映画「のぼうの城」が1年間の公開延期に
映画「のぼうの城」が公開延期となりました。
作中の水攻めシーンが「この時節柄上映するにはふさわしくない」と判断され、協議を重ねた末に1年間の公開延期を決定したとのこと。
http://megalodon.jp/2011-0422-1538-29/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000014-eiga-movi
「のぼうの城」は、豊臣秀吉の北条攻めの際、北条側の支城のひとつである忍城(おしじょう)を守っていた成田長親の奮闘を描いた作品。
豊臣側の攻城戦指揮官は石田光成で、約2万の大軍を率いていました。
対する忍城側の兵力はわずか300余、共に立てこもる民衆を含めても3000程度が籠もるのみ。
彼は当初、兵力差を物を言わせた力攻めで忍城を陥落させようとしますが、周囲を沼地や深田に囲まれ、攻め難く守り易い地形に阻まれほとんど成果が上がらないことに業を煮やし、ついに近くを流れる利根川を利用した水攻めを行うことを決意します。
水攻めは結局失敗に終わり、忍城は北条氏の本城である小田原城が陥落するまで持ちこたえ続け、大いに面目を施すことになるわけです。
そして、その史実を元に描かれた「水攻め」のシーンが「この時節柄上映するにはふさわしくない」と見做されたわけです。
何と言うか、いつぞやの「ヒアアフター」上映中止の時と似たりよったりな「自粛という名の表現規制」以外の何物でもありませんね。
そんなことをしたところで史実が変化するわけではありませんし、「自粛は止めてくれ」と訴えている他ならぬ被災者達自身が、所詮は「自粛」の一種でしかない公開延期など望んでいるわけもないでしょうに。
しかも、この映画の劇場公開予定は元々2011年9月17日だったのであり、これは映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の【延期】公開予定時期とほぼ同じ頃に当たるのです。
「世界侵略:ロサンゼルス決戦」は10月でOK、「のぼうの城」はそれとほぼ同じ時期でもNGって、誰が、どんな基準で決定しているというのでしょうか?
こんな意味不明の「自主規制」などやって一体誰が得をするのか、映画関係者は一度考えてみる必要があるのではないのかと。
映画ファンのひとりとしては、こんなバカげた「自粛」など百害あって一利なしでしかないのですけどね。
どうせ単なる自己都合でなければ「空気」の類でしかない欺瞞に満ち満ちた「自粛」の風潮は、いいかげん消えてもらいたいものです。