映画「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(3D版)」感想
映画「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(3D版)」観に行ってきました。
軍の秘密実験で超人的な能力を身につけた「キャプテン・アメリカ」が、レッド・スカル率いるヒドラ党と戦うストーリー。
中途半端な知名度だったのが災いしたのか、行きつけの映画館では3D版しか公開されておらず、泣く泣く3D版を見る羽目になりました(T_T)。
人気のある映画だったら3D・2D同時公開になるので、2D版が観賞できる余地もあったのですが……。
カネが余計にかかるだけで全く良いことがないのですし、いいかげん3D版公開というのは止めて欲しいところではあるのですけどね。
映画「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」では、「アイアンマン」シリーズの主人公トニー・スタークの父親であるハワード・スタークが重要人物として登場します。
「キャプテン・アメリカ」と「アイアンマン」は、同じアメリカのマーベル・コミックに登場するヒーローであり、かつその中で最も人気があるビッグ3の一翼を担っていることから、同じ世界観を共有していたりするんですよね。
そして、残るビッグ3の「マイティ・ソー」もまた「キャプテン・アメリカ」「アイアンマン」と同じ世界観を共有しており、この3作のヒーロー達は、2012年8月に日本で公開予定の映画「ジ・アベンジャーズ」で全員が一同に会することになります。
映画「アイアンマン」シリーズおよび「マイティ・ソー」でもそうでしたが、今作でもラストにアベンジャーズ計画を推進する謎の組織「S.H.I.E.L.D.」の長官で眼帯のスキンヘッド男ニック・フューリーが顔を出し、さらにエンドロール後には映画「ジ・アベンジャーズ」の予告編があります。
予告編では、ソーとアイアンマンもちらりと登場しますし、ソーの弟であるロキも一瞬顔を出していたりします。
なので、今作を映画館で観賞される方は、映画が完全に終わるまで席を立たないことをオススメしておきます。
今作の舞台は、ナチス・ドイツがヨーロッパで快進撃を続けている第二次世界大戦当時のアメリカとなります。
主人公スティーブ・ロジャースは、戦争を嫌い、軍に志願して一刻も早く戦争を終わらせることを願う、アメリカに対する愛国心と正義感溢れる青年。
しかし彼は、その虚弱で小柄な体格が災いして、何度も入隊テストを受けているにもかかわらず不合格が続く日々を送っていました。
そんなある日、親友で入隊テストに一発合格したバッキー・バーンズがスティーブの元を訪れ、彼をニューヨーク万国博覧会跡地のイベント会場へと誘います。
その会場では、先述のハワード・スタークが車を重力制御装置?で浮遊させるパフォーマンスを披露していたりするのですが、そんな中、バッキー・バーンズはヨーロッパの最前線で戦う107部隊への配属が決定したことをスティーブに告げます。
親友の門出を祝福しながらも、一向に入隊ができない自分の境遇にあせるスティーブですが、しかしそんな彼にもチャンスが訪れます。
イベント会場でスティーブのことを観察していた軍医アースキン博士がスティーブに接触し、彼との面接を介して入隊を果たすことに成功するのです。
もちろん、入隊を果たしただけで彼の虚弱体質が直るはずもなく、彼は配属された部隊の訓練でも劣等生ぶりを遺憾なく発揮します(苦笑)。
そんな彼をアースキン博士が選んだのは、彼とハワード・スタークが推進している「スーパーソルジャー計画」の披験者としての資質に着目したためでした。
力に溺れることのない真っ直ぐな正義感と勇気、そして慈悲の精神、そういったものが「スーパーソルジャー計画」では求められていたわけです。
そして、実験のことを告げられたスティーブは、何ら迷うことなく被験者となることを承諾します。
そして第1回目となる実験の末、スティーブは超人的な肉体能力を獲得することに成功するのですが、その直後に計画の責任者であるアースキン博士が殺害されてしまい、「スーパーソルジャー計画」は頓挫してしまいます。
結果としてただひとりの強化人間となったスティーブは、しかし軍上層部から「たったひとりでは何もできない」と見做され、一人前の戦力として認められることはありませんでした。
そして代わりにスティーブは、星条旗をあしらった派手なコスチュームを身に纏い、国内向けのプロパガンダで戦時国債を集めたり、前線の兵士達を鼓舞したりするための軍のマスコットキャラクター「キャプテン・アメリカ」として振舞うよう命じられることになります。
これが、アメリカ最初のヒーローとなる「キャプテン・アメリカ」が誕生した経緯となるわけですね。
「キャプテン・アメリカ」の特徴は、その卓越した運動能力とハワード・スタークが製作したシールド、そして何よりもチームプレイにあります。
切り込み隊長として先頭を走りつつ後続の兵士達を守りながら突き進んだり、囮として単身突撃して敵の目を集中させることで別働隊の作戦行動を支援したりといった行動が作中でも展開されています。
この辺りは、良くも悪くも単独で戦っていた感のあるアイアンマンやソーとは大きく異なる点ですね。
もちろん、キャプテン・アメリカも単独で行動することはありますし、宿敵であるレッド・スカルとの戦いも1対1で行われることにはなるのですが。
今作単独だけで見れば相対的に強大な力を誇っているかのように見えるキャプテン・アメリカではありますが、しかしアイアンマンとソーが合流することになるであろう「ジ・アベンジャーズ」では、彼の強さがどう描写されることになるのか気になるところではありますね。
単純な戦闘能力だけで言えば、遠距離攻撃が可能な火力や飛行能力を持つアイアンマンとソーの方が圧倒的に上でしょうし、作中でしばしば披露された「シールドをフリスビーのように投げる」という使い方も、アイアンマンとソーの攻撃手法に比べると見た目でも攻撃力でも頼りないイメージが否めないのですが。
今作の副題である「ザ・ファースト・アベンジャー」から言っても、キャプテン・アメリカが「ジ・アベンジャーズ」のリーダー的な役割を果たすことになるのは確実ですし、彼がアイアンマン&ソーと並ぶためには、何らかの戦力的なテコ入れがさらに必要になるのではないかなぁ、と。
もっとも、ヒーロー達を束ねるチームリーダーとしては、アイアンマン&ソーよりもキャプテン・アメリカの方がはるかに優れているでしょうけど。
アイアンマンことトニー・スタークもソーも、やたらと「我が強い」「協調性のない」性格をしていますからねぇ(-_-;;)。
作品単独で見ると、良くも悪くも「単純明快かつ勧善懲悪な分かりやすいストーリー」で構成されていると言えますね。
主人公が愛国的かつ真っ直ぐな性格をしていることもあってか、昨今の映画でありがちな「主人公が自分自身や家族問題等で思い悩むシーン」もほとんどありませんし。
ただ、「起きたら70年近くも経過していた」という浦島太郎的な境遇に置かれてしまったラストではさすがにショックも受けているでしょうし、文化的なカルチャーショック等で新たな悩みも出てきそうではあるのですが。