九州新幹線における熊本駅の利用状況
- 2012/02/22 23:40
- カテゴリー:その他色々, 九州・熊本ローカル事情
JR九州が発表した、九州新幹線鹿児島ルートにおける2011年4月~12月の各駅利用状況によると、熊本駅・新玉名駅・新八代駅・新水俣駅の熊本県内の駅全てで、1日当たり平均の利用者目標数に到達したのだそうです。
九州新幹線全線開業から、もうまもなく1年になるのですねぇ↓
http://megalodon.jp/2012-0222-2150-24/kumanichi.com/news/local/main/20120221005.shtml
> JR九州(福岡市)は21日、九州新幹線鹿児島ルートの昨年4~12月の各駅利用状況を発表した。熊本駅は1日平均1万3550人と目標を450人上回り、好調さを維持。新玉名、新八代、新水俣の3駅も目標数を達成した。同社はてこ入れ策として昨年6月に導入した熊本~博多の「ビックリつばめ2枚きっぷ」を4月以降も1年間継続する。
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> 熊本県内では、熊本のほか、新玉名も950人と目標を50人上回った。新八代と新水俣はそれぞれ目標通りの1950人、1000人。4~6月は熊本と新八代が目標を下回ったが、7月以降は関西や中国地方からの観光客が順調に増えたとみている。
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> 鹿児島県では、鹿児島中央が1万4150人と目標を2500人上回ったほか、出水、川内も好調さを維持。半面、博多に近い筑後船小屋と新大牟田は目標を大きく下回った。
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> 一方、昨年3月12日~ことし2月19日の新幹線の累計利用者は前年の在来線特急比で熊本~鹿児島中央の66%増に対し、博多~熊本は38%増と目標の40%をやや下回った。
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> 会見した唐池恒二社長は「博多~熊本は開業当初の不調が影響したが、その後盛り返しており、ほぼ想定したペースだ」と述べた。
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> 同社は4月から、「ビックリつばめ2枚きっぷ」に付帯している1500円分の利用券の使い道として、現在のアミュプラザ博多に駅レンタカー九州熊本駅営業所を追加。博多発熊本行きの利用増を図る。
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> 併せて、新たに博多~新玉名の日帰り2枚きっぷを4900円で発売。福岡市内~光の森の2枚きっぷ(7300円)も新設して割安感を打ち出す。(井村知章)
準備万端に整えていながら、 開業前日に東日本大震災に見舞われ「自粛」を余儀なくされてしまうという、これ以上ないほどに不幸なタイミングでスタートを切る羽目になった九州新幹線全線開業ですが、まずは最初の1年の課題突破は達成できたと言っても良いのではないでしょうか。
スタートダッシュで盛大にコケた挙句、その後も延々と客足が遠のく状態が続く、などという最悪のシナリオもありえたわけですし。
ただ、最初の1年は九州新幹線それ自体に物珍しさと観光スポットとしての魅力があり、それが集客を推進する原動力のひとつにもなったわけですが、これまでに開業した多くの新幹線路線がそうだったように、今後はその魅力も「そこにあるのが当たり前」という認識の浸透と共に少しずつ減少していくことになります。
もちろん、それは新幹線のみならず、公共交通機関としての本来あるべき正しい姿ではあるのですが。
全線開業して九州南北および本州を結んだ九州新幹線の真価が試されるのは、むしろこれからとなるでしょうね。
ところで、九州新幹線における熊本駅の1日平均利用者数が1万3550人とのことなのですが、これってここ数年の熊本駅の状況から考えると実は凄い快挙だったりするんですよね。
何しろ、九州新幹線全線開業前の熊本駅における1日平均乗車人数は1万人前後をウロウロしており、2009年には1万人を割り込んでしまうという惨状を呈していました。
それが九州新幹線だけでそれまでと同等以上の利用者数を獲得したということは、熊本駅全体の1日平均乗車人数が一挙に2倍以上に跳ね上がったことを意味するわけです。
それに加えて、九州新幹線から降りて既存の路線を利用したり、逆に既存の路線を使って熊本駅まで行き、九州新幹線を利用したりする人も当然いるわけですから、熊本駅の利用者数がさらに上乗せされることになるのは確実です。
これで、九州第3の都市であるにもかかわらず、九州内におけるターミナル駅としてはブービー賞、駅の寂れ具合では事実上の九州ワーストという歪な構図もようやく改善されることにはなりそうで、地元民としては何よりですね。
あと、熊本~鹿児島中央間の利用状況が大きく伸びているのに対して、博多~熊本間はやはり伸び悩み気味ではあるみたいですね。
まあこれは充分に予想できたことで、博多~熊本間が片道35分の所要時間しかかからないといっても、現実問題として「熊本駅に行くまで」がやたらと時間がかかるという事情がありますからねぇ。
熊本から福岡までだと、新幹線よりも高速道路を使った方が、熊本駅までの移動時間も含めて考えると逆に早いくらいですし、そのくせ料金も高めですし。
まあ熊本・福岡両市いずれかの中心街にオフィスを構えている会社や、熊本や福岡に出張するビジネスマンなどの場合はまた話も違ってくるのでしょうが、観光その他の用途で使う「足」としては、博多~熊本間はあまり使えない路線なのではないかと。
料金的にも時間的にも、競合関係にある高速バスを博多~熊本間で上回るのはかなり難しいのではないかと、今でも思えてならないのですが……。
九州新幹線および熊本駅には、今後も是非発展し続けてもらいたいものですね。