九州内の原発全停止および昨今の原発問題の真の争点
- 2011/12/28 22:00
- カテゴリー:その他色々, 九州・熊本ローカル事情
九州内における全ての原発が停止し、政府および九州電力から節電が要請される事態になっています。
http://megalodon.jp/2011-1227-0107-09/www.nishinippon.co.jp/nnp/item/279434
> 九州電力玄海原発4号機(出力118万キロワット、佐賀県玄海町)が25日午後11時すぎ、定期検査入りした。九州の原発全6基の運転が停止、政府と九電が企業や家庭に要請している5%以上の節電期間が26日午前8時にスタートする。九電の全原発停止は1980年以来31年ぶりで、81年に原発が複数基体制になって以降は初めて。九電管内での節電要請は第1次石油危機で15%の使用制限令が出た1974年以来37年ぶり。
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> 全原発停止を受け、九電は火力発電の補修時期をずらすなどして稼働率を上げ、他電力からの融通などで供給力を高めるが、今冬の最大需要予測に対する供給余力(予備率)は0・8%に低下する。昨冬並みの厳冬になれば、予備率がマイナスになり供給不足に陥る懸念があり、前年比5%以上の節電が必要と判断した。
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> 5%以上の節電要請は、26日から来年2月3日(12月29日-1月4日を除く)の平日午前8時から午後9時。強制力はなく、自主的な協力にとどまる。病院や鉄道などは対象外で、業務に支障がない範囲での協力要請となる。
原発を停めたところで事故の可能性が何も減殺されることなどないことは、かの福島第一原発ですら自動停止には成功している&4号炉が震災時に点検中で停止していたにもかかわらず、立派に事故が発生してしまっている事例で既に実地で証明されてしまっているのですが。
その事例を目の当たりにしてなお、停めることに躍起になるというのは、正直「無駄」以外の何物でもありませんね。
電力不足の懸念に加え、火力発電による代替で燃費が跳ね上がり、それが回りまわって電力料金の値上げという形で一般庶民にも返ってくるのが確実なのですから。
実際、LNG火力発電で使用する天然ガスが高騰していることから、来年2月の電気料金が値上げされるとのことですし↓
http://megalodon.jp/2011-1228-2115-12/sankei.jp.msn.com/economy/news/111227/biz11122717140027-n1.htm
> 電力10社と都市ガス大手4社は27日、原燃料調整制度に基づく来年2月の電気・ガス料金を発表した。算定根拠となる9-11月の液化天然ガス(LNG)の平均価格が上昇したため、中部電力は標準家庭で前月比12円、九州電力も同じく3円値上げする。
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> 一方、価格が下落した原油を火力発電燃料に多く使う北海道や沖縄など6電力は値下げする。
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> ガス料金では、2月からマイナス1・2%の料金改定を行う大阪ガスが前月比41円の値下げ。東京ガスなど他の3社はLNG価格上昇を反映し8円値上げする。
石油や天然ガスなどでは市場価格や国際情勢の動向などで安定的な供給が難しいからこそ、安価な燃費で膨大かつ安定的な電力供給を可能とする原発が重宝されてきたという歴史的経緯を抜きにして「脱原発」などやっても、無意味どころか有害ですらあるでしょう。
「脱原発」をやりたいならば、きちんとした代替案を用意し「原発が無くても大丈夫な大量発電&安定供給体制」を確立した上で行うべきなのですが。
それにしても、昨今の原発停止問題を見ていると、もはや「実際の原発が安全か否か」「代替案はどうするべきか」などは既に主要な争点ではなくなっているように思えてなりませんね。
今の状況は、「脱原発」「反原発」を絶対的な教理とする新興宗教が、それに反する人間を「神に逆らう異教徒」として断罪するという、一種の十字軍的様相を呈しているというのが実態に近いのではないでしょうか。
「原発を停める」ことにこだわるのも、実際の原発の安全性や危険度が問題なのではなく、とにかく目先の錯覚レベルな心理的安心感を得たいからなのではないかと。
こうなると行政側も「原発を再稼動すると世間およびマスコミから叩かれる」と考えるようになってしまいますし、地方議会なども「信徒」の票に配慮せざるをえず「触らぬ神に祟りなし」とばかりに原発再稼動に言及しなくなっていくでしょうね。
科学ではなく宗教なのですから、「原発を停めても安全ではない」という実態に即した正論を少し唱えただけでも「神に逆らう悪魔の言葉」と見做され、さながら魔女裁判のごとく聴衆から断罪されることにもなりかねないわけで。
この辺り、震災直後における「自粛」を強要する「空気」と構図は全く同じですね。
非合理的な感情論が問答無用で万人に押し付けられる、という点において。
こんな愚かしい反原発バカ祭り、一体いつまで続くというのでしょうか。
これまで散々なまでに原発問題を弄んできたカンガンスと民主党の存在共々、一刻も早くこの世から消えて欲しいものなのですが。