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2012年04月10日の記事は以下のとおりです。

冠婚葬祭に関する全国的な傾向について

読売新聞の冠婚葬祭に関する全国世論調査で、法要・葬式・七五三・結婚式・披露宴など、ほとんど全ての冠婚葬祭で「簡素に行う方が良い」と答える人が9割近くにも達しているのだそうです↓

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080116-907457/news/20120406-OYT1T01326.htm
>  読売新聞社は2月から3月中旬にかけて冠婚葬祭に関する全国世論調査(郵送方式)を実施した。
>
>  冠婚葬祭を簡素に行う方がよいか、盛大に行う方がよいかを個別に聞くと、
「簡素に」との答えは「法要」96%、「葬式」92%、「七五三」86%、「結婚式・披露宴」84%で、いずれも90%前後に達した。
>
>  これらについて、
慣習やしきたりにこだわらなくてよいと思う人の割合は、「結婚式・披露宴」78%、「法要」59%、「葬式」58%、「七五三」54%とすべて半数を超えた。冠婚葬祭をめぐる国民の意識は多様化している。
>
>  自分の葬式を仏教式で行う場合、戒名(法名)が「必要ない」と答えた人は56%で、「必要だ」43%を上回った。年代別でみると、「必要ない」は40歳代で最多の63%となるなど、20~60歳代の各年代で多数だったが、70歳以上だけは「必要だ」54%が「必要ない」44%より多い。

冠婚葬祭の簡素化は、以前にも述べたように「そんなことにカネを使うのがもったいない」「派手にするとコストが高くなる」と考える人が多くなったことと、「人付き合いの煩わしさ」を避けようとする心理も少なからず働いているのが大きく影響しているのでしょうね。
ただでさえこの不況な御時世の中、1回で終わる冠婚葬祭に多大なカネをかけることに「もったいない」「無駄」と考える人が多いのはまず確実でしょう。
そこに加えて、冠婚葬祭を自分で執り行なうともなれば、まず人を集める手間がかかるし、堅苦しい儀式で時間を取られるし、出席者に対していちいち面倒な挨拶か儀礼を強いられるしと、とにかく時間も労力も多大に消費させられるわけです。
近所付き合いが普通に存在した村社会が当たり前だった一昔前ならばいざ知らず、人付き合いが少なくなった昨今の情勢では、冠婚葬祭はむしろ時間もカネも労力も無駄に浪費させられるだけの煩わしいイベント以外の何物でもなくなっています。
人を祝ったり、人の死を悼んだりする行為そのものに偽りはないでしょうが、そのためにわざわざカネを払ってクドクドした儀式を執り行なう必要まではない、というわけです。
まあ現代においても、営業職などでは人付き合いが重要な要素を占めるわけですし、「コネクションを作っておく」という点では冠婚葬祭も決してバカにできるものではないのですが。
ただ、欧米などの冠婚葬祭だと、宗教的な要素が大きなウェイトを占めていますからまだ忌避感情も少ないのでしょうが、日本の場合はひたすら人付き合いがメインですからねぇ。
全体的に見れば人付き合いそのものの必要性がやはり減っているであろう現代では、当然冠婚葬祭の社会的意義もまた減少せざるをえないわけで、その点では意識変化も必然なのではないかとは考えざるをえないところです。

今の調子で進んでいくと、冠婚葬祭もそのうち、役所で必要な事務手続きを行うだけで特に大きな祭典や儀式も行うことなく終了するのが一般的、という時代がやってくるのかもしれませんね。
実際、「結婚はするが結婚式は挙げない」「身内が死んでも葬儀は行わず直葬だけ行う」という手法は一部で既に行われているわけですし。
企業や公的機関、社会的地位のある人や有名人などが主催する冠婚葬祭の場合は、ビジネスの問題もありますからまず無くなることはないでしょうが、一般人の、それも個人的・プライベート的なものになると、ことさら冠婚葬祭を行わなければならない理由自体がないですからねぇ。
経済が上向き一般人の所得水準が向上すればもう少し違ってもくるのでしょうが、今の情勢が続くと、冠婚葬祭はどんどん簡素化が進んだ挙句、最後には「省略」されるにまで至るのではないでしょうか。

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