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2011年04月の記事は以下のとおりです。

映画「エンジェルウォーズ」感想

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映画「エンジェルウォーズ」観に行ってきました。
精神病院に収容された少女が、幻想的な世界で自由に手にするため戦っていくアクション・ファンタジー作品。
「エンジェルウォーズ」というのは日本の映画配給会社が名付けた邦題で、原題は「Sucker Punch(サッカーパンチ:予想外の殴打)」というのだそうです。

この映画は、主人公である少女の母親が死に、遺産相続を巡って義父との間で家庭内トラブルが発生するところから始まります。
「自分の遺産は全て2人の娘に与える」という遺言書の内容に激怒した継父は、主人公を部屋に閉じ込め、妹であるもうひとりの黒髪の少女をその手でくびり殺してしまいます。
さらに継父は主人公に妹殺しの濡れ衣を着せてレノックス精神病院に隔離し、病院の用務員であるブルーという男にカネを渡し、ロボトミー手術を施すよう依頼します。
ブルーは当初1400ドルのカネを提示されるものの、秘密が漏れる可能性を示唆して金額を2000ドルにつり上げ継父に無理矢理承諾させると、5日後に医者を来させて手術を行わせると約束します。
そしてロボトミー手術が行われ、医者に銀製の杭を頭に打ち込まれるまさにその寸前、突如世界が変貌します。
舞台となっているはずの精神病院は、訳有りの女性ダンサー達が売春婦として客を取る秘密クラブとなり、ブルーはその秘密クラブのオーナーということになってしまうのです。
何故そのような変貌が起こったのかは物語終盤でおぼろげながら見えてくるのですが、全般通じて作中では具体的な説明がなく、その場面だけでは何が何だか全く分からぬまま物語は進行していきます。
とにかく、この秘密クラブに連れてこられた(という設定に変わっているらしい)主人公の少女は、クラブ内における「源氏名」としてベイビードールという名前が与えられ、以後、作中ではこの名前で主人公は呼ばれていくことになります。

ベイビードールはダンサー達のまとめ役的な存在であるベラ・ゴルスキーに、皆が集まっているダンスルームでダンスを踊るよう指示されます。
最初は全く動けないでいるベイビードールですが、ベラ・ゴルスキーの奇妙な語りかけによってやる気になり、再び流れてきた音楽に合わせてダンスを踊り始めます。
するとその瞬間、目の前の光景が日本の寺院のような場所に変わり、ベイビードール自身もまたヘソ出しのセーラー服を纏った姿となります。
寺院の中に入っていくと、そこには日本刀を磨いているひとりの男の姿が。
その男ワイズマンに「何を求める?」と問いかけられたベイビードールは「自由を手にしたい」と回答。
するとワイズマンは、ベイビードールに必要となる5つのアイテムを教えると共に日本刀を手渡し、「この刀を手にした時、戦いが始まる」と告げます。
5つのアイテムの内容は、地図・火・ナイフ・鍵、そして最後のひとつは謎で、その答えは自分で見つけなければならないとされています。
そして、日本刀を手にすると同時に背後から現れる3つの巨大鎧武者。
マトリックス的なアクションシーンがひとしきり繰り広げられ、ベイビードールが勝利を収めた後、またも世界が変転し、最初に踊っていたダンスが終わった直後の状態でベイビードールは佇んでいます。
周囲からは「素晴らしいダンスだ」と拍手と賞賛の嵐が起こり、どうやらダンスを踊っている間、架空の世界で戦いが繰り広げられるらしいことが明示されます。
ベイビードールはワイズマンが挙げた5つのアイテムを獲得し自由を得るために、自分と同じ境遇を持つスイートピー・ロケット・ブロンディ・アンバーという4人の少女達と共に、秘密クラブ内ではダンスを踊りつつ、その最中に展開される幻想の世界で戦いを遂行していくことになるのです。

映画「エンジェルウォーズ」の世界は3重構造となっています。
その世界の構成は以下の通り↓

第1層:現実世界(レノックス精神病院)
↓↑
第2層:現実世界で主人公が空想している世界(ダンサー達の秘密クラブ)
↓↑
第3層:ベイビードールがダンスを踊っている最中に展開される戦いの幻想世界

第2層と第3層の往来は、ベイビードールのダンスが始動キーになっていることもあり結構分かりやすいのですが、第1層と第2層の変わり目が非常に分かりにくいんですよね。
しかも第1層と第2層の行動はカブっている部分があるみたいですし。
物語終盤に主人公はロボトミー手術が施された状態で再び第1層に戻ってくるのですが、その直前に第2層で起こしていた破壊活動の痕跡が第1層の精神病院にも残っていたりします。
また、第2層で秘密クラブからの逃亡に成功したスイートピーは、第1層でも逃亡生活を送っています。
これから考えると、第2層は第1層で実際に起こった事件および各キャラクターの言動を元にして主人公の頭の中で構築された世界である、という仮説が成り立つのではないでしょうか。
第1層で具体的に何が起こったのかについては作中で全く語られないため、そう推察するしかないのですが。
ただ、第3層で主に登場していたはずのワイズマンは、物語の最後にスイートピーの逃亡を手助けするバスの運転手として第1層でも登場しており、この辺が何とも微妙な謎を残すところではあります。

第3層で繰り広げられるアクションシーンでは、日本のマンガやアニメが元ネタと思しき兵器や敵が多数登場しています。
主人公が手にする日本刀や最初の戦いの巨大鎧武者もその類ですし、前面に日本語が書かれているロボットのような兵器も登場します。
敵もナチス・ドイツもどきのゾンビ兵団だったりドラゴンだったりターミネーターもどきだったり、FFシリーズに登場するような未来都市や列車も出てきたりと、もう何でもありの世界です。

作中のストーリーは最初から最後までかなり暗い部類に入ります。
冒頭部分からして母の死・妹殺しの冤罪・精神病院収容・ロボトミー手術と暗い要素が目白押しですし、その第1層を元に作られた第2層もまた、残虐非道なブルーによって仲間達が殺されていったりしています。
延々と殺し合いが続いているはずの第3層が、主人公含むヒロイン達が一番生き生きしているように見えるのも何だか皮肉ですね。
これで結末が明るければまだ救いもあるのですが、その結末もやっぱり暗いの一言ですし。
5人のうち生きているのは2人だけで、しかも主人公はロボトミー手術で廃人状態、スイートピーもひたすら逃亡生活を続ける羽目になる、というラストは、結局「自己満足」以外の何の救いがあったというのでしょうか?

アクションシーンは良く出来ていると思うのですが、基本的にバッドエンド嫌いの私としては評価が低くならざるをえない作品と言えますね。

映画「ガリバー旅行記」感想

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映画「ガリバー旅行記」観に行ってきました。
アイルランドの風刺作家ジョナサン・スウィフト原作「ガリバー旅行記」を現代に合わせてアレンジした、コメディ系のファンタジー・アドベンチャー作品です。
この映画は3D版も公開されているのですが、私が観に行ったのは2D版になります。

この映画の主人公ガリバーは、アメリカ・ニューヨークの新聞社で郵便仕分けの仕事に従事する、虚言癖のあるチキンな人物として描かれています。
彼には新聞記者になる夢を抱いていたり、ダーシーという女性に5年も片思いをしていたりするのですが、チキンな性格が災いして夢を諦めてしまい、結果として郵便仕分けの仕事に10年近くも甘んじていたのでした。
新しく郵便仕分け係に赴任した部下がたったの1日で昇進し自分の上司となってしまった挙句、「君はこれ以上成長できない」的なことを言われていたのには、正直哀れみを誘うものがありましたね。
しかし、そんなガリバーにも、ふとしたことからチャンスが訪れます。
ダーシーに告白だかデートの約束だかをこぎつけようとした際に口から出たウソから、彼はダーシーから旅行記者としての仕事を手に入れる機会に恵まれるのです。
その際、明日までに旅行記者としてのレポートをまとめて提出するよう言われるのですが、当然文才もなければ知識もないガリバーにそんなことができるわけもありません。
そこでガリバーは、ネット上に掲載されている旅行記事の文章をいくつかコピペし自分のレポートとしてでっち上げるという、どこかの唐○俊一のP&Gのごとき神業を駆使してレポートを作成し提出。
結果、(後日にバレるものの)その場では見事にダーシーをダマくらかすことに成功し、バミューダ・トライアングル取材の仕事を勝ち取ることに成功するのです。
しかし、いざ自動操縦の船に乗り込んでバミューダ・トライアングルの海域へと向かったガリバーは、目的地近くの海域で突如大嵐に見舞われた挙句、巨大な竜巻に船ごと飲み込まれ意識を失ってしまいます。
そして次にガリバーが目覚めた時、そこには浜辺で小人達に囲まれ、がんじがらめにされて横たわっている自分の姿があるのでした。
小人の国リリパットにおけるガリバーの旅行記がここから始まるのです。

映画「ガリバー旅行記」一番のセールスポイントは、やはり何と言っても主人公ガリバーを演じ製作総指揮も担っていたジャック・ブラックですね。
ジャック・ブラックが出演している映画の中で私が観た作品としては、1995年公開映画「ウォーターワールド」と2005年公開映画「キング・コング」があります。
特に映画「キング・コング」でジャック・ブラックが演じた映画監督カール・デナムは、他の登場人物達を差し置いて「濃い」キャラクター性を存分に発揮していて強く印象に残ったものでした。
今作でもその演技は健在で、ガリバーの「濃い」キャラクター性と、最初はチキンだった性格から次第に成長を遂げていく様を存分に魅せてくれます。
それ以外の登場人物達は、全体的に「私はこういう役を演じています」というのが誰の目にも一目瞭然な「わざとらしい」雰囲気を前面に出している言動に終始していて、あえてやっていた一面もあるのでしょうけど「良くも悪くも子供向けな演出」という印象を受けましたね。

また作中では、作中では「スターウォーズ」「タイタニック」「アバター」などといった映画のパロディネタが披露されています。
「スターウォーズ」は物語冒頭でいきなりガリバーが「スターウォーズ」のキャラクターフィギュア相手にひとりで声の吹替芝居を始めますし、リリパット王国でガリバーのために作られた舞台でも上演されています。
「タイタニック」も「スターウォーズ」と同じくリリパット王国の舞台で上演され観客達の涙を誘い、またリリパット王国の街中には「アバター」ならぬ「ガバター」の宣伝用看板が掲げられていたりします。
一連の作品は、リリパット王国では全て「ガリバーがこれまで送ってきた人生のエピソード」として語られており、その流れをまとめると、
「悪の父親と直接対決を行い(スターウォーズ)、恋人を助けて海の藻屑と消え(タイタニック)、ガバターとして復活し(アバター)、そしてリリパット王国に流れ着く(今作)」
ということになっているようです。
よくもまあそんなヨタ話をガリバーは作れたものだと、そのホラ吹きぶりには逆に感心すらしてしまいましたね(苦笑)。

ガリバーが訪れたリリパット王国、およびリリパット王国と敵対関係にあるブレフスキュ国は、原作のそれと同じく「中世ヨーロッパ」的な雰囲気と文化を持つ国となっているはずなのですが、作中の描写を見る限り、恐るべき技術力と順応力を持っていることが分かります。
ガリバーのために現代風の家を建てたり、実用性のあるコーヒーメーカーやサッカーゲームを作ったり、ニューヨークの街並みを再現した上に電気まで引いてきたりと、短期間のうちに凄まじい変貌を遂げる順応性とそれを支える技術力が披露されています。
さらに物語後半になると、ガリバーがリリパット王国に持ち込んだ科学雑誌を元に、ブレフスキュ国で製造されたパワードスーツまでもが登場します。
このパワードスーツは、巨人であるはずのガリバーをはるかに凌駕する身長と腕力を誇り、「スターウォーズ」のR2D2モドキな姿から人型形態へトランスフォームできる能力まで持つという、現代世界でさえ達成できていないのではないかというレベルの技術が結集されています。
ガリバーが現代の文化を持ち込んだだけでは、ここまで飛躍的な発展を、しかも短期間でできるわけがないので、リリパット王国とブレフスキュ国は元々かなり高い文明水準を持っていたと考えるのが妥当なところでしょうか。

ストーリー的には、チキンな性格だったガリバーが成長していく過程、およびリリパット王国の王女メアリーとホレイショの恋愛話をメインに進行しており、良くも悪くも王道路線で分かりやすい構成になっている感じです。
ただ、物語終盤で展開されていた「戦争反対ミュージカル」だけは少々理解に苦しむものがありましたが(-_-;;)。
日本語吹替版で映画を観賞したこともあったのかもしれないのですが、踊りのリズムと日本語吹替による歌がまるで合っていなかったんですよね。
字幕版で観賞したらもう少し印象が変わってくるかもしれないのですが……。

子供向けおよびコメディ系のエンターテイメント作品が好きという方にはオススメできる映画ですね。

銀英伝舞台版公式サイトが久々の更新

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銀英伝舞台版公式サイトが久々に更新されました。
ページレイアウトが刷新された上、舞台版に出演予定のキャスト一覧およびスタッフページが掲載されています。

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
舞台「銀河英雄伝説」外伝 出演キャスト一覧
http://www.gineiden.jp/cast.html
舞台「銀河英雄伝説」外伝 スタッフページ
http://www.gineiden.jp/staff.html

前回の舞台「第一章 銀河帝国編」から引き続き出演するのは、ミッターマイヤー役の中河内雅貴、ロイエンタール役の東山義久、そしてアンスバッハ役の高山猛久の3人だけのようですね。
他のキャストは都合がつかなかったのか元々出演予定から除外されていたのか……。
ミッターマイヤーとロイエンタールが主人公の話というのは原作にはなかったはずなのでオリジナルストーリーにならざるをえないのですが、果たしてどういうストーリーになるのやら。
アンスバッハ役の人が出演している一方で、ブラウンシュヴァイク公は全く出ないみたいですし。
まあ高山猛久にアンスバッハ以外の役柄が与えられる可能性もありはするのですが。

一方、スタッフの方は前回と比べるとかなり小人数になってしまっている感が否めませんね。
前回はそこそこの人数がいたみたいですし↓

http://www.gineiden.jp/teikoku/staff.html

まあ前回舞台公演した青山劇場と比較すると、今回のサンシャイン劇場は規模が小さそうなところではありますし、公演数も少なめなので、大人数は不要ということで少人数になった事情もあるのでしょうけど。
それ以外で大きく変わっている要素としては、脚本が3人から1人、それも全くの新顔になっていることと、社長氏が懇意にしていたらしい西田シャトナーがいなくなったことでしょうか。
西田シャトナーが考案・指導したらしい前回公演の舞台演出を、舞台稽古レポートの際に社長氏がTwitterでやたらと褒めちぎっていたのが印象に残っていたので、何か「大人の事情」でもあったのか、少々気になるところではあります。

前回の舞台とカブる役者が3人しかいないことや、オリジナルストーリーが展開されることを考えると、主役2人以外の登場人物からして原作には存在しないオリジナルキャラクターで構成される可能性も考えられます。
どんなキャラクターが登場し、誰がどんな役を演じるのか、続報が待たれますね。

民主党が子ども手当廃止を撤回

一度は廃止の方向で調整を進めていたはずの子ども手当を、民主党の細川律夫厚生労働相が「10月以降もつなぎ法の内容を前提に続けるべきだ」と制度の恒久化を目指す発言を行いました。

http://megalodon.jp/2011-0415-1106-26/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110415-00000044-jij-pol

廃止の調整に入ったと発表したその舌の根も乾かぬうちにそれを翻す発言を行うとは、さすがに開いた口がふさがりませんね。
ただでさえ震災対策に全力を上げなければならない中、この期に及んでもなお最大最悪の無駄ガネを維持しようと普通考えますかね、民主党は。
そのくせ一方では、全国の小中学校にある施設約千棟の耐震化について「第1次補正予算案に耐震化費用を盛り込む余裕が政府にない」などと主張しているのですから、なかなかどうして厚顔無恥を地で行く連中としか言いようがないのですが↓

http://megalodon.jp/2011-0415-1110-47/www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201104150052.html

やはり民主党の存在自体が最大の人災発生源&震災救援における最大の障害物になっているのではないかと、改めて思わざるをえないニュースですね。

九州と世界の原発に関する動き

佐賀県玄海町の岸本英雄町長が、定期検査に入り操業再開が延期されている九州電力の玄海原子力発電所の2号機と3号機について「電力需要が高まる夏場まで再開を延期するのは現実的でない」と早期再開を容認する考えを明らかにしました。
運転再開容認の理由としては、「発電再開を延ばせば、いずれ九州の経済も立ち行かなくなる。住民生活への影響を考えれば、電気の安定供給が必要だ」と説明しています。

http://megalodon.jp/2011-0414-1958-12/www.nishinippon.co.jp/nnp/item/236907

もちろん、「地震や津波だけでなくあらゆる災害に対する安全対策の徹底」と「十分な住民への説明」を強く求めることも忘れてはいませんし、それは当然のことです。
しかし、これで夏場に予想される九州の電力不足問題も、とりあえずは解消の方向へ一歩前進したと見て間違いないでしょう。
関東地方で荒れ狂った計画停電の惨状を見れば、アレが九州を襲った場合は、とんでもない経済活動の停滞と大混乱が九州でも再現されることが火を見るより明らかなのですから、被災しているわけでもない九州がわざわざ計画停電に突入するなど愚の骨頂でしかありません。
タナウツも決して人事ではなく、現行のサイトが置かれているサーバは九州内にあるのですから、九州で計画停電が発生すれば、当然タナウツも影響を受けること必至です。
今の九州電力に原発に代わる代替発電案があるようには見えませんし、これをきっかけに玄海原発が動いてくれれば、すくなくとも当面の電力問題は解消へ向かうはずなのですけどね。

また、中国海南省三亜で開かれたブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカの新興5ヶ国(BRICS)首脳会議では、「核は将来の新興国のエネルギー構成で重要な位置を占め続ける」という原発の重要性を強調する内容を盛り込んだ「三亜宣言」が発表されました。

http://megalodon.jp/2011-0414-2055-55/www.nishinippon.co.jp/nnp/item/237059

激増していく人口問題やエネルギー安全保障、さらには環境への負荷などといった観点から言えば、すくなくとも当面の間は原発が引き続き重要なエネルギー供給源として君臨し続けることは確実でしょう。
ただでさえ環境負荷が大きな上に燃料をバカ食いしていく火力では原子力の代わりになど到底なりえませんし、かといって自然エネルギーにはまだ原発にとって代われるだけの力がありません。
代替エネルギーの研究を進め、商用実用化と普及を目指しつつ、当面は原発と共存し安全対策強化に努めていくしかない。
それが現実というものなのですが、今蔓延っている日本の原発忌避の風潮はこれと対極の道に邁進しているようにしか思えず、正直不安なところではありますね。

民主党が子ども手当を廃止へ

民主党が子ども手当を、支給期限が切れる今年の10月をもって廃止する方向で調整に入ったそうです。
震災の復興に多額の予算が必要となるため財源確保は困難と判断したことを、その理由に挙げています↓

http://megalodon.jp/2011-0413-0859-49/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110412-00001200-yom-pol

成立直後から外国人の子供にも配布されるなど多くの問題点が指摘されていたにもかかわらず、民主党のゴリ押しで強行採決された経緯を持つ曰くつきの子ども手当。
その廃止自体は大いに望ましいことですが、結局この手当が「人気取り」「選挙対策」などといった「民主党の政治パフォーマンス」以外の意味を何も持っていなかったという事実を、結果的に民主党は実地で証明してしまうことになったわけですね。
子ども手当に「子供の将来を支えるため」等の何らかの意義が本当にあったのであれば、この期に及んでもなお存続して然るべきだったはずですし。
2009年8月の衆院選以来、民主党にとってほとんど唯一のセールスポイントでもあった子ども手当の廃止は、当然のごとく民主党への大きなダメージとならざるをえません。
何しろ、これ「だけ」を理由に民主党を支持していた人も少なくはなかったわけですし。
まあ、あそこまでボロボロな惨状を呈していて今更な話ではあるのですが(苦笑)。

4月13日は決闘の日&宮本武蔵について

4月13日は決闘の日。
慶長17年4月13日(1612年5月13日)に「巌流島」で行われた、佐々木小次郎と宮本武蔵による決闘が行われたことから定められた記念日です。

「巌流島」の正式な地名は「船島」といい、現在の住所も「山口県下関市大字彦島字船島」となっています。
この島の周囲はかつて暗礁が多く、また海流がよく変わることから航行の難所としても知られ、豊臣秀吉も文禄・慶長の役の際に築城された肥前国松浦郡名護屋(現在の佐賀県唐津市)から大坂城へ戻る際に乗船が転覆し、毛利水軍に助けられたという逸話があったりします。
「巌流島」で行われた決闘は、宮本武蔵と佐々木小次郎それぞれの門弟達が互いの優劣を巡って揉めたことが発端とされており、両者はそれに半ば巻き込まれる形で決闘にまで至ったもののようです。
宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘は、周知のように宮本武蔵が勝利するのですが、頭を打たれた佐々木小次郎はその時まだ死んではいませんでした。
しかし息を吹き返した直後、隠れ潜んでいた宮本武蔵の門弟達が現れ、佐々木小次郎は傷を負っていたこともあり、集団リンチを受けて殺されてしまいます。
当然、佐々木小次郎の門弟達は怒り狂い、宮本武蔵を殺そうとするのですが、宮本武蔵は豊前小倉藩家老・門司城代の沼田延元の助けで何とか逃げおおせることができたとのこと。
「巌流島」という通称の由来も、佐々木小次郎がこの島で死んだことと、彼が編み出したとされる剣術の流派「巌流」から取ったものなんですね。

一方、「巌流島」の決闘で佐々木小次郎を倒した宮本武蔵は、剣豪・兵法家としてよく知られていますが、芸術家・工芸家としてもその名を残しています。
宮本武蔵は多くの水墨画を残しており、現在でも「鵜図」「枯木鳴鵙図」「布袋観闘鶏図」などの作品が各地の美術館などに館蔵されています。
また工芸品でも、黒漆塗の「鞍」、舟島での戦いに用いた木刀を模したとされる「木刀」一振、二天一流稽古用の大小一組の「木刀」が現在に残されています。
これらの品々はいずれも、「巌流島」の決闘以降、各地の藩大名に仕えていた頃に製作されたものと言われています。
宮本武蔵が最後に仕えた大名は肥後熊本藩の細川家で、熊本城東部の千葉城に屋敷が与えられ、家老以上の身分でなければ許可されない鷹狩りが許されるなど、客分としては破格の待遇で迎えられています。
晩年の宮本武蔵は、門弟達に剣術や兵法を教えながら、芸術・工芸に精を出したり、熊本市西部にある金峰山の霊巌洞で「五輪書」という兵法書を執筆したりしていたようです。
宮本武蔵が死去したのは、「巌流島」の決闘から33年後の正保2年5月19日(1645年6月13日)。
その亡骸は現在の熊本県熊本市弓削の武蔵塚に葬られ、宮本武蔵の名は現在に至るも周囲の地名に残されています。

決闘の日と、意外な形で熊本と縁があった宮本武蔵のお話でした。

ネット規制を伴うコンピュータ監視法案を閣議決定した民主党

民主党がネット上の言論規制を強化する強硬手段に打って出ています。
菅直人ことカンガンス内閣は、捜査当局が裁判所の捜査令状なしでインターネットのプロバイダに特定利用者の通信記録保全を要請できるコンピュータ監視法案(正式名は「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」)を閣議決定しています↓

http://megalodon.jp/2011-0326-1139-25/www.pjnews.net/news/909/20110317_5
http://megalodon.jp/2011-0411-2217-23/zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110411-00000017-pseven-pol

ただ、上2つのソース元情報では「震災後に」閣議決定されたかのようなニュアンスですが、実際には「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されたのは2011年3月11日の午前中なのだそうで↓

http://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2011/kakugi-2011031101.html

【震災前に】閣議決定されたコンピュータ監視法案は今後国会に提出され、審議される流れになります。

ただいずれにせよ、コンピュータ監視法案が問題だらけの法案である事実に変わりはないですね。
これは東京都青少年健全育成条例にも当てはまることなのですが、この手の規制は運用者の恣意的な判断ひとつで、本来規制されるべきではないはずのものまでもが規制対象になりかねないという問題があります。
しかも、これを閣議決定したのは「あの」民主党です。
もし万が一法案が国会を通過してしまおうものならば、自身に対する批判的な言動を封殺することを目的に、なりふり構わぬネット規制に打って出る可能性も否定できません。
組織犯罪に使用用途が限定される等様々な制約がある上に国会報告まで義務づけられている通信傍受法と比較しても、運用範囲が広すぎ&制約が少ないために濫用される恐れがあり、その点でも極めて危険な法案であると言えます。
民主党が法案の問題点を何も知らないで閣議決定したのであれば無能のそしりは免れませんし、知った上での所業だったのであればこの上ない悪党です。
原発問題も被災者救援もグダグダな対応に終始している民主党を叩き潰すと共に、震災のドサクサでこの問題法案が国会を通過しないよう、注視していく必要があるのではないでしょうか。

それにしても、東京都青少年健全育成条例といい、今回のコンピュータ監視法案といい、最近思想の左右を問わず言論統制に走ろうとする動きが多すぎて、何とも嘆かわしい限りですね。
言論の自由は責任と表裏一体であるべきで「言い逃げ」の類は確かに糾弾されなければならないでしょうが、それはあくまでも「言論」によって行われるべきものなのであって、その発言責任を完遂させるためにも「発言・表現の自由」自体は万人に保証されなければならないのです。
もちろん、そこにはデマやいかがわしい表現が流されるといったリスクも当然伴いますが、だからと言ってその大元である「発言・表現の自由」自体を規制してしまったら元も子もありません。
「発言・表現の自由」というのは【リスクと発言責任をも含めての自由】なのであって、リスクだけを事前に取り除くことなど不可能なのです。
リスクを犯して発言する自由、それこそが何物にも替え難い宝であるという基本中の基本に、誰もが一度立ち返ってみる必要があるのではないかと思えてならないのですけどね。

田中芳樹のどこが「単なるエンターテイメント作家」なのか?

自身の作品執筆スタンスについて、田中芳樹がとんでもない認識を持っていたことが判明しました↓

http://twitter.com/adachi_hiro/status/56902510480334848
<田中芳樹さん。自分は単なるエンターテイメント作家だから、政治的信条を作品に織り込んだりはしない、と。「でも、銀英伝では、民主主義の素晴らしさを語っていたのでは」と聞いたら、あのレベルの認識は現代人ならば当然持っているだろう、と。いやいや、そうでもありませんよ。>

……田中芳樹にとって、創竜伝と薬師寺シリーズって一体どういう位置付けになっているのかと、思わず本人に聞いてみたくなる発言ですね。
アレらの「作品に織り込」まれている「政治的信条」の山が、結果としてどれほどまでに作品のエンターテイメント性を毀損しているのか、まさか知らないわけではないでしょうに。
特に創竜伝などは、巻毎に刊行当時の時事問題を組み込んだがために、旧ソ連やバブル経済の問題に見られるような「作品設定上の矛盾」が、新刊が出る度にどんどん拡大していく始末ですし。
しかもアレらの内容と全く同じことを、田中芳樹は対談・評論本やインタビュー記事等でも自分の口で、しかも「素の本音」「提言」として直接のたまったりしているのですから、まさに自身の「政治的信条を作品に織り込」んでいる以外の何物でもないわけです。
全てを知った上であえて現実から目を逸らしているのかもしれませんが、それでもここまでおバカなタワゴトを公然と吐き散らせるとは、田中芳樹もなかなかどうしてトリューニヒト並に厚顔無恥かつ太い神経の持ち主であると断言せざるをえないですね(爆)。

あと、「あのレベルの認識は現代人ならば当然持っているだろう」って、銀英伝に限定してさえもありえない認識が披露されまくっている部分が多々あったりするのですが。
シビリアン・コントロールの問題や「お前が戦争に行け」論などは、創竜伝と薬師寺シリーズ、さらには作者自身の発言でも似たりよったり主張が繰り返されていますし、「民主主義の素晴らしさ」も普通に挿入されていますよね。
ひょっとすると田中芳樹は、自分の「政治的信条」の是非をただの一度として検討したことすらなく、ごく自然に存在する空気のようなものであるとずっと思い込んでいたりするのでしょうか?
普遍性がない上にダブスタばかりですし、明らかに偏向イデオロギーに毒されている以外の何物でもないのですけどね、実際には。

それにしても、本来は社長氏こそがこういうツッコミをしなければならないはずなのですが、質問の内容もやり方も正直言って甘すぎますね。
正直、創竜伝と薬師寺シリーズで田中芳樹が散々揶揄している「政治家と癒着している記者クラブ」並の甘さと言っても過言ではないのではないかと(笑)。
まあ、そういう質問をやってしまうと、田中芳樹どころか会社事情からしても都合が悪すぎるので、あえてヌルい質問でお茶を濁したという「やむにやまれぬ事情」もあったのかもしれませんが。
創竜伝と薬師寺シリーズに「多大なまでの政治的信条が織り込まれている」という矛盾した事実を【自分達の口から】明らかにしてしまったら、ファンからの総スカンを食らうのは目に見えていますからねぇ(苦笑)。

映画「T.R.Y.(トライ)」の時代考証に反する反日感情

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日中韓の共同制作作品として2003年に劇場公開された映画「T.R.Y.(トライ)」。
20世紀初頭、正確には1911年の上海を舞台に、織田裕二が演じる伝説の日本人詐欺師が、当時の日本軍から武器を奪うべく頭脳戦を繰り広げるサスペンスアドベンチャー作品です。

映画「T.R.Y.(トライ)」に登場する中国・韓国系の主要登場人物達は、皆多かれ少なかれ日本に対し反感や恨みの感情を抱いている設定を持っています。
しかし、彼らが何故日本を恨んでいるのかについて作中では何らの裏設定なり解答なりが全く明示されておらず、また当時の国際情勢を鑑みても日本が恨まれる要素は存在しません。
「過去の侵略行為」を常日頃絶叫する中国・韓国およびそれに迎合して安易に謝罪する日本、という現代でよく見られる図式から「当時もそうだったのだろう」と安易に考えてでもいたのでしょうが、当の中国・韓国が「過去の侵略行為」とやらを絶叫するようになったのは戦後になってからのことです。
そもそも「侵略が悪い」という認識が大手を振ってまかり通るようになったのは第一次世界大戦終結以降の話ですし、当時の大韓帝国などは、ハーグ密使事件と伊藤博文暗殺という2つの事件の報復を恐れるあまり、「自分の国を日本の一部として併合してくれ」などと日本に対して嘆願すらしていたくらいなのですけどね。

また中国の場合、当時の中国を支配していた清王朝は漢民族の国ではありませんし、また義和団事件から日露戦争終結まではロシアに満州を占領された上に略奪・虐殺の限りを尽くされるなど、日本以外の国による侵略の脅威にも晒されていました。
それを救ったのは皮肉にも日露戦争による日本の勝利で、ロシアは極東での南下政策を断念することになったのですから、むしろ感謝すらされても良かったくらいなものです。
すくなくとも日本軍はロシア軍どころか清王朝軍よりもはるかに公正な軍であると列強からも当時の中国人達からも高く評価されていたのですから。
実際、義和団事件や日露戦争を経て「日本の明治維新に学べ!」と考えて日本に渡った中国の革命家も数多く、後に中華民国を建国し臨時大総統に就任した孫文も、東京で中国同盟会を結成したりしています。
そして何より、このような中国の革命家達に協力したり、資金面で支援したりした日本人も決して少なくはなかったのです。

中国で国を挙げての反日感情が蔓延するようになるのは辛亥革命後、1915年に行われた対華21ヶ条要求以降です。
しかし、それよりも前の1911年時点では、映画「T.R.Y.(トライ)」のような話は時代背景的に成り立たないのではないかと思えてなりません。
前述のように、日本は中国革命家達の根拠地でもあったわけですし、革命前にわざわざ日本を敵に回してアジトを放棄したり支援のツテを失ったりするなど、自殺行為以外の何物でもないでしょう。
それでもなおかつ、そういう時代背景を無視してでも日本軍をあくまでも敵にする、という発想に行き着いてしまう辺り、「さすが日中韓合作!」という雰囲気を感じずにはいられなかったですね(苦笑)。
「T.R.Y.(トライ)」という映画は、元々井上尚登という日本人作家による同名小説を原作としているのですが、そのような作品の共同合作という形態を中国・韓国が受け入れたのは「敵は日本軍」という図式が気に入ったから以外の何物でもないでしょうから。
現代におけるあの2国の世界最大級の反日感情から考えても、そう結論せざるをえないところです。

純粋なエンターテイメント作品としては、織田裕二演じる主人公と敵の頭脳戦やラストの大どんでん返しなど、当時の邦画としては確かに面白い部分も多々あります。
しかし一方で、1911年当時の時代考証・政治背景的にはツッコミどころが満載で違和感も多く感じずにはいられなかった、というのが映画「T.R.Y.(トライ)」に対する私の評価ですね。

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