映画「グリーン・ホーネット(3D版)」感想
映画「グリーン・ホーネット(3D版)」観に行ってきました。
1936年~1952年にかけてアメリカで放送されたラジオ番組を原作とする同名作品の現代版実写映画。
物語は主人公であるブリット・リードと、その父親で新聞社デイリーセンチネル社の社長であるジェームズ・リードの20年前の会話から始まります。
ここでは「家庭内暴君」として振る舞う父親に対し、主人公が反発する様が描かれています。
そのせいで性格が捻じ曲がったブリット・リードは、20年後も父親に呆れられるほどの自堕落な生活を送っていたのですが、その父親が突然ハチに刺されて急死し、急遽父親の後を継いでデイリーセンチネル社の社長に就任することになります。
急なことだった上に父親に対する反発もあってか、ブリット・リードは会社運営について全くやる気がありません。
社長就任後のある日、朝に飲んだコーヒーに不満を持ったブリット・リードは「今日のコーヒーをいれたのは誰だ!」と家の中で怒鳴りまくります。
それに対し、家の中にいたメイドが「今までのは昨日あなたが解雇した運転手兼整備士のカトーが入れていた」と証言。
その発言を聞いてブリット・リードが早速カトーを呼び戻し、「整備士のお前が何故美味いコーヒーを入れているんだ?」と問い詰めます。
するとカトーは、キッチンにあった隠し戸棚から高性能なコーヒーメイトを披露し、あっさりとブリット・リードお気に入りのコーヒーを再現してのけます。
発明家としてのカトーの才能に感心し、さらに父親に対する評価が自分と同じだったことも相まって意気投合したブリット・リードは、カトーを相棒に「悪人として正義の活動をする」ことを思いつきます。
ここから、「緑のススメバチ」ことグリーン・ホーネットの活躍が始まるわけです。
作中に登場するグリーン・ホーネットの自動車「ブラック・ビューティ」は、その外見といい性能といい、とにかく「昔のアメリカ」的なセンスが滲み出ていますね。
車の型からして、思わず「古っ」とツッコミをいれたくなるようなシロモノでしたし、室内で音楽を鳴らす際には何故か昔懐かしいレコードプレーヤーが出てきたりします。
また「ブラック・ビューティ」はまるで戦争でもするために作られたような自動車で、ゴルフクラブで力一杯殴っても銃で撃ってもボディには傷ひとつつかない上、当然のように重武装が施されています。
セオリーに忠実すぎるくらいに忠実に作られたアメリカンなクルマ、というのが感想ですね。
あと、映画「グリーン・ホーネット」では、ラスボスであるベンジャミン・チュドノフスキーも良い味出していましたね。
敵味方問わず、躊躇無く人を殺せる極悪非道な悪役として描かれているはずなのですが、自分の外見がよほど気になるのか、「俺は怖く見えないのか」的な発言を何度も繰り返しています。
挙句の果てには、グリーン・ホーネットへの対抗心からか、自らの衣装を赤一色で固め「ブラッドノフスキー」と称し、敵を追い詰める際の長々とした前口上まで作り出し、部下にすら「これほどバカな提案は初めてです」とまで言われてしまう始末(その部下は直後に殺されてしまいましたが)。
しかもバカ正直なことに、チュドノフスキー改め「ブラッドノフスキー」は、グリーン・ホーネットを追い詰める際にもわざわざ前口上を最初から御丁寧にしゃべろうとして、グリーン・ホーネット側にその隙を突かれて反撃されてしまうという失態を2回も演じていたりします。
あの惨状を見ていて「格好つけるよりも前に目の前の敵をさっさと殺せよ」「そんなに威圧感のない外見にコンプレックスを抱いているのか」と考えずにはいられませんでしたね。
ストーリーといい設定といい、良くも悪くも典型的と言えるアメコミチックな作品ですね。
アメコミが好きという方には是非ご観賞を。