ウィキリークス創設者に対する別件逮捕について
アメリカ軍の機密資料およびアメリカ外交公電の公開で話題となったウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジが逮捕されました。
逮捕容疑は何と「セックスの際にコンドームを使用しなかったから」。
http://megalodon.jp/2010-1207-2349-56/topics.jp.msn.com/digital/gizmodo/column.aspx?articleid=463636
こんな容疑でインターポールから国際指名手配されていたわけなのですから、「できちゃった婚」をしている人なんてかなり危ないのではありませんかね?
何しろ「セックスの際にコンドームを使用しなかったから」という程度の理由でインターポールから国際指名手配され、各国の捜査機関が血眼になって容疑者を探しているわけです。
こんな基準をバカ正直に万人に適用などしていたら、インターポールどころか世界各国の警察は仕事がパンクするのではないかと思えてならないのですけどね(苦笑)。
まあ真面目な話、今回の逮捕劇は疑問の余地なく別件逮捕もいいところでしょう。
「セックスの際にコンドームを使用しなかったから」を性犯罪と規定しているスウェーデンにしたところで、罰則は最大で5000スウェーデン・クローナ(日本円で約6万円)の罰金でしかなく、わざわざインターポールにお出まし頂くような刑事事件などではありませんし。
やはり、これは機密文書を大量にバラ撒かれたアメリカの報復措置、という側面の方が大きいのでしょう。
ただ、アメリカはアメリカで「スパイ容疑」での逮捕を行うと、言論の自由との兼ね合いの問題もあり、またウィキリークスと連携して情報を公開していた他のマスメディアの記者達までも逮捕しなければならなくなるなどの事情もあり、正面突破は事実上できない状態にあったわけです。
だからこそ、なりふり構わず各国に依頼して「スウェーデン国内法の微罪容疑で別件逮捕」という荒業に踏み切らざるをえなかったのでしょうけど、この事件、裁判が行われるとしたら、法的にはどういう罪状でもって法廷で裁かれることになるのでしょうかね?
別件逮捕の後に本件の容疑が固まり再逮捕、できなければ「闇に葬る」というパターンにアメリカとしては持って行きたいところなのでしょうけど……。
この手の政治的な事件の裁判って、推定無罪の原則などかなぐり捨てて何が何でも有罪判決を「上からの圧力で」出させることがほとんどですから、「公正かつ被告人に有利な裁判」というのは期待のしようもありませんからねぇ(-_-;;)。
それにしてもこのウィキリークスの機密情報公開事件、大のアメリカ嫌いであろう田中芳樹御大にとってはこれ以上ないほど狂喜乱舞したくなるようなネタだったでしょうね。
何しろ、湾岸戦争やイラク戦争、さらには911のアメリカ同時多発テロ事件後におけるアメリカの対応について、アレだけボロクソなまでに罵り倒していたわけなのですし(苦笑)。
日本で散々失態をやらかしまくっている今の民主党政権については、自身もすくなくとも政策的には支持しているであろう手前なかなかネタにはしにくいでしょうから、こちらを次の薬師寺シリーズ新刊辺りでメインのネタにする可能性はかなり高いのではないでしょうか。
未だ執筆完了の報告がない「髑髏城の花嫁」の次の執筆作品はちょうど薬師寺シリーズの新刊らしいですし。
まあネットの知識に疎いであろう田中芳樹が今回の事件についてどこまで踏み込めるのかは、正直疑問な点も多いのですけどね。