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カテゴリー「言論統制」の検索結果は以下のとおりです。

「孔子平和賞」 の茶番劇

劉暁波のノーベル平和賞受賞に反発した中国が急遽設立した「孔子平和賞」の授賞式が12月9日に行われました。
しかし、初代受賞者に選ばれた台湾の「連戦」中国国民党名誉主席は受賞を拒絶。

http://megalodon.jp/2010-1210-1047-39/sankei.jp.msn.com/world/china/101209/chn1012092107004-n1.htm

「インターネットを通じた投票に基づいた」とされる選定の過程や基準なども一切非公開、受賞者本人への通知すら全く行っておらず、最後は全く無関係の少女にトロフィーを渡してお茶を濁すという、最初から最後まで茶番の連続としか言いようのないシロモノでした。
本家本元のノーベル平和賞自体、「政治利用されている」「平和への実効性が疑問視される」など、数あるノーベル賞の中でも特に批判が絶えない賞なのですが、「孔子平和賞」はその負の側面をさらに凝縮している感じです。
こんな賞を設立して、一体中国は何がしたかったのでしょうか?

ちなみに、田中芳樹もノーベル平和賞については、1994年6月に刊行された山田風太郎著「柳生忍法帖 上」(講談社ノベルス・スペシャル)に寄稿したコラムでこんなことを書いていたりします↓

書物の森でつまずいて…… P78~P79
山田風太郎著「柳生忍法帖 上」 虚像の魔力
<「再発見」のほうには明確な記憶がある。『山田風太郎全集』に収められた『おぼろ忍法帖』で、当時はまだ『魔界転生』と改題されてはいなかった。時期は一九七四年の十月である。このとき、『おぼろ忍法帖』をカウンターに持っていった私に、顔見知りになった区立図書館の司書さんがいったのだ。
「あんた、信じられる? 佐藤栄作がノーベル平和賞をとったんだよ。いまニュースでいってたけどね。何だかノーベル賞のありがたみが消えてしまったね。佐藤栄作だもんねえ」
 というわけで、
ノーベル平和賞に対する日本人多数の認識が変わったのと、私が山田風太郎を再発見したのは同じ日のことであった。>

佐藤栄作のノーベル平和賞選定がノルウェーのノーベル賞委員会で決定されたのは1974年10月8日なので、このエピソードもその当日または翌日辺りの話ということになりますね。
まあ、ノーベル平和賞は佐藤栄作以前にも、「あの」ヒトラーでさえも1939年に受賞候補者としてノミネートされていたという事例すらあるのですから、いかにおかしな賞であるかは分かりそうなものなのですが。
最近でも、アメリカのオバマ大統領が「核なき世界」の演説をしたという、ただそれだけの理由で授賞したという実例がありますし。
ノーベル平和賞についてかくのごとき認識を持っている田中芳樹が、よもや「孔子平和賞」を絶賛するとは「本来ならば」考えにくいところですが、果たしてあの中国礼賛論者にそんな常識が通用するのかどうか……(-_-;;)。

ウィキリークス創設者に対する別件逮捕について

アメリカ軍の機密資料およびアメリカ外交公電の公開で話題となったウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジが逮捕されました。
逮捕容疑は何と「セックスの際にコンドームを使用しなかったから」。

http://megalodon.jp/2010-1207-2349-56/topics.jp.msn.com/digital/gizmodo/column.aspx?articleid=463636

こんな容疑でインターポールから国際指名手配されていたわけなのですから、「できちゃった婚」をしている人なんてかなり危ないのではありませんかね?
何しろ「セックスの際にコンドームを使用しなかったから」という程度の理由でインターポールから国際指名手配され、各国の捜査機関が血眼になって容疑者を探しているわけです。
こんな基準をバカ正直に万人に適用などしていたら、インターポールどころか世界各国の警察は仕事がパンクするのではないかと思えてならないのですけどね(苦笑)。

まあ真面目な話、今回の逮捕劇は疑問の余地なく別件逮捕もいいところでしょう。
「セックスの際にコンドームを使用しなかったから」を性犯罪と規定しているスウェーデンにしたところで、罰則は最大で5000スウェーデン・クローナ(日本円で約6万円)の罰金でしかなく、わざわざインターポールにお出まし頂くような刑事事件などではありませんし。
やはり、これは機密文書を大量にバラ撒かれたアメリカの報復措置、という側面の方が大きいのでしょう。
ただ、アメリカはアメリカで「スパイ容疑」での逮捕を行うと、言論の自由との兼ね合いの問題もあり、またウィキリークスと連携して情報を公開していた他のマスメディアの記者達までも逮捕しなければならなくなるなどの事情もあり、正面突破は事実上できない状態にあったわけです。
だからこそ、なりふり構わず各国に依頼して「スウェーデン国内法の微罪容疑で別件逮捕」という荒業に踏み切らざるをえなかったのでしょうけど、この事件、裁判が行われるとしたら、法的にはどういう罪状でもって法廷で裁かれることになるのでしょうかね?
別件逮捕の後に本件の容疑が固まり再逮捕、できなければ「闇に葬る」というパターンにアメリカとしては持って行きたいところなのでしょうけど……。
この手の政治的な事件の裁判って、推定無罪の原則などかなぐり捨てて何が何でも有罪判決を「上からの圧力で」出させることがほとんどですから、「公正かつ被告人に有利な裁判」というのは期待のしようもありませんからねぇ(-_-;;)。

それにしてもこのウィキリークスの機密情報公開事件、大のアメリカ嫌いであろう田中芳樹御大にとってはこれ以上ないほど狂喜乱舞したくなるようなネタだったでしょうね。
何しろ、湾岸戦争やイラク戦争、さらには911のアメリカ同時多発テロ事件後におけるアメリカの対応について、アレだけボロクソなまでに罵り倒していたわけなのですし(苦笑)。
日本で散々失態をやらかしまくっている今の民主党政権については、自身もすくなくとも政策的には支持しているであろう手前なかなかネタにはしにくいでしょうから、こちらを次の薬師寺シリーズ新刊辺りでメインのネタにする可能性はかなり高いのではないでしょうか。
未だ執筆完了の報告がない「髑髏城の花嫁」の次の執筆作品はちょうど薬師寺シリーズの新刊らしいですし。
まあネットの知識に疎いであろう田中芳樹が今回の事件についてどこまで踏み込めるのかは、正直疑問な点も多いのですけどね。

CNN東京支局の奇妙な言い訳

昨日の記事の続報ですが、例の動画を郵送されたCNN東京支局がスクープを報じなかったのは、SDカードが入った封筒に差出人名が書かれておらず、データの内容も明記されていなかったことにより「警備上の指針に従って廃棄した」からなのだとか。

http://megalodon.jp/2010-1126-0327-42/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101125-00000917-yom-soci

しかし、「差出人名が書かれておらず、データの内容も明記されていなかった」からといって、中身を「安全に」調べる方法などいくらでもあるでしょうに。
一番スタンダードな手法としては、ネットワーク接続を全く行わないスタンドアロンの隔離PCでファイルを開くという方法があります。
別にハイスペックのPCである必要はなく、最低限の環境さえあれば良いのですから中古のパソコンでもOKですし、購入費用も安く設置も容易に行えます。
また、SDカード対応の再生専用メディアプレーヤーを使えば、PCを全く介さずに中身を確認することも可能です。
第一、「偽名の差出人&ウソの内容説明文と一緒に送付されたウィルス混入SDカード」が郵送された場合だってありえるわけですし、そんな中でも大スクープが向こうから飛び込んでくる可能性は極少にしてもあるというのに、「中身を確認せずに捨てた」ってジャーナリストとしては間違いなく失格の部類に入らざるをえないでしょう。
こんないくらでも対処可能な理由でせっかくの大スクープの可能性を自ら捨て去るとは、CNN東京支局はマスメディアとして全く話にもならないレベルとしか言いようがありませんね。

まあ実のところ、CNN東京支局はスタッフの数が少ないという事情もあるようなのですが↓

http://www.tv-asahi.co.jp/hai/contents/100/088/
<東京支局は、1982年に開局。スタッフは5人。日本人のプロデューサーや技術スタッフ4人。
そして、ただひとりのアメリカ人が特派員のアティカ・シューベルトさんです。>

しかしその一方で、CNN東京支局はテレビ朝日の中にありますし、両者は提携関係にあるわけですから、情報の共有化やSDカードの確認作業等でテレ朝の人間に協力を求めることは充分に可能だったはずでしょう。
正直、「報道しなかった言い訳」にしても「職務怠慢」として充分に酷すぎる話ですし、万が一にも「表向きな言い訳で本当は知っていながら握り潰していた」だったりしたら、いよいよマスコミの信用は失墜するしかなくなります。
内部告発は既存の大手マスコミを使うべきではない、というのが今回の事件で得られた最大の教訓だったでしょうね。

それにしても、最近よくあるこの手のマスコミの「報道しない言い訳」を聞いていると、「マスコミって一体何様のつもりなんだ」と考えてしまうことが多いですね。
数千人単位で行われた尖閣デモが、海外で盛んに報じられながら日本のマスコミが全く報じなかった件におけるマスコミの言い訳は、「理由についてはお答えできません」などはまだマシな部類で、ひどいのになると「告知が目に留まらなかった」などというシロモノまで飛び出す始末。
こういう言い訳を聞いていると、日本のマスコミはジャーナリスト精神が欠落しているばかりか、「俺たちが報道してやるから黙って取材されていろ」と言わんばかりの傲慢な態度が滲み出ていてウンザリするんですよね。
情報を提供しても自分達で握り潰し一切報じない挙句、それでも隠蔽できなかったら「取材されたかったら俺達を満足させろ」的な開き直りに終始する。
これでマスコミが信用を失わない方が変というものです。
「取材は足で書くもの」「報道は『させて頂く』もの」という基本中の基本を、日本の特に大手マスコミは一から学び直す必要があるのではないでしょうか?

内部告発スクープを報じない既存マスコミの使えなさ

中国漁船衝突事件の尖閣ビデオを流出させた海上保安官が、YouTubeに動画を投稿する前に、CNN東京支局に対し動画ファイルを記録したSDカードを郵送していたと供述していることが判明しました。

http://megalodon.jp/2010-1125-1555-05/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101124-00001260-yom-soci

例の尖閣ビデオ流出事件の際、朝日新聞名古屋本社調査報道班記者の神田大介なる人物が「内部告発は報道機関を通してほしい」とTwitter上にて呼びかけていたことがあります。

http://togetter.com/li/67923

しかし、CNN東京支局の対応を見る限り、既存マスコミに内部告発を行っても全く報道されない&情報を握り潰される可能性が少なからず存在する、ということが実地で証明されてしまった形になります。
CNN東京支局がSDカードを最初から検証しなかったのか、SDカードに保存されていた動画を見た上で報じなかったのかは不明ですが、どちらにしてもマスコミとしての検証・報道能力が大きく問われかねない失態と言えます。
しかもCNNはテレビ朝日およびNHKと提携関係にあり、両者もまた、この情報を真っ先に知りえる立場にあったはずなのです。
既存の大手マスコミは、政府や企業その他の内部告発には全く不向きな媒体である、ということにこれではなってしまいますね(苦笑)。
神田大介の熱弁も全く空しいものになってしまい、実に哀れな限りです(T_T)。

ところで、我らが田中芳樹御大は、今回の尖閣ビデオ流出絡みに関するマスコミ報道についてはどのように受け止めているのでしょうか?
田中芳樹の過去の発言を見ると、既存マスコミを無条件に信用しているようなことを述べていたりするのですが↓

毎日新聞 2008年1月6日記事
作家・田中芳樹さん語る 「涼子は大物女優」 薬師寺涼子の事件簿
<||最新作でも、「マンガばかり読んでいる外務大臣」とか、さまざまな話題を茶目っ気たっぷりに笑い飛ばしています
(田中)
特にモデルがだれという訳でないんですが(笑)。「いい年して遊ぶな」と言われるんですけど、思いっきり楽しんでいます。ネタは自然と出てくるんですよ。むしろ現実の「えぐみ」を取る工夫をしていますが、その工夫が楽しいですね。新聞を読んだり、ニュースを見たらネタは出てきます。
「入門編」としての新聞の存在は、大きいですよ。ただ、経済だけはなぜか興味がなくて……。一時期、興味を持つきっかけに株を買ってみたのですが、全然だめでした。その代わりに新聞に載っている企業プロジェクトの特集を読んだりしています。まあ、経済と恋愛は、事件がからまないと本質的に興味がないですからねぇ。>

田中芳樹も、尖閣ビデオ流出事件のマスコミ報道で初めてYouTubeの存在を知ったクチだったりするのでしょうか?
創竜伝だと、「国民新聞」こと読売新聞や記者クラブに対する批判的な社会評論があったりするのですが、それでも「『入門編』としての新聞の存在は、大きいですよ」などとのたまう辺り、既存マスコミに対する信用は少なからぬものがあるのでしょう。
その一方で、田中芳樹がほとんどネットを触っていないことが「らいとすたっふ」社長氏によって言及されていますし、実際、ここ10年ほどの間に刊行された現代物作品の中でもネットの存在がほとんど描かれていません。
ネットが持つ速報性や利便性、それに何よりも「権力べったりな既存マスコミの自主規制と無縁な自由度の高さ」という点を田中芳樹がどのように評価しているのか、是非とも知りたいところです。

中国人初のノーベル賞を民主運動家・劉暁波が受賞

中国人では初となるノーベル賞受賞が、過去に天安門事件で逮捕歴があり、現在も中国で服役中の民主運動家・劉暁波に授与されるという形で実現することとなりました。

http://megalodon.jp/2010-1008-2234-41/www.asahi.com/international/update/1008/TKY201010080362.html

そして、この輝かしい偉業に対し、中国政府は反発を強め、報道規制を行っているとのこと。

http://megalodon.jp/2010-1009-0032-51/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101008-00000118-jij-int
http://megalodon.jp/2010-1009-1343-51/sankei.jp.msn.com/world/china/101009/chn1010091102007-n1.htm

長年の悲願であったノーベル賞受賞がまさかこんな形で実現するとは、中国にとってこれ以上の皮肉はないでしょうね。
ただでさえ中国は、チベット問題をはじめとする少数民族の弾圧や言論統制など、のっぴきならない問題を抱えているところにこれなのですから。
今回のノーベル平和賞選定に際して、中国政府はノルウェーのノーベル賞委員会に対し「外交関係に悪影響を及ぼす」という圧力までかけていたのですが、中国がいかに今回のノーベル賞受賞を嫌がっているか、分かろうというものです。

民主主義真理教の狂信者にして中国礼賛論者でもある田中芳樹としては、今回のノーベル平和賞は諸手を挙げて歓迎したいところでしょう。
田中芳樹は創竜伝7巻で天安門事件における中国の対応を罵りまくっていた一方、13巻では過去のストーリーも社会評論もかなぐり捨ててまで中国の経済成長を礼賛していたのですから。
中国の国内事情や少数民族弾圧の事情などについて田中芳樹が精通しているとはとても思えませんし、民主化運動の実態に至っては「知っていても無視する」でしょうから、今回の受賞について「中国でもようやく民主主義が根付いてきた」的な見当ハズレな礼賛論でも派手に展開していそうですね(苦笑)。

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