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2011年07月17日の記事は以下のとおりです。

映画「コクリコ坂から」感想

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映画「コクリコ坂から」観に行ってきました。
1963年の横浜の港町を舞台に繰り広げられる青春ドラマ系のスタジオジブリ作品。
この映画、当初観に行く予定はなかったのですが、映画公開がちょうど1ヶ月映画フリーパスポート有効期間中だったことから、急遽映画観賞リストに追加されました。
「SP 警視庁警備部警護課第四係」シリーズで主演を演じている岡田准一が声優をやっているという点も大きな観賞動機になりましたし(^^)。
私のスタジオジブリ作品の映画観賞は、1997年公開映画「もののけ姫」以来途絶えていたので、実に14年ぶりのこととなります。

今作の主人公・松崎海は、仕事でアメリカに渡っていた母親に代わり、下宿屋であるコクリコ荘を切り盛りする16歳の少女。
彼女は船乗りを生業とし航海途上で船が遭難し行方不明になった父親の帰還を夢見てか、毎朝海に向かって「安全な航行を祈る」という意味を持つ国際信号旗を掲げるのが日課になっていました。
しかしある日、松崎海が通っている高校で発行されている「週刊カルチェラタン」という学生新聞の記事の片隅でそのことがネタにされ、「これってあなたのことじゃないの?」と親友達と話題になります。
親友達以外の誰が自分の習慣のことを知り、ネタにしたのか?
松崎海はその記事と作成者のことが気にかかるようになるのでした。

そんな松崎海が通っている高校では、高校の文化部が部室として使っていた通称「カルチェラタン」と呼ばれる建物を取り壊し、新しいクラブハウスに建て替えるという話が持ち上がっていました。
文化部を中心に反対運動が起こるのですが、「週刊カルチェラタン」が行っているらしい全学生対象のアンケート調査では取り壊し容認が大勢を占めており、反対運動派にとって状況は圧倒的に不利。
そしてある日の昼食時、彼らは自分達のカルチェラタン取り壊し反対運動をアピールするためなのか、各校舎の窓から垂れ幕を流しつつ、校舎の屋根から学生食堂の脇にある貯水池に飛び込むという挙に出ることとなります。
その貯水池に飛び込んだのが、松崎海より1歳年上の男子生徒・風間俊。
貯水池から浮上してきた風間俊を松崎海は手を差し出して引き上げようとしますが、周囲のはやし立てる声に戸惑った松崎海は引き上げようとしていた手を離してしまいその場から逃げてしまいます。
これが2人の最初の出会いでした。

学生食堂での一騒動の後、松崎海より1歳年下の妹である松崎空が、現場で撮られた風間俊の飛び込み写真を30円で購入したと姉に見せつけてきます。
そして、「この人に会いに行きたいから一緒に付いてきて!」と姉に頼みごとをするのでした。
家事に忙しいこともあり、松崎海は最初妹からの頼みを断るのですが、何度もしつこく頼んでくる松崎空についに根負けしたのか、風間俊がいるカルチェラタンの建物へ一緒に向かうことになります。
カルチェラタンは老朽化が著しく進んでおり、壁は内外を問わずペンキが剥がれ落ちて汚れも目立ち、各部屋や廊下も物が乱雑に置かれている上に埃を被りまくっており、確かにこれでは取り壊し容認が大勢を占めるのも当然といった趣をしていました。
そんなカルチェラタンを歩きつつ、風間俊がいるらしい部屋に辿り着きます。
そこは考古学研究会と新聞部の2つが入っている部室。
風間俊は新聞部の部長であり、「週刊カルチェラタン」を執筆・発行していた張本人でもあったのでした。
そして、これがきっかけとなって、2人は次第に惹かれあっていくことになるのです。

しかし、相思相愛になりつつあった2人に試練が襲い掛かります。
松崎海に家に招待され、そこで松崎海の父親の写真を見た風間俊は、次第に松崎海と距離を置くようになってしまいます。
その態度を不審に思い、雨が降るある日の放課後に風間俊を問い質した松崎海は、そこで衝撃的な事実を聞かされることになります。
「俺達は兄妹かもしれない」
2人の父親は共に澤村雄一郎という人物で、戸籍謄本でもそのように登録されているのでした。
松崎海にしてみれば、この話はショックもいいところだったでしょうね。
兄妹だから結ばれないという事実もさることながら、あれだけ昔から慕っていたはずの父親が実は「母親以外の他所の女と寝て子供を作った挙句捨てたろくでなし」だった可能性も否定できないわけですから。
この問題は写真に登場していた父親以外の人物が解決のカギを握っているのですが、さて2人の恋愛の結末は果たしてどうなるのでしょうか?

映画「コクリコ坂から」は、時代背景は異なるものの、同じスタジオジブリ作品で1995年公開の映画「耳をすませば」とかなり雰囲気が似ていますね。
カップル2人の出会い方も微妙に似ていますし、「原作が少女漫画」という点も両作品で共通しています。
「コクリコ坂から」ではそこに、「カルチェラタンの取り壊し反対運動」という1960年代の学生紛争を彷彿とさせる要素を大量に盛り込んでいるのが大きな特徴です。
ただ、物語中盤で松崎海と風間俊の仲がゴタゴタしていたこともあって、本来ストーリーの軸になるはずの恋愛話的な要素が薄れてしまい、どちらかと言えば反対運動話の方がメインで展開されているような感がありました。
カルチェラタン絡みの話はやたらと細かく描写されていますし。
上映時間が91分と映画としては比較的短い部類に入るわけですし、反対運動話よりも恋愛話の方にもう少し力を入れてもらいたかったところなのですけどね。

あと、タイトル名が「コクリコ坂から」となっているにもかかわらず、作中ではコクリコ坂という名前は一切出てきません。
坂自体は何度か出てきているので、その中のどれかがコクリコ坂ではないかとは思うのですが。

ただ、映画を製作した監督である宮崎吾朗は、前作「ゲド戦記」で散々なまでの酷評を受けていたようですが、映画「コクリコ坂から」に関する限りはそういうこともないのではないでしょうか?
個人的には、「耳をすませば」がスタジオジブリ作品の中では1・2を争うお気に入り作品だったこともあり、同様の傾向を持つ作品として充分に楽しむことができましたし。
すくなくとも、少女漫画的な恋愛話や、1960年代的な雰囲気が好きという方にはそれなりにオススメできる作品ではないかと。

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