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2012年07月の記事は以下のとおりです。

銀英伝2次小説「銀河英雄伝説 異伝、フロル・リシャール」の移転騒動

現在閉鎖騒動が持ち上がっている「にじファン」で、銀英伝二次小説のひとつが「勇み足」をやらかしてしまったようですね。
「銀河英雄伝説 異伝、フロル・リシャール」という二次小説が、「小説家になろう」運営に「らいとすたっふルール2004」を掲げて移転許可申請のメールを送ったところ、メールの返答が来なかったために独断で「小説家になろう」への移転を強行してしまったようで↓

http://megalodon.jp/2012-0711-2232-23/mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/132925/blogkey/496787/
7月5日 最初の問い合わせメール送信
> 送信日時:7月5日(木)
> 件名:にじファン小説から小説家になろうへの移管
> にじファンにおいて、「銀河英雄伝説 異伝、フロル・リシャール」を書いている碧海かせなと申します。
> 銀河英雄伝説においては著者の田中芳樹が所属するらいとすたっふが、「らいとすたっふルール2004」(URL:http://www.wrightstaff.co.jp/free.php?fId=3)として、二次創作を認めています。
> よって
銀河英雄伝説の二次創作については、上記ルールに従っていることを明示している作品において、一律に移管を許可していただけると幸いです。
> 宜しくお願いします。
>
> 碧海かせな

7月10日
> 先日、フロル・リシャールを<小説家になろう>に移行しました。当然、にじファンの閉鎖に伴ったものです。すると、今日運営から「二次創作をなろうに上げんな!」とメールが来ました。5日に問い合わせたメールにはまだ返信もないのに。

7月11日 運営側からのメール
> 先日、小説家になろうにて通常検索を行った際に碧海 かせな様の二次創作作品が結果として表示されてしまうことを確認いたしました。
>
> ▼対象作品
> Nコード:N2211R
> タイトル:銀河英雄伝説 異伝、フロル・リシャール
>
> 運営対応と致しまして当該小説に対し、原作名設定を行わせていただきました。
> それにより小説の掲載は小説家になろうではなく、二次創作専用サイト「にじファン」へ移行となりますので、予めご了承下さい。
>
>
小説家になろうでは運営側が権利者様より掲載許可を得た作品を原作とした二次創作のみ投稿を受け付けております。
>
> 掲載受付開始を行いました作品以外を原作とした二次創作小説の原作名設定の解除はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
>
> 掲載受付を行っております作品は以下のページにて告知を行っておりますのでご確認を頂きますようお願い申し上げます。

正直、運営側の返答がないままに「小説家になろう」への移転を強行してしまった作者氏の行動も全く問題がないわけではないのですが、今の現状では、運営側が掲げているような掲載許可の確認方法は実行不能に近いものがあると言わざるをえないですね。
そもそも、「小説家になろう」の運営が本当にきちんと問い合わせを行っているのか否かすらも、外部からは分からないのですし。
問い合わせを行っているフリをして放置状態にしている、という可能性も、半月弱の猶予期間だけで突然閉鎖を宣言してしまった前科を鑑みれば、充分ありえそうな話に見えてしまいますしねぇ(-_-;;)。
運営側にしてみれば、著作権者から訴訟を起こされるリスクを勘案せざるをえないからこその「自らの確認」ではあるのでしょうけど、下手すれば何千何百もあるであろうエンターテイメント作品の二次創作許可について確認を「自分達だけで」取るというのは、あまりにも現実性がないと言わざるをえません。
しかも、「小説家になろう」自体は企業が運営しているのですから、正面切って問われれば著作権者側も拒否せざるをえない一面もあったりするのですし。
元々二次創作自体、著作権の観点から言えばグレーゾーンな部分も少なくないわけですから。
運営側の掲載許可確認の方針は、どうにも「寝た子を起こす」「パンドラの箱を開ける」的なものにしか見えないのが何とも言えないところで(-_-;;)。
一方では突然「にじファン」の閉鎖を宣言しておきながら、他方では「小説家になろう」で中途半端に二次小説受け入れの表明などを行っている辺り、運営側の方針自体が準備不足かつ一貫性を欠いているように思えてならないですね。
いっそ、「全ての二次小説は全面的に禁止します、著作権者の許可があってもダメ!」というスタンスを明確にしていた方が、変な希望を抱いて「小説家になろう」への移転を進める投稿者もいなくなり、結果的には余計な混乱を招かずに済んだのではないかと思うのですが。

「らいとすたっふルール2004」の存在があることもあり、銀英伝をはじめとする田中作品は「小説家になろう」で二次小説の掲載が許可される作品の有力候補のひとつと目されていたのですが、こんな惨状では、2012年7月20日の「にじファン」閉鎖までに掲載許可が下りる可能性は相当なまでに低いと言わざるをえないですね。
既存の二次創作の文章自体は年内一杯まで「作者のみ閲覧可能」という形で残ると言っても、二次小説の投稿者達にしてみれば、読者に見せることができない二次小説投稿サイトに「保管庫」として以外の意味などないわけで。
かといって、移転先の有力候補とされている他の二次小説投稿サイト、特に「Arcadia」や「シルフェニア」などでは、大量の「にじファン」難民の流入で大混乱を来たしているという話ですし。
やはり、あまりにも突然な閉鎖宣言と短すぎる猶予期間が大きく祟っている、としか評しようがないのではないかと。
「にじファン」が閉鎖されれば、現時点では様子見をしている人達も動かざるをえなくなりますから、ますます混乱が加速するのは必至でしょうし、この一連の騒動、収束するまでにはかなりの時間を要することになりそうですね。

「国民の生活が第一」の「国民」ってどこの国の民?

民主党を離脱した中国人民解放軍野戦軍司令官の小沢一郎が、正式に新党を旗揚げしました。
党名は「国民の生活が第一」。

http://megalodon.jp/2012-0706-2023-07/mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/101342/blogkey/491459/
> 消費税率引き上げ法案に反対して民主党を離れた小沢一郎氏は、新党の「結党議員大会」で、党名を「国民の生活が第一」とすることを発表したうえで、「消費税増税法案を撤回させるべく行動していく」と強調しました。
>
> 新党の「結党議員大会」は、午後6時から、国会近くの憲政記念館で開かれました。
> 新党には、消費税率引き上げ法案に反対し、民主党を離れた小沢一郎氏など、衆参両院の国会議員49人が参加する意向で、11日の大会には、このうち47人が出席しました。
> 大会の冒頭、小沢氏を代表に選任することが拍手で決まりました。
> そして小沢氏は、
新党の党名を「国民の生活が第一」とすることを発表しました。
> このあと小沢氏は党名について、「『国民の生活が第一』は、3年前に『当時の民主党』が歴史的な政権交代を成し遂げた際に、候補者、党員誰もが訴えた理念であり、スローガンだ。私も、ビール箱の上に立って訴えたものだ」と述べました。
> そのうえで小沢氏は、消費税率引き上げ法案などを巡る民主・自民・公明の3党合意について、
「与野党3大政党の合意は、国民から政策の選択肢を奪うことであり、今の民主党は、もはや政権交代当時の民主党ではなくなってしまった。この異常事態にあって、政権交代の原点に立ち返った政策を実現するため、新党を立ち上げた。消費税増税法案を撤回させるべく行動していく」と強調しました。
> そして小沢氏は、新党が掲げる政策について、消費税率引き上げ法案の撤回、東日本大震災の被災地をはじめとする地方の復興、地域主権を確立するための行財政改革、原発に代わる新たなエネルギーの開発に努める「脱原発の方向性」などを掲げていく考えを示しました。
> また「自由な議論を交わすなかで、政策の実現に向けて活動していく」と述べ、国会での法案などの採決で、党所属議員の賛否を拘束する、党議拘束をかけない考えも示しました。
> 大会では、代表代行に、山岡賢次・前国家公安委員長、幹事長に、東祥三・前内閣府副大臣が就任するなどとした役員人事が発表されました。
> また新党の綱領について、
「政権交代で負託された民意に鑑み、『国民の生活が第一』の原則を貫き、日本の政治などの仕組みを一新する」とした上で、「国民が『自立と共生』の理念のもと、国民、地域、国家の主権を確立する」などとすることが承認されました。

この「国民」が、日本ではなく中国その他外国のそれを指すであろうことは一目瞭然ですね(苦笑)。
民主党を主導して政権交代を実現させた親玉のひとりが、この期に及んで「国民の生活が第一」などとほざいても笑止な限りでしかないのですが。
かつて「30日ルール」を踏みにじって習近平の天皇陛下への謁見をゴリ押しするほどに中国への傾倒ぶりと野戦軍司令官ぶりを露にしておきながら、どのツラ下げて「国民の生活が第一」などというスローガンを掲げられるのやら。
いっそ、「中国国民の生活が第一」「中国人民解放軍の動向が第一」という政党名にでもしていた方が、小沢一郎的には却って正直でよろしいのではないのでしょうかねぇ(苦笑)。

中国人民解放軍の尖兵として外患誘致活動に勤しむ小沢一郎閣下の明日は如何に!?

Windows8の一般販売が2012年10月末から開始

Microsoft社が、Windows8の一般向け発売を10月末から開始すると発表しました。
Windows8搭載PCの販売も10月末からスタートするとのこと。

http://ascii.jp/elem/000/000/708/708192/index.html
>   マイクロソフトは、カナダ・トロントで開催している同社のパートナー向けイベント「Worldwide Partner Conference」において、Windows 8の詳細を発表した。
>
>  その中で、Windows 8の製品版となるRTM(Release to Manufacturing)版のリリースを8月第1週にすると確認。また、同時期にSoftware Assuranceに加入しているエンタープライズ顧客への提供を開始するとともに、Windows 8向けのアプリストアである「Windows Store」でのアプリ販売も開始する。
>
>  そして、
一般向けの販売は10月末。Windows 8/Windows RT搭載PCについても同じく10月にスタートする。Windows 8は109の言語で、世界の231のマーケットで利用可能になるとのこと。
>
> 既存ユーザーへのアップグレードは39.99ドル
>  なお、7月2日の情報だが、
既存のWindows XP/Vista/7ユーザー向けに「Windows 8 Pro」へのアップグレードを、39.99ドルでダウンロード提供することについても公開している。
>
>  このアップグレード版Windows 8は「Windows.com」から購入できる。また、「Windows 8 Upgrade Assistant」というツールも用意されており、自分のPCがWindows 8に対応しているかを確認しながら、ダウンロードやインストールが可能。ダウンロードしたイメージは、ユーザー自らDVDに記録するほか、15ドルでバックアップDVDも発送されるとしている。
>
> ウィザード形式でWindows 8へのアップグレードが可能になる
>
>  このアップグレードの提供は2013年1月31日まで。国内での対応は不明だが、100の国と37の言語で提供されるとのことで、日本が含まれていることも当然期待したい。

Windows8の実力が全く未知数ということもあり、Windows7購入に動くなら今のうち、ということになるでしょうか。
既にWindowsXPに取って代わかれるだけの実績と安定性・信頼性を獲得しつつあるWindows7と異なり、2012年10月末発売予定のWindows8の実力は「稼動してみないと分からない」的な不安要素がまだ少なくないんですよね。
下手をすれば、Microsoft社の黒歴史商品と化した感すらあるWindows Vistaの二の舞を演じないとも限らないのですし。
Windows Vistaの全盛時代などは、わざわざOSをWindowsXPにダウングレードしてカネを取られるなどという、誰の得にもならない愚行が平然と横行していたくらいなのですからね。
またそんな不合理な辛酸を味あわされるのは勘弁願いたいところで(-_-;;)。

今Windows7のパソコンを購入すると、Windows8のアップグレードサービスが安く提供されるとのことなので、パソコンの買い替えは9月~10月頃がオススメかもしれませんね。
この時期に最新のパソコンを購入すれば、ひとまずは安定のWindows7を保持しつつ、Windows8の評価や動向を見ていつでもに鞍替えすることも可能になるわけですし。
逆にこの時期を逃がすと、今度は評価の如何に関わらずWindows8搭載のパソコンを半ば強制的かつ自動的に購入させられることになり、特にWindows8の評価が芳しくない場合は、それこそ往時のWindows Vista→WindowsXPダウングレードの愚行を再び演じさせられる羽目になってしまいます。
この手の最新システムには、互換性や安定性・信頼性など、性能面以外で常に問題が付きまとうものですからねぇ。
何の保証もなくWindows Vistaを慌てて導入し不具合の連発に悩まされるなどという、かつて巷で溢れかえった愚行の二の舞は可能な限り避けたいものです。

熊本県PRマスコットキャラクター「くまモン」について

ファイル 684-1.gif

熊本では完全に「県を代表する顔」として定着した感がある、熊本県のPRマスコットキャラクター「くまモン」。
2011年度の「ゆるキャラグランプリ」で1位を獲得して以降は全国的な知名度も高まり、地域密着のアイドル的存在としてもメジャーな存在となりました。
今回はこの「くまモン」について少し。

元々この「くまモン」というのは、2011年3月12日の九州新幹線全線開業へ向けて、中国・関西地方の新幹線沿線地域に対する熊本県の宣伝広報を行う目的から作られたマスコットキャラクターでした。
名称の由来は「熊本の者」を熊本弁で言い換えた「熊本者(くまもともん。熊本弁では「者(もの)」を「もん」と表現する)」から。
「くまモン」の公式設定による誕生日は3月12日となっているのですが、これも九州新幹線全線開業に合わせたものです。
テレビでの露出や、各種団体とのタイアップ&広報活動などにより、熊本県のPRのみならず「くまモン」自体の知名度と人気も高まっていきました。
そして、九州新幹線全線開業を間近に控えた2011年3月7日、熊本県議会の一般質問で、蒲島郁夫熊本県知事は「新幹線の全線開業後も継続して熊本ブランドのPRに『くまモン』を利用していく」ことを表明。
これ以降、「くまモン」の活動は全国に広がり、熊本県の恒久的なPRマスコットキャラクターとしての地位を確立させていくことになるわけです。

熊本県内の土産物屋などに行くと、どこでも必ずと言って良いほどに「くまモン」関係の商品のグッズが置かれている光景を目にします。
「くまモン」は2010年12月24日より、熊本県の許可さえあれば日本国内なら誰でも自由に商品開発・グッズ販売などに利用することが可能となっています。
元々熊本県の全面バックアップの元に宣伝広報を行っていた「くまモン」はそれなりの人気があったこともあり、「くまモン」を自社商品に使用する企業は、熊本を地盤とする会社を中心に400社以上にも上ります。
マスコットキャラクターを使った商品が売れ、売上と知名度が上がることによって、マスコットキャラクター自体もお客の間に浸透していく、という良循環が上手く機能している感じですね。
もっとも、こんなシロモノが出てくるのは少々困り物ではあるのですが↓

http://megalodon.jp/2012-0709-1947-08/www.asahi.com/national/update/0608/SEB201206080015.html
>   熊本県のゆるキャラ「くまモン」にそっくりなデザインのキーホルダーが中国で出回っている。県の上海事務所の職員が街の雑貨店で見つけた。
>
>  
デザインは県に申請すれば無料で使えるが、国外企業は許可されていない。県が出す許可番号もない。体が白いものまで、売られている。
>
>  偽物が出回るのは人気者の証拠だが、県は「くまモンは県民の共有財産。複雑な気持ち」。くまモンは「ルールは守ってほしいモン!」とコメントした。

偽物「くまモン」のキーホルダー
ファイル 684-2.jpg

本当に見境のない国ではありますね、お隣の自称4000年の歴史持ちな人民共和国は(苦笑)。
いつものことながら、「さすがパクリ大国!」と嘲笑うしかないのが何とも言えないところで(-_-;;)。
まあ、こういうのが出てくること自体、「くまモン」がマスコットキャラクターとして成功しているという証ではあるのかもしれませんが。

「くまモン」人気は一体どこまで続くことになるのですかねぇ。

映画「崖っぷちの男」感想

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映画「崖っぷちの男」観に行ってきました。
「アバター」「タイタンの戦い」「タイタンの逆襲」に出演しハリウッドスターの仲間入りを果たしたサム・ワーシントン主演のアクション・サスペンス作品。

アメリカ・ニューヨークにあるルーズヴェルト・ホテル。
ある日、ウォーカーなる男がそのホテルの21階にある「眺めの良い一室」にチェックインの手続きを行いました。
部屋までの案内を行ったルームサービスを遠ざけ、朝食を済ませた男は、開閉式の窓枠を越え、わずか30㎝の縁に立ち、そこから飛び降りる素振りを見せます。
下の路上を歩いていた通行人が男の存在に気づき、ただちに警察に通報。
周囲はたちまちのうちに野次馬と警察がごった返すこととなり、ニューヨークの街は騒然となります。
何故男はこのような公開投身自殺みたいな騒動を引き起こしたのか?
その原因は、事件から遡ること1ヶ月前にありました……。

ホテルにチェックインする際に名乗った「ウォーカー」という名前は実は偽名で、今作の主人公である彼の正体は、ニック・キャシディという名のニューヨーク市警の元警察官。
彼は、デイヴィット・イングライダーという実業家兼ダイヤモンド王から、時価4000万ドルにも上るダイヤモンドを盗んだ罪で逮捕され、懲役25年の実刑判決を受けて投獄されていたのでした。
しかし彼は、自身の罪が全くの濡れ衣であり、自分の無実を晴らすことを決意します。
おりしも、彼の父親フランク・キャシディの寿命がもう長くないとの連絡が刑務所にもたらされ、ニックはかつての警官時代の相棒だったマイク・アッカーマンの好意によって、監視付きながら葬儀の出席を許可されます。
そしてニックは父親の葬儀の席上、突如弟ジョーイ・キャシディと殴り合いの喧嘩をやらかしたかと思うと、制止に入った警官のひとりから拳銃を奪い、自身にかけられた手錠を外させて車を奪い、その場から逃走を始めたのです。
警察側も慌てて追っ手を差し向けるのですが、ニックの方が一枚上手だったようで、ニックは列車を利用して追跡者の手から逃れ行方を晦まします。
そして彼は、プレハブ?のアジトらしき場所で荷物をまとめ、ルーズヴェルト・ホテルへと向かったのでした……。

ニックの自殺と、それに伴う通行人の犠牲者が出ることを避けるために、ニューヨーク市警が周囲の道路を封鎖する中、ニューヨーク市警の交渉人ジャック・ドハーティがニックの自殺を思い止まらせるべく交渉に当たります。
ところがニックはそれに対し、リディア・マーサーという名の女性交渉人としか話すつもりはない、30分以内に彼女を呼んでこなければここから飛び降りると明言します。
リディアは1ヶ月前、ニューヨークにあるブルックリン橋から投身自殺をしようとする警官との交渉に当たったものの、説得に失敗して警官の生命を救うことができなかったことに深い傷を負っていました。
しかし、今更選択の余地のないニューヨーク市警は、眠りこけていたリディアを電話で叩き起こし、ただちにルーズヴェルト・ホテルの現場へ急行し交渉の任に当たるよう指示することになります。
新たな交渉人としての任を受けたリディアは、ニックを相手に丁々発止の駆け引きじみた交渉を開始することになるのですが……。

映画「崖っぷちの男」は、上映時間102分の最初から最後まで緊迫したシーンが続きます。
作中で展開される主人公達の言動全てに伏線や意味が含まれており、また最初は何も分からない主人公達の目的や意図が、ストーリーが進むにしたがって少しずつ解明されていく過程の描写はなかなかの面白さです。
実はニックは、自身の冤罪を晴らすために、デイヴィット・イングライダーから盗んだとされるダイヤモンドを必要としていました。
デイヴィット・イングライダーは「ニックからダイヤモンドを盗まれた」と主張しており、そのダイヤが見つからないことから、ダイヤの時価総額である4000万ドルの保険金を保険会社から受け取っていたのです。
しかし、そのダイヤがデイヴィット・イングライダーの元から見つかったとなれば、デイヴィット・イングライダーの主張は覆され、ニックにかけられた冤罪を晴らすことができるのです。
そして、デイヴィット・イングライダーが所持すると思われるダイヤモンドは、ルーズヴェルト・ホテルのちょうど向かいに位置するビルの中にありました。
そのためニックは、一方では投身自殺を装い衆人環視の目をルーズヴェルト・ホテルに向けさせる一方、弟のジョーイ・キャシディと弟の恋人であるアンジーの2人をビルに潜入させ、ダイヤを奪いその所在を明示することで自らの潔白を証明しようとしていたのでした。
この中で一番負担の重い役割を担っていたのは、やはり何といってもニックだったでしょうね。
何しろニックは、一方ではリディアをはじめとする警察達への対応に追われる一方、他方ではジョーイとアンジーのダイヤ奪取のサポートまで行わなければならなかったのですから。
これほどまでの難行を見事にこなしてのけるニックは、一介の警察官にしておくには惜しい人材であると言えます。
すくなくとも、CIAの特殊工作員の類くらいなら充分にやっていけるだけの手腕は確実にあるでしょうね。

個人的にサプライズだったのは、一連のサスペンス劇が実はルーズヴェルト・ホテルにニックが入った時から文字通り始まっていたことがラストに判明することですね。
ニックがホテルの21階の部屋に案内されていた時のルームサービスが何とニックの仲間のひとりであることが物語後半に判明します。
しかもその人物は、序盤で葬儀まで行われていたはずのニックの父親フランク・キャシディであることがラストで明らかにされるのです。
ということは、ニックが脱獄を果たすきっかけとなったあの葬儀の場面からして、実は最初から仕組まれていたことになるわけです。
ニックの無実を晴らすためとは言え、どれだけ遠大な計画を立てていたというのでしょうかね、キャシディ一家は。

サスペンス物が好きな方はもちろんのこと、アクションもある程度は盛り込まれていますので、そちらの方面が好みという方にもオススメできる一品です。

映画「スープ ~生まれ変わりの物語~」感想

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映画「スープ ~生まれ変わりの物語~」観に行ってきました。
森田健のノンフィクション「生まれ変わりの村」をモチーフにし、転生や死生観を前面に押し出しつつ、父と娘の心温まる家族のあり方にスポットを当てた人間ドラマ作品。
今作は、熊本県では熊本市中央区大江にある熊本シネプレックス1箇所のみでの上映だったため、そこまで足を運んでの観賞となりました。

冒頭のシーンでは、ウェデイングドレスに身を包んだひとりの女性が立っている教会?の扉を、花束を抱えたひとりの学生らしき人物が開ける光景が映し出されます。
このシーンは物語終盤の流れと繋がることになるのですが、この時点ではさっさと次の舞台に移ることになります。
次の舞台では、娘のことを気にかける父親と、父親に対し無愛想かつ邪険に振る舞う娘とのすれ違いが描かれます。
何でも、父親こと今作の主人公である渋谷健一は、2年前に妻と離婚して以降、すっかり無気力になってしまい、娘こと渋谷美加との関係も悪化の一途を辿っているのだとか。
その無気力ぶりは仕事にも多大な悪影響を及ぼしており、ついに彼は唯一自分に任されていた仕事を、自分より若い女性社員の綾瀬由美に奪われるという事態に直面してしまいます。
仕事の引き継ぎ?の打ち合わせでも、綾瀬由美に頭ごなしに注意される渋谷健一は、その日ちょうど15歳の誕生日を迎えることになっていた娘のことがとにかく気がかり。
しかし、当の渋谷美加は誕生日当日、友人に唆されて店で万引きを働くという所業をやらかし、店から父親に連絡が行くという事態に直面していたのでした。
娘のために花屋で花束を購入していたところを呼び出された渋谷健一は、店の女主人に対してひたすら平謝りを繰り返し、何とか許しを貰うことに成功します。
しかし、渋谷美加はそのことに感謝するどころか、父親の態度に不満を抱き、昔の離婚話を蒸し返して父親を論難する始末。
娘の無反省よりも離婚話についカッとなってしまった渋谷健一は、無意識の行動だったのか、娘の頬をひっぱたいてしまいます。
渋谷健一は部屋に閉じこもってしまった娘と和解しようとアプローチを行うのですが、娘は全く取り合うことなく、また渋谷健一自身も明日は綾瀬由美との出張が控えていることもあり、出張から帰った後に和解するつもりでその場はあっさりと引き下がるのでした。
まさか、これが父と娘の最期の別れになるとも知らずに……。

翌日。
綾瀬由美と共に出張先の仕事場で仕事の引き継ぎを行った渋谷健一は、一段落した後で別の場所へと向かうべく、信号が青に変わるのを待っていました。
昨日娘を叩いたことのショックが尾を引いていた渋谷健一の愚痴に対し、「そりゃマズいでしょう」と娘の肩を持ちまくる綾瀬由美。
しかし、そんな2人の頭上で天候が突如急変。
そして、突如空を覆った雷雲から発せられた一閃の落雷が、信号待ちをしていた2人を直撃してしまうのでした。
それによって当然意識を失った渋谷健一は、しかし綾瀬由美の声によって目を覚まします。
そこで渋谷健一が見たものは、暗くなった無人の街中で雪が舞う光景でした。
何故かペンギンが街中を歩いていたりしますし(苦笑)。
街の様子に不審を抱いた2人は、劇場らしき建物の中に入り、自分達と同じようにわけが分からないまま集まっている集団を見つけ出します。
何が起こったのか分からない者同士で言い合いが発生するのを見計らったように現れた、赤い服を着た訳知り顔の女性。
彼女は皆を劇場へ導き、そこで説明役の男と鉢合わせます。
そこでその男は、集まっている皆が既に死んでいること、ここが実はあの世であること、そしていずれは転生(生まれ変わり)が行われることを解説するのでした。
しかし渋谷健一は、娘と再会したい一身で、あの世から脱出する方法を模索することを決意するのでした。
自分の死を素直に受け入れた綾瀬由美と半ばなりゆきで一緒に行動しつつ、彼は現世に戻るべく動き回ることになるのですが……。

映画「スープ ~生まれ変わりの物語~」における「あの世」は、一般的にイメージされる「あの世」とはかなり様相が異なっています。
今作の「あの世」はあくまでも「前世の死から来世に生まれ変わるまでの待機所」的なものとなっており、かつ地獄のような阿鼻叫喚の拷問や天国のごとき王道楽土があるわけでもなく、酒場やディスコや焼肉屋があったり、人々が娯楽に興じていたりと、現世と何も変わるところがありません。
現世と違うところがあるのは、世界のあり方ではなく人間の方で、容姿が死んだ当時の頃から不変であることと死なないことくらいなものでしょうか。
この世界から脱出し、生まれ変わるためには、決められた配給所で配給される「スープ」を飲む必要があります。
ただし、この「スープ」を飲んだ者は、現世に生まれ変わることと引き換えに前世の全ての記憶を失うことになります。
現世の人間が前世の記憶を持っていないのはこのためであるというわけです。
また、「スープ」を飲みさえすればただちに転生が行われるというわけでもないようで、「あの世」の人達の中には、「スープ」を飲んでから何年経っても転生が行われないというケースも存在していたりします。
作中の描写を見る限り、この転生の可否というのは「前世での未練」の有無が関わっているのではないかと考えられます。
後述する石田努の母親などは、息子との再会がきっかけとなって消滅していったみたいでしたし。
しかし、今作の主人公である渋谷健一は、あくまでも「父親としての記憶を持った状態で娘と再会する」ということにとにかく拘りました。
そのため、「スープを飲むことなく、かつ現世に記憶を残したまま転生する方法」を、渋谷健一は模索することになるわけです。

また今作では、主人公の取引先の社長として登場する石田努がかなりイイ味を出していますね。
演じる俳優が「遠山の金さん」の松方弘樹ならば、性格設定も言動も遊び人バージョンの「遠山の金さん」そのものでしたし(笑)。
やたらとあの世の遊び場に精通していて、女を連れてディスコで踊り明かしたり、プールで泳ぎ回ったりと、どう見ても「あの世の人生」を謳歌しているようにしか思えないところが何とも言えないところで(苦笑)。
しかし、そんな彼にも「あの世」に留まっている一応の目的はあって、それは8歳の幼い頃に死に別れた母親を探しているというものでした。
そして、渋谷健一と綾瀬由美を連れて立ち寄った焼肉屋で、石田努は死んだ母親と偶然にも再会することになります。
石田努は半年前に65歳で糖尿病によって「あの世」にやってきたとのことだったため、若い母親に年老いた息子が抱きついて「おかあちゃん」と泣き縋るという、何ともシュールな光景が現出することになるわけですが(^_^;;)。
そして再会後に「前世の未練」がなくなったからなのか消滅していった母親を見送った後、彼は(原因不明の現象でスープを飲まず記憶を残したまま)現世に転生することになるのですが、転生後の彼は何と「美崎瞳」という【女】として生を受けることになるんですよね。
同じく「三上直行」として転生した主人公との会話で、「女の身体って大変なことがよく分かった」とか「(初体験は済ませたのかという質問に対して)女の身体の方が気持ち良いからな」とかいった生々しい発言まで披露していましたし。
主人公が転生した後も「共通の事情を知るが故の良き相談役」的な役割を担っていましたし、彼は今作の物語における重要な潤滑油的存在となっていますね。
実際、石田努がいない場面では、見ているだけで暗くなりそうなエピソードが延々と続いていたりしますし。
松方弘樹のファンであれば必見の映画と言えますね。

作中の話で少し疑問に思ったのは、「スープ」を飲んで転生後に記憶を無くした人間の性格がそのままである、という設定ですね。
渋谷健一は転生後に「スープ」を飲んで綾瀬由美の転生した存在「西村千秋」と出会うことになるのですが、彼は「綾瀬由美と性格や言動がよく似ている」という理由から、西村千秋が綾瀬由美の転生であると喝破しています。
しかし、性格と記憶というのは実は極めて密接した関係にあり、「記憶を元に性格が作られる」という要素が多分に含まれているので、記憶を無くした人間の性格が記憶を無くす前の人間と同じであることはまずありえません。
実際、記憶喪失前と後の人間の性格を比べるだけでも、かなり違うところが多々あったりするのですし。
「記憶が無くなる」というのは何も「知識や記録が無くなる」という表層的な事象だけを指すのではなく、それまでの人格・性格・思想、さらにはちょっとしたクセの類に至るまでの一切合財全てを無くすことをも意味しており、すなわちそれは「自分の存在そのものが消える」ことにも繋がるのです。
現実世界の記憶喪失などは、心因性な要因で発症していることが多く、まだ脳内にデータが残っている状態であることも少なくないので、何らかのきっかけで記憶が戻るケースも起こりえるわけですが、作中のような「スープを飲んでの転生」では当然そんなことが発生しえるわけもないのですし。
「スープ」を飲む前の綾瀬由美の言動を見ても、「記憶を無くす=知識や記録が無くなる」程度の認識しか垣間見られず、「自分の存在そのものが消える」とまでは全く考えてもいないところが少々気になるところではあるんですよね。
西村千秋の性格が綾瀬由美のそれと同じだというのであれば、それは西村千秋がこれまで歩んできた人生が綾瀬由美のそれと大同小異なものであったか、もしくは単なる偶然の産物によるものとしか解釈しようがないところなのですが。

一方、作中で「記憶を失う=自分の存在そのものが消える」という認識を正確に抱いているのは、「あの世」で渋谷健一に「記憶を持ったまま転生する裏技」を教えた近藤一ですね。
近藤一は「裏技」を駆使して3回も記憶を保ったまま転生しているのですが、彼は「親しい人間がいない世界に転生して一体何の意味があるんだ」と渋谷健一を止めようとするんですよね。
確かに、前世の記憶を持ったまま生まれ変わった場合、生まれ変わった際の両親を「世話になる&なった人」としてはともかく「実の親」として認めるのは非常に難しいものがありますし、それまでの親友に再会しても全くの赤の他人状態なわけですから、そんな辛酸を舐めてきた彼が転生を否定する心情も分からなくはありません。
いくら苦労して新しい人間関係を作っても、死および転生と同時に全てがリセットされ、しかもその記憶を持ったまま転生し続けるというのは、ある種の人間にとっては地獄よりも辛い人生なのかもしれません。
だからこそ彼は、次は「スープ」を飲んで記憶を消すことで自分の存在をも抹消し、全く新しい人生を生きることを決意したのでしょう。
前世の記憶や知識を保ったまま生まれ変わることができれば何でもできるじゃないか、とは誰もが考えるところですし、作中でもそういう考え方が披露されていたりもするのですが、この「転生の短所または問題点」をも上手く表現しているのが今作の特徴でもありますね。

如何にも地味な映画タイトルと予告編&映画紹介に反して、意外に面白く色々と考えさせられた作品でしたね。
若年層はともかく、中高年層以上には結構イチオシな映画であると言えそうです。

映画「ドライブ・アングリー」感想(DVD観賞)

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映画「ドライブ・アングリー」をレンタルDVDで観賞しました。
日本では2011年8月に劇場公開されたアメリカ映画で、ニコラス・ケイジおよび映画「ラム・ダイアリー」にも出演したアンバー・ハードの2人が主演を担うカーアクション物。
劇場公開当時は映画タイトルの後に「3D」の文字がつくほどに3Dメインの作品だったようですが、DVD観賞では何の意味もないですね(苦笑)。
作中にはセックスシーンや血が飛び散る残虐シーンがあることから、映画館ではR-15指定を受けていました。

物語の冒頭では、3人組の男が何者かの影に怯えながら車で逃げている様子が描かれています。
後ろを振り向いて追手がないことにようやく安堵した3人の前に、まるで嘲笑うかのように出現し道路をふさぐ1台の車。
道をふさがれた3人組の車は吹き飛ばされ、3人組は道をふさいだ車から降りてきた謎の男にとあるカルト教団の教祖ヨナ・キングの所在について尋問された後、情け容赦なく殺されてしまうのでした。
ここで舞台はとあるレストランの日常風景に変わります。
そのレストランでパート?のウェイトレスとして働いていたパイパーは、ニート状態で働きに出ない夫との関係に悩む、気性の激しい女性。
そして物語は、いつものように働いていたパイパーのレストランで冒頭の男が入店したことから動き始めます。
レストランにおける2人の会話は、男がパイパーの車について尋ねたこと以外では特にこれといった要素もなく、あくまでも客とウェイトレスとしての接触に終わります。
しかし、レストランのコック?がセクハラ行為を働いたことに腹を立て逆襲したパイパーは、コックの解雇をちらつかせた脅迫にブチ切れてしまい、その場で「今日限りで辞める」と宣言し店を出て行ってしまいます。
結果として、いつもよりも早く自宅に帰ることになったパイパーは、パイパーが留守であることをいいことに知らない女と不倫セックスに勤しむ夫の姿を目撃することになります。
当然ここでもブチ切れ、夫と不倫女に当たり散らすパイパーでしたが、夫は夫でパイパーの態度に逆ギレ。
ウザいパイパーを半殺しにすべく、物理的なドメスティックバイオレンスを振るいまくります。
そこに現れたのは、レストランでパイパーの車について尋ねてきた冒頭の男でした。
夫を逆に半殺しにした男と、職を失くし夫にも愛想を尽かしたパイパーは、パイパーの車でその場を後にするのでした。
男の名はジョン・ミルトンといい、自分の娘を殺し、娘が生んだ赤子を生贄に捧げんとするカルト教団に復讐をすべく行動しているのだとか。
パイパーは、ジョン・ミルトンに纏わる様々なトラブルに巻き込まれつつ、彼と共に共にカルト教団を追っていくことになるのですが……。

映画「ドライブ・アングリー」は、タイトルを見ても分かるようにカーアクションをメインに物語が展開されていきます。
冒頭のシーンからラストまで車が少なからず登場し、追撃戦や奇襲などで大活躍することになります。
カーアクションのための映画、と言っても過言ではないですね。
また、敵がカルト教団だからというわけではないのでしょうが、主人公も含めた作中の登場人物達にはオカルティックな現象がしばしば発生しています。
たとえば主人公ジョン・ミルトンは、カルト教団のアジトに押し入った際に銃で左目を至近距離で撃たれているにもかかわらず、死ぬことなく意識を取り戻して信者達に逆襲していますし、彼を追う監察官も、橋の上から車もろとも転落しているにもかかわらず、大破した車から平気な顔で出てきたりしています。
この謎については物語の終盤近くで出てくるのですが、実はジョン・ミルトンは既に故人で、死後の世界の地獄にある牢獄から脱獄してわざわざ現世にやってきているんですよね。
そしてFBIに化けている監察官の正体は、彼を地獄へ連れ戻しにきた番人ということになります。
既に死んでいるからこそ、いくら身体に傷を負っても死ぬことができないわけです。
何でもジョン・ミルトンは、地獄で自分の身が痛めつけられることよりも、自分の娘が拷問され殺されていく光景を見ることの方が我慢ならなかったのだとか。
またジョン・ミルトンは、脱獄する際に地獄から「神殺しの銃」を奪い取っており、これがカルト教団の教祖ヨナ・キングを滅ぼすのに必須のアイテムとなります。
本人の主張するところによれば、ヨナ・キングは悪魔と契約していて、生者では彼を殺すことができないのだそうで。
この辺りは、同じニコラス・ケイジ主演の映画「デビルクエスト」にも通じるところがありますね。

少し疑問だったのは、物語の序盤ではジョン・ミルトンを捕まえるために人を操ったり自ら追跡したりして行動を妨害ばかりしていた監察官が、後半になると逆に影ながら間接的に支援する協力者になっている点ですね。
橋の上で「神殺しの銃」を突き付けられてそれまでの考えが変わった、というところなのかもしれませんが、妨害者から協力者になっていく過程が描写されていないため、初めて観た時は「何故?」と戸惑わざるをえなかったところでして。
監察官自身、自分のことについて語るようなタイプの人物(?)ではありませんでしたし。
監察官にしてみれば、どんな手段を使ってでもジョン・ミルトンを捕縛できさえすればそれで良かったのでしょうが、ならば序盤における彼の行動は一体何だったのかと。
警察官達を操ってジョン・ミルトンを襲撃したところで、警察官達の武器ではジョン・ミルトンを殺せないことを、彼は最初から知っていたはずなのですが。
序盤の彼の行動は、結果的にジョン・ミルトンと何の関係もない人間を無駄に死に追いやっただけでしかなかったのではないのかと。

カーアクションと爽快感が得られるストーリーが好きな方には、イチオシの作品となるでしょうか。

「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」の作者氏が連載継続の意向を表明

銀英伝二次創作「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」の作者氏が、どうやら連載継続の意向を表明したようですね↓

http://megalodon.jp/2012-0706-2023-07/mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/101342/blogkey/491459/
> 残念な事ににじファンが消滅する事になりました。
>
自分としてはこの小説をなんとか完結まで持っていきたいと思います。
> 現在なろうの方に移転できるかもしれないので様子を見ているところです。
>
> ただ、なろうでも二、三年後には中止となる可能性も有ると思いますので全く別のサイトで連載を開始するかもしれません。今、その辺りも含めて様子見です。
>
> 色々と温かいメッセージ、感想、ありがとうございました。

正直、「アイデアも枯渇していたし、良い機会だから連載を中止してしまおう」と考える可能性も全くないわけではなかったので、ファン的には朗報と言えるところでしょうか。
ただ、いくら「らいとすたっふルール2004」を遵守しているとは言え、現時点でも「小説家になろう」への移転はかなり難しいのではないかとは思わずにいられないですね。
2012年7月6日時点では、「らいとすたっふ」公式サイドは今回の問題について何も知らないかのような態度を取り続けています。
「にじファン」の読者や二次小説作者、場合によっては運営からも、相当数の連絡が行っているはずなので、今回の問題の所在すら知らないというのはありえないのですが。
ただでさえ二次創作アレルギー的なところがある田中芳樹や「らいとすたっふ」が、「小説家になろう」における二次創作掲載の許可を出すとは考えにくいものがありますし。
それに実際問題、いくら原作側で二次創作に対して寛大なスタンスを表明しているところであっても、下手すれば数十人~百人単位の数で「二次創作の許可」を求められたりしたら、拒絶せざるをえない部分も多々あるのではないかと。
下手すれば、「公式から貰った許可」を錦の御旗のごとく振り回して好き勝手をやらかす二次小説作者が出ないとも限らないのですし。
運営側にしてみれば、訴訟対策の観点から事前に許可が得られたものだけを掲載するようにしたい、というのが正直なところではあるのでしょうが、そんな形で許可を求めるというのは、原作側にも二次創作側にも、何よりも読者にとっても不幸な結果しかもたらさないのではないかと思うのですけどね。

かと言って、「にじファン」以外の二次小説投稿サイトに小説データ諸共移転するというのも、かなり問題な部分はあるでしょうね。
「にじファン」の閉鎖発表以降、これまで「にじファン」で小説を投稿していた作者達の一部が他の二次小説投稿サイトへの移転を進めているのですが、移転先の原住民からは「こっち来るな」の大合唱が頻発しているありさま。
大量投稿に伴うサーバ負荷の増大や、新着情報・ランキングなどの混乱に加え、今年の3月に「にじファン」で一次作品の規制が行われた際にも同じことが起こったことから「にじファン」投稿者に対する心証そのものが悪化していたことが主な原因のようですが。
原住民側にしてみれば、「にじファン」からの【難民流入】は自身の小説掲載にも悪影響を及ぼしかねないわけで、そりゃ「にじファン」に対して拒絶的な反応も抱こうというものです。
またそれに加えて、当の「難民」達自身も「亡命編」におけるヴァレンシュタインのごとき倣岸不遜な態度を移転先で堂々と披露しまくっていることが、その悪感情にさらにガソリンを注ぎ込むような効果を生み出してしまっている状況もあるわけで。
……ひょっとして、「亡命編」のあの辺りの描写は、「にじファン」の今現在の状況を予見して書かれたものだったりするのでしょうかね(苦笑)。
もちろん、「その手の好き勝手を受け入れ側は無条件に受け入れてくれる」という図式は見事に外れてしまっているわけなのですが(爆)。

「にじファン」閉鎖問題はまだまだ混沌とした様相を呈していますが、7月20日の閉鎖までに頻発するであろう騒動の数々は、二次創作本体以上に面白い題材とテーマをウォッチャーに提示してくれそうではありますね。

二次小説投稿サイト「にじファン」が閉鎖を発表

二次小説投稿サイト「にじファン」が、2012年7月20日正午をもって閉鎖すると公式発表しました。
原作者および二次小説投稿者からの問い合わせが殺到し、運営側が対応できないと判断したのが主な理由とのことです↓

http://megalodon.jp/2012-0704-2053-57/nizisosaku.com/nizi/news1/
> いつも小説家になろう・にじファンをご利用いただきまして、ありがとうございます。
>
> この度、
運営上の理由により、二次創作専門投稿サイト「にじファン」のサービス提供を終了させていただくことといたしました。具体的な日程に関しましては以下の通りです。
>
>  ◆サービス終了日時
>  2012年7月20日(金) 12:00(正午)
>
> 2012年3月15日以降、にじファンではサイト内での適切な作品掲載を目指し、規制対応を行ってまいりました。しかしながら、
複数の権利者様より直接のご連絡をいただき、ユーザの方からも権利確認に関する多数のお問い合わせをいただいている現状がございます。
>
> 現在、にじファンには多くの権利者様の関連二次創作の投稿が行われております。
今回の規制理由となります権利問題を解決する為には、それら全ての作品の権利者様に対し、運営より掲載の確認を行わせていただくべきであると考えております。ですが、にじファンの現在の投稿規模では、そういった個別対応を行なうことが現実的ではない状況となっております。
>
> その為、
現在のにじファンのサービス継続を行いますことはユーザの皆様並びに権利者様に対し、さらなる不信とご迷惑を重ねる行為であると判断いたしました。よって、今回のサービス終了を決定いたしました次第です。
>
> にじファンのサービスを開始いたしました2010年8月より約2年の間、当サービスをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
>
> ヒナプロジェクトではご利用の皆様にご満足いただけるサービスの運営・提供に努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
>
>
> ■投稿作品の取り扱いに関して
>
>
ご投稿いただいておりました二次創作小説に関しましては、全作品を公開停止とすることで対応を行なわせていただきます。
>
> 公開停止となりました小説は外部よりの閲覧が不可能となりますが、作者の方はユーザページ内「投稿済み小説一覧」にてデータをご確認いただくことが可能です。
>
>
公開停止となりました小説データに関しましては、2012年中はこれを維持し、2013年1月上旬より、順次削除を行なう予定です。ただし、権利者様からの申し立てがございました場合は、早期の削除を実施する場合がございます。あらかじめご了承ください。
>
>
小説家になろう内での二次創作小説の受け入れに関しましては、別途お知らせとガイドラインを掲載いたしました。二次創作小説の投稿をご検討中の作者の皆様は必ずご確認をいただきますようお願い申し上げます。
>
> サービスの終了にあたり、これまでご利用いただいておりましたユーザの皆様には、多大なるご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。

しかし、下手すれば万の単位にまで届くかもしれない二次小説が半月弱で全て消滅を余儀なくされるというのは、何とも理不尽な話ではありますねぇ。
それらの中には、現在進行形で続いている作品もあれば、既に完結したものや更新が完全に止まった作品もあるのでしょうけど、味噌も糞も一緒に削除というのはちょっと……。
いい機会だからと作品を消す投稿者や他所の投稿サイトへの移転を検討する投稿者、それに「消される前に!」と保存に走る読者と、「にじファン」界隈はこれから半月の間、閉鎖に向けての様々な人間ドラマが展開されることになりそうではありますね。

ところで「にじファン」といえば、我らの偉大なるキチガイ兼狂人にして被害妄想狂患者なエーリッヒ・ヴァレンシュタインさんは一体どうなるのでしょうか?
作者氏は「にじファン」以外に自作のサイトやブログを持ってはいないようですし。
あちらのサイトの感想欄では、「にじファン」と同じ企業が運営する「小説家になろう」への移転説も囁かれているようですが……。
これを機会に区切りをつけて作品執筆を放棄するのか、他所の投稿サイトなり自作のサイト&ブログを作って継続するのか、作者氏の決断が待たれるところです。
とりあえず、「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」の「本編」および「亡命編」については、万が一のことも考えて全ログを保存しておきました。
せっかく複数の考察まで作ったのですから、消えてもらっては困る部分もありますし。
ちなみに、「にじファン」の投稿小説を保存するのには、以下のサイトのダウンロードサービスを使うのが便利です↓

小説家になろう~テキストダウンロード支援~
http://narou.dip.jp/download/

「にじファン」には「エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝」以外にも銀英伝の二次小説が少なからず存在しますから、「らいとすたっふ」側も対応を迫られることになるかもしれませんね。
この手の二次創作に関する規約を定めた「らいとすたっふルール2004」に照らせば、「にじファン」に掲載されている大抵の二次小説はOKだろうとは思うのですが……。
ただ、「らいとすたっふ」や田中芳樹側にしてみれば、銀英伝を含めた二次創作の跳梁跋扈はあまり好ましいものではないでしょうし、いつぞやの銀英伝パチンコ化問題の前例もありますから、ひょっとすると無視黙殺するか、内容の検閲まがいのことをやらかしたりする懸念も全くないとは言えないところで(-_-;;)。
ある程度の著作権料は接収しているにせよ、客にカネを支払わせて公演している舞台版の完全オリジナルストーリーをすら容認する田中芳樹サイドが、無償の二次創作を拒否するというのは、まあ普通はありえないだろうと思いたいところですけど、果たしてどうなることやら。

それにしても、今回の「にじファン」閉鎖騒動は、巨大なSNSやレンタルサイトの脆い部分が一挙に噴出したような感すらありますね。
SNSやレンタルサーバの軒先を借りてのサイト&ブログの運営は、運営側の意向ひとつでいともたやすく危機的状況に直面することにもなりかねない、という事実が、今回誰の目にもはっきり分かる形で明示されてしまったわけです。
これが自分の意思や自己管理でそうなるというのであれば、まだ諦めもつくでしょうが、
そんなものと関係のないところでトラブルが発生するというのでは怒り狂っても不思議なことではありません。
かくいう私自身、ずっと使うつもりだった初代の場外乱闘掲示板やタナウツ本家の4代目掲示板を、自分の意思ではなく運用側のトラブルや閉鎖などで放棄を余儀なくされた過去がありましたし。
つい最近も、顧客から預かった大事なデータをバックアップ諸共消滅させてしまったファーストサーバの事件があったばかりですし、SNSやレンタルサーバ【だけ】に依存するのも正直考えものだろうとは思わずにいられないですね。
まあ、自分でサーバを管理運用してサイトやブログを営むのも、それはそれでカネも手間暇もかかり苦労させられるものではあるのですが。

「ナイトライダーネクスト」のDVD発売&レンタル開始

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アメリカの人気テレビドラマシリーズ「ナイトライダー」の続編となる「ナイトライダーネクスト」のDVD&ブルーレイボックスが発売されたそうですね。
2012年7月3日に前半部の、8月2日に後半部のテレビ放映分が収録されたものが、それぞれ発売されるのだそうで↓

http://www.cinematoday.jp/page/N0043640
>  [シネマトゥデイ映画ニュース] 1980年代に人気を博したテレビドラマ「ナイトライダー」の新シリーズ「ナイトライダー ネクスト」に登場する、人工知能搭載のスペシャルカー「ナイト3000」(キット)が初来日を果たし、3日、東京夢の島マリーナで行われたDVD&ブルーレイ発売記念記者発表会に登場した。
>
>  まだ日本に到着したばかりというキットは、おなじみの声で「皆さん、こんにちは。ナイト3000、通称キットです。ナイトといっても夜ではありません。騎士のナイトです」とまずはダジャレであいさつ。さらに「DVDとブルーレイが1枚でも多く売れるよう、ぜひ宣伝活動のご協力をよろしくお願いします」と来日の目的をよく認識して、作品のPRを欠かさなかった。
>
>  そんなキットが日本で行ってみたい場所はといえば、この日もマリーナからその雄姿が見られた東京スカイツリー。キットによれば「ブルーレイボックスのアウターケースの厚さが2.4センチですから、634メートルの東京スカイツリーまで積み重ねますと、2万6,417枚で高さを超えます。ですから、ブルーレイの売上目標としては2万6,417枚をオススメします」とのことで、瞬時の計算でスーパーマシンぶりを発揮していた。
>
>  またこの日は、ミスFLASH2012の3人(遠野千夏、葉加瀬マイ、小松美咲)が応援に駆け付けたが、キットは「わたしは人間には興味がありません」とすげない反応。しかしここでもすぐに「マイケルがいたら大変です。マイケルは美人が大好きですから」とつなげ、あいにく相棒不在のこの日だったが、パートナーの特徴をよくつかんだ名コンビぶりを見せていた。
>
>  本作は1980年代に人気を博した「ナイトライダー」の新シリーズ。登場するスペシャルカーはナイト2000からナイト3000へパワーアップし、旧シリーズでドライバーだったマイケル・ナイトの息子マイク・トレーサーがナイト3000を操る。(取材・文:長谷川亮)
>
>
海外ドラマ「ナイトライダー ネクスト」DVDとブルーレイボックスは7月3日発売 税込み価格 DVD :2万4,000円、ブルーレイ:2万6,000円) レンタルも同日開始

ちなみに公式サイトはこちら↓

http://knightridernext.com/

以前フジテレビ系列で深夜放映されていた際は「関東限定」などという、都会と地方の地域間格差を象徴するような弊害がくっついている始末でしたからねぇ(-_-;;)。
おかげで、九州在住の私は全く観賞できないという事態に直面する羽目に(T_T)。
一昔前ならともかく、ネットや携帯機器などの情報獲得ツールが著しく発達したこのご時勢にこんなありえない地域間格差があるのも、テレビが衰退する理由のひとつなのではないか、と少々八つ当たり気味ながらも思わずにいられないところなのですけどね(苦笑)。
まあ、この手の地域間格差が存在するのは何もテレビに限ったことではなく、映画やその他の媒体などでも似たような話があったりするのですが。

それはさておき、熊本でもレンタルで観賞することができるのであれば、ナイトライダーファンとしては是非とも観賞したいところですね。
しばらくは慢性的な「貸し出し中」状態が続くでしょうから、ある程度時間が経ってからということにはなりそうですが。

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