民主党政権のことを書きたくても書けない田中芳樹
普天間問題と口蹄疫問題、外国にバラ撒く子ども手当て他、自身の政治とカネと「お前が言うな」妄言大量噴出の問題で上下左右にブレまくり、日本の国益に多大な被害を与えたルーピー脱税王・鳩山がついに辞意を表明しましたが、我らが田中芳樹御大の心中は如何ばかりでしょうかね。
「政権交代を実現させた偉大な善玉の政治家」として、小説中に登場させたかったでしょうに(T_T)。
まあ小説中で鳩山や民主党政権のことをネタにしたくても、小説中のどこにそのネタを入れるのか、という問題もあるのですけどね。
創竜伝の場合、最新の13巻では森・小泉・安倍モデルの政治家達によるクーデター騒動の真っ只中な上、創竜伝世界の日本では一度も政権交代が起こったことがないことが作中に明記されており、しかもそれを前提とした万年野党批判まで存在します。
下手に鳩山および民主党のエピソードを挿入すれば、ただでさえ混沌の極みにある惨状がさらに収拾つかなくなることは確実です。
一方の薬師寺シリーズは、最新の8巻時点で安倍モデル政権が末期的な様相を呈している状態にありますが、それにとって代われる人物は麻生モデルの外務大臣という設定となっています。
そこに無理矢理、鳩山および民主党を登場させ、善玉として活躍させるエピソードを入れたところで唐突感は否めませんし、話が余計におかしくなるだけでしかありません(まあ8巻の安倍・麻生モデル政権を出したのも後付感バリバリでしたけど)。
また、薬師寺シリーズには「薬師寺涼子は永遠の27歳」という田中芳樹自身の発言によるとんでもない制約が存在します。
そして作中の時間経過は、1巻開始時点の10月半ば頃から8巻時点の9月までですでに10ヶ月以上に達しています。
作中時間経過が1年以上に達すると、薬師寺涼子(のみならず薬師寺シリーズの登場人物全員)が絶対確実に年齢をひとつ重ねなければならなくなるため、今後の薬師寺シリーズでは作中の時間を最大でもあと1ヶ月半までしか進めることができないのです。
たった1ヶ月半の時間経過で、これまでの作品設定を引っくり返すだけのどんな急転直下な政治エピソードが入れられるというのでしょうか?
まあ、ただでさえ遅筆でボロボロな惨状を呈している現代物小説に対して、その時その場の時事ネタを挿入するという小説執筆スタイル自体が、田中芳樹的にはそもそも間違っているのですけどね。
これまでの愚行の数々を見る限り、田中芳樹が前非を悔い改めてそのスタイルを是正してくれる見込みはほとんどなく、今後も同じ愚行が繰り返されるのが最初から目に見えているのが何ともねぇ(-_-;;)。