映画「スカイライン-征服-」感想
映画「スカイライン-征服-」観に行ってきました。
エイリアン達の地球侵略を、戦う術を持たないごく普通の一般人の視点から描くSFディザスター・ムービー。
この作品、私の地元熊本では熊本市中心部にある熊本シネプレックスでしか上映されていなかったので、久々に中心部まで出向いての映画観賞になりました。
なお、頭をもぎ取って脳を取り出すという描写があるためか、この作品はPG-12指定されています。
この映画の舞台はアメリカのロサンゼルス。
主人公ジャロッドと彼女であるエレインは、ロサンゼルスで仕事に成功し高級マンションのペントハウス(屋上階)に住居を構える親友のテリーに会うため、ロサンゼルスへやってきます。
その夜、テリーのペントハウスでどんちゃん騒ぎなパーティーが行われるのですが、その最中、気分を悪くしたエレインから、ジャロッドは彼女が妊娠していることを聞かされます。
「何故黙っていた?」「パーティーの邪魔をしたくなかったからよ」と口論になり、半ば気まずくなりつつも、その日はとにかく皆眠りにつきます。
そして夜も更けた午前4時27分、突如それは始まるのです。
ロサンゼルスの各所に落下する青白い光。
それを見た人間は、顔から全身に黒い血管のようなものが浮かび上がり、目も白濁状態となって魅入られた後、光に吸い込まれて忽然と姿を消してしまうのです。
ペントハウスで宿泊していた男性のひとりがそうやって青白い光に魅入られ、姿を消してしまいました。
ジャロッドも同様の症状を発症して吸い込まれそうになりますが、間一髪のところで周囲が止めに入り、何とか窮地を脱します。
一定時間同じ場所に留まり続けた後、やがて飛び去っていく青白い光。
しかしそれは、3日間続くことになるエイリアン達の絶望的な侵略の始まりに過ぎなかったのです。
映画「スカイライン-征服-」では、圧倒的な武力を誇るエイリアン達の前に、人間達が如何に無力であるかが描写されています。
ペントハウスから脱出して海に向かい、クルーザーで逃げようと画策するも、ロサンゼルスの街を闊歩するエイリアン達の妨害に遭い、脱出ができない主人公達。
ロサンゼルスの異常事態に緊急出動した軍隊も、エイリアン達の攻撃の前に多大な犠牲を出してしまいます。
多くの戦闘機と爆撃機を送り込み、司令塔となっているであろう大型宇宙船に核ミサイルを撃ち込むという作戦も実施されたのですが、エイリアン達の怒りを刺激した挙句、肝心の宇宙船自体、わずか1日で自然回復し再浮上してしまうありさま。
エイリアン達は人間の脳が好みのようで、人間の頭をもいで脳を取り出す描写が複数あります。
2日目が人間達の反撃のクライマックスだったようで、3日目にはもう反撃が止まっているような感じでした。
何故エイリアン達が地球に侵略してきたのかについては、最後まで全く言及されておりません。
あくまでも「突然の異常事態に右往左往する人間達の様子」を描くのがメインの作品であり、結末も「劇的に人類が救われる」ようなものではなく、かなり暗い未来が暗示されています。
過去に私が観に行ったことのある映画でいうと、2005年公開映画「宇宙戦争」と2008年公開映画「クローバーフィールド/HAKAISHA」を足し合わせたような作品となるでしょうか。
映画「スカイライン-征服-」は、同じようにエイリアンからの侵略を描いている映画「世界侵略:ロサンゼルス決戦」との関連性を想起せずにはいられませんね。
舞台が同じロサンゼルスなのに加え、両作品共に同じ「ハイドラックス」という会社がVFXの製作を手掛けています。
この件では、「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の製作を「ハイドラックス」に依頼していたソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント社が、「ハイドラックス」に対して告訴も辞さない構えを見せ、騒ぎにもなっています。
結局、この騒ぎは双方和解で決着したようではあるのですが↓
http://twitter.com/skyline_seihuku/status/81724431193473024
<ハーイ!スキルとマネーを持った永遠のティーン、グレッグ・ストラウスだよ。ボクタチガKUFU(工夫)シテ撮ったエイガガアスコウカイだ。「LA決戦」トの訴訟ハ和解ズミさ。SONYとも今後もシゴトするシネ。6.18 明日、人類の明日を目撃セヨ>
ただあまりに似ている構成の両作品、色々な「大人の事情」についての想像力を刺激される関係ではありますね。
まあ、今作と「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の予告編を見る限りでは、作中で描かれているエイリアン達の描写はかなり違うようではあるのですが。
すくなくとも「世界侵略:ロサンゼルス決戦」の方には、エイリアン達が青白い光を発したり人間を吸い上げたり脳を取り出したりといった描写はないようですし。
設定的にも物語的にも繋がっていたりしたら却って面白いのではないかと思うのですけどね(苦笑)。
有名なハリウッドスターが出ているわけでもなく、また結末もすっきりしないこともあって、お世辞にも大ヒットするようなタイプの作品とは言い難いですね。
エイリアン関連の描写については確かに良く出来ていましたけど。