最近のハリウッド映画ではセックスシーンが減っている?
ハリウッド映画からセックスシーンが激減したと、アメリカの雑誌で報じられているようです↓
http://eiga.com/news/20130320/14/
> [映画.com ニュース] ハリウッド映画からセックスシーンが激減していると、エンターテインメント・ウィークリー誌が報じた。
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> 「氷の微笑」「ゴースト」「テルマ&ルイーズ」を例に挙げるまでもなく、かつてハリウッド映画にセックスシーンがつきものだった。しかし現在、メジャー映画ではかなり減少しており、今年の第85回アカデミー賞作品賞にノミネートされた全9作品うち、セックスシーンが含まれているものはひとつもない。
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> ジェニファー・ローレンスが、性に奔放なキャラクターを演じ主演女優賞を受賞した「世界にひとつのプレイブック」でも、濡れ場は皆無。ハリウッドのメジャースタジオの依頼で脚本分析をするメディア調査会社IPSOSの重役は、過去2年間で劇的にセックスシーンが減ったことを「カットされることになると分かっているので、脚本家が最初から省くようになりました」と説明する。
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> では、どのような理由でスタジオはセックスシーンをカットするようになったのか。それには、複数の理由が考えられる。まず、興行収入をアップさせるためには、若年層の動員が欠かせない。そのためには、17歳以下の入場を禁止するR指定ではなく、R-13(13歳未満の子どもの鑑賞については保護者の注意が必要)に抑える必要がある。映画のレイティングを審査するMPAAは、暴力描写よりもヌードやセックス描写に厳しいことで知られていることもある。
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> さらに、インターネットの普及によるヌードの価値低下が挙げられる。いまではオンライン上のアダルトサイトで容易にヌードを閲覧できるため、映画におけるヌードシーンが観客動員につながらなくなってしまったという。そして、VFXの躍進。VFXこそ観客動員の鍵となっているため、派手な映像に力を入れるようになったことも一因になっているようだ。もっとも、この傾向がみられるのはハリウッドのメジャー作品に限定されている。
しかし、そもそもハリウッド映画って、そこまでセックスシーンを大々的に売りにしていましたっけ?
昔からハリウッド映画に慣れ親しんでいた私でも、セックスシーンをそこまで売りにしている作品にはあまり心当たりがないのですが。
去年日本で公開され私が観賞した映画だけを見ても、セックスシーンそのものや婉曲な描写を持つ洋画作品は、ざっと思い浮かぶだけでもR-15指定の「ドラゴン・タトゥーの女」「ラム・ダイアリー」、名にも指定されていない作品でも「Black & White/ブラック&ホワイト」「スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン」「007 スカイフォール」とそれなりの数はあります。
ただ、これらの作品は別にセックスシーンが「売り」というわけではなく、物語の構成要素のひとつとしてたまたまセックスシーンが入っているだけという一面が強いでしょう。
そしてそれは、特にセックスや性の問題をテーマにした作品でもない限りは、ハリウッド映画のスタンダードなあり方でもあったわけで。
昔からアクションシーン等の派手な描写を売りにしてきたハリウッド映画に、セックスや性の問題を扱った作品が元からそこまで多かったわけでもないでしょうし、「激減」とまで言われるほどに数が減っているようにはあまり思えないところなのですけどね。
記事にもあるように、セックスシーンの有無はR-15&PG-12指定の問題とも絡み、ひいては興行収益にも多大な影響を及ぼすので、避ける傾向にあることは確かにそうでしょう。
ただ逆に、R-15&PG-12指定の作品だと、セックスやバイオレンスな描写が昔よりも過激になっている一面もありそうな感じなのですが。
言ってみれば、通常の作品とR-15&PG-12指定作品との「棲み分け」が進んだ結果、セックスシーンもしくはそれを匂わせる「通常の作品」が減ったのではないか、というのが実態に近いのではないかと。
実際、「テッド」のような下ネタ満載のR-15作品なども増えているわけですし。
先日観賞したPG-12指定映画「クラウド アトラス」でも、モロなセックスシーンが普通にあったりしましたからねぇ。
昨今の映画を見ても、セックスシーンを扱う作品は昔と比べてもそこまで減ってなどいないのではないか、という感触すら感じられるくらいなのですが、実際はどんなものなのでしょうか?