映画「ワイルド・スピード MEGA MAX」観に行ってきました。
高級車を惜しげもなく投入した、派手でスピード感溢れるカーアクションが売りの「ワイルド・スピード」シリーズ第5弾。
日本におけるこの映画の正式な劇場公開日は2011年10月1日なのですが、9月23日~25日の連休3日間は先行上映期間となっており、今回は一足先に映画観賞することとなりました。
なお私の場合、「ワイルド・スピード」シリーズで観賞したことがあるのは前作「ワイルド・スピード MAX」のみで、他の過去作品は未観賞だったりします。
物語冒頭は、前作のラストで主人公ドミニク・トレットが懲役25年の実刑判決を受け、刑務所へ収監するため護送される途上にあった大型バスを、ドミニクの妹ミア・トレットと元FBI捜査官ブライアン・オコナーらで構成される仲間達が襲撃して脱獄させるシーンから始まります。
首尾良くドミニクの脱獄を成功させたミアとブライアンは、ブラジルのリオデジャネイロへ逃亡、昔の仲間だったヴィンスの元で匿われることになります。
逃亡生活のための資金を欲していたブライアンは、ヴィンスから「簡単な仕事がある」と誘われ、麻薬取締官によって応酬され、疾走する列車に格納されている自動車2台を盗むミッションに、暫定的な仕事仲間となる窃盗団と共に挑むことになります。
そのミッションの途中でブライアンとミアは、脱獄後一旦別行動をとっていたドミニクと再合流します。
窃盗作業の方は順調に進み、まずは1台目の押収車が列車から脱出、次いでミアが押収車の片割れであるGT40に乗り込んで列車からの離脱を果たし、これでミッションは危なげなく終了するかに思われました。
ところがその直後、それまで手を組んでいた窃盗団が突如ドミニクとブライアンに襲いかかり、両者の間で同士討ちが始まってしまいます。
さらにその騒動に気づいた、押収した自動車を護送していた麻薬取締官が加わり、3つ巴の大混戦状態に。
何とか危機を脱して川に飛び込んだドミニクとブライアンですが、そこへ、まるで待ちかまえていたかのように現れた別働隊によって彼らは拉致されてしまいます。
囚われの身となった彼らの前に現れたのは、リオデジャネイロを表と裏の両面で牛耳っている実業家レイエス。
レイエスはドミニクとブライアンに対し、車のありかを教えるよう脅迫するのですが、2人は当然のごとく要求を拒否し、監視者達をあっさり制圧して脱出してしまいます。
脱出後にGT40を調べてみたところ、レイエスの闇金の流れを記録したマイクロチップが隠されていたことが判明します。
一方、ドミニクに脱獄されてしまったアメリカでは、一連の騒動でドミニク達がリオデジャネイロ内に潜伏している事実を掌握、彼らを捕縛するためのFBI捜査官チームをブラジルへ派遣することを決定します。
リオデジャネイロに派遣されたのは、海外での捜査活動で高い評価を持つルーク・ホブス率いるFBI捜査チーム。
リオデジャネイロ到着後、現地の警察署をまるで信用していないルーク・ホブスは、過去の経歴から「誰にも買収されない」と目した女性警察官であるエレナ・ニベスを助手につけると、すぐさまドミニクとブライアン達の隠れ家を強襲し捕縛しようとします。
しかし、そこでは一足早く、GT40のマイクロチップを強奪せんとするレイエス一派が襲撃を開始しており、リオデジャネイロのスラム街を舞台にまたもや3つ巴の戦いが始まることになります。
大混戦の末、辛くもその場を離脱したトレット兄妹とブライアンの3人ですが、リオデジャネイロの大ボスとアメリカFBIという2つの大組織から追われる身となった彼らは、自分達の前途に不安を覚えるようになります。
ここでさらに、ミアがブライアンの子供を妊娠していることが男2人に告げられ、「家族が増えるな」というドミニクの声と共に喜びを噛み締め抱き合う3人。
そして彼らは、奪取したマイクロチップの情報を元に、レイエスがこれまで蓄財していた現金1億ドルを全て奪取し、そのカネを元に永遠の自由を手にすることを決意します。
かくして目的を達成すべく、気心の知れた仲間達を集めてドリームチームを結成し、常識破りの作戦を駆使したカーアクションと頭脳戦が始まることになるのです。
ブラジルのリオデジャネイロを舞台に繰り広げられる映画「ワイルド・スピード MEGA MAX」のアクションシーンは、とにかく「ド派手」の一言に尽きます。
その中でも一番のハイライトは、やはり何と言っても予告編でも明示されていた「スペック的にも桁外れに頑丈な金庫を破壊の武器として利用するカーアクション」ですね。
建物も車もその他ありとあらゆる障害物も次から次に薙ぎ払っていくあの金庫の凄まじい破壊力と爽快な描写だけでも、この映画を観賞する価値は十二分にあるのではないかと。
ラストの「オーシャンズ11」ばりの大どんでん返しと、そこに繋げるための伏線も良く出来ており、カーアクションのみならず頭脳戦系のストーリーとしても秀逸と言える構成です。
ただ、予告編では「最後の仕事」だの「ファイナルラップ」だのといった言葉が飛び交い、今作がいかにも「シリーズ完結作」と言わんばかりの雰囲気を作り出していたにもかかわらず、事実は全くそうなっていないんですよね。
スタッフロールまではまさにそういう雰囲気で終わるかに見えましたし、「ああ、これでこのシリーズも完結か」と私もつい考えていたのですが、スタッフロール後に出てくるルーク・ホブス絡みの描写でそれは完全に消え去ってしまいました。
新たに発生した襲撃事件が、前作で死んだはずのドミニクの関係者によって引き起こされたことが明らかになるんですよね。
どう見ても続編を作る気満々なようにしか見えませんし、今作は既にシリーズ最大の興行収益をアメリカその他の国々で収めているようですから、すくなくとも人気&予算不足で製作打ち切りということにはまずならないでしょう。
シリーズ開始から今年で10年、既に5作目を数えるほど作品としては長丁場になっているのですが、いつになったら本当に完結するのでしょうか、「ワイルド・スピード」シリーズは。
映画ファンとしては、シリーズがまだ続くことに嬉しくなるのか、「ここで終わらせておけば良いのに」と考えるのか、微妙なところではあるのですけどね。
カーアクションが好きという方、またハリウッド映画のド派手で爽快な描写が好きという方にはイチオシの映画ですね。