無意味な対中ODAをなお続けようとする外務省
中国の国内総生産(GDP)が日本を抜いて世界第2位になっているにもかかわらず、日本の外務省は対中国向けの政府開発援助(ODA)を継続したいとの方針を表明しているのだそうです。
しかもこの期に及んでさえ、対中ODAを増額すべきだという意見さえもあるのだとか↓
外務省はODAを継続すべき理由として「中国の環境対策や両国の交流が進めば日本の国益にかなう」などと主張しています。
しかし、そもそも中国は日本から経済援助を受けているという事実を大部分の国民の目から隠蔽しているばかりか、その事実を知る少数の人間でさえも、ODAを「戦争賠償金だ」と豪語して恥じることもないような国です。
そして、これまで30年以上にわたって日本が対中ODAを続けているにもかかわらず、中国の日本に対する外交スタンスは年を追う毎に却って硬化していくばかりです。
その極めつけが、2010年9月に尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件だったわけでしょう。
そういう事情を鑑みてなお対中ODAの継続のみならず増額まで提唱するというのは、外務省関係者や政府高官が中国に弱みでも握られているのか、あるいはキックバック利権の旨味が忘れられないとかいった類の要因くらいしか考えられないのですが。
ODAが実は善隣外交の道具として何の役にも立たないという事実は、日本のみならずアメリカも少なからず経験しています。
アメリカは1980年代前半頃、アメリカが経済支援をしている国の多くが、国連でアメリカを非難する決議に賛成票を投じたり、アメリカの意向に基づいた決議に反対したりしているという事実に直面しています。
たとえば、1980年代当時エジプトは、アメリカから年間20億ドルのODAを供与されながら、国連では平均で4回中3回はアメリカの意向と反対の投票をしていました。
ODAへの依存度が高かったばかりかアメリカとの同盟国でさえあったはずのトルコやギリシャでも、国連総会ではアメリカに反対する投票が全体の6~7割を占めるという始末でした。
ODA善隣外交のあまりに逆効果的な惨状に驚愕したアメリカは、1984年から国連における各国の投票状況とアメリカから支出されたODA額を並べて発表する方針を固め、各国に対する圧力をかけるようになります。
アメリカの事例を見れば分かるように、ただODAを無条件に出すというだけでは善隣外交など期待すらもできようはずがありません。
ましてや、自国よりもGDPが高い国にODAを出すなど問題外でしかないのです。
常日頃から「仕分け」という名の大衆パフォーマンスと必要経費の削減に血道を上げ、さらにはそれでも飽き足らずに増税までほざくようになった民主党は、こういう「正真正銘の無駄ガネ」をこそ本当に仕分けしなければならないのではないですかね?
まあ民主党にとっての「日中友好」ならぬ「中日主従関係」は、たとえ日本国民からの支持率を削減してでも尊重しなければならないスローガンなのですから無理な相談ではあるのでしょうけど。
そして、その民主党以上に中国を拝謁せんばかりに礼賛し、中国が犯す如何なる犯罪行為でさえも極右の国粋主義者のごとく正当化してのける我らが田中芳樹御大にしてみれば、日本が対中ODAを停止するなど「神への反逆行為」以外の何物でもないでしょう(笑)。
創竜伝の作中でも、内乱勃発寸前で滅亡予定の極貧国だった中国を、何の説明もなしに突然「日本をも凌ぐ経済大国」に格上げした前科があるのですから、田中芳樹の中国に対する狂おしい愛情は疑う余地もありません(爆)。
次回の薬師寺シリーズか、あるいは(今後永久に出ない可能性すらありますが)創竜伝14巻で、日本の「神をも恐れぬ所業」を徹底的に罵り倒す衝動に田中芳樹が駆られることなど一切ないと、一体誰が自信をもって断言できるというのでしょうか(苦笑)。