映画「グリーン・ゾーン」感想
映画「グリーン・ゾーン」観に行ってきました。
2003年に勃発したイラク戦争における大量破壊兵器の捜索を巡る物語。
全体的には、当時のアメリカ側が大義名分として掲げていた「大量破壊兵器の破棄」という「正義」を糾弾するスタンスで、主人公は開戦要因の真相を暴く立場になります。
作中では、アメリカ軍の占領に対してイラク人が反感を抱き、「イラクの統治はイラク人がやる」「嫌なら出て行け!」などといった反米ナショナリズム的なスローガンを、イラクの傀儡政権とアメリカ政府の高官に対して声高に叫ぶシーンもありました。
作中のイラク軍関係者達は「大量破壊兵器はなかった」と堂々と公言していましたし、作中の登場人物全てがその発言が事実であることを前提に動いていたところから見ても、相当なまでにイラク寄りなスタンスで描かれている映画、という感じでしたね。
「グリーン・ゾーン」は、エンターテイメントの部分もおろそかにはなっておらず、盛り上げるところではきちんと盛り上げていましたが、やはり舞台が舞台ということもあってか、結構政治色が強い映画ではありましたね。
個人的にはその手の映画は嫌いではないのですが、人によって好みが分かれるところかもしれません。
ただ、創竜伝13巻および薬師寺シリーズ7巻であれほどまでにアメリカのイラク戦争遂行および大量破壊兵器疑惑に対し、ストレス解消も兼ねた反米批判を声高に叫びまくっていらっしゃった田中芳樹御大には、是非ともオススメしたい一品であるとこれは確実に断言できます(苦笑)。
ハリウッド映画に関する認識が「インディペンデンス・ディ」辺りで確実に止まっている上、その一作だけを根拠に「アメリカ人のセンス」とやらを揶揄していた田中芳樹は、こういう映画の存在を果たして受け入れられるのでしょうか(爆)。