テレビドラマ「ナイトライダー ネクスト」DVD1巻感想
- 2013/05/29 00:00
- カテゴリー:ゲーム・テレビ関連,
2008年にアメリカでテレビ放映され、日本でも2012年にフジテレビの深夜枠で関東圏限定で放映されたテレビドラマ「ナイトライダー ネクスト」のDVD1巻を、レンタルで観賞しました。
あの「ナイトライダー」シリーズの正統な続編として位置づけられている「ナイトライダーネクスト」は、やはり往年のファンとしては何としても観賞したかったところで、今回ようやくそれを叶えることができました。
「ナイトライダー」の続編自体は、これ以前にも「新ナイトライダー2000」「ナイトライダー2010」「チーム・ナイトライダー」と一応それなりの数が出てはいるのですが、全く人気が振るわず知名度も皆無で、今回の「ナイトライダー ネクスト」でも、これらの話は全て「なかったこと」扱いになっていたりします(苦笑)。
設定では、「ナイトライダー」の時代から25年後の世界となる「ナイトライダー ネクスト」。
新しいナイトライダーは、果たしてどのような進化を遂げているのでしょうか?
「ナイトライダー ネクスト」のDVD1巻は、特番の2時間スペシャルが収録されています。
GM社製のトランザム仕様である「ナイト2000」に代わる新たなドリームカー「ナイト3000」と、「ナイトライダー」シリーズの主人公マイケル・ナイトの息子マイク・トレーサーの出会いとコンビが結成されるまでの物語となっています。
「ナイト3000」の正式名称は「Knight Industries Three Thousand」で、愛称は旧作と同じく各単語の頭文字を取って「キット(K.I.T.T)」。
偶然にも、ナイト2000と全く同じ略称になっているわけですね。
まあ、「Two」が「Three」に変わっただけなのですから当然のことではあるのですけど。
ベースとなっているクルマは、アメリカのフォードモーター社製のシェルビー・マスタング「GT500KR」。
旧作のトランザムと比較すると、やたらとゴツくなっている印象がありますね。
ちなみに、「ナイト3000」のベース車である「GT500KR」のKRは、元々「King of Road」という意味が込められていたのですが、「ナイトライダー ネクスト」のアメリカ放映に伴い、「Knight Rider(ナイトライダー)」の意味も加えられたのだそうです。
「ナイト3000」には、「ナイト2000」の外郭を覆っていた分子結合殻に代わり、ナノマシンシステムが搭載されています。
これは「ナイト2000」同様に強靭な防御力を与える以外にも、車体の外郭・色彩・内装を全くの別物に変形させるなどの機能を兼ね備えており、旧作よりもはるかに頼もしい機能となっています。
ただ一方で、「ナイト3000」がシステムダウンしている際にはこの機能も停止してしまい、防御力が通常のクルマと同じになってしまうという問題もあります。
物語終盤では、敵にハッキングされてシステムを乗っ取られそうになったキットを守るべく、「ナイト3000」はマイクらによってシステムを一時的にダウンさせられるのですが、その後の追跡劇で「ナイト3000」は、敵がぶっ放したマシンガンによって一方的に損傷を被っていたりします。
キットのシステムが停止していても車体の防御力は健在だった「ナイト2000」に、この点だけは大きく劣ってしまっていますね。
全体的に「ナイト3000」は、超ハイテクな制御システムに依存しすぎていて、システム停止等の非常事態をあまり想定していないのではないかという感が多々あります。
今回の話だけでも、システムが敵に乗っ取られそうになっていてシステムダウンを余儀なくされているのですし、「何らかの理由でシステムが動かなくなった際の非常時」というものを、もう少ししっかり想定して然るべきではないのかと。
また意外なエピソードとしては、「ナイト3000」が実はガソリン車であるという説明が作中で行われたことが挙げられます。
実は旧作の「ナイト2000」は、燃料については曖昧なままで終わっていたりするんですよね。
一方では水素を燃料にしているという設定があるかと思えば、別のところではガソリンスタンドで給油しているシーンがあったりしますし。
これに対し今作の「ナイト3000」は、燃費調達の利便性の観点から、ガソリン車になったことが作中で解説されています。
「ナイト3000」はリッター当たり71㎞もの走行を可能にするという、プリウスも真っ青な燃費を誇っています。
もっとも、このリッター71㎞という走行距離が、最高の条件(時速60㎞かつノーブレーキで1時間走行時とか)下でのカタログスペックなのか、頻繁に止まる街中での走行を想定したものなのかまでは分からないのですが。
現実のプリウスも、カタログスペック上はリッター30㎞以上といいながら、街中の走行では20㎞いくかどうか、冬場に至っては16㎞程度がやっとというありさまだったりしますからねぇ(T_T)。
「ナイト2000」同様の超スピード走行やナノマシンシステム搭載に伴う負荷を考えれば、「ナイト3000」は相当なまでに消耗の激しいクルマではありそうなのですが。
まあ、アレだけの超高性能を誇る「ナイト3000」であれば、その辺の対策もバッチリではあるのでしょうけどね。
旧来の「ナイトライダー」ファンにとって最も嬉しい要素は、日本語翻訳版で「ナイト3000」ことキットの声を担当しているのが、旧作のキットと同じ野島昭生であることですね。
声優さんが同じだから違和感なく話に入り込みやすい、というのは確実にあるでしょうね。
アメリカ本国版のキットの声優は旧作とは全然違う人物だったのだそうで。
また今回は、旧作の主人公でデビッド・ハッセルホフ演じるマイケル・ナイト本人が、今作の主人公マイク・トレーサーの父親として物語終盤に登場し、新旧2人の主人公同士で語り合うというシーンがあります。
日本語翻訳版のマイケル・ナイトの声優も、これまた旧作と同じくささきいさおが担っています。
マイケル・ナイトは、「1人の男が世界を変えられる」という、かつて自分自身がウィルトン・ナイトに語られた言葉をそのまま息子にも話すんですね。
そして息子は父親と同様、キットを駆使して悪に立ち向かう「ナイトライダー」の道を歩むことになるわけです。
この辺りの構成は結構良く出来ているのではないかと。
「ナイトライダー」ファンお馴染みのターボブーストは今回全く出てきていませんでしたが、これは今後の話数に期待、といったところですね。
今回よりしばらく、「ナイトライダー ネクスト」の話を追っていく予定です。