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2011年03月26日の記事は以下のとおりです。

九州でも猛威を振るいつつある「自粛」と電力不足の嵐

東日本大震災に伴い発生した「自粛」ムードの負の影響が、いよいよ九州でも本格的に猛威を振るい始めています。
福岡ではイベント企画運営事業のビーアイシーが、イベントの「自粛」で資金繰りが悪化し破産申請に追い込まれました↓

http://megalodon.jp/2011-0324-0139-44/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110323-00000178-jij-soci

以前にも言いましたが、被災者支援に何の実効性もなく、「被災者に配慮」と称しながら内心ではそんなことなど微塵も考えていない単なる自己都合に基づいた「自粛」など、百害あって一利なしです。
きちんと経済を回しつつ被災者を支援し、長期的視野に基づいた災害対策をきちんと行っていく。
どうしてそんな「当たり前のこと」ができないのでしょうか?

また九州電力は、佐賀県玄海町にある玄海原子力発電所の2号機と3号機の発電再開を当面延期すると発表しました。
鹿児島県薩摩川内市にある川内原発1号機も5月の連休明けには国の定期検査が入る予定で、こちらも停止すれば、九州でも夏場に電力不足が発生して計画停電が実施される可能性もあるとのことです↓

http://megalodon.jp/2011-0325-0949-48/www.nishinippon.co.jp/nnp/item/233494

東日本大震災ってその名に反して西日本でも被災が発生していたのですか、と皮肉のひとつでも言いたくなるような話ですね。
関東地方と違って別にどこの発電所も壊れていないのに、わざわざ発電所を「自粛」させて自分から電力不足という事態を招き寄せ計画停電を実施するなど、本末転倒もはなはだしいでしょうに。
一時の恐怖から原発を停止などしたところで、代替の発電手段が他に存在しない現状では、いずれそう遠からぬ時期に原発を再開せざるをえない事態に追い込まれます。
確かに地震や津波が来たら原発がどうなるのか、福島第1原発の事例を鑑みれば恐怖を抱きたくもなるでしょう。
しかしそれは本来、長期的な視野に基づいた災害対策でもって対処すべきことであり、感情的かつ短絡的に原発を停止したところで根本的な解決にはならないのです。
しかも、関東地方における「節電自粛」クレームの嵐を鑑みれば、計画停電が九州の経済に大きな打撃を与えることになるのは必至です。
こういう時こそ被災を免れた西日本が経済を回し、東日本を支援しなければならないというのに、これでは九州も被災地と一緒に共倒れになりかねないではありませんか。

九州電力の原発再稼動見送り決定は「被災者に対する配慮」ではないにしても、「現地住民の原発への恐怖に対する(例によって感情的かつ非合理な)配慮」であることは間違いなく、これも「自粛」の一種でしかありません。
関東地方と異なり、九州の原発は今のところ何の異常もないわけですからなおのことです。
ここ2週間程度の僅かな時間における国民感情のパニック同然な動揺から、数ヶ月も続くことになる「自粛」が次々と決定されていく、というのは実に恐ろしい現象です。
このままでは、下手すれば3月が終わるまでに年内一杯まで続く「自粛」が、4月が終わる頃には数年単位もの長期にわたる「自粛」が決定されないとも限りません。
そこまで自分を痛めつけて、マゾ的な快楽とひとりよがりな自己満足以外の一体何が得られるというのでしょうか?

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