田中作品タイムカウント 製作秘話
- 2010/04/19 18:05
- カテゴリー:タナウツSEO・SMO, サイト改造裏話
タイタニア続編関連ニュースで注目を集めタナウツの宣伝集客に一役買った田中作品タイムカウント。
今回はこのコンテンツを製作する際のエピソードについて少し。
このコンテンツは2001年7月からタナウツに設置されているのですが、実はこのコンテンツは元々「早大田中芳樹帝国」というサイトにその前身があったんですよね。
ただ、ここにあった田中作品タイムカウントのコンテンツは「タイタニアの前巻刊行から5000日」といったような単純な日数計算形式でしか結果が表示されない上、ページレイアウトもほとんど「メモ書き」同然で、分かり易さや見易さといったものが全くと言って良いほどに考慮されておらず、「片手間で簡単に作っただけ」というのが一目見ただけで良く分かるシロモノでした。
そこで「これよりはもっと『見れる』ページを作ろう」と考えたのが、田中作品タイムカウントを作り始めたそもそもの動機となります。
しかし、その製作はなかなかどうして一筋縄ではいきませんでした。
というのも、田中作品タイムカウントは汎用性を考慮してJavaScriptで動作することを前提に作ったのですが、これが相当なまでの曲者でして。
JavaScriptにはVBにおけるDateDiffのような「日付と日付の間の年月日を自動計算する」類の便利な関数がありません。
秒を測定する方法はあり、そこからの応用で日時分の計算結果を出すことまでは可能なのですが、可変性が高い年数と月数の計算のやり方が難儀を極めたわけです。
また、○年○ヶ月○日形式で表示するとなると、日数の計算処理のやり方も、「早大田中芳樹帝国」でやっていたような従来の単純な日数計算オンリーだけではダメで、「ちょうど1ヶ月になったら月数を繰り上げ日数をゼロに戻す」「1年になったら年数を繰り上げ月数&日数をゼロに戻す」的な処理も加えなければなりません。
当時はJavaScriptを扱っている他のサイトを見てもこれといったマニュアルがなく、製作は難航しました。
「これじゃ確かに『早大田中芳樹帝国』もあんな単純なページで終わらせるよなぁ」
と製作過程で何度も痛感しつつ、最終的にはどうにか満足するものが出来上がったのですが、システムの基幹部分にもなるであろう年月日計算処理のための関数がないJavaScriptは何と使い勝手の悪いプログラム言語なのだろう、と思わずにはいられませんでしたね。
そんなこんなで完成した当初の田中作品タイムカウントは、「早大田中芳樹帝国」にあったコンテンツと同じように、田中芳樹のシリーズ作品の最新刊のみを対象にタイムカウントを行っていました。
しかし2003年、田中芳樹が己のシリーズ作品を他作家に代理執筆させる作品丸投げ現象が多発し、これらの作品を田中作品タイムカウントでどのように扱うかという問題が発生。
丸投げ作品は純然たる「田中芳樹自身による新刊」ではないため、それまでの作品カウント方式では、田中芳樹の遅筆状況が正確に反映されなくなってしまうんですよね。
そのため、私はここでタイムカウントの全面的な仕様変更を決断。それまではシリーズ作品の最新刊のみをタイムカウントの対象にしていたものを、シリーズ・読み切り問わず全ての作品にタイムカウント対象を広げ、かつシリーズ毎・年代順に並べて分かりやすく閲覧しやすくする方式を導入したわけです。
こちらはプログラムよりも著書の刊行日等の確認で少々手間取りましたが、元々田中芳樹の著書は大抵のものを保持していますし、ネット上の情報も参照できたので、最初の頃に比べれば比較的楽に完成。
これが、現行の田中作品タイムカウントとなり、またこの応用で田中芳樹プロフィールの作品刊行履歴も作られています。
その製作を巡って色々な苦労や思い出もあった田中作品タイムカウントが、多くの人達の目に止まり、Yahoo!ニュースで紹介されるにまで至ったのは、生みの親としては本当に嬉しい限りですね。
ああいうのを作られてしまうほどに遅筆な惨状を呈している田中芳樹御大のことは別にして。