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2012年05月02日の記事は以下のとおりです。

男性の育児休暇に見られる「男女平等」の歪み

男性が育児休暇を取得することについて消極的な企業が多いそうです。
以下の事例のように、「そんなことは断じて認められないし、それが嫌なら辞めて結構」とまで言い放つ企業経営者もいるのだとか↓

http://megalodon.jp/2012-0425-0800-23/www.j-cast.com/kaisha/2012/04/20129658.html?p=all
>  夫の稼ぎだけで専業主婦の妻と子どもを養っていたのは、昔の上流家庭か高度経済成長期の話。いまはフルタイムで働いても、生活が苦しいという独身者が少なくない。結婚すれば、共稼ぎは当然の選択肢となるだろう。
>
>  ある会社では、
産休中の妻に協力して家事や育児をしようとする男性社員に対し、オーナー社長が「仕事をおろそかにするな」と発言し、社員から猛反発を買っているという。
>
> 同情してくれる同僚もいる。何とか対抗したい
>
> ――従業員90人の中堅製造業の営業で働いています。入社5年目です。今月、待望の長男が産まれ、喜びつつ新しい生活に戸惑っております。妻が産休から早めに復職しないといけない事情もあり、家事や育児に積極的に参加するつもりです。
>
>  最初は育児休業の取得を考えましたが、職場はそんなことを許す雰囲気ではありません。しかし
これまでと同じ働き方では、家庭がおかしくなってしまいます。
>
>  そこで上司に、しばらく終業時刻の1時間前に退社させてほしいと相談しました。上司はしぶしぶ人事に相談したようですが、その途中でオーナー社長の耳に入ってしまいました。
>
>  翌週の朝礼で社長は、全社員を前にこう言い放ちました。
>
>
「最近、仕事をおろそかにして男も育児をしたいと言い出すやつがいるそうだが、うちの会社ではそういうことは絶対に認めない。男は仕事を通じて、家計に貢献するのが一番大事だ。それが嫌なら、辞めてもらって結構だ!」
>
>  実名をあげませんでしたが明らかに私のことと分かり、めまいがしました。何人かの同僚は「社長ってあんな考えだったんだ」「本当にひどいよな」と声をかけてくれました。
>
>  社長は言い出したら聞かない人ですが、こんな筋の通らないことを認めさせるわけにはいきません。いま独身の人を含め、よくない慣習に苦しめられるきっかけになるのも耐えられません。何とか対抗したいのですが、よい方法はないものでしょうか――

企業にしてみれば、せっかくカネを払って雇っている社員のマンパワーを、育児などという直接的利益に全く結びつかないシロモノなどに奪われてしまうのは、到底我慢のできないことなのでしょう。
元々、企業が男女平等を受け入れたのだって、表面的なお題目とは裏腹に、安価で大量供給される労働力を見込んでのことだったのですし。
また実際問題として、乳幼児期の育児に男性が参加しても、むしろ足手纏いになるパターンが多かったりするんですよね。
育児休暇を取って家にいても実際はやることもなくゴロゴロしているだけで、却って育児に追われる女性の負担になっているという事例が少なくなく、そればかりか「育児」を口実に全く関係のない休日を取得したりするケースも少なくないとか。
いくら男女平等が叫ばれる世の中であっても、「男は仕事、女は家庭」という人間の行動原理は、最低でも数千年、下手すれば数万年単位で刻まれていますので、そうそう簡単に変えられるものではありません。
女性の大部分が重労働に向かず、事務などの軽労働を望むのと同様に、男性の大部分は子育て、特に乳幼児の育児には全く向かないのです。
生まれたばかりの乳幼児にとって最も重要なのは「母親との結びつき」であって、父親の役割が生きてくるのはもう少し先のことなのですし。
母親が何らかの理由でいないケースでは男性の育児休暇も必要になってくるかもしれませんが、それ以外で役に立つ制度とは、正直言い難いものがあるのではないかと。
男性と女性の身体的・脳構造的な違いを無視して「男女平等」なるものを推進しようとした結果の、これは小さからざる歪みのひとつなのでしょうね。

そもそも、男性の育児休暇なるものが求められるようになった最大の理由は、まさに女性が家庭の外に出て働くようになったことと無関係ではありえません。
家庭内器具の技術の発達により、家事の負担は昔に比べると大幅に減った感がありますが、子育ての負担だけは昔と全く変わっていません。
乳幼児や幼児は特に「母親との結びつき」を必要不可欠としており、技術の発展ではそれをカバーすることができないためです。
それが男女平等のお題目のひとつである「女性の社会進出」にとって邪魔だったからこそ、その「邪魔な育児」を男性にも担ってもらおう、という動機から始まったのが「男性の育児休暇」だったわけです。
しかし、企業は働き手を失うことを嫌がるし、そもそも男性側も企業の期待に応えざるをえない上に育児に向かないことを承知せざるをえないしで、男性の育児休暇取得は実態に適ったものになっていないんですよね。
その点では、上記記事における「男は仕事を通じて、家計に貢献するのが一番大事」という社長の話にも実は一理あると言えます。
ただ一方では、そもそも男性に育児休暇を取らせざるをえない状況に追い込んだのもまた企業であったりするわけで、部下達にしてみれば「どのツラ下げて…」とは言いたくなる部分も当然あるでしょう。
男性または女性のいずれかが働くだけで家計を維持できる、そういう「昔の社会形態」が再び実現することこそが、この問題を解決する最良の方法ではあるのでしょうが……。

昨今の「男女平等」というスローガンは、かつての共産圏の「平等」と同じく、男女問わず全ての人間を不幸にしているだけでしかないように思えてなりませんね。
「機会の平等」ではなく「結果の平等」を求めてしまっているところも、共産圏の「平等」と全く同じですし。
昨今の歪んだ状況を改善するためには、「そもそも男女平等というのは本当に正しいのか?」と一度疑ってかかる必要があると言えるのではないでしょうか?

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