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2011年06月10日の記事は以下のとおりです。

関西電力の節電15%要請と電力問題

関西電力が、真夏の電力ピークの需要を抑えるため、管内の企業や一般家庭に昨年夏の15%程度の節電を要請すると正式発表しました。
他の電力会社に対する電力融通も中止する方針とのこと。

http://megalodon.jp/2011-0610-1740-07/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110610-00000044-mai-soci

以前から何度も述べていることではあるのですけど、原発の代替案が未だない現状で、しかも全国的な停電の危機を招いてまで、原発を止める必要なんてあるのでしょうか?
原発停止による電力不足や計画停電がどれほどまでの大混乱と経済的な停滞をもたらすのかは、震災直後から関東地方で行われた計画停電の事例が示しているでしょうに。
アレはまだ「発電所の多くが震災で壊れすぐには稼動できなかったから」という事情もあったのですが、今度の問題、特に西日本についてはそれすらもないわけです。

既に起こってしまった福島第1以外における原発事故の想定は、所詮「将来起こるかもしれない危機」でしかなく、未だ可能性のレベルで論じるべきシロモノでしかありません。
それに対し、原発停止による電力不足および計画停電は「今後発生するのが確実な危機」であり、かつすぐにも対策を必要とする「目の前に差し迫った問題」なのです。
危機対処の優先順位は後者の方が上のはずでしょうに、どうして前者の問題を後者のそれより最優先課題にしなければならないのでしょうか?

菅直人ことカンガンスの何の役にも立たないばかりか有害極まりない原発停止パフォーマンスのせいで、今や「原発停止にあらずんば人にあらず」的な【空気】が日本全土に充満しています。
しかし、実際に「自分の生活が脅かされてまで原発を止めて良い」という覚悟を本当に持っている人間なんて圧倒的少数派でしかないでしょう。
いざ本当に原発を止めて電力不足・計画停電という事態が招来した時、それまで原発反対・全面停止賛成を叫んでいた人達は、掌を返すかのごとく「電力を何とかしろ」「電力料金値上げ反対」と呼号するのは目に見えています。
そして、そういう事態を招いた自分達の責任には頬被りを決め込むのもお約束というものです。
原発廃止が決して簡単なものではないからこそ、長期的に取り組んでいかなければならないのに、原発の即時停止を絶叫する人達の何と短絡的かつ感情的なことか…。
今回の原発問題では、長期的視野に基づいた利害や打算よりも【その場の空気】を優先する日本の風土の、もっとも悪い一面が出ているとすら言えるのではないでしょうか。

原発の災害対策を強化しつつ、当面の間は現行の原発を使い続ける。
そして原発の代替エネルギーの開発と商用実用化を推進していき、それが達成された段階で初めて原発の廃止を実現する。
それ以外に「国民の生活を守りつつ原発を全廃する」現実的な方法なんてないと思うのですけどね。

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