警視庁が「自転車の歩道走行を認める」方向へ
- 2011/12/12 23:05
- カテゴリー:その他色々, 九州・熊本ローカル事情
警視庁は「自転車は車道走行が原則」とする取り締まり方針を事実上撤回したようですね。
警視庁がまとめた自転車総合対策推進計画によれば、大型車の多い道路などでは歩道の幅を過度に問わず、これまで通り自転車の歩道走行を認めるとのこと↓
http://megalodon.jp/2011-1212-2112-31/sankei.jp.msn.com/affairs/news/111212/dst11121216050007-n1.htm
> 自転車の交通マナーの向上をはかるため、警視庁は12日、自転車総合対策をまとめた。歩道での走行は歩行者の安全確保を前提にしたうえで柔軟に認めることや、違法な運転に対する取り締まり強化の方針などを盛り込んだ。来年1月1日から東京都内を対象に実施する。
>
> 警察庁で10月、これまで「原則幅2メートル以上の歩道」で認めてきた自転車の走行を「原則幅3メートル以上の歩道」に見直すことを柱にした規制強化を打ち出したことを受けてとりまとめた。
>
> 警視庁によると、総合対策では、大型車の多い道路などでは歩道の幅に過度にとらわれることなしに、これまで通り自転車の歩道走行を認める。
>
> 法令では、「自転車は車道走行が原則」とされているが、利用者から「車道での走行は怖い」などの声があるほか、現状でも都内の歩道の約6割では自転車走行が認められていることなどから、道幅が一定程度確保されていれば、車道通行を強制しないことにした。
>
> 一方、歩道でスピードを出して徐行しなかったり、ジグザグ走行したりする危険な運転の交通指導を強化し、従わない場合は摘発する。
>
> 車道でも携帯電話の通話やヘッドホンを聞きながらの走行は同様に指導を強化する。競技用自転車などで、ブレーキを付けずに公道を走った場合は、すぐに交通切符を切るなど、自転車の取り締まりを積極的に行う。
>
> 自転車が車道を安全に走れるように専用通路「青色レーン」整備や駐車違反取り締まりも進める。
>
> 警視庁は今後、各警察署で重点地区を設置。集中的に街頭指導を行い、交通ルールの周知徹底を図る。
全国一律で「自転車は車道走行が原則」の適用と取り締まり強化が実施され、クルマとの接触事故の恐怖に常に晒されるという最悪の事態が回避されて、自転車利用者にとってはとりあえず一安心といったところでしょうか。
特に地方では「歩行者がひとりも歩いていない歩道」から自転車を車道に叩き出すための取り締まりが実施される、などという意味不明なことが行われかねなかったわけですし。
自転車利用者のマナーが叫ばれていますが、クルマ利用者のそれだって充分過ぎるほどに問題を抱えていますし、被害の規模や死傷率などから言っても間違いなくそちらの方こそが本来優先されるべき話でしょう。
ここ数年で自動車事故および死傷者が激減したと言っても、その総数は自転車事故のそれを未だ大きく上回っているのですから。
また、日本の道路事情を鑑みれば、自転車のための専用路線を新たに作るというのは、莫大な手間と費用がかかるというだけでなく、結果としてクルマと歩行者の双方にしわ寄せがいくことにもなりかねません。
よほどに余裕のある広さを持つ道路でもない限り、自転車専用路線を作るために歩道と車道が削られる道路が頻出するのは確実です。
地方の道路ではそんなことをする意味がありませんし、都会では道路幅縮小と工事の頻発で交通渋滞の原因にもなりかねません。
個人的には、これまでないがしろにされてきた自転車教育を充実させるのが「急がば回れ」のことわざのごとく一番なのではないかと思うのですが、これにしても一朝一夕に出来るようなことではありませんし。
自転車問題は、ただ取り締まりを強化すれば解決するようなものではなく、すくなくとも最低10年単位の時間を費やしてゆっくり解消していかなければならない案件と言えるでしょうね。