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2012年03月の記事は以下のとおりです。

映画「復讐捜査線」感想(DVD観賞)

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映画「復讐捜査線」をレンタルDVDで観賞しました。
日本では2011年に公開されたアメリカ映画で、メル・ギブソンが8年ぶりに俳優として主演を果たしたことで話題となった、イギリスBBCのテレビドラマ「刑事ロニー・クレイブン」を原作とするアクション・サスペンス作品。
この映画は一応熊本では(県内1箇所だけとは言え)映画館で上映されていたのですが、諸般の都合で結局観賞し損ねていた作品でした。
「娘が目の前で殺される」というコンセプトがある上、流血シーンもそこそこにあることから、映画館ではPG-12指定されていました。

映画の冒頭では、まず「Edge of Darkness」という英語版の原題タイトルと共に、湖?と思しき場所に水死体が3体浮かび上がってくるというシーンが映し出されます。
このシーンの意味は物語後半で明らかとなるのですが、そのシーンの後、幼い少女が海で戯れている様子を撮影しているビデオシーンが登場します。
そしてまた舞台は切り替わり、いよいよ物語本編が本格的に始まることになります。
マサチューセッツ州ボストンで刑事の職にある今作の主人公トーマス・クレイブンは、地元ボストンの駅で、久々に再会することになった娘のエマ・クレイブンを待っていました。
普通に予定通り再会して喜びを分かち合う2人。
しかし、エマを一度車に待機させ、近くのスーパーで買い物をして戻ってきたトーマスは、娘が激しく咳き込んでいる様を目撃することになります。
自宅へと帰る途中の道程で、2人はどこの家庭でも普通にありそうな普通の会話を交わします。
自宅へと帰り、あまり得意ではないらしい料理に奔走しつつ、先ほどの娘の様子が気になり、「医者へは行ったのか?」と尋ねるトーマス。
エマは「疲れているだけよ」と返答を返すのですが、エマの様子はさらに奇異な様相を呈し始めます。
鼻血を流し始めた上、嘔吐までし始め、さらに駆けつけたトーマスに対して突然ヒステリックに「医者へ行かなきゃ」と叫び始めるエマ。
娘のただならぬ様子に戸惑いつつも、トーマスはとりあえず娘の言う通り医者へ連れて行こうと外出の準備を始めます。
そしてトーマスがエマと一緒に玄関に出た、まさにその時、突如「クレイブン!」という叫びと共にショットガンが発砲されます。
ショットガンから発砲された弾丸はエマを直撃し、エマは血飛沫と共に自宅の中まで吹き飛ばされてしまいます。
トーマスは銃を取り出し応戦しようとしますが、発砲者はすぐさま車で逃走。
発砲者よりもエマのことが気になったトーマスは自宅へ取って返し、エマの元へと駆け寄るのですが、エマは既に虫の息状態。
「お前は宝だ!」と叫ぶトーマスに対して「分かっている」と応えただけで、エマはあの世へと旅立ってしまったのでした。

その後。
警察による現場検証が始まり、同僚達がトーマスを気遣って声をかけるのですが、トーマスはすっかり尖ってしまっていました。
身の危険があると忠告する同僚をトーマスは退け、その他の警官達も必要最低限の現場検証を行わせただけで退去するよう怒鳴りつけてしまいます。
ひとりとなった自宅で、娘のことを回想したり、娘の幻聴を聞いたり、大きな物音に過剰反応したりと、精神的にかなり参っている様子を見せるトーマス。
翌日、全く普通通りに警察へ出勤したトーマスは、事件について全く手がかりがないこと、警察がトーマスをターゲットにした犯行であるとして捜査を進めていることを知ります。
しかし、自分が狙われる覚えが全くないトーマスは、休職すべきではないかという警察上層部の提案も拒絶し、独自に調査を開始するのでした。
身辺整理も兼ねているのか、娘の遺品や連絡先などを洗っていたトーマスは、やがてそこから、娘が勤めていた企業に対する疑念を芽生えさせていくのですが……。

映画「復讐捜査線」を観賞していて考えずにいられなかったのは、「暗殺者の手際があまりにも悪すぎる」ということですね。
そもそも最初の暗殺からして、暗殺者は何故トーマスという目撃者が目の前にいる中でエマ「だけ」を殺した挙句そのまま逃走したのか、という疑問があります。
あの場でトーマスを生かしていたら、自分の情報が警察側に手がかりとしてもたらさせてしまうことにもなりかねない上、あの状況だとトーマスがエマから何らかの情報提供を受けている可能性も当然存在しえます。
エマだけでなくあの場にいたトーマスも一緒に殺し、さらには家捜しも徹底的に行い証拠を発見すれば回収し、去り際には家に火を放って未発見かもしれない証拠も完全に消滅させる。
そこまでやらないと、暗殺者および依頼者の目的が達成されたとは到底言い難いでしょう。
しかも、暗殺に使用した銃には、至近距離からの狙撃で周囲の住人に銃声を聞かれ自分の姿を目撃される危険性すら存在するのに「サイレンサーを装備して銃声を小さくする」といった類の工夫すら施されていませんでしたし。
まあ、あの限られた時間と状況で家捜しはさすがに難しかったにしても、トーマスも一緒に殺すという選択肢は充分に実行可能でしたし、またしなければならなかったと思うのですけどねぇ。

これだけでも暗殺者は致命的なミスを犯しているというのに、その後も暗殺者達は、素人でもやらなさそうなミスを次から次にやらかしていきます。
車で情報交換をしていたトーマスおよびエマについての情報をトーマスに提供していた人物を襲撃するのは良いとして、情報提供者【だけ】を御丁寧に区別して跳ね飛ばした挙句、トーマスに反撃のチャンスと時間的余裕を与えてしまい、案の定返り討ちにされてしまう暗殺者。
ダンプカーでも借りて車ごと潰してしまうとか、マシンガンを何丁か用意して車に大量の銃弾を奇襲的に叩きつけるなどといった手法でも使えば、トーマスも情報提供者もほとんど無傷でまとめて始末できたというのに。
襲撃するための車からしてマトモな防弾対策すら施されておらず、トーマスが所持している程度の銃で簡単に致命傷を被ってしまうありさまでしたし。
それでも物語後半では、トーマスの同僚を買収して自宅に侵入し、トーマスの隙を突いて気絶させることに成功するのですが、彼らは後始末の手間でも考えたのか、トーマスをその場で殺さなかったんですよね。
で、軍需企業ノースモアの廃屋?に閉じ込めたまで良かったのですが、何と暗殺者達はトーマスの自由を奪うに当たって手錠で両手を拘束し(あまり頑丈でもない)ベッドに括り付けただけで常時の見張り番もつけず、それどころか監視カメラすらも設置せず放置していたんですよね。
結果、トーマスは自力で拘束を破ってしまい、逃走に成功してしまう始末。
さらには、全ての真相を知ったトーマスが捨て身で襲撃してくるであろうことを予測することもできず、それどころか屋敷の警備を強化することすらもせず、何の芸もない正面攻撃をみすみす許してしまうという形でトーマスの復讐を完遂させられてしまったのでした。
この中の何かひとつでも彼らがやるべきことをきちんと適正に行っていれば、初回のミスも充分に挽回することができたというのに。
トーマスが結果として娘の復讐を遂げることができたのは、トーマスの執念などよりも遥かに高い比率で「暗殺者達の無為無能」という要素があったとしか思えないのですけどねぇ(苦笑)。

復讐劇としてはサスペンスも絡めていて上手い構成ではありますし、メル・ギブソンの演技も往年のカッコ良さを感じさせるものではありましたが、暗殺者達の手腕をもう少し「プロの仕事」にふさわしい洗練されたものにして欲しかったところです。
まあ、その手のプロフェッショナルでもない一介の刑事が超人的なアクションで敵を次々となぎ倒していく、というのも違和感だらけの設定ではあるのでしょうが、やはり敵側の守りも攻めも常識では考えられないほどに脆すぎるよなぁ、と。

映画「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」感想

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映画「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」観に行ってきました。
アーサー・コナン・ドイル原作の同名小説を原作とする、ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウの2人が主演のミステリー・アクションコメディ映画「シャーロック・ホームズ」の続編作品。
その前作「シャーロック・ホームズ」は、2012年3月18日にテレビ朝日系列の日曜洋画劇場で放映される予定なのだとか。
私は公開初日の今作観賞にこだわったのでレンタルDVDで前作を観ることにしたのですが、今作を観に行かれる予定だけど前作をまだ観ていないという方は、そちらを観賞してから映画館へ行くのも一手なのではないかと。

今作のラスボスは、前作でも一応は登場していたものの、配役が公開されず全体像すら描写されることのなかったジェームズ・モリアーティ教授。
前作から1年後が舞台となる今作では、そのモリアーティの暗躍による、無政府主義者の犯行に見せかけた連続爆破事件がヨーロッパの各地で相次いでいました。
そして、これまた前作同様にモリアーティのパシリ的な役割を担わされ、誰かに何かを渡そうとしているアイリーン・アドラーに、主人公シャーロック・ホームズが接近するところから今作の物語は開始されます。
アイリーンに対し、怪しい男が3人ほどアイリーンを尾行していると忠告するホームズ。
2人は狭い路地に入って尾行を撒いたかに思われたのですが、前方から出てきたひとりの男に道を塞がれることに。
実は怪しい男の数は総計4人で、かつ男達はアイリーンを尾行ではなく護衛するべく距離を置いて付随していたのでした。
護衛4人にホームズの相手をするよう命じ、その場を離れてしまうアイリーン。
結果、ホームズは大の男4人を相手に格闘戦を繰り広げる羽目に。
しかし、前作でも見せていた脳内シミュレーションを駆使したアクションで、ホームズは4人の男を撃退することに成功します。
一方、ホームズと別れたアイリーンは、とあるオークション会場でホフマンスタールという高名な医師に出会い、彼から手紙を受け取るのと引き換えに小包を渡します。
しかしそこへ、4人の男を撃退したホームズが登場、アイリーンから手紙を奪い取ると共に、その場で小包を開け中身が爆弾であることを暴きます。
ホームズはただちにホフマンスタールとアイリーンを含めたオークション会場の人間を逃がすと共に、オークション会場で売られていた巨大な棺?に爆弾を放り込んでフタをすることで爆弾を処理することに成功するのでした。
ところが、その後ホフマンスタールは暗殺されてしまい、アイリーンもまた、モリアーティとの打ち合わせの際に毒を盛られ殺されてしまうのでした。

それから暫く経った頃、ホームズが居住しているベイカー街のアパート?に、ホームズの相棒であるジョン・ワトソン医師が訪ねてきます。
前作でも自室で奇矯な実験を繰り広げまくっていたホームズでしたが、今回はさらに自室の入り口付近をジャングルに変えてしまった上、部屋内の壁と同化してワトソンにオモチャの矢を射掛けるという奇行を見せつけています(笑)。
実はこのホームズの行動はラストの伏線にもなるのですが、そのホームズの奇行にすっかり慣れ切っているワトソンは、アパートの管理人?であるハドソン夫人をなだめすかしつつ、ホームズの話を聞くのでした。
そして、前作で恋人となっていたメアリーとの結婚式を翌日に控えているワトソンは、独身最後の夜を楽しむべく、ホームズと共にとあるクラブへと向かうことになるのですが……。

映画「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」を観賞していて少し驚いたのは、前作でヒロインを演じたアイリーン・アドラーの、序盤という早い段階でのあっさりとした退場ですね。
前作におけるアイリーンは、ルパン三世でいうところの峰不二子的ポジションなキャラクターでしたから、もう少ししぶとく生き残るのではないかと考えていたのですが。
アイリーンに代わって今作のヒロインとなったマダム・シム・ヘロンは、アイリーンで見られたようなホームズとの人間関係的な絡みがほとんどなかったこともあり、いかにも「ぽっと出」なイメージが拭えませんでしたし。
演出的には、今作でも引き続きアイリーンを活躍させておいた方が良かったのではないかなぁ、とは正直思わなくもなかったですね。
逆に、前作では顔見せ程度の出番しかなかったワトソンの恋人(序盤で結婚してワトソン夫人となる)メアリーは、前作よりもそこそこに多い出番と活躍の場が提供されていました。
まあ彼女も、新婚旅行へ向かう列車で生命を狙われたり、ホームズによって川に突き落とされたり(ホームズの計らいですぐに助けは来ましたが)と散々な目に遭ってはいるのですが(苦笑)。

さて、原作でも「シャーロック・ホームズ最大の敵」として描かれているジェームズ・モリアーティ教授との対決ですが、全体的にホームズの方がモリアーティ教授に押されている感が否めなかったですね。
推理や頭脳戦では確かにホームズの方がモリアーティ教授を上回ってはいるのですが、今回のシリーズでメインとなっているアクション面では明らかに遅れを取っている感がありありでした。
特にドイツの軍需工場に潜入した際のホームズは、モリアーティ教授に一度囚われの身となってしまう上、逃げる際にも銃弾を受けて呼吸停止という事態にまで至っていますし。
ワトソンの機転と治療がなかったらホームズが死んでいたことは確実で、いかにホームズでも単独ではモリアーティ教授に勝てないことが明示されていました。
ラストの対決でも、この時肩を負傷していたことが仇となって、半ば心中同然の選択肢しかホームズは取れなかったわけです。
前作でもそうでしたけど、どうにも今回の「シャーロック・ホームズ」シリーズでは「短気で考え無しの無茶な行動に出るワトソンの活躍あってこそのホームズ」という構図がかなり強く出ていますね。
ホームズが如何にその優れた推理力を発揮しようと、死んでしまっては全く意味がないわけで、その辺りでホームズを過度に超人扱いせずバランスを取ってはいるのでしょうけど。
ホームズとモリアーティ教授の最終決戦も、脳内シミュレーション以外はずいぶんとあっさりとした決着でしたし、いくらメインに持ってきていても所詮「シャーロック・ホームズ」シリーズはアクション映画ではありえないのだなぁ、と。
まああの2人がスパイアクション映画クラスの派手なアクションを延々と繰り広げていたりしたら、むしろその方が変ではあるのですが(笑)。

ラストの「THE END」の最後に「?」を付ける終わり方は如何にもロバート・ダウニー・Jr演じるホームズらしい悪戯ではありましたね。
あの終わり方だとまた続編が製作されることになりそうではあるのですが、もし続編が製作されるとしたら、今度の敵は果たして一体誰になるのやら。
前作のラストは明確にモリアーティ教授が次回のラスボスになるという引きでしたが。
ホームズと同じく死体が見つかっていないということでモリアーティ教授の復活&再登場となるのか、それとも「ルパン対ホームズ」辺りのエピソードでも流用してルパン(もちろん三世ではなく一世の方)を出してくるのか、はたまた原作にも全く登場していない未知の敵になるのか……。
作品自体は結構面白く見応えのあるシリーズではあるので、さらなる続編の構想があるのなら是非とも作ってもらいたいところではあるのですけどね。

銀英伝舞台版第二章の宣伝用POP絵&新規ブログ公開

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銀英伝舞台版第二章「自由惑星同盟編」の宣伝用POP絵が公開されたようです。

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/03/pop-5982.html

しかしまあ、相も変わらず「外伝5巻」がさりげなく強調されているPOPですね(苦笑)。
前回の第一章「銀河帝国編」のPOP絵でも同じことを強調していましたし。
銀英伝外伝6巻については、当の田中芳樹自身が社長氏相手に「すまん、もう書けない」宣言をやらかしていましたし、本当に書かれることはないのでしょうかねぇ。
こうなると、もういっそのこと、アニメ版や舞台版のオリジナルストーリーをベースに、誰か他の作家に以前やっていたような丸投げでもして書かせた方が却って良いような気がしてならないのですが(苦笑)。
さすがにそれは作家としてのプライドがズタズタになるから、田中芳樹的にはやりたくないのでしょうかねぇ(爆)。

それと、銀英伝舞台版の公式ブログがアメーバブログで新規に開設されたようですね。
内容的には、製作スタッフによる舞台版関連のニュースや日々の出来事について綴っていくとのことです。
URLはこちら↓

銀英伝舞台版公式ブログ
http://ameblo.jp/gineiden-stage

しかし、公式ブログ自体は以前にも公式サイト内に設置されていたはずなのですが、今回何故わざわざアメーバブログに場所を移して開設したのでしょうか?
あのブログは確かにド素人が作っているのが丸分かりな杜撰極まりないレイアウトではありましたが、せっかく独自ドメインの公式サイトがあるのですから、サイトの1コーナーとして設置した方が、すくなくともアクセス数の集約という点でははるかに合理的なはずなんですよね。
アフィリエイトの類も全く表示させずに済みますし。
アメーバブログはサブドメイン仕様ですらないので、SEO的な効果も上げにくいところがありますし。
まあ、独自ドメインのサイト内でブログを設置するとなると、CGIやPHPその他諸々の専門知識やカスタマイズなども必要不可欠となりますし、かといって業者などに頼むとカネがかかるし面倒だからという理由から、既に機能が充実しているアメーバブログに設置した、というのが実情ではあったのでしょうけど。
プログラミングどころか設置だけでも結構苦労するものですからねぇ、CGIやPHPは。

それと、以前のブログと違って、トラックバックを表面的にすら受け付けない仕様になっているのは、やはりトラブルを回避したかったからなのでしょうか?
あの当時はサイト運営自体があまりにも笑える惨状を呈していて、私も片っ端からブログのネタにしていたくらいですからねぇ(苦笑)。
コメント欄の方は書き込み可能となっている記事もあるみたいなのですが、多分、書き込みをしてもすぐには反映されず、事前検閲を経た上で表示されるような仕様になっているのではないかと。
こういうのって「公式」という名がつくところのデフォなんでしょうねぇ、やっぱり。

「少子化対策には女性の早婚こそ適切」は女性蔑視発言?

那覇市議会の2月定例会で「少子化対策には女性の早婚こそ適切」とする持論を述べた與儀實司市議が、女性の市議会議員5名から発言の取消を求められ、全面謝罪させられる珍事が発生。
何でも、発言内容が「女性蔑視・人権侵害」に当たるとのことだそうですが……↓

http://megalodon.jp/2012-0309-0053-35/www.okinawatimes.co.jp/article/2012-03-07_30736/
>  那覇市議会(永山盛廣議長)2月定例会で、少子化対策には女性の早婚こそ適切とする持論を述べた與儀實司市議(57)=自民・無所属・改革の会=が6日、「女性に対する人権侵害や蔑視といわれかねない発言があった」などと謝罪、市議会に対し、該当する約10分間の発言全部の取り消しを申し入れ、全会一致で取り消しが認められた。
>
>  女性の5市議全員の要求に応えたもので、永山議長は混乱を招いたとして與儀市議を呼び反省を促した。
>
>  與儀市議の発言に抗議した大浜美早江市議(59)=公明=ら5人は
「一連の文脈の全てが不適切。女性は出産のためだけに結婚するわけではない。不妊などに悩む人々にも全く配慮がない。『産む機械』発言を連想する人権侵害で、女性蔑視」と訴えた。今回の対応を受けて再度追及しないとした。
>
>  與儀市議は5日の個人質問で、持ち時間15分のうち約10分間、持論を展開。
「女性が結婚しないと子どもは生まれない」「女性もいい時(25~35歳)にPRすれば間違いなく求める人もいる」「独身の女性は40歳を過ぎると…男性との距離が広がる」「男性は70、80歳でも子どもを生める」となどと発言していた。
>
>  当初、持論に当たる発言全部の削除や謝罪を求められた與儀市議が「少子化対策を論議してほしいという趣旨が伝わらなくなる」などとして調整が難航。本会議開会は約1時間遅れ、閉会も午前中の見込みが夕方までずれ込んだ。

しかし、與儀市議の発言内容って、実は全く間違ってなどいないんですよね。
「独身の女性は40歳を過ぎると…男性との距離が広がる」「男性は70、80歳でも子どもを生める」というのは正確に事実を指し示しています。
女性の出産には適齢期があり、特に40歳以上の高齢出産では、難産や障害児などのリスクが飛躍的に高くなることは医学的にも既に証明されていますし、江戸時代の昔でさえも30~35歳以上の女性の性交を禁じる「お褥すべり」という慣習を介してある程度は知られていました。
それに対し、男性の精子は女性の卵子に比べて老化に強く、かなりの老齢でも子作りが可能なこともこれまた医学的に立証されています。
これらの医学的事実を示し、それに基づいた持論を展開しただけで「女性蔑視・人権侵害」なんて論外もいいところです。
統計的にも、2010年の国勢調査で、35歳を過ぎて結婚できた人の割合が男性3%・女性2%に過ぎないという結果が出ていたりします。
医学や統計でそんな結果が出ているのであれば、当然「女性もいい時(25~35歳)にPRすれば間違いなく求める人もいる」も正しいということにならざるをえないでしょう。
また、「女性が結婚しないと子どもは生まれない」については、確かにシングルマザーや養子縁組などの例外はあるにせよ、「結婚して子どもを産む」が世間一般で常識とされる価値観的には正しいこととされているのもこれまた事実ですし、大多数の(特に幼少時の)子供にとってもその方が母親にかまってもらえて幸福であることは間違いありますまい。
そもそも件の発言自体、少子化対策の流れから出てきたものでもありますし。
医学的にも統計的にも世間一般の常識から考えても事実に正しく沿った発言内容が、何故「女性蔑視・人権侵害」などと糾弾されなければならないというのでしょうか?

那覇市議会における女性市議会議員達のクレームを見ると、男女平等というのは事実すらもマトモに口に出来ないシロモノなのか、と言いたくもなってきますね。
女性にとって不愉快な【発言】を弾圧すれば、その発言が指し示している【不愉快だが厳然たる事実】をも消せるとでも考えているのでしょうか?
そういうのって、単に直視しなければならない事実から目を逸らしているだけでしかないのですが。
先の大戦や原発問題でも、まさにそういう態度こそが事態を悪戯に悪化させ、最悪の結果を到来させた最大の元凶だったでしょうに。
問題解決のための最初の第一歩は、現状を正しく理解することから始まるというのに、その現状認識を妨げるようなことばかりやっていて、どうして目的を達成することができるというのでしょうか?
発言の経緯や背景・本質などを理解しようとすらせず、単なる言葉尻だけを捉えて差別だの蔑視だのと主張する人間は、確信犯的な工作員でもなければ「無能な働き者」の類でしかなく、男女問わず論外なシロモノでしかないのですけどね。
そんな所業を堂々と披露して恥じない女性こそが、本当の意味で女性を貶める害悪な存在でしかないはずなのですが…。

しかしまあ、この手の問題では、とにかく女性を「腫れ物に触れる」かのようなスタンスで扱う傾向が目立ちますね。
女性側は女性側で、むやみやたらとヒステリックかつ理屈もへったくれもない感情的な反応ばかり繰り広げる始末ですし。
こういうのを見ていると、昔の男尊女卑な風潮も、一般的によく言われる「身体的な相違」などとは全く別の(合理的な)理由が他にあったのではないか、とすら思えてならないくらいです。
こんなヒステリックなやり方で政治や仕事現場などを壟断されては、上下も男女も問わず他の人間にとってはたまったものではないのですから。
昨今の男女平等は、女性が権利を主張するばかりで責任や義務を全く負わないという、あまりにも異常な状態としか言いようがなく、実質的には「女尊男卑」と化しているのが現状です。
こんなバカげた風潮は男性も女性も不幸にするだけでしかないのですし、いいかげん改められるべきだと思うのですけどねぇ(-_-;;)。

TBSが映画専門番組を18年半ぶりに復活

TBS系列の2012年4月の番組改変で、映画専門枠の番組が18年半ぶりに復活するとのことです。
番組名は「水曜プレミアシネマ」。

http://megalodon.jp/2012-0308-0854-58/www.cinematoday.jp/page/N0039893
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 29日、TBSは4月期の番組改編説明を東京・赤坂の放送センターで行い、18年半ぶりに映画専門枠を復活させることを明らかにした。番組名は「水曜プレミアシネマ」となり、4月4日から毎週水曜21:00の放送、長年苦戦を強いられてきたという同時間帯の底上げを狙う。
>
>  
TBSの映画枠としては、1993年に終了した「水曜ロードショー」以来18年半ぶりの映画専門枠新設となる同番組。同局では、特に水曜のゴールデン・プライム帯の視聴率で長年苦戦を強いられており、2ケタを取るのもやっとの状態だったというが、本番組でその改善を目指す。
>
>  近年、テレビドラマの続編やコラボレーションによる自社出資映画が増加する中、同局も公開が迫る映画『劇場版 SPEC~天~』などを製作している。番組では、『ROOKIES -卒業-』などの人気邦画はもちろん、海外のヒット作をラインナップし、水曜日の固定ファン獲得を狙う。近年テレビ各局の映画枠に関しては、映画以外のスペシャルドラマと並行した放送が行われるなど、一時期に比べ明らかに減少傾向となっており、18年半ぶりのTBS映画専門枠の復活は、新旧映画ファンにとってうれしい知らせだろう。
>
>  そのほか同局では、企画にバリエーションを持たせることにポイントを置いた昨年の10月改編の多様化を進め、各曜日の「タテの流れ」を意識した編成を展開予定。お笑いコンビさまぁ~ずの深夜番組がゴールデンに進出する「まさかのホントバラエティー イカさまタコさま」(水曜19:00)や、錦戸亮が現役アイドルの本人役として出演、実際のTBS番組とも積極的なかかわりを持っていく「パパはアイドル!(仮)」(木曜21:00)、中居正広と江角マキコ、AKB48が司会を務める音楽バラエティーなど、ドラマ・バラエティーにも強力なラインナップをそろえる。(編集部・入倉功一)
>
> 「水曜プレミアシネマ」は4月4日 水曜21:00より放送開始予定

TBSにおける映画専門枠の復活は、単にTBS自体の衰退を示すのみならず、ここ最近の映画の隆盛とTVの凋落を象徴するものでもあるでしょう。
何しろ、TBSが映画専門枠を18年半ぶりに復活させる最大の理由は、「21時から放映されている自社製作のドラマ番組等で視聴率が取れない」ことにあるのですから。
まあ番組の制作費をケチりまくったり、特定層にしかウケない脚本によるストーリーが何度も披露されたりしては、むしろそうならない方が不思議ではあるのですが。
かつて映画を衰退に追いやったTVが、自身の衰退に歯止めをかけるために映画に頼らざるをえなくなる、というのは何とも皮肉な話で笑ってしまいますね。

ただ、今回の措置が果たして視聴率回復の一手となるかは正直微妙なところではありますね。
映画をTV放映する際、2時間という放映時間の枠内に映画を収める目的や、残虐描写や性描写等に対する規制が厳しいことなどから、シーンのあちこちがカットされてしまうことがよくあります。
しかし、映画館やレンタルDVDなどで作品を観賞すれば、全編ノーカットの内容を生で観ることができるのですし、そもそも余計なCMがたびたび入ることもないのですから、その点では映画館&レンタルDVDに対して圧倒的に不利と言えます。
年間に何本も映画を観るような人間であればあるほど、この問題は無視できないものになりますし、カットされる映像の中に重要な描写があろうものなら論外もいいところです。
そうでなくても、TV局による金太郎飴的な視聴率至上主義の番組作成によって、世間一般ではテレビ離れが著しく加速しているというのに。
如何にカットを少なくし、ウザいCMを上手く番組内にはめ込むかに、今回の企画の成否が左右されると言っても過言ではないのですが、果たして今のテレビ局にそんな柔軟性があるのかどうか、心許ない限りではあります。

逆に、昔と違って有利な点があるとすれば、テレビ局が主催して製作した映画というのが昔と比べて飛躍的に増えている点でしょうか。
映画「麒麟の翼」や2012年4月公開予定の映画「SPEC~天~」などのように「テレビドラマの続編が映画に進出した作品」や、映画「大奥」のように「映画→テレビドラマ→映画」という流れでコラボレーションを組んでいる作品など、昔だったらありえないような構成の映画が増えていますし、映画単独でもテレビ局が主催しているものが少なからず存在します。
それらの作品は当然、著作権料や放映料などがこれまでよりも安くなるでしょうから当然経費の削減にもなりますし、また映画とテレビの連携企画などもこれまでよりずっとやりやすくなり、そこから映画ファンを引き込むことも可能となるわけです。
日本テレビなどはこれで少なからぬ成功を収めていますし、TBSもこれにあやかったのではないのかなぁ、と。
さし当たっては、映画「大奥」が「水曜プレミアシネマ」で放映されるのはほぼ確実でしょうね。
「大奥」シリーズは、映画版も続編となるテレビドラマ版も全てTBS系列主催ですし。

TBSの試み、果たして成功しますかねぇ。

銀英伝がGREEゲーム化

銀英伝がSNS大手のGREEでゲーム化されるのだそうです。
提供会社のサイトによると、カードゲーム形式の対戦ゲームとのこと。

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2012/03/gree-4edf.html
> 株式会社ダーツライブゲームズが、携帯ゲーム大手のGREEで「銀河英雄伝説」のゲームを始めます。
>  詳細は、このダーツライブゲームズのwebサイトをご覧ください。
>  現在、事前登録受け付け中とのことです。
>
>  私自身は、老眼が進んで携帯電話の画面を見るのも一苦労でして、携帯に限らず、ゲーム全般は敬遠していたのですが、こういうゲームを通じて、若いユーザーの皆さんに「銀河英雄伝説」をさらに楽しんでいただけるのは嬉しいものだと思います。
>  どうぞよろしくお願いいたします。

「銀河英雄伝説~銀河帝国編~」GREEで事前登録受付を開始 | 株式会社ダーツライブゲームズ
http://dlgames.co.jp/company/news/2012-03-01.html
> 本タイトルは、「紺碧の艦隊×旭日の艦隊」に続く、「徳間書店×ダーツライブゲームズ」のコラボレーションタイトル第2弾となります。

もう金儲けの意図がひたすら前面に出ているような企画ですね(苦笑)。
GREEのゲームはアイテム課金問題で何かと悪い噂ばかり耳にしますし、案の定、今回のゲームにもアイテム課金制が標準装備で搭載されていたりします。
加えて、徳間書店が今回の件を主導しているというのも「ああ、やっぱり」的な感じではあります。
いつぞやの銀英伝パチンコ売り飛ばし問題の際も、他ならぬ社長氏自身が「徳間書店が主導していた」と明言していましたし↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2007/09/post_b432.html
> 「銀河英雄伝説」のパチンコですが、こちらでは特に演出や監修はしてません。
> 徳間書店さんとの間では、アドバイスを含めた意見交換が行われたかも知れませんけど。
> 先にも書きましたとおり、私はまったくパチンコをしませんので、きっと監修を求められても、何も言えなかったと思います。以前、ネットワーク・ゲームで問題が生じた際、ネットワーク・ゲームで遊んだことのない私では対応がうまくいかず、ファンの皆様に迷惑をおかけしてしまった反省から、その後は
すべて徳間書店さんに版権管理業務をお願いしています。
> 今にして思えば、もっと早くやっておけば良かったと思います。

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2007/09/post_d205.html
> なににせよ、このような大きな話をまとめてきてしまう、徳間書店の版権管理部門は凄いなあ、と素直に思っております。はい。

まあ徳間書店も出版不況で台所事情が苦しいのでしょうし、赤字回避のために使えるものを使って何が悪い、といったところではあるのでしょう。
もちろん、そのスタンスは企業として間違っているわけではないのですが、しかし金持ちや企業の金儲け主義をことある毎に罵り倒してきた我らが御大が、そんなことを許可してやらなければならない理由はどこにもないはずなんですよね。
徳間書店の事情がどうだろうと頑として首を横に振り続け、徳間書店に「イギリス病」という名の貧乏のすすめを説くのが、田中芳樹的には正しい対応ですし、またそうでなければならないはずのですが。
まあ既に「己の作品をパチンコに売り飛ばし」という一種のルビコン川を渡りきった田中芳樹にとって、GREEのアイテム課金問題の片棒を担ぐなど今更な話でしかないのかもしれないのですけどね。
それ以前に、そもそも超がつくアナログ人間である田中芳樹が、GREEという存在自体を果たして知りえているのかどうかすら疑問ではあるのですが(爆)。

カードゲームなんかにして何をするつもりなのかも含め、ゲームの内容や品質に疑問を呈さざるをえないところですね。
そもそも、過去に徳間書店が出した銀英伝関係のコンシューマー系ゲームはクソゲーばかりでしたし(苦笑)。

映画「シャーロック・ホームズ」感想(DVD観賞)

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映画「シャーロック・ホームズ」をレンタルDVDで観賞しました。
日本では2010年に公開されたアメリカ映画で、アーサー・コナン・ドイル原作の同名小説を原作とする、ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウの2人が主演のミステリー・アクションコメディ作品。
劇場公開当時は諸般の事情により未観賞。
2012年3月10日には、今作の続編となる「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」が日本公開される予定です。

「シャーロック・ホームズ」と言えば、言わずと知れた世界的に有名なミステリー小説の探偵の名でもありますが、ロバート・ダウニー・Jrが演じる今作の主人公シャーロック・ホームズは、巷で知られているそれとはまた一味違った性格や特徴を持っています。
奇矯な性格で奇矯な言動ばかり披露し、自身が居住しているベーカー街の下宿アパート?内で銃をぶっ放したりするなど、他の住民達にも恐怖と奇異の目で見られているホームズ。
一方では武術家としての面も併せ持っていて、徒手空拳の状態でスローモーション解説を交えながら相手をボコボコにしていく描写が2回ほど披露されています。
また、ジュード・ロウが演じるジョン・ワトソン医師も、ホームズのボケに対してツッコミを入れまくるという役柄が新たに付加され、やたらと短気な言動を披露したり、時にはホームズを殴りつけたりするという言動を見せつけていたりします。
傍目に見ている分には、ワトソンの方がホームズよりも立場が上なのではないかとすら思えてくるほどです(苦笑)。
この2人と、オカルティックな黒魔術&超常現象っぽい演出を駆使してイギリスの頂点に君臨しようとするヘンリー・ブラックウッド卿による知略戦&アクションを繰り広げるのが、今作のメインストーリーとなります。

物語の本編は、そのブラックウッド卿が女性を横たえて怪しげな儀式を進行している地下神殿?にホームズが乗り込み、紆余曲折の末に儀式を阻止して女性を助け出し、ブラックウッド卿を逮捕させたところから始まります。
その女性の殺人未遂と、それ以前に行われた複数の女性の連続殺害容疑で、ブラックウッド卿には絞首刑による死刑が宣告されます。
ところがブラックウッド卿の周囲では奇々怪々な現象が頻発した上、卿は「処刑されても生き返る」と不気味な宣言すら行います。
果たして、彼は絞首刑で普通に処刑され、検死の役を担ったワトソンが絞首されたブラックウッド卿に脈がなく死亡したことを確認したにもかかわらず、彼が埋葬された墓は内側から破られ、棺には全く別の死体が入れ替わっていたのでした。
一連の事件でロンドン中がパニックに陥る中、レストレード警部の依頼で、ホームズとワトソンはブラックウッド卿の行方を追い始めるのですが……。

映画「シャーロック・ホームズ」は、原作のミステリー要素も色濃く反映する一方、新機軸であるアクションやコメディにもかなりの力を入れています。
ホームズとワトソンは、ブラックウッド卿の刺客によって幾度も危機に晒され、その都度アクションと機転で危機を脱していますし、また一方ではホームズとワトソンの間で漫才のごときボケツッコミな会話が何度も行われています。
ロバート・ダウニー・Jrは、今作でゴールデングローブ賞におけるミュージカル・コメディ部門主演男優賞を受賞したとのことですが、確かに受賞にふさわしいレベルのコメディタッチなホームズを見事に演じていましたね。
映画「アイアンマン」シリーズ「デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~」でも、シリアスながらもどこかコメディ的なお笑い要素を併せ持つキャラを演じきっていましたし。
外見はガタイが良くアクション映画向きの俳優に見えるのに、実はコメディの方が本領発揮できるというのは何とも奇妙な話ではあるのですが。
ロバート・ダウニー・Jr本人的にはアクションとコメディのどちらが自分の望む姿であるのか、少しばかり興味をそそられるところですね。

また、作中で展開されている黒魔術や超常現象の類は、その全てがホームズによって種明かしが披露され、科学的な理論に基づいた説明が行われています。
終盤で作中における全てのトリックを矢継ぎ早に説明しまくるため、理解が追いつくのに苦労する部分もあるのですが、やはりこれこそがミステリーならではの醍醐味ではありますね。
19世紀後半のイギリスだと、まだ科学の知識なども現在ほどには普及していなかったでしょうし、オカルトを演出する道具としての科学には相応の利用価値があったのも頷けます。
実際、作中でも黒魔術や呪いに本気で恐れおののくロンドン市民の姿が映し出されていましたし。

作中では、今作におけるラスボスとも言えるブラックウッド卿の他に、原作でホームズ最強の敵として立ちはだかることになるモリアーティ教授も登場しています。
ただし、モリアーティ教授は実質声だけの出演に等しく、全身像すらマトモに映し出されない有様でしたが。
モリアーティ教授は、今作の続編である「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」で本格的に登場するようなので、彼とホームズとの戦いが今から楽しみですね。

田中芳樹が携帯電話を変える?

https://twitter.com/adachi_hiro/status/176574007796187136
田中さんに持たせている携帯電話が今年の7月22日で使えなくなるそうで、電話会社から機種変更の案内が来てる。いまは、いわゆる「らくらくホン」みたいなシンプル一辺倒のヤツを渡しているんだけど、さて、次はどうしようか。いきなりandroidというのも面白そうだが。

冗談抜きで面白そうなので、本気でアンドロイドを渡してみたらどうですか?
案外、銀英伝でテレビのリモコンを毛嫌いしていたヤンがリモコンを気に入ったようなことが起きるかもしれませんし(苦笑)。

そもそも、この情報化社会の時代に何故田中芳樹がデジタル系の機器を必死こいて忌避しようとするのか、それがそもそも理解に苦しむところなんですよね。
田中芳樹と同年齢またはそれ以上の年齢層ですら、ネットをやっている人間は決して少数派ではなくなっているというのに。
他ならぬ自分の姉でさえネットをやっているのですから、それを見習うことくらい別にやっても問題はないと思うのですが。
しかも、薬師寺シリーズのような現代物小説を書くとなると、今時の若者のライフスタイルとか流行とか、そういったものを避けて通ることは不可能に近いんですよね。
薬師寺シリーズ8巻でやっていたような「現在何が起こっているのかをネットではなく紙新聞から確認する」などという、今となっては完全無欠に非効率かつ時代錯誤な行為を、今度の新刊でも全く改めることなく作中のキャラクターにやらせるつもりなのでしょうかねぇ、田中芳樹は。
ストーリーを破壊しかねない愚劣な時事評論の類は平気で作中にぶち込むくせに。

ところで、社長氏が田中芳樹に新たに渡そうとしている携帯の今現在の第一候補はこれなのだそうです↓

イエデンワ(WX02A)
http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/wx/02a/index.html
ファイル 554-1.jpg

これでもPHS携帯の一種で、設置が容易かつ乾電池でも動くことが売りなのだとか。
大きさは200×195×76(mm)で重量600gとのことですから、携帯としてはかなり大きい部類になってしまいますが。
日常における持ち運びが非常に不便そうですし、こんなのを持たせられたら十中八九、田中芳樹は「置き電話」として使ってしまうのではないかと思えてならないのですけどね(苦笑)。
まあ、これはさすがに社長氏の釣り的なネタ話ではないか、とは思わなくもないのですが、あの田中芳樹相手だとマジの可能性もありえるのが何とも……。

映画「ラスト・ターゲット」感想(DVD観賞)

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映画「ラスト・ターゲット」をレンタルDVDで観賞しました。
日本では2011年に公開されたアメリカ映画で、マーティン・ブースのミステリー小説「暗闇の蝶」を原作とするクライムアクション・ドラマ作品。
劇場公開当時、この映画は熊本では例によって全く上映されておらず、観賞を見送った経緯がありました。
作中には複数の濡れ場シーンや女性が裸になる描写があることから、映画館ではPG-12指定されていました。

物語は、雪に覆われたスウェーデンのダラルナの針葉樹林地帯にひっそりと建っている小さな一軒家が映し出されるところから始まります。
一軒家の中では、やることでもヤッていた後なのか、裸になっている女と服を着ている髭面の男の2人がじゃれあっていました。
やがて夜が明け、2人は外に出て会話を交わしながら散歩を始めます。
2人がしばらく歩いていると、見渡す限りの雪原に人間のものとおぼしき足跡が見つかります。
それを見た男は顔色を変え、女を岩陰まで引っ張り走り始めます。
そして岩陰に隠れた途端に響く銃声。
男は直ちに銃を発砲した人間の所在を確認すると、隠し持っていた拳銃で反撃し、発砲者を始末することに成功します。
発砲者を始末した後、男は女に「警察を呼びに行け!」と命令し、何が何だか分からない状態で女はその命令に従い、男に背を向けて歩き始めます。
すると男は、女の背後から銃を発砲し、女を殺してしまったのでした。
さらに男は、少し離れたところで待機していたらしいもうひとりの襲撃者をも奇襲的に始末します。
男は襲撃者の車を奪いその場を後にし、付け髭を取って一路イタリアのローマへと向かうのでした。

ローマに到着すると、その男ジャックは、組織の連絡役であるパヴェルと接触します。
ジャックから事のあらましを聞いた後、パヴェルは事態の全容が把握されるまでしばらくローマから遠く離れたカステルヴェッキオという町に身を隠すよう指示を下します。
誰とも話さず、ましてや友人も作るな、と忠告した上で。
指示の通りにカステルヴェッキオの町に到着したジャックなのですが、しかし何か気に入らないことでもあったのか、カステルヴェッキオの町を出てそこからさらに先にあるカステル・デル・モンテへと向かうことになります。
しかもその途中で、連絡用にと渡されていたはずの携帯電話をも投げ捨てて。
そしてジャックは、カステル・デル・モンテで小さな部屋を借り、アメリカ人カメラマンのエドワードという仮の身分と偽名を使い、その地で身を落ち着けることになるのですが……。

この映画は、メインストーリーの元となるプロローグに上映時間の大部分を使ってしまっているように思えてなりませんでしたね。
ストーリー前半は「カステル・デル・モンテでの日常生活」というひたすら退屈な描写が延々と続きますし、アクションシーンもほとんどありません。
一般人の日常と違うところと言えば、せいぜい組織から依頼された銃を製造するエピソードくらいですね。
ストーリーが本格的に動き始めるのは、物語開始から何と80分以上も経過した頃で、売春宿で知り合った女と一緒になるために組織から足を洗うと決意することから、ようやく本当の物語が始まるんですよね。
物語後半で若干展開されるアクションシーンも派手さはなく、むしろ静かに淡々と進行していく感じです。
よって、ハリウッド映画的な派手な描写を期待してこの作品を見ても、得られるものはまずありません。
どちらかと言えば、静かな雰囲気とイタリアの田舎町の風景を楽しむための作品、といったところではないかと。

ただ、こういう映画を見ると、全国上映されない映画というのにはそれ相応の理由があるのだなぁ、とは思わずにいられないところですね。
映画の内容がこれでは、仮に全国上映されたとしても興行的に失敗するのは目に見えています。
映画館や配給会社にしてみれば、スクリーン数も限られているわけですし、上映しても売上が見込めない映画よりも、成功する公算が高い映画を導入した方が利益になるのですから、そちらを優先的に注力したいというのが本音でしょう。
東京などのような大都会であれば、それでも客入りはそこそこあるでしょうからまだ利益も出せるかもしれませんが、熊本のような地方ではそれも無理なわけで。
この構図を何とかしないと、映画の地域格差というのはそう簡単になくなることはないでしょうね。
地方在住の人間としては何とも残念なことではあるのですが(T_T)。

映画「ライアーゲーム -再生(REBORN)-」感想

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映画「ライアーゲーム -再生(REBORN)-」観に行ってきました。
甲斐谷忍の同名人気漫画「ライアーゲーム」を原作とするシリーズの続編。
時系列的にはテレビドラマ版「ライアーゲーム」を経た前作映画「ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ」より後の話となります。
今作は一連の「ライアーゲーム」シリーズの続編ではありますが、登場人物の大半が一新されている上、前作までのエピソードもほとんど絡んでこないため、これまでのシリーズ作品を全く知らない人でも問題なく楽しむことができます。
かくいう私自身、「ライアーゲーム」シリーズは原作漫画もテレビドラマ版も前作映画も全て未観賞で、今作が初の観賞作品だったりしますし(^_^;;)。

物語の冒頭では、前作で壊滅状態となったライアーゲーム事務局が謎の復活を遂げ、とある一室で2人の人物が何かのゲームをしている様子が描かれます。
ゲームの当事者のひとりである福永ユウジは、もうひとりの当事者であるヨコヤノリヒコに対し、ゲームで優勢にでも立ったのか、勇ましく勝ち誇った台詞を吐き散らしまくっていました。
ところが、審判によるゲームの判定はヨコヤノリヒコに軍配を上げ、福永ユウジは愕然となり結果が認められない発言を連発します。
結果としてあまりにも無様な敗北者となってしまった福永ユウジは、ライアーゲーム事務局の言いなりになるしかなくなってしまったのでした。

ここで舞台は切り替わり、帝都大学における卒業式のシーンが映し出されます。
今作の主人公のひとりである篠宮優は、帝都大学卒業生代表として答辞を語っていました。
問題なく卒業式も終わり、友人と語らい篠宮優が自宅に帰ってくると、そこには1通の招待状とアタッシュケースが置かれていました。
不審に思ってアタッシュケースを開けてみると、そこには何と現金1億円もの大金が。
さらに招待状にあったDVD映像?には、

「あなたをライアーゲームに招待します。なお、一度招待状を開封した後に拒否した場合は、1億円を返済の上さらに1億円を支払って頂きます」

とのメッセージが。
不気味に思った篠宮優がおそらくは警察に行くために外へ出ようとすると、途端に子供の声で「どこへ行くのですか?」と話しかけられます。
篠宮優の部屋には篠宮優以外誰もいないはずなのに。
驚愕して振り返ると、そこにはすくなくとも外見上は小さな女の子の姿が。
ライアーゲーム事務局に所属しているらしいその子供(公式サイトによると「アリス」という名前らしい)は、淡々とした口調で映像と同じ注意事項を繰り返すとその場を去って行きます。
あまりでオカルティックな事態が連発した上、相手は1億円もの現金を手軽に用意できる組織。
半ば恐慌状態に陥った篠宮優は、そこで帝都大学で心理学を教えていた教授の存在に思い当たり、彼の元を尋ねに卒業した帝都大学へと向かうのでした。
そしてほどなく篠宮優は、帝都大学で生徒達に講義を行っていたその教授に出会うことができたのでした。
その教授の名は秋山深一。
テレビドラマ版および前作映画で活躍し、ライアーゲーム事務局を壊滅に追いやった張本人であり、また今作におけるもうひとりの主人公なのでした。

篠宮優は秋山深一にライアーゲームでの協力を依頼しますが、秋山深一はにべもなく拒絶し、結局彼女はひとりで帝都大学を出ることに。
ひとりで歩いている篠宮優は、やがて目の前に突如現れたトラックに拉致されてしまい、そのままライアーゲームの会場まで連行されてしまうのでした。
一方、篠宮優を拒絶した秋山深一の元にも、冒頭のゲームで事務局の手先となった福永ユウジによって、ライアーゲームの招待状が届けられていました。
篠宮優のことをどこで知ったのか、福永ユウジは彼女をネタに「お前がゲームに参加しないと彼女は負けるぞ」と言い募ります。
秋山深一は全く関心なさ気にその場を去りますが、アリスに成果を問われた福永ユウジは、彼は絶対ゲームに参加するであろうと自信に満ちて返答をするのでした。
果たして秋山深一は、福永ユウジの言う通りにライアーゲームの会場に姿を現すこととなるのでした。
かくして、篠宮優と秋山深一を含めた総計20人による、新たなライアーゲームが始められることとなるのですが……。

今作で行われるライアーゲームの主題は「イス取りゲーム」。
そのルールは、以下のような内容で構成されています↓

・ 参加者20名に対し、イスの数は15。
・ 参加者はまず、ゲーム会場となっている15のイスを探し出す。
・ 制限時間以内にイスを見つけられなかった参加者、およびイスに座っていなかった参加者は失格となる。
・ 回を追う毎にイスの数を減らしていき、最後に残ったイスに座っていた1人が勝者となる。
・ 各イスにはそれぞれ1~15までの番号が割り振られており、どのイスを減らすかは、その回毎に投票で選ばれた親が決めることができる。
・ 回毎の親を決める投票は失格となったプレイヤーも参加することができる。
・ 投票でトップが同点で2人以上いた場合、親決め投票は無効となり、イスを減らすことなく次の回へと進む。
・ 同じイスに2回連続で座ることはできない。ただし、2回連続でなければ同じイスに何度座っても構わない。
・ ゲームの最中に暴力行為を働いた参加者はその場で失格となる。
・ 既に失格した者が暴力行為を働いた場合はマイナス1億円のペナルティーが科せられる。

そして、ゲーム全体の流れとしては以下のようになります↓

1.まずは30分の作戦タイム。この間はイス探しの他、暴力行為以外は自由に何をしても良い。

2.作戦タイム終了後、イスに座った参加者は10分以内に親を決めるための投票を行う場に戻る。

3.10分以内に戻らなかった場合は投票権没収(失格にはならない)。

4.投票所へ集合後、5分間の投票タイムで親を決める投票を行い、参加者の中から親を決定する。

5.投票で選ばれた親がイスの番号を指定し、その番号のイスを減らす。

6.以上の流れを最後の一人になるまで繰り返す。

さらに賞金については以下の通り↓

・ 賞金は総額で20億円。
・ 各参加者には、それぞれの名前が刻んであるメダルが予め20枚配られている。
・ ゲーム終了後、勝ち残った参加者の名前が刻んであるメダル1枚につき1億円で換金される。
優勝者でなくても、優勝者のメダルを持っていれば、それを換金し賞金を受け取ることが可能。

作中でも明示されていますが、このゲームはルール上、ひとりで勝つことはまず不可能です。
同じイスに2回連続で座ることはできないのですし、またイス減らしを決める投票では参加者の数がものを言います。
仮に1人で複数のイスを取得していたとしても、投票で決定した親によってそのイスが消されてしまったら元も子もありません。
そのためこのゲームでは、参加者同士が徒党を組み、互いのイスを交換し合ったり、組織票で親の権利を取得したりするなど、相互連携して行動する必要が出てくるのです。
また親決め投票では失格者も参加することができることから、失格者を自分達の陣営に取り込むことも求められることになります。
失格者を取り込む際にはメダルがものを言います。
つまり、失格者にメダルをあげ、優勝すれば賞金を分け合うという形で失格者を買収することが可能なわけです。
ただ、ここで注意しなければならないのは、優勝者はあくまでもひとりだけであり、その人間の名前が刻まれたメダル以外は全く価値がないので、失格になるであろう人間のメダルをいくら持っていても意味がないということ。
よって、買収される失格者は失格者で、誰が優勝するのか、また誰のメダルが真の価値を持つことになるのかについて見極めなければならないのです。
かくのごとく複雑極まりないルールと環境の下、メダルを使った買収を巡る駆け引きや騙し合いを展開し親決め投票を制することで、参加者は初めて勝利を獲得することができるのです。

作中では、このイス取りゲームの本質に気づいた3人の人物により、それぞれ3つの「国」が作られることになります。
カルト教団の教祖・張本タカシをリーダーとする「張本国」(初期は5人で構成)。
前回のライアーゲームの優勝者である秋山深一を一方的にライバル視している桐生ノブテル率いる「桐生国」(初期は3人で構成)。
そして秋山深一を中心に集まった「秋山国」(初期は4人で構成)。
これに失格となった参加者達も加わり、かくして自陣営のイスを死守する一方、他の2国のイスを減らさんとする3国による3つ巴の知略戦が熾烈を極めることになるわけです。

映画「ライアーゲーム -再生(REBORN)-」は、これまで私が観賞した作品で言うと、映画「デスノート」2部作および映画「カイジ2~人生奪回ゲーム~」などに近いものがありますね。
基本的には人間同士の騙し合いや心理戦が延々と続くことになるわけですし。
上記作品と異なるのは、「2勢力が互いにシノギを削って争っている中で1勢力が様子見をしている」的な3つ巴の構図ならではの展開があることですね。
この間観賞した映画「アンダーワールド 覚醒」では、映画の宣伝から期待していた3つ巴の戦いがほとんど出てこなくてガッカリした経緯があっただけに、今作で展開された3つ巴の戦いは個人的にも嬉しいものがありました(^^)。
主人公格の秋山深一だけでなく、他の2国を率いていた張本タカシと桐生ノブテルによるそれぞれの知略戦も見応えがありましたし。
逆に、最初は全く頼りにならないどころか「邪魔」な様相すら呈していたのは、秋山深一と同格以上の主人公であるはずの篠宮優ですね。
素直に戦いを主導している秋山深一に任せておけば良いのに、自分で自分を勝手に追い込んだ挙句、張本タカシの姦計にハマって「無能な働き者」のごときピエロな愚行をやらかし、結果として自分も含めた「秋山国」の面々を窮地に追い込んでいたのですから。
まあ彼女も後半では秋山深一と共に見事な逆転劇を演じていましたし、その愚行と挫折は同時に彼女を成長させるための原動力にもなったのでしょうけど。
ラストは若干御都合主義的かなと思わなくもありませんでしたが、各参加者毎の人間模様や知略戦は、確かに人気作品になるだけの面白さがありましたね。

ただ、ひとつ疑問だったのは、今回開催されたライアーゲームって、前作でライアーゲーム事務局を壊滅に追い込んだ秋山深一に対する復讐が目的だったらしいんですよね。
作中でも、秋山深一に招待状を渡していた福永ユウジがそんなことを述べていましたし、公式サイトのストーリー紹介でも同様のことが書かれています。
しかし、秋山深一をライアーゲームに参加させると、一体どのようなメカニズムでもって「復讐が達成される」ということになるのか、それがそもそも全く見えてこないんですよね。
一応ライアーゲーム事務局側としては、秋山深一をライアーゲームで敗北させれば復讐は達成されると考えていたようなのですが、ただ「秋山深一を敗北させる」ことを実現するだけであれば、ライアーゲーム事務局にとって方法なんていくらでもあります。
たとえば、イス取りゲームのルールの中に「各参加者は秋山深一とだけは絶対に手を組んではならない。手を組んだ者はその場で失格」みたいな条項を追加するだけでも、秋山深一に挽回不可能なレベルの多大なハンディキャップを背負わせることが可能となります。
また、イス取りゲームのルールが適用されるのはゲームの参加者だけなのですから、ライアーゲーム事務局が外部の人間を使って秋山深一を拘束したりする、といった行為をやっても何の問題もないことになります。
あくまでもライアーゲームのルールを全く変えず、また外部の人間も使わないというのであれば、いっそ秋山深一以外の参加者全員を自分達の息がかかった手駒だけで固めてしまったり金銭を渡したりするなどして、組織的な連携プレイで問答無用に秋山深一ひとりを叩き潰す、みたいな方法を取ることだって可能です。
ゲームの参加者を選定する権利は、あくまでもライアーゲーム事務局にあるのですから簡単なことでしかありません。
もちろん、こんなことを本当にやろうものならゲーム自体が全く成り立たなくなってしまうわけですが、しかしライアーゲームの中におけるライアーゲーム事務局はある種の「神」のごとき絶対的な存在なわけですし、本当に「秋山深一への復讐」が最優先目標なのであれば、こういう選択肢を取らない方がむしろおかしいと言わざるをえないのです。
秋山深一を文字通り殺してしまえば復讐は成就される、というわけでもなさそうですし、自分達が独自に動いてなりふり構わず敗北させる手段に打って出るわけでもない。
作中のようなやり方では、ライアーゲーム事務局の復讐が達成できるか否かはかなり「運任せ」な要素が強いものとならざるをえませんし、確実に勝てる方法を捨ててわざわざ「分の悪い賭け」をしなければならない理由がライアーゲーム事務局にあったのでしょうか?
「個人への復讐」などという利害無視の行為を正当化すらしかねない要素など前面に出さないで、普通に金儲け目的のライアーゲーム開催、という形にした方がまだ良かったのではないかと思うのですけどね。

知略戦や3つ巴の戦いを観たいという方には文句なしにオススメできる作品です。

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