映画「キス&キル」感想
映画「キス&キル」観に行ってきました。
元CIAの凄腕スパイと、過保護な両親に育てられたお嬢様によるアクションラブコメディ。
この作品の最初の舞台は南フランスのニース。
それまで付き合っていた男にフラれたか何かで失意に中にあった(らしい)女主人公のジェンは、裕福な両親に連れられ、ニースへ旅行にやってきます。
そこで、たまたま現地で「敵」を始末する仕事をこなしていたCIAのスパイであるスペンサーと「運命の出会い」を果たし、2人は恋に落ちます。
スペンサーは、ジェンと結婚するためにCIAに辞職を叩き付け、上司の「お前は辞められんぞ」という声も無視してその場を後にします。
その後、スペンサーは自身の素性を隠したまま、ジェンの両親を説得し結婚。2人は家庭と新たな仕事を持つことになります。
それから3年後、アメリカの郊外で順調な結婚生活を送っていたスペンサーに、かつての職場であったCIAの元上司から、指定の場所に今日中に来るようにとの連絡がもたらされます。
奇しくもその日はスペンサーの誕生日で、自宅でパーティが行われることになっていたため、スペンサーは連絡を無視してパーティに出席。
その翌日、パーティの中で眠りこけてそのままスペンサーの自宅で一晩を過ごしていたスペンサーの仕事の同僚が、突然スペンサーを殺すべく戦闘用ナイフを振り回し襲い掛かってきます。
同僚の話すところによると、スペンサーには懸賞金2000万ドルがかけられたとのこと。
自宅をぶち壊しながら派手なアクションが繰り広げられる中、タイミング悪くその場に居合わせ、否応なくトラブルに巻き込まれていくヒロインのジェン。
ここまでで、ストーリー全体の3分の1くらいは占めているでしょうか。
映画の予告を見ていた時点で分かっていたことではありましたが、「キス&キル」のストーリー内容は、今年の10月に日本で公開された映画「ナイト&デイ」と相当なまでにカブっていますね。
運命の出会い、男が組織のエージェント、トラブルに巻き込まれるヒロイン、コメディタッチなアクション展開と、両者には多くの共通点があります。
しかも「キス&キル」も「ナイト&デイ」も、アメリカでは共に2010年6月に劇場公開されているんですよね(「キス&キル」が6月4日、「ナイト&デイ」が6月25日)。
ただ、「ナイト&デイ」のカップルはあくまでも「通りすがり」の段階からゴタゴタが始まって最後も「恋人同士」のレベルで終わっていたのに対し、「キス&キル」は結婚して家庭を築き、さらには作中で「おめでた」のエピソードまであるところが、違うと言えば違うところでしょうか。
「キス&キル」で2000万ドルの懸賞金目的からスペンサーを狙ってくる敵は、仕事の同僚だのご近所付き合いのあるオバサンだの宅配人だのといった「主人公達の身近にいる人達」ばかり。
彼らはご丁寧にも、3年もの間スペンサー一家を監視していたのだそうで、何ともご苦労様な話ではあります(苦笑)。
そして物語終盤、彼らを操る真の黒幕として、全く意外な人物が登場することになります。
その正体は、映画を観てのお楽しみということで。
「キス&キル」は、アメリカでは興行的にあまりふるわなかったのだそうで、この辺りもまた、トム・クルーズ主演のアクション映画としては過去20年の中で最低の興行収益だったと言われる「ナイト&デイ」と全く同じですね。
アメリカでは、アクションラブコメディの類ってあまり大衆受けしないのでしょうか?