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2010年07月07日の記事は以下のとおりです。

日本になかなか浸透しないFacebookの問題点

ユーザー数が世界で5億人以上にも達し、今や名実共に世界一のSNSとなっているFacebook。
これを論拠にしているのか、巷の報道でも「Twitterの次はFacebookの時代だ!」「Facebookのリンク機能でポストGoogle時代がやってくる!」的な情報が飛び交っています。

かく言う私自身もそんな情報を信じ、先行投資とばかりにFacebookのユーザー登録を行ったクチだったりします(^^;;)。
ところが、実際にFacebookを使ってみると、これが思いのほか使い勝手が悪く、また巷の礼賛報道では全く言及されていなかった問題点も見えてきたことから、次第に「Facebookって本当に他のネットメディアを圧倒できるだけの力があるのか?」という疑問が少なからず出てきたんですよね。
現状を見る限り、Facebookはその礼賛評価とは程遠い状態にあると言わざるをえないところです。

1.世界的なユーザー数と日本限定のユーザー数の違い

まず、Facebookの絶対的優位を示す最有力要素となっているユーザー数ですが、確かに世界的なレベルで言えばユーザー数5億人と謳われ、その実力は一見揺るぎないものがあるように見えます。
しかし、こと日本に限定すると、そのユーザー数は2010年4月時点で未だ200万人にすら到達しておらず、日本の大手3大SNSであるmixi、GREE、モバゲータウンのせいぜい10分の1程度。
規模だけでいえば、Facebookは日本最大手の一角すら担えていません。

Facebookにおけるユーザー5億人以上の大部分は外国人。
彼らと会話するためには、すくなくとも他国語で会話が行えるレベルのスキルが当然のごとく要求されることになります。
一方で日本人のユーザー数は、Facebook総会員数全体からすれば圧倒的に少なく、日本人同士のコミュニティが成り立ちにくい事情があります。
必然的にFacebookは「外国にコミュニケーションが取れる友人がいる人のためのツール」になってしまい、これが日本人ユーザーから敬遠される要因のひとつとなっているわけです。
これでFacebookが日本市場を席捲できる方が変でしょう。

2.「一見さん」には複雑過ぎて分かり難いアプリケーション機能

Facebookの特徴として、多種多様なアプリケーション機能が充実しており、画像や動画の共有や他のWebサービスとの互換性にも優れているということがよく挙げられます。
ところが「多機能性」というのは「分かりやすさ」「手軽さ」としばしば反比例するもので、Facebookの場合、その多機能性が逆にFacebookへの新規参入を阻む大きな壁になっています。
多機能なシステムをユーザーに使いこなしてもらうためには、その多機能の中身をユーザーに理解させる必要がありますし、そのための「分かりやすい説明」なども付加しなければならないはずなのですが、Facebookのすくなくとも日本語版には、その辺りの配慮が全くと言って良いほど存在しません。
Facebookに参入したのは良いが、アプリケーションが多すぎてどれが「使える」機能なのか判断に迷う、また「使い方」に関する説明が不十分で分かり難く放置状態になっている、という人は結構多いのではないでしょうか。

mixiを含めた日本の大手SNSやTwitterがあそこまで成長しえたのは、「使い勝手の良さ」がまずあったからでしょう。もちろん機能が充実しているというのは大変重要なセールスポイントなのですが、それを大規模に普及させるためには「分かりやすさ」「手軽さ」が必要不可欠なのです。
分かり辛く使い難いシステムは、たとえ機能が充実していても初心者の多くが敬遠してしまいます。

しかも、Facebookが提供しているアプリケーションは必ずしも日本語対応になっているわけではなく、説明文全てが英語をはじめとする他国語で書かれていることも少なくありません。
それらのアプリケーションを使いこなすためには、これまた当然のことながら他国語で会話が行えるレベルのスキルがまたしても要求されることになります。
「分かりやすさ」「手軽さ」を追求する観点から見ても、言語の壁は無視できない大きな問題と言わざるをえないでしょう。

私自身、2010年7月7日時点でFacebook提供のアプリケーションで活用しているものはひとつもなく、唯一使おうとしたFacebookとTwitterの連携アプリは、両者のお家騒動絡みの問題からバグが修正されず使用不能で、しかたなくHootSuiteの同時投稿機能で代用する羽目になった始末(-_-;;)。
Facebookが売りにしているはずのユーザー数とアプリケーション機能でこうも大きな問題を抱えていては、Facebookが日本市場で既存の大手SNSを凌駕するなど夢のまた夢と言わざるをえないでしょう。
「使い勝手の良さ」という点でFacebookは、衰退傾向にあるはずのmixiや、携帯層を中心に勢力を伸ばしているGREEやモバゲータウンの足元にも及ばないのです。

世界最大のユーザー数を誇るはずのFacebookが日本で苦戦を余儀なくされている理由は、言語の壁と多機能「過ぎる」システム、そして何よりもそれらの問題に戸惑うであろう初心者を導き取り込むために必要不可欠なサポート体制の構築不足、の3つにその大部分が集約されます。
Facebookが今後日本で最大手のSNSにのし上がるためには、これらの問題の抜本的な解決が必要最低限やらなければならない課題となるでしょうね。

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