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2012年01月06日の記事は以下のとおりです。

IE6のシェア1%切りを祝うMicrosoft社

アメリカのMicrosoft社が、2001年公表の自社製のブラウザ「Internet Explorer 6(IE6)」のアメリカ国内利用シェアが1%を切ったことをお祝いしているのだとか。

http://megalodon.jp/2012-0105-2326-55/news.goo.ne.jp/article/niftybusiness/business/niftybusiness-dt-10155.html
> 米Microsoft(MS)は、米国が同社製Webブラウザ「Internet Explorer 6(IE6)」にさよならを告げた、として祝辞を述べた。米調査会社Net Applicationsの推計によると、2011年末に米国でIE6の利用シェアが1%を切った。MSは、より多くの開発者やIT専門家が、時代遅れのブラウザに対応するための時間を費やさずに済むようになる、としている。
>
> IE6は2001年の登場からすでに10年が過ぎた旧版。
Webサイトの表示方法にくせがあり、セキュリティ面の問題も多い。最新のWeb技術HTML5が使えないといった欠点があり、サイト制作会社やインターネットサービス運営会社を悩ませ、動画共有サイト「YouTube(ユーチューブ)」をはじめさまざまなサービスが対応の打ち切りを決めている。
>
> MSも以前から新版「IE8」「IE9」への更新を促し、2011年3月にはIE6のカウントダウンサイトを立ち上げた。
>
> カウントダウンサイトは、Net Applicationsの推計をもとにIE6のシェアを国別に表示している。すでにオーストリア、ポーランド、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェーでIE6のシェアは1%を下回った。また米国のほかチェコ、メキシコ、ウクライナ、ポルトガル、フィリピンでもシェアが1%を切った。
>
> なお、2011年末時点でIE6のシェアが高い国を見ると、中国が25.2%と圧倒的トップ。続いて韓国の7.2%、
日本の5.9%、ベトナムの5.5%、インドの5.4%と続き、アジアでは依然根強い。全世界におけるIE6のシェアは7.7%で、前年の13.7%から低下した。

IE6が実に10年以上もの長きにわたって生き延びてきた最大の理由は、やはり何と言ってもWindows Vistaの大失敗にあるでしょうね。
IE6は、それまでのWindows系OSのほとんどを駆逐する勢いで世界を席捲していったWindowsXPと共に広く普及していった経緯があります。
そして本来、IE6はWindowsXPに取って代わるWindows Vistaの登場と共に最新ブラウザに置き換えられるはずでした。
ところが、その後継となるはずだったWindows Vistaは、WindowsXPの互換性がほとんどないためにXP対応ソフトの多くが動かなくなるという致命的な欠陥を露呈し、普及率は最悪もいいところ。
パソコンを新規に購入する人でさえ、Windows Vistaを避けてわざわざWindowsXPにダウングレードするレベルの酷さで、特にDELLのパソコン通販などでは、専用のダウングレードサービスまでわざわざ用意されていたほどでした。
その結果、Windows Vista 登場後も、WindowsXPとIE6は引き続き多用されることになってしまったわけです。
ブラウザの更新なんて、パソコン初心者の場合はまずやることがないわけですし、またセキュリティやソフトウェア・ハードウェア的な保守の問題その他様々な事情から、あえてWindows Updateその他諸々のバージョンアップをしないパソコンもあったりしますからね。
だからこそ、初期バージョンとしてのWindows Vistaが普及しなかったのは、Microsoft社にとって大きな誤算となってしまったわけで。

長きにわたって居座り続けたWindowsXPにどうにか退場の目処が立ったのは、WindowsXP との互換性が搭載されたWindows 7が登場して以降のこと。
それによってようやくWindowsXPからの脱皮が行われるようになり、それに付随する形でIE6もまた少しずつ消えていくようになったわけです。
すっかり旧式化してしまったWindowsXPとIE6をいつまでも引き摺らなければならなかったMicrosoft社にしてみれば、その元凶になったWindows Vistaの大失敗はさぞかし痛恨の大打撃だったことでしょう。
そのMicrosoft社にとって「IE6のアメリカ国内シェアが1%を切った」というのは、まさに「疫病神とようやくおさらばできる」ことでもあるわけで、そりゃ祝辞のひとつも言いたくなるでしょうね。

また、Microsoft社だけでなく、Webデザインに携る人間にとっても、IE6問題は極めて厄介なシロモノだったりします。
というのも、全く同じ構成のWebページであっても、IE7以降では正常に表示されるレイアウトがIE6では崩れてしまったり、その逆もあったりといった問題が結構頻出するんですよね。
まあブラウザ的に見ればそもそもIE自体がかなり特殊な仕様で、たとえばIEでは製作者の意図通りに表示されるレイアウトがFirefoxやGoogle Chromeでは全く異なる形で表示される、といった事例も後を絶たないのですが。
つまり、Webデザインを製作する場合、IE6以前とIE7以降、そしてFirefoxやGoogle Chromeなどといったその他ブラウザ全てで同じように表示されるレイアウトの設計が要求されることになるわけです。
私も10年以上も昔からタナウツや奇説珍説博物館のWebページを構築し続けていますが、その私でさえ、この条件を満たすために散々なまでの悪戦苦闘を強いられるレベルなのです。
今は誰でも手軽にブログやサイトを立ち上げることが出来る時代になりましたが、Webデザインのハードルは逆に昔よりも高くなっているのではないかと、つくづく思えてならなりませんね。
ブログなどでテンプレートレイアウトを使っている分には何の問題もありませんが、少しでもオリジナルなレイアウトを自分で作ろうとするならば、相当な知識を要求されることになるのですから。

ちなみに2012年1月現在で未だ5.9%のシェアを持つ日本の場合、IE6は高速道路のサービスエリアに設置されているインターネット用のパソコンで見かけることができたりします。
ネット機能に限定したパソコンなので、購入初期のバージョンをそのまま使っているわけです。
これらもまた、いずれは最新のOSとブラウザを搭載したパソコンに取って代わられはするのでしょうが、それでも早くてあと2~3年はかかることになるでしょうか。

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