TVにおける時代劇の衰退と本当の需要
- 2011/12/22 00:00
- カテゴリー:ゲーム・テレビ関連,
TBSの時代劇番組「水戸黄門」が最終回を迎え、42年続いたシリーズそのものにも終止符を打つことになりました。
http://megalodon.jp/2011-1220-2108-04/www.j-cast.com/2011/12/20116977.html
> TBS系の時代劇「水戸黄門」が2011年12月19日に最終回を迎え、42年間にわたる放送にひとまず終止符を打った。
>
> この日は、スペシャル番組として放送された。番組では、歴代の「格さん」役や由美かおるさん、あおい輝彦さんらレギュラーが出演し、最終回に花を添えた。
TVにおける時代劇の衰退は、制作費の高騰と視聴率の低迷が大きな原因であると言われています。
しかし、視聴率の低迷は時代劇に限らず全てのTV番組どころかTVそのものが抱える問題でもありますし、視聴率1位であるはずの番組最高視聴率が20%にも届かないなどという惨状を呈していたこともある昨今のTV業界で、「水戸黄門」の視聴率がそこまで群を抜いて低いということもないのではないか、と個人的には思えてならないのですが。
制作費についても、高い品質の番組を作ろうとすればそれだけ費用もリスクもあるわけですから、それをケチって良い番組が作れる方がおかしいのではないかと。
現に、安い制作費で作られているバラエティー番組など、昨今はあまりにも安易に乱発され過ぎて視聴者から飽きられており、むしろTV離れの大きな原因にすらなっているくらいです。
何かとテレビ局批判の対象になる「韓流ブーム」なども、そうした流れの延長線上にある問題でしょう。
アレも、テレビ局側にしてみれば「自前で製作するより安くて手軽だからプッシュしている」というのが偽らざる本音なのでしょうし。
それで番組の品質を下げ、更なる視聴者離れを加速させているのでは世話は無いのですけどね(苦笑)。
制作費と視聴率にこだわる今の番組制作スタンスを、テレビ局は一度抜本的に見直す必要があるのではないかと。
一方で、時代劇そのものの需要は、昔と比較してもそれほど下落しているというわけでもないようです。
たとえば、こんな事例もありますし↓
http://megalodon.jp/2011-1220-2218-10/www.j-cast.com/2011/12/10115176.html?p=all
> TBSの「水戸黄門」が2011年12月19日に最終回を迎えるなど、お茶の間で長年親しまれてきたテレビ時代劇が今まさにがけっぷちに立たされている。
>
> そんな中で加入者を伸ばしているのが、早朝から深夜まで時代劇を放送している「時代劇専門チャンネル」だ。視聴世帯数は2011年9月現在816.1万世帯に上り、有料放送としては屈指の人気チャンネルとなっている。
(中略)
> 契約者増で同チャンネルでは過去作にとどまらず、すでにスカパー!などとの共同出資でオリジナル作品制作にも乗り出している。11月には第2作「鬼平外伝 熊五郎の顔」を、BSスカパー!で放映した。こんごも撮影所を維持し、時代劇を制作できるスタッフを確保しながら、自前の時代劇コンテンツを作り続けていくことも狙いと見られる。
時代劇専門チャンネル公式サイト
http://www.jidaigeki.com/
また映画でも、2010年後半は時代劇作品が数多く公開されましたし、興行収益的にもそれなりの成功を収めているものもあるわけです。
作品内容も以前の時代劇と比べてマンネリ感が少なく、今風にアレンジされていて一般受けしやすいものになっているものが大半です。
今も時代劇に相応の需要があることはこれらの事例からも明白でしょう。
制作費と視聴率しか眼中にないスタンスを今なお頑迷に固持し続けているテレビ業界の未来はあまり明るいものではないでしょうが、時代劇は媒体を変えて生き続けて欲しいものですね。