映画「ザ・タウン」感想
映画「ザ・タウン」観に行ってきました。
年間300件以上もの銀行強盗事件が発生するマサチューセッツ州ボストンのチャールズタウン(略称「タウン」)を舞台に繰り広げられるクライム・アクションドラマ。
作中では暴力が振るわれたり銃撃で頭を貫かれたりする描写やセックスシーンがあるためか、この作品はPG-12指定されています。
映画「ザ・タウン」の主人公で俳優ベン・アフレックが演じるダグは、人を殺さず、人質も取らないことを信条とする銀行強盗団のリーダー格。
物語冒頭、ダグが率いる4人組がとある銀行を襲撃します。
万全な下準備の下、襲撃手順も完璧にこなし、見事金庫の中の現金をせしめる強盗団達。
しかし、いざ現場から引き揚げようとしたその時、ダグの幼馴染ジェムの不手際により、女性支店長のクレアを人質に取ったことで、彼らの運命の歯車が狂い始めます。
殺しを良しとしないダグの判断により人質を無傷で解放した後、取り上げた免許証から、彼女が同じ街に住んでいる人間であることが判明。
短気なジェムが女の始末を主張しますが、ダグはそれを抑え、自らの目で問題があるか否かを確認すべく、彼女に接近することを決意します。
しかし彼女を追跡する中、コインランドリーでクレアがダグに話しかけることをきっかけに、2人は意気投合することになります。
その後もクレアと会い続け、互いに身の上話を交わしたり、ついにはセックスをしたりする仲にまで至ってしまうダグ。
その過程でダグは、自分の仕事である銀行強盗という行為に疑問を抱くようになり、犯罪稼業から足を洗うことを考えるようになります。
しかし、ジェムをはじめとするダグの銀行強盗仲間や、強盗稼業の元締め的存在である花屋のファーギーは、自分達が警察に売られる懸念もあって、ダグが仲間から抜けることを承諾しません。
犯罪稼業から抜け出そうにも抜け出せないまま、ダグはさらに犯罪行為を重ねていくことになるのですが……。
映画「ザ・タウン」では、銀行強盗・輸送車襲撃・野球スタジアムの収益金強奪と総計3回の犯罪が行われます。
ダグが率いる銀行強盗団は、犯行の際は入念に下調べを行ったり、髑髏やシスターに扮したマスクを着用して顔を隠したり、漂白剤を使ってDNAの痕跡をも消してしまったりと、FBIをも唸らせるほどに手際の良いプロ集団として描かれています。
2つの銀行と6台の現金輸送車を襲撃したという犯罪歴がありながら捕まっていないという点からも、彼らの実力が伺えます。
ただそれでも、ほとんど時間を置くことなく次々と襲撃が実施されていくのには、「いくら何でも急ぎ過ぎ&危な過ぎないか?」とさすがに思わずにはいられませんでしたね。
冒頭の銀行強盗だけでもかなりの金額を稼ぐことに成功しているでしょうに、数年くらい時間を置いてほとぼりを醒ます、的な選択肢は取れなかったのでしょうか?
性急過ぎる襲撃依頼のために、2回目以降は準備不足な状態で襲撃が実施されていたようでしたし、警察側の待ち伏せまで受けてしまう始末でしたからねぇ。
あと、ダグとクレアの間で交わされた身の上話のひとつが、物語終盤で重要な伏線として活用されることになります。
これは映画を観賞してのお楽しみということで。
それと、この映画で花屋のファーギー役を演じていたピート・ポスルスウェイトが、2011年1月2日にお亡くなりになったのだそうです。
最近では映画「タイタンの戦い」および「インセプション」にも出演していたとのこと。
謹んでご冥福をお祈り致します。