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2012年04月25日の記事は以下のとおりです。

アメリカでは本当に3D映画が受け入れられているのか?

アメリカでは映画ファンの70%以上が2Dよりも3Dの映画を好む、という調査結果が発表されました↓

http://www.cinematoday.jp/page/N0041556
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 大作・話題作が軒並み3D公開されている現在、アメリカでは映画ファンの70パーセント以上が2Dよりも3D映画を好むという調査結果が発表された。
>
>  
今や3D公開されているのは当たり前であり、今年夏に公開される映画『ダークナイト ライジング』に至っては3D上映を行わないことがニュースになるほどだった。それは裏を返せば、3D映画がいかに観客に浸透しているかという証だろう。
>
>  それをデータとして裏付けるのが、インターナショナル3Dソサエティーと市場調査会社ORCインターナショナルが合同で発表した調査結果。
調査は18歳以上のアメリカ人1,011名を対象に行われ、内52パーセントが過去3年間に3D映画を観たことがあると回答。さらに、その内の71パーセントが2Dよりも3D映画を好むと回答した。
>
>  もともとは2Dカメラで撮影された映像を変換したものも多いため、3D作品に対する不満もよく聞かれる。だが、『アバター』を筆頭に、『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』など、3Dカメラで撮影された作品はやはり3D作品でしか味わえない魅力がある。
一定数の観客が3D映画の方を好むと証明された以上、今後も3D映画は製作され続けるに違いない。(編集部・福田麗)

この調査結果は、一見すると確かに3D映画が大衆に受け入れられているかに見える内容ではあります。
しかしこれ、よく読んでみると「映画ファンに3D映画が受け入れられている」とはとても言えない内容が多分に含まれていることが見えてくるんですよね。
まず、この調査結果では、そもそも3D映画を観賞したことのある人自体が全調査対象者数の半分程度しかいないことが分かります。
そして、3D映画が2Dよりも好みであるという人は、その半分程度の観賞経験者のさらに7割程度しかいないという結果が出ているわけです。
つまり、調査対象者1011名の中で、実際に3D映画を2Dよりも好むという人の数は、

1011×0.52×0.71=373.2612

しかいないことになり、全体から見た割合は36.92%となるのです。
3分の1弱しか支持されていないのに、「3D映画が大衆に受け入れられつつある」などと言えるのでしょうか?

それに、3D映画の観賞経験だけをもって「映画ファン」と定義するのもいかがなものかと。
そもそも「2Dか3Dか」というのは必ずしも自分で選択できるものではなく、映画によっては3D以外の選択肢がないことも珍しくありません。
特に、普段は映画を観ない人がごく稀に映画を観るようなケースでは、選択の余地がない3D映画をほとんど自動的に観賞させられる事例も少なくないでしょう。
そうなると、映画は年に1本観に行くかどうかという人でも、件の調査の定義では「この人は映画ファンである」ということにされてしまうわけです。
また逆に、年に何回も映画を観ているものの、料金問題を嫌う等の理由から3D映画を避けている人は、何本映画を観ても「映画ファン」と換算されることがないのです。
これでは「映画ファン」の定義自体がおかしいと言わざるをえませんし、また映画館で映画をあまり観ない観客を多分に含んでいるであろう中で、確たる根拠と論理でもって「2Dよりも3Dの方が良い」と言える人が果たしてどれだけいるというのか、はなはだ疑問と評さざるをえないでしょう。
件の調査結果は、むしろ逆に3D映画があまり受け入れられていない事実を示すものである、とすら言えてしまうのではないでしょうか?

以前から何度も述べていますが、3D映画は料金問題ひとつ取っても敬遠されるに充分なものがあるはずなんですよね。
3D映画を選択するだけで2Dよりも高い料金が取られるとなれば、ただそれだけでも敬遠されない方が変というものです。
ましてや、3D映画自体の粗製乱造の結果、「どこに2Dとの違いがあるのか理解に苦しむ」的な3D映像がしばしば提供される事実まであるのですからなおのこと。
カネを払うメリットが少ないのにリスクが大き過ぎる、それが今の3D映画の実情なんですよね。

また、これは最近になって私も知ったことなのですが、3D映像というと「=飛び出す」というイメージ【だけ】で語られることが多いのも問題です。
そのイメージが3D映像の良さを宣伝するのに一番インパクトがあり客に理解させやすい、という事情もあるのでしょうが、それが結果として3D映像について誤解をばら撒くことにも繋がっています。
かく言う私自身、つい最近まで「何故ほとんど飛び出すことのない映像などのために余計なカネを払ったり専用メガネをかけたりしなければならないんだ!」と憤っていたクチでしたし(^^;;)。
最近の3D映像は「奥行き感」や「立体感」を重視しているのだそうで、そりゃ「スクリーンから飛び出す」というイメージと実態がまるで違ってくるのも当然です。
しかし、「では奥行き感や立体感というのは、通常の2D映像と比べてどこがどのように異なるのか?」と問われると、その説明は至難を極めるというのが実情だったりするわけで(-_-;;)。
2Dと3Dのスクリーンを両方置いてリアルタイムで直接見比べてさえも、両者の違いは理解しにくいものがあるのではないでしょうか?
TVがアナログから地上波デジタルへ移行する際によく喧伝されていた「画像が綺麗になる」でさえ、その違いが一般的に理解しにくいものがあった上に「何故そんなことのために…」という声が少なくなかったくらいなのですから。
「3D映像=飛び出す」という安易な宣伝を止めると共に、それに代わる宣伝文句&マーケティング戦略を新たに作りだす。
3D映画を一過性の流行で終わらせないようにするためには、その課題を避けて通ることはできないのではないでしょうか?

おかしな調査結果を使って実体のない詐欺のような宣伝などを行うことよりも、料金体系と宣伝戦略の抜本的な見直しに着手する方が、3D映画にとっても有益になると思うのですけどね。

人里に出現したヒグマの射殺に苦情殺到

北海道札幌市で北海道猟友会が射殺したヒグマがニュースで報じられた結果、札幌市役所に「何故ヒグマを殺した!」という苦情電話が相次いだのだそうです。
これを受けて札幌市では、これからはヒグマを殺さず、山に追い返す方法を模索するとのこと↓

http://megalodon.jp/2012-0424-2314-46/www.j-cast.com/2012/04/23130005.html?p=all
>  札幌市の民家近くに2、3歳と思われるオスのヒグマが一頭出現し、北海道猟友会のハンターが猟銃で駆除した。この様子がテレビのニュースで流れたことがきっかけで、札幌市役所には100件を超える電話が入り、その大半は「なぜ殺した!」という苦情だった。
>
>  札幌市役所では、本州に生息するツキノワグマに比べてヒグマは比較にならないほど巨大で凶暴なため駆除してきたが、これからは山に追い返すなど別の対策を検討しなくてはいけない、と頭を抱えている。
>
>  泣きながら訴える女性など100件以上の電話
>
>  駆除されたヒグマは体長が135センチ、体重が120キロほどだった。
2012年4月19日、里に降りてきたことが確認され、翌20日の午前6時ごろには民家から約20メートル離れた林の中にいた。人を怖がる様子はなく、このままでは住宅街に進入する心配があると判断し射殺した。この日、近隣の小学校では子供に親が付き添って登校させる姿が目立った。
>
>  ヒグマが射殺される様子を20日に複数のニュース番組が放送したところ、直後から札幌市役所の電話が鳴り続けた。環境局みどりの推進課だけでこの日60件近くあり、これまでに100件を超えているという。メディアからの問い合わせを除くと全てが苦情で、
>
> 「なんで殺したんだ!」「山に返せばいいだけなのに」
>
> といったものに加え、
>
> 「何も悪いことをしていない若いクマなのに・・・」
>
> と電話口で泣く女性もいたという。
全ての内容を細かく調べてはいないが、苦情は札幌市内からのものではなかったようだ、とみどりの推進課では話している。
>
> 北海道でヒグマを前年度785頭駆除
>
>  みどりの推進課によれば、ヒグマは大きいものになると体長が3メートル、500キロもあり非常に凶暴だ。小熊であったとしても人を恐れない場合はやがて大きな被害をもたらす可能性があるため射殺してきた、という。しかし、
今回のニュース映像がショッキングに受け止められ、苦情が多数寄せられた。これからはすぐに殺したりはせず、山に追い返すにはどうしたらいいのかなどの検討を始めているという。
>
>  北海道警察の調べによれば、2011年度の北海道でのヒグマの捕獲数は785頭で、調査を始めた55年度以降3番目に多い数字となった。目撃数は1240頭だった。
>
>  里に降りてきたクマの捕獲については、ニュースが流れるたびにネットで論争が起こる。以前は「可愛いから熊を殺さないでほしい」という意見も多かったが、今回の札幌に関しては「やむをえない」がネットでは主流になっている。

街中にヒグマが現れ、人に害を及ぼすかもしれないという状況では、ヒグマの射殺もやむをえない正当な行為としか評しようがないでしょう。
北海道は、ヒグマの獣害のために無人となった開拓民達の集落があるほどに、昔からヒグマの害が少なくない地域なのです。
行政側にしてみれば、市民の安全を守る義務があるのですし、ヒグマを放置して万が一にも人に害が及んだとなれば、謝罪だの賠償だのと責任を追及されるのは確実なのですから。
またヒグマは、そこに美味しい獲物や食料があると分かれば、何度追い払ってもまたすぐに同じ場所に繰り返しやってくるという習性を持っていますので、「山に追い返す」という対策は、その場その場の応急措置以上の効果を持ちえないのです。
さらに、何度も同じヒグマの対処を強いられるのでは、そのための手間と費用もかなりのものとならざるをえませんし、それは全て行政側が負担しなければならないのです。
獣害をまき散らす可能性の高いヒグマに対する対処法としては、やはり「その場で撃ち殺す」に勝る選択肢はないわけです。

にもかかわらず、そのヒグマの射殺を「可哀想」「殺すなんて」と非難する人達は、ペットと同じ感覚でヒグマを見ていたりするのでしょうかね?
犬や猫だって、人間側に経済的・社会的な余裕があるからこそ飼っていられるのであって、数が増えすぎたり凶暴化したりして人間に害を及ぼすとなれば、やはり「殺すのもやむなし」という結論に辿りつかざるをえないのですが。
動物愛護の精神も結構なことですが、それもまずは人間の安全と余裕があってこそのものです。
今回の問題は、動物愛護の精神が酷く歪んだ形で噴出したものであると言えるのではないでしょうか。
まあ、苦情を言っている人たちの中には、グリーンピースやシーシェパードのような、環境問題や動物保護問題を「パフォーマンス&金儲けのビジネス」程度にしか考えていない自称環境保護団体のテロ集団に属する輩もいたりはするのでしょうけどね。

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