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2012年03月31日の記事は以下のとおりです。

ジェームズ・キャメロン監督が語る「3D映画への熱い思い」の矛盾

映画「タイタニック」3D版の日本公開に合わせて来日したジェームズ・キャメロン監督が「2Dで撮影した名作は3Dに変換するしかない」と3D映画への熱い思いを語っています↓

http://www.cinematoday.jp/page/N0040756
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 超メガヒット大作を3D化した映画『タイタニック 3D』のプロモーションで来日したジェームズ・キャメロン監督が30日、都内で行われた記者会見に出席し、3D映画へのこだわりについて熱く語った。監督の来日は映画『アバター』以来、2年半ぶり。この日は製作のジョン・ランドーも出席した。
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>  会見でキャメロン監督はまず『アバター』での来日後に起きた東日本大震災に触れ、「多大な被害にお見舞いを申し上げたい。そして、その後の日本人の強さと、見事に立ち直ったことに敬意を表したい」とコメントした。
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>  次いで、オリジナルの発表から15年後に改めて『タイタニック』を3D化することの意義を説明。タイタニック号の悲劇から100年ということもあり、「タイタニックの事件に再び注目を集めたいと思った」と明かすと、
3D化については「2Dで撮影した名作は3Dに変換するしかない」とフィルム・メーカーとして自身の考えを展開した。
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>  
「わたしは3Dが好きだ。3Dになると、俳優の演技がよく見え、観る側により臨場感を与えることができる。今回も3D化したことで、本作のドラマ性をより高めることができた」と熱弁を振るうとともに、60週間の変換作業には計300人ものスタッフがかかわり、費用にして1,800万ドル(約14億4,000万円・1ドル80円計算)が掛かったことを明かした。
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>  オリジナル映像の全フレームを改めてチェックするなど、完ぺき主義者として知られるキャメロン監督のこだわりが随所に見られる本作。今後の予定について、キャメロン監督は代表作『ターミネーター』などの3D化についても「やる気はある!」と断言。3D映画の可能性を追求するキャメロン監督の姿勢が印象に残る会見となった。(福住佐知子)

しかしジェームズ・キャメロン監督は以前、「2Dで撮影した映画を3Dで公開するなど、まったくの無意味」とも語っていたのではないのでしょうか?

http://www.cinematoday.jp/page/N0025070
>  後処理で3Dにした映画を観ると、往々にして画像が暗く、鮮明な立体感にも欠けるという違いが表れます。ちなみに日本でも大ヒットしたティム・バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』も後処理で3Dにしたものです。後処理決定を下したバートン監督に対して、『アバター』のキャメロン監督は、「2Dで撮影した映画を3Dで公開するなど、まったくの無意味」と公の場で厳しく批判し、話題になりました。

映画「タイタニック」の3D版を試写会で観賞した限り、ジェームズ・キャメロン監督がかつて主張した「2Dで撮影した映画を3Dで公開するなど、まったくの無意味」の方に理があるとしか思えず、「2Dで撮影した名作は3Dに変換するしかない」とはとても言えたものではないのですけど、ジェームズ・キャメロン監督はいつから趣旨換えしたというのでしょうか?
今の主張がジェームズ・キャメロン監督の本心だというのであれば、すくなくとも自身が以前批判したティム・バートン監督には「あの批判は完全に間違っていた」という謝罪の一言くらいはあって然るべきではないのかと。
これではティム・バートン監督は、いい面の皮としか言いようがありませんね(T_T)。

それに、旧作映画の3D版が劇場公開されると、有限である映画館のスクリーンがその分取られてしまい、結果として本来観賞できるはずの新作映画が上映されなくなるという問題もあります。
現状でさえ、地方の映画館では、都会で上映される作品数の半分以下、下手すれば3分の1以下の映画本数しか上映されないという地域格差の問題があるのに、旧作3D映画の台頭はその傾向をさらに悪化させかねません。
しかも旧作映画は既にレンタルDVDなどでも観賞可能であり、「どの媒体よりも先んじて観賞できる」という元来映画が持つ強力な売りのひとつが存在せず、かつ現状の3D映像では「観賞費用が無駄に高いだけ」にしかなっていないわけです。
旧作映画のファンでさえ、映画館まで行く手間と映画料金の高さを鑑みれば「レンタルDVDで充分」と考える人は決して少なくないでしょう。

「スターウォーズ」や「タイタニック」に限らず、旧作3D映画が下手に大ヒットでもした日には、新作を製作する意欲が映画制作者達から失われてしまい、それが旧作3D映画の乱造という形になってますます新作が上映されなくなり製作も至難となり、さらにそれが映画制作者達の……という負のスパイラルまでもが発生しかねず、最悪、映画産業衰退の引き金を引いてしまうことにもなりかねません。
何しろ、映画の製作工程という観点から見れば、1から映画を製作するよりも3D化する【だけ】の方がはるかに容易かつ費用も抑制できることは間違いないのですから。
旧作3D映画が一時の泡沫の流行で終わってくれることを、映画ファンのひとりとしては心から願わずにはいられませんね。

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