2012年における映画館の映画観賞事情
gooリサーチの調査で、昨今の映画館における映画観賞の実態が明らかになりました。
それによると、最近の映画は洋画よりも邦画が優勢にあり、その理由としては「好きな俳優が出演しているから」「好きな原作(小説・漫画)の映画で興味があったから」が挙げられているとのこと↓
http://www.cinematoday.jp/page/N0043266
> [シネマトゥデイ映画ニュース] gooリサーチが、5月下旬に全国の10代から70代までの男女3,189名を対象にしてインターネット上でアンケートを実施、「映画館での映画鑑賞」に関する調査結果を発表した。直近1年以内に映画館で映画鑑賞をした人(以下、映画館鑑賞者)は全体の45.3%であるなど、映画館での映画鑑賞の今が明らかになった。
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> 映画館鑑賞者が観た映画ジャンルについては、「邦画のみ観た」が36.0%、「邦画と洋画どちらも観た」が43.2%、「洋画のみ観た」が20.9%。邦画鑑賞が洋画鑑賞を15ポイントも上回るなど、近年の洋画に対する邦画の優勢を象徴している。
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> 洋画よりも邦画を好む理由としては、「好きな俳優が出演しているから」「好きな原作(小説・漫画)の映画で興味があったから」などが挙げられている。原作ものばかりで面白くなくなったといわれることも多い邦画だが、この類いの映画は根強い人気のようで、今後も「原作の映画化」は続きそうだ。
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> 直近1年とその前年の映画館鑑賞本数の変化を見ると、「増えた」が10.3%に対して「減った」が29.9%と、減少が増加の約3倍となった。減った理由としては「観たい映画がなかったから」が37.7%で最も多く、魅力的なコンテンツ不足がユーザーの映画館離れを進めているといえる。
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> いよいよ大作ぞろいの夏が到来するが、この状況を打破できる作品は現れるのだろうか? この夏観たい映画の1位に輝いたのは、22.5%で『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』。海外では大躍進中の『アベンジャーズ』はわずか3.6%にとどまった。ちなみに「年12本以上鑑賞」のヘビーユーザーのみに絞ると、全体では5位だった『ダークナイト ライジング』が48.1%で一番人気となっている。(編集部・市川遥)
昨今の邦画に勢いがあることは、年に何十本も映画を観ることもあって当然知ってはいましたが、それでも一昔前とはやはり隔世の感がありますね。
邦画が最底辺に落ち込んだ1990年代などは、映画の本数も作品の質も集客能力も興行収益も、全てにおいて洋画に大差をつけられ、存在価値すらも消失する寸前にまで至るありさまだったのですから。
個人的にもこの時期の邦画は「ゴミの宝庫」「駄作の代名詞」以外の何物でもなく、映画館どころか、レンタルでの観賞でさえも論外でしたし。
シネコンの台頭や洋画作品の低迷、原作の実写化映画が多く上映されるようになったことなど、邦画の隆盛は色々な要因があるのでしょうが、原因がどんなものであるにせよ、邦画の質の向上と集客増が映画界にとってプラスになることは間違いないでしょう。
直近1年とその前年との比較における映画観賞本数の減少については、「魅力的なコンテンツ不足」などよりも、東日本大震災における被害および「震災自粛」の影響の方が大きいのではないですかね?
アレのせいで、去年の映画全体の年間興行収益自体が一昨年の8割にまで落ち込んだと言われていますし。
この震災の悪影響を如何に払拭するかが、邦画に限らず映画業界全体の今後の動向をも大きく左右することになるのではないかと。
当初は2011年9月の劇場公開を予定していながら、震災自粛の煽りを食らって今年の11月にようやく公開の運びとなった映画「のぼうの城」のような事例が未だにあるくらいですからねぇ(-_-;;)。
昔に比べて洋画が落ち目になっている感がある昨今の映画事情から考えると、コンテンツの数だけで言えばむしろ邦画の方が提供できているようにすら見えるくらいですし。
本来、日本国内限定で劇場公開される予定だった映画「テルマエ・ロマエ」がイタリア全土で上映されることが決定するなど、昔ならば考えられないほどに今の邦画は勢いがあります。
この勢いを維持しつつ、洋画をも凌駕し世界でも通用するレベルの映画ができれば大量に出てくることを期待したいところですね。