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2010年10月21日の記事は以下のとおりです。

日本と中国、それぞれの味千ラーメン

中国の「反日デモ」という名の暴動で、暴徒達の襲撃に遭った日本料理店として紹介された味千ラーメン。
今回はこの熊本を代表するラーメン屋について少し。

味千ラーメンは、熊本県熊本市に本店を置き、熊本の重光産業という会社が運営しているチェーン店です。
2010年6月時点で、国内で約100、海外で約500の店舗がチェーン展開しています。
店舗数の内訳を見れば分かるように、味千ラーメンは国内よりも海外の方が大々的にチェーン展開されている上、その国内の店舗数自体も、実に7割近くが熊本県内に集中しているため、全国的な知名度がほとんどないという、何とも不思議なラーメン屋なんですよね。
熊本では地元民の生活に密着するほど身近な店であるにもかかわらず、一歩熊本県外に出ると、今度は店を探すことすら困難になるありさまです。
熊本県と隣接している九州6県(福岡・大分・長崎・佐賀・宮崎・鹿児島)でさえ、味千ラーメンの店舗数は微々たるものです。
数ある熊本ラーメンの中では一番大規模なチェーン展開を行っているわけですし、もう少し国内展開しても良さそうなものなのですけどね。

まあ熊本ラーメン自体、博多ラーメンに「九州とんこつラーメン代表」の座を長年奪われ続けている始末ですし、味千を含めた熊本ラーメンは県外向けの宣伝&進出にあまり熱心ではない印象がありますね。
もっとも最近は、熊本ラーメンも少しずつ注目されつつあるようで、「黒亭」「こむらさき」などの老舗が全国的に知られるようになってきてはいますが。

話を味千ラーメンに戻しましょう。
日本国内と打って変わって、チェーン展開が著しい中国における味千ラーメンは、味千中国ホールディングスという香港系の企業が、日本の重光産業とフランチャイズ契約を締結し運営されています。
つまり、中国の味千ラーメンは「日本企業と経済的な関係にある」というだけのれっきとした中国の企業であり、社長から従業員に至るまで現地の中国人によって運営されているわけです。
日本の味千ラーメンを運営する重光産業は、味千中国ホールディングスに名前と技術を貸しているだけ。
これらの事実から考えると、中国の「反日デモ」で味千ラーメンを襲撃のターゲットとして選んだ暴徒達は、結果的に見れば「自分達の同胞」を襲った挙句、御丁寧にも「味千ラーメン」というブランドの宣伝を、しかも無償で行っていたことになります。
何しろ、「反日デモで襲われた中国の日本料理店」として、「味千ラーメン」の名は全世界にニュースとして大々的に報じられたわけなのですからね。

暴動の被害に遭ったのは中国現地の味千中国ホールディングスであり、日本の重光産業は直接的には何のダメージも受けない。
にもかかわらず「味千ラーメン」の名は全世界に報じられ、かつ全世界から被害者として同情が寄せられる立場になった。

全く、重光産業としては笑いが止まらないことでしょうね(苦笑)。
他の企業が是非とも模倣すべき、素晴らしいチャイナリスクの回避方法とすら言えるでしょう(爆)。

中国の方々におかれましては、今後も積極的に「反日デモ」という名の暴動に精を出してもらい、チャイナリスクの存在を大々的にアピールすると共に、中国共産党の一党独裁体制を崩壊へ導き、ついでにローカルでマイナーな日本企業の名前を全世界に向け無償で宣伝し続けて頂きたいものですね(苦笑)。

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