映画「トロン:レガシー(3D版)」感想
映画「トロン:レガシー(3D版)」観に行ってきました。
アメリカ・台湾合作による1982年公開映画「トロン」の続編。
前作「トロン」で主人公だったケヴィン・フリンと、その息子で今作の主人公となるサム・フリンが活躍する作品となります。
ちなみに私は、前作「トロン」は全く観ないまま今作を観に行っています。
ストーリーは、一言で言えば「プログラムの叛乱」がテーマですね。
エンコム社の重役で前作の登場人物でもあるアラン・ブラッドリーの連絡で、これまた前作の主人公ケヴィン・フリンが運営していたゲームセンター跡に隠されていた秘密部屋の端末を動かしたことにより、コンピュータ世界・グリッドへ転送されてしまいます。
そこは父親の補佐役として作られた「クルー」というプログラムによる独裁体制が行われている世界。
グリッドに到着早々、主人公はグリッドの治安当局?に拉致されてしまい、グリッド・ゲームという生死を賭けたトーナメント方式の勝ち抜き戦を強いられる主人公。
その最中、グリッド・ゲームの会場に乱入し、主人公を救出する謎の女性クオラ。
クオラに連れられていった先で父親と再会することができた主人公は、元の世界に戻るべく活動を開始することになります。
作中に登場するライト・サイクルやライト・ジェットなどの乗り物については、前作「トロン」でも登場したものがほぼそのまま使われているとのこと。
28年前の当時は凄く新鮮かつ斬新なアイデアだったのでしょうが、CGが発達し、ああいう乗り物が映画やゲームの世界でも普通に見られるようになった今となっては、CGや演出についてはともかく、アイデアについては感動のしようがないというのが何とも言えないところです。
まあ3D描写を駆使したアクションシーンや演出そのものは良くできていたので、それを最優先目的として観る映画としてならオススメではあるのですけどね。
ストーリーや設定・世界観は、28年前の前作映画をそのまま引き継いでいる上、作中でも明確な説明がほとんどないため、全体的に分かりにくいところが多々ありましたね。
序盤に登場するゲームセンターの存在や、「行方不明の父親から連絡があった」と主人公を導くアランという登場人物は、前作を観ていなければ全く意味不明なエピソードでしかありませんし。
数年前にヒットしたシリーズの前作作品でさえ、予め復習しなければストーリーや設定を忘れやすいことを考えれば、ましてや28年も前の前作映画など、ストーリーや設定どころか存在すら知らない、という人がほとんどなのではないでしょうか。
しかも前作「トロン」自体、すくなくとも日本ではそれほど知名度の高い映画というわけでもない上、興行的にも失敗しているときているのですから。
前作から続く人間関係や世界観の繋がりといった「分かりやすさ」という点では課題が残る映画と言えそうです。