずの関係者達は、しかし当面の間は引き続き白眼視され続ける環境に置かれ続けることになるのが目に見えています。
一度毀損された名誉はそうそう簡単に回復するものではありませんし、虚偽の風説を信じて解雇などの権限を発動した企業や人間が、その自身の責任を認めて被害者に謝意を表する事例なんてほとんどないのですから。
「そんな報道を流すマスコミが悪い」か「そんな報道を流された被害者にも責任がある」かのどちらかの主張を展開した挙句、最後の結末は「自分は悪くない」で締めくくるわけで。
いや、後者はともかく前者は必ずしも間違っているわけではないのですが、それを含めて考えても「その間違った報道を信じて行動に移した自分」の責任は免れないのですから、本来は何の言い訳にもならないはずなのですけどね。
しかも、それでも「事実関係が間違っていた」ことを認めるのであればまだマシな方で、それすらも認めなかったり後者の理由を振り回したりした挙句、相変わらず被害者を罵りまくるという、救いようのないほどに最悪な連中もいるのが現実です。
これも「間違った情報を元に間違ったことをやらかした事実を認めたくない」「そのことに対する責任を取らされたくない」という自己保身の産物なのでしょうが、作中における被害者の遺族は、これからも一度流された風説に苦しめられ続ける日々が続くことになるのではないかと。

それと、これはテレビドラマ版の延長線上にあるのでしょうが、主人公の加賀恭一郎ってやたらと顔が広いですね。
現場に程近い店々の店員達の多くと顔見知り&かなり親しげな様子でしたし、彼ら彼女らから被害者や容疑者に対する多くの情報を引き出すことにも成功しています。
実際の警察の捜査でも、一般人の協力から事件解明や犯人調査に纏わる重要な情報が得られることが少なくないそうなので、ああいうのって結構な「強み」になるでしょうね。

あと、今作では銀英伝舞台版第一章でラインハルト役を演じた松坂桃李が「殺害された青柳武明の長男役」で出演しています。
「父親に隔意ありげな息子」という役柄を存分に演じきっていました。
映画観賞中は全く気づくことがなく、観賞後に公式サイトで作品情報や登場人物名を調べていた際にその事実を知って「意外な縁があったなぁ」と少々驚いた次第で(^^;;)。
個人的には、銀英伝舞台版第一章絡み以外で彼の名前を見かけたのも、またそれ以外の出演作品を観賞したのも今回が初めてだったりします。
1年半以上ぶりに改めて調べてみたら、松坂桃李は去年から映画やテレビで積極的に顔を出すようになっているみたいですね。

映画「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」は、同じ東野圭吾原作のミステリー小説でも、まるで救いようのないバッドエンドと、人間の冷酷さがこれでもかとばかりに繰り広げられた映画「白夜行」とはまた一味違った面白さがありましたね。
ミステリー的な出来の良さや人間ドラマにスポットを当てたドラマ展開は相変わらず秀逸で、観る者を退屈させることがありません。
作中に出てくるエピソードの数々も、上記で挙げた通り現実にも充分に起こりえる展開ばかりで、それらが全て繋がることで謎が解明されていく過程は爽快感すら覚えるものがありましたし。
また今作は「白夜行」と違ってバッドエンド物ではないので、その手の作品が苦手という方にも素直に楽しめる作品ではないかと思います。

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