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2012年08月の記事は以下のとおりです。

映画「プロメテウス」感想

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映画「プロメテウス」観に行ってきました。
リドリー・スコット監督が制作を手掛けた、人類の起源をテーマとするSF作品。
今作は3D/2D同時上映で劇場公開されていますが、私が観賞したのは2D版となります。
しかし、今作は本来2012年8月24日から公開のはずなのですが、私の行きつけの映画館では土日だけとはいえ、8月4日から延々3週間も先行上映をやっていたりするんですよね。
8月4日は1回上映限定だったにしても、実質的には8月11日からの劇場公開といっても過言ではない状況でしたし。
お盆休みの時期を狙ってのものではあったのでしょうが、それならば最初から8月11日公開にすれば良いのにと、ついつい考えてしまいましたね。
なお作中では、女性の腹から子宮を摘出するなどのスプラッタな描写が披露されていることもあってか、この映画はPG-12指定されています。

映画の冒頭、全体的に白く、かつ毛髪の類が全くないものの、限りなく人間に近い容姿のエイリアンが、黒い液体を飲んで身体に異変をきたしながら大河?へ飛び込み、その身体がDNA単位で分解されていく光景が展開されます。
一旦は破壊された彼のDNAが、水の中で再度DNAとして構築されていき、これが生物(人間?)の起源になったらしきことが描写されています。
しかし、物語全体を通して、この行為に何の意味があったのか、また「何故彼がこのようなことをしたのか?」という理由については全く解明されることなく終わっています。
まあ前者については、「これが人類の起源だったのだ!」的なことが言いたかったのではあるのでしょうが、具体的な明示は全くなされておらず、しかも理由が分からないのでは意味不明な描写もいいところですし。
制作側としては、人類起源の謎を断片的に提示しつつ、次回作に繋げたいという意図でもあったのかもしれませんが、そのため今作単独ではいささか消化不良の感が否めないところではありますね。
そもそも、「今作は本当にシリーズ化するのか?」ということすら現時点では不明なのですし。

そこから時代は現代からさらに進むこと2089年。
考古学者のエリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイの2人は、イギリスのスコットランドにある古代遺跡の壁画を目の当たりにしていました。
そこで描かれている壁画には、これまで見てきた他の古代遺跡と共通する星座が描かれています。
しかし、星座が描かれていた古代遺跡の間には全く交流の記録も形跡も確認されていません。
各古代遺跡の壁画に描かれた星座は、人類の起源の謎を解くカギなのではないかと考えられ、ウェイランド・コーポレーションという巨大企業の下、星座に描かれている星に人類を派遣して探索するという壮大なプロジェクトが始動されました。
未知の惑星へ赴くための宇宙船は「プロメテウス」と名付けられ、エリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイを含む総計17名で構成される調査チームが構成されることになりました。
そして年単位に及ぶ低温睡眠状態の宇宙航行を経て、2093年、彼らは人類の起源とされる星座上の惑星に降り立つことになります。

惑星の大気圏へ降下後、惑星の大気圏内を飛び回りつつ、惑星の調査を進めるプロメテウス号。
惑星上の大気成分は、窒素が7割台後半・酸素が21%と地球のそれにほど近い内容だったものの、一方で毒性の強い気体が3%弱程度あることから、外での活動には防護服&ヘルメットの着用が必須とのこと。
さらに惑星の地表へ近付いていくプロメテウス号は、やがて明らかに人工的に作られた直線の道路と思しき形跡と、ドーム状に見える山を発見します。
ドーム状に見える山は、プロメテウスの分析結果から、内部が空洞であることが判明。
そこに人類の起源の謎を解くカギがあると誰もが判断する中、数人の調査隊がドーム状の山へと向かい、ドームの内部を探索することになるのでした。
それが、誰もが思いもよらぬ結果をもたらすとは知らずに……。

映画「プロメテウス」は、元々1979年に初めて劇場公開された「エイリアン」シリーズの前日譚として制作が進められており、途中で路線変更したという経緯を辿っています。
路線変更した後も「エイリアン」シリーズの影響は色濃く残っており、調査チームがドームに入って以降は、「エイリアン」を髣髴とさせる存在が調査チーム達を次々と殺していきます。
この辺りは、元がホラー系作品であるが故の描写でしょうね。
ただ、変にホラー要素を前面に出し過ぎた結果、「人類の起源の謎を解く」という映画のキャッチフレーズに象徴される、ミステリーとSF冒険アドベンチャー的な要素は大きく損なわれてしまった感が否めないところなのですが。
物語後半なんて、もう「人類の起源」云々は脇に追いやられ、生物兵器という正体が判明した化け物達と、「エンジニア」と呼ばれる人類の元となった存在の悪意に対処するのがすっかりメインになってしまっていましたし。
「人類の起源」について作中で明らかになったのは、

DNA的に見て人類と同じ種と見られる「エンジニア」と呼ばれるひとりの宇宙人が、原始時代の地球に降り立ち、自身の身と引き換えにDNAを地球に放出することで人類を作りだした(何故人類を作りだしたのかについての理由は一切不明)。
しかしその後、今度は地球上の人類を滅ぼそうと生物兵器を作り上げた(ドーム状の山はその生物兵器を保管・散布するための宇宙船の一部。また「何故地球の人類を滅ぼそうと考えたのか?」についても全く不明)
生物兵器を満載した宇宙船は、地球へ向けて出発しようとした際、何らかのトラブルが発生し、「エンジニア」達は作中で覚醒した低温睡眠状態のひとりを除き全て全滅した。

しかし、仮にも「人類の起源」というのであれば、「人類を作った」「人類を滅ぼそうとした」如何なる理由があったのか、ということについても明らかにならないと、正直不完全燃焼もいいところなのではないでしょうかねぇ。
結局、「人類の起源」云々の話は相変わらず謎のヴェールに包まれたままで、17人の調査チームの中でただひとり生き残ったエリザベス・ショウが、「エンジニア」達が残した別の宇宙船を使って再び探求の旅に出る、という形で終わってしまいましたし。
映画「プロメテウス」は既に続編制作が決定しているとのことで、最初から続編制作を前提に制作されてはいたのでしょうが、正直、この出来とこの内容では、続編が待望され実際の制作にGOサインが下りるだけの興行的な成功が収められるのかどうか……。
この映画、当初の予定通りに「エイリアン」シリーズの起源作品として素直に売り込んでいた方が、却って内容的にも合致し面白いものになったのではないかと。

「人類の起源」云々以外で一番印象に残ったのは、たった1日のセックスで妊娠3ヶ月と判明するや否や、プロメテウス号に搭載されていた手術マシーンを使い、自分の腹から胎児の摘出手術を実行してのけたエリザベス・ショウの描写ですね。
いくら麻酔が効いているとは言え、意識のある中で自分の腹がレーザーで切り開かれていき、化け物の胎児が摘出される一部始終を全てその目で直接目の当たりにしていながら、よくまあエリザベス・ショウは発狂しなかったものだと。
アレだけの手術を敢行していながら、その後も全く支障なく動き回れるというのも凄いですが。
手術の際の出血も(現代のそれと比べれば)問題にならないほどの少量だったようですし、この辺りはさすが未来技術、といったところになるでしょうか。

未来技術ならではの小道具については、構造物の中を赤外線?を放ちながら自動で巡回しつつ、プロメテウス号にデータを送信して地図を作り上げていくシステムや3Dホログラフィー的な映像投影技術など、作中でも色々と描写されていました。
その中でも最たる未来技術の結晶は、やはり何と言っても外見上は人間と全く区別がつかないデヴィッドになるでしょうか。
記憶能力はもちろんのこと、自分でものを考えて動くことができ、かつ首がもげても会話を続けることができるデヴィッドは、まさに未来ロボットの鏡と言えるものがありました。
ただ、一方でデヴィッドは、チャーリー・ホロウェイの飲み水に、エリザベス・ショウが妊娠すると共にチャーリー・ホロウェイの死因にもなった、生物兵器の毒を混入させるという行為を行っているのですが、正直これは一体何がしたかったのか理解不能ですね。
人間としての感情がないが故に、そこらの人間を使って人体実験をするつもりだったのかもしれませんが、これをデヴィッドは他の誰かに報告するでもなく自分の独断で行っていますし。
そうかと思えば、物語終盤ではエリザベス・ショウに対して積極的なサポートを行ったりしていますし。
どうにも作中におけるデヴィッドの行動には行き当たりばったりな要素が拭えないのですが、彼は一体、最終的に何がやりたかったのでしょうか?

続編制作が既に決定しているということから考えても、今作は「続編の出来と関連性を見て初めてその真価を発揮する作品」と言えるのではないかと。
逆に今作単独だけで見ても、分からない謎と分かりにくい展開だらけで、正直あまりエンターテイメント的に楽しめる映画とは言い難いですね。

韓国大統領の竹島上陸に纏わる韓国側の二枚舌外交

日本固有の領土である竹島に韓国大統領が上陸した問題で、韓国側は日本の国際司法裁判所への共同付託案を拒否した上、「一顧の価値もない」とまで言い放つ態度を露わにしています。

http://megalodon.jp/2012-0821-1930-08/sankei.jp.msn.com/world/news/120821/kor12082113280001-n1.htm
>  韓国の金星煥外交通商相は21日の国会答弁で、竹島(韓国名・独島)の領有権問題で日本が国際司法裁判所への共同提訴を韓国側に求める方針を固めたことについて「一顧の価値もない」と述べ、拒否する方針を再確認した。
>
>  金氏はまた、
李明博大統領が天皇陛下訪韓に絡み謝罪を求めた発言は、日本政府に公式に伝えたものではないとし、日本政府による抗議は「不当だ」と述べた。抗議には「別の意図があるのではないか」とも述べた。
>
>  韓国内では、李大統領の発言が戦略もなく日本を刺激したとの批判的な声もあり、韓国政府には収拾を模索する動きもあったが、金氏の発言が日本側の新たな反発を招く可能性がある。(共同)

一方的に領土を侵略していながら、日本の天皇陛下に対し謝罪まで要求する韓国も、なかなかに厚顔無恥なイイ性格をしていますね(苦笑)。
もっとも、個人としてはともかく、国家としては逆にそれが当然の態度なのであって、むしろ捏造された事実を元に土下座外交を繰り返した挙句、相手の言われるままに「配慮」を払いまくる日本の弱腰なスタンスの方が、国際社会から見ればはるかに異常なのですが。
外交や国際政治の世界は、「勝てば官軍」「騙される方が悪い」の論理で成り立っている世界なのですから。
まあ、だからと言って日本に侵略してきた上にこれ以上ないほどの外交的非礼をやらかした韓国を、日本が寛大に受け入れなければならない理由などどこにもないのですし、むしろ日本も同等以上の報復を韓国に行い、二度と同じことを繰り返さない抑止力とすべきではあるのですが。
ここで万が一にも日本側が「遺憾の意」程度の穏便措置で終わらせようものならば、韓国どころか中国・北朝鮮・ロシアなどの周辺諸国までもが韓国に倣い、日本の領土を侵犯したりするのは目に見えています。
「あらゆる犠牲を払う事なかれ外交」をやっている余裕など、今の日本にはないのですけどね。

韓国大統領の竹島上陸および天皇陛下への謝罪発言などは、「あの」韓国メディアでさえも必ずしも全面的に礼賛しているわけでもないようです。
どちらかと言えば、政権末期でレームダック(死に体)と化した李明博の最後の悪あがき的なものと評価されていて、如何に反日主義が横行している韓国でも「さすがにやり過ぎ」という声が上がっています。
ただ日本の立場的には、一方では「これ以上対立を煽る措置は取らない」とのたまいながら、他方では相変わらず挑発行為を続ける二枚舌な韓国政府に対し、容赦などする必要は全く認められないですね。
先に手を出したのはそもそも韓国側なのですし、ここで穏便な対処をすれば却って誤ったメッセージを韓国どころか世界に発信することにもなりかねないのですから。
日本は韓国と断交した上で、中国かロシアに韓国を与させる戦略を取るべきでしょう。
まあ、周辺諸国に対する領土的野心を隠そうとしない両国でも、さすがに韓国はいらないかもしれませんが(苦笑)。
「あの国のあの法則」や経済的観点から言っても、韓国と交流などしても百害あって一利なしでしかありません。
韓国に回している数兆円単位の国家予算を日本国内に振り向けられる、というだけでも、その恩恵は計り知れないものになりえるでしょう。
加えて、家電をはじめとする韓国系の安価な商品に日本が押され気味になっている、という事実もあるのですし。
自国の経済を衰退させるために他国を支援する国なんて、日本以外ではありえない話でしょう。
韓国の暴走を奇貨として、日本の世論が「本来あるべき姿」へ回帰してくれることを願ってやみませんね。

映画「アベンジャーズ(3D版)」感想

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映画「アベンジャーズ(3D版)」観に行ってきました。
過去のマーベルコミック作品で実写映画化した「インクレディブル・ハルク」「アイアンマン」「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」の主人公達が一堂に会するアクション映画。
今作に纏わるマーベルヒーロー4作品は全て観賞済みです。
なお、今回より2回目となる1ヶ月フリーパスポートを発動し、これから1ヶ月間、映画が無料で観覧できるようになりました(^^)。
……とは言っても、今作は時間の都合から3D版で観賞せざるをえなかったため、3D料金だけは普通に徴収されてしまったのですが(T_T)。
一応、今回は1ヶ月間で10作品以上の映画を観賞できる時期を狙っての発動となったのですが、果たしてどうなることやら。

映画「アベンジャーズ」のストーリーは、マーベルヒーローの実写映画4作品を全て観賞していることを前提に展開します。
たとえば、作中に登場するロキのエピソードは、映画「マイティ・ソー」で行われた戦いの後日談という形で語られていますし、キャプテン・アメリカも「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」からのストーリーの延長線で登場しています。
4作品全て観賞しないと、作中で展開されるエピソードの意味や繋がりが分からないようになっているんですよね。
まあ、あくまでもアクションがメインの作品なので、先述の4作品を閲覧していなくても今作を楽しむこと自体は充分に可能ではあるでしょうが、作中のエピソードを完全に理解するためには、やはり4作品全てを観賞した上で今作に臨んだ方が良いかと。
ちなみに、作品の時系列は以下のようになっています。

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(終盤以外、1940年代が舞台)

インクレディブル・ハルク

アイアンマン

アイアンマン2

マイティ・ソー(劇中、「スタークから聞いているか?」のセリフ有り)

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー(終盤部分、冷凍睡眠から覚醒)

また、今作に登場する女スパイのブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフは「アイアンマン2」で、弓矢使いのホークアイことクリント・バートンは「マイティ・ソー」で、それぞれ初登場しています。
そして、アベンジャーズ計画の立案者にして秘密組織「S.H.I.E.L.D.」の総指揮官ニック・フューリーも、「アイアンマン」1作目から要所要所で存在感を醸し出しています。
これらの積み重ねを経た上で、今作のストーリーが展開されるわけですね。

物語は、正体不明の地球外生命体が地球への侵攻を臭わせる発言を披露した後、「S.H.I.E.L.D.」のアジトで密かに研究が行われた四次元キューブを、「マイティ・ソー」のラスボスだったロキの襲撃で強奪されてしまうところから始まります。
この四次元キューブというのは、超強力なエネルギー体という共通項から「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」で登場していたコズミック・キューブと同一のものであると考えられるのですが、名前が違うので少々混乱させられますね。
ロキは襲撃の際、ホークアイを自分の傀儡にしており、四次元キューブと共に彼も引き連れて逃走しています。
四次元キューブを奪われた「S.H.I.E.L.D.」では、当然のごとく容易ならざる事態が発生したことを認識、総指揮官ニック・フューリーは、以前に凍結されていた禁断の計画「アベンジャーズ計画」の発動を宣言します。
「アベンジャーズ計画」とは、過去4作品に登場していたヒーロー達を結集し、チームを組ませて強大な敵に対処させるというもの。
ニック・フューリーの命を受け、まずは元ロシア人の女性スパイであるブラック・ウィドウが、カルカッタに潜伏しているハルクことブルース・バナー博士を、次にフィル・コーンソンがアイアンマンことトニー・スタークを、それぞれ「S.H.I.E.L.D.」に連れ出すことに成功します。
一方、キャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャースは、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」のラストの段階で既に「S.H.I.E.L.D.」の保護下に置かれていたのであっさり勧誘終了。
「マイティ・ソー」のラストで遠いアスガルドの地へ帰ってしまったソーについては、「S.H.I.E.L.D.」では勧誘のしようがないため、当面はこの3ヒーローとブラック・ウィドウでロキの行方を追うことになります。

調査の末、「S.H.I.E.L.D.」の面々は、ロキがドイツのシュツットガルドに存在することを確認。
現場へ急行したキャプテン・アメリカとブラック・ウィドウ、そして援軍として到来したアイアンマンの活躍により、ロキはあっさりと捕縛されます。
形勢不利と見るやあっさりと縛についたロキの態度に不審を抱きながらも、一行はブラック・ウィドウが操縦する戦闘機?で「S.H.I.E.L.D.」の空の要塞である空中空母「ヘリキャリア」へと向かうことになります。
ところがその道中、突如稲妻と共に「マイティ・ソー」の主人公ソーが戦闘機の上に出現。
ソーは、危険な四次元キューブの奪取と、何よりも所在が判明したロキをアスガルドの地へ連れ帰るべく、再び地球へと姿を現したのでした。
戦闘機内に侵入したソーは、ロキの身柄を確保するや、その場で戦闘機から落下し姿を消してしまいます。
慌てて2人を追うアイアンマンとキャプテン・アメリカ。
そして、ロキを説得してアスガルドに連れ帰ろうとするソーと、挑発的な性格のトニー・スターク扮するアイアンマンの両名が、まずは対峙することになるのですが……。

映画「アベンジャーズ」に登場するヒーロー達は個性派揃いで、それ故にチームを組んで戦うという手法を苦手としています。
そのため、序盤は全くと言って良いほどに足並みが揃わず、しばしば仲間割れすら起こす始末。
特にトニー・スタークとソーは、元々の出会い方が最悪だった上、互いに好戦的な性格であることも災いして全くそりが合いません。
序盤の両者の対決も、キャプテン・アメリカが止めに入らなかったら、どちらかが死ぬまで延々と勝負し続けていたのではないかと。
あの2人を見ていると、「同族嫌悪」とか「近親憎悪」とか言った言葉がついつい浮かんできてしまったくらいでしたし(苦笑)。
かくのごとく、チームワークというものを全く持たないヒーロー達を戦場で束ねる役は、キャプテン・アメリカが担うことになりました。
彼は元々アメリカ軍に所属していて友軍を支援していた実績もありますし、今時珍しい自己犠牲精神と誠実な性格の持ち主でもありましたし、リーダーとしては誰よりも適役者だったでしょう。
この辺りは、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」の感想記事で予想した通りの展開ではありましたね。
ちなみに、映画「アベンジャーズ」に登場する各ヒーロー達の強さは以下の通りとなります↓

ハルク(ブルース・バナー)
攻撃力:◎ = 全ヒーロー中最強(ロキを一方的にぶちのめす)
防御力:◎ = 全ヒーロー中最強(高度1万メートルから落下しても無傷、敵の集中攻撃にも耐えられるなど)
スピード:◎
遠距離攻撃能力:なし
飛行能力:なし
その他:人間時はそれなりの研究者で理性的だが、ハルク変身時は狂気と衝動のままに行動する。

アイアンマン(トニー・スターク)
攻撃力:○
防御力:○
スピード:◎
遠距離攻撃能力:あり(小型ミサイル、掌から発射されるレーザービームなど)
飛行能力:あり
その他:エネルギー切れの問題があるものの、一番万能で使い勝手の良いヒーロー。

ソー
攻撃力:◎
防御力:○
スピード:○
遠距離攻撃能力:あり(雷を呼ぶ)
飛行能力:あり
その他:体力面ではハルクと同等。遠距離攻撃にエネルギー切れの心配なし、ただし一定の溜めが必要?

キャプテン・アメリカ(スティーヴ・ロジャース)
攻撃力:○
防御力:○(ただし特殊シールドのみ ◎ )
スピード:△
遠距離攻撃能力:あり(シールドを投げる)
飛行能力:なし
その他:筋力が超人的であることとシールド以外はこれといった特徴がなく、他のヒーロー達と比較すると弱い感は否めない。

ブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)
ホークアイ(クリント・バートン)
攻撃力:△
防御力:△
スピード:△
遠距離攻撃能力:あり(銃や弓矢)
飛行能力:なし(ただしブラック・ウィドウが飛行機を操縦可能)
その他:人間としての身体能力は優れているが、作中では基本的にサポート担当。キャプテン・アメリカと一緒に行動していることが多い。

戦闘能力的には一番であろうハルクが基本的にバーサーカー状態で扱いづらく、一方で一番弱いであろうキャプテン・アメリカがリーダーには最も適していることを考えると、まともなチームワークが確立さえすればバランスが取れたチームと言える組み合わせではありますね。

一方、敵陣営の方を見てみると、今作では地球侵略の尖兵的な役割を担っているロキが実質的なラスボスと言って良く、ロキの背後にいる真の敵はまだ前面に出てきておらず正体も完全には明かされていないという感が多々ありますね。
そもそも、ロキが率いていた地球侵略のための兵達も特にこれといった特筆すべき力があったというわけでもなく、ロキの知略による奇襲や数に任せた物量作戦で押し切る的なものが目立っていましたし。
予告編でも登場していた巨大な怪物も、ヒーロー達の攻撃の前に簡単に撃退されてしまっていて見かけ倒しもいいところでした。
四次元キューブの力で開けられたホールから仰々しく出てきた割には、破壊の規模が妙に小規模な感が否めませんでしたし。
あれならば、アメリカ軍が空軍と陸軍を大量投入すればまだ何とか対抗できないこともなかったのではないか、とは思わずにいられなかったですね。
というか、作中ではヒーロー達以外だと警察が拳銃で飛行体と応戦している程度で、軍はいきなり核ミサイルを発射した1機の飛行機以外は全く参戦してすらいませんでしたし。
作中のアメリカ軍は、敵と直接に交戦して壊滅したような様子すらありませんでしたし、彼らはヒーロー達に戦いを丸投げして一体何をしていたというのでしょうか?
あそこでアメリカ軍がヒーロー達と一緒に戦っていれば、ヒーロー達ももっと楽にかつ優位に戦局を進めることもできたはずでしょうに。
ニューヨークというアメリカの一大都市が敵の攻撃を受けているというのに、結果的に戦いすらもしなかったアメリカ軍は、ヒーロー達が賞賛・恐怖されるのに反比例する形で大いに糾弾されて然るべきだったのではないかと思えてならないのですが。

「アベンジャーズ」のエンドロールの最中に出てくる映像を見る限りでは、明らかに続編があることが示唆されていますし、実際、既に続編の制作も決定しているのだとか。
続編たる「アベンジャーズ2」は2015年5月にアメリカで公開予定だそうで、日本の公開も2015年~2016年になりそうな雰囲気です。
さらにその間に「アイアンマン」「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ」単独の続編作品や、マーベルコミック系の新規ヒーロー作品も出てくるようなので、続編はさらに盛り上がることになりそうですね。

あと、今作のエンドロールの最後には、黒幕の描写とはまた別の特典映像がありますので、映画が完全に終わるまで席は立たないでおくことをオススメしておきます。

中国政府の意向を受けた自称活動家達の尖閣諸島上陸問題

先の2012年8月10日の韓国大統領の竹島上陸に続き、終戦記念日の8月15日には、今度は香港の活動家達が尖閣諸島へ上陸する事件が発生しています。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012081590174112.html
>  沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)への上陸を目指していた香港の団体「保釣行動委員会」の抗議船が15日午後、魚釣島に到着し、メンバーら7人が上陸した。沖縄県警は同日夕、入管難民法違反容疑で、男5人を現行犯逮捕。海保も9人を現行犯逮捕した。逮捕者は計14人。逮捕者には、香港の報道関係者も含まれる。

この時期の上陸は明らかに韓国大統領の竹島上陸を見越したものであり、また活動家達を裏からバックアップする中国政府の意図でもあるでしょう。
実際、当の中国政府がこんな談話を発表していますし↓

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120817/chn12081714580004-n1.htm
>  中国外務省の秦剛報道局長は17日、沖縄県・尖閣諸島に上陸し逮捕された香港の活動家らの送還が入管難民法に基づいて行われる方針となったことについて「中国国民に対する日本側のいかなる一方的措置も不法で無効」とする談話を発表した。
>
>  日本の法律適用による行政処分に反発した。局長は「中国政府は日本側の不法逮捕について何度も厳正な申し入れをしている」とした上で「(メンバーが)できるだけ早く安全に帰ってこられるよう手配を進めている」と強調した。(共同)

ただでさえ韓国大統領の竹島上陸で日本国内の世論が沸騰している最中にこんなことをするとは、日本の外交戦略もトコトン舐められたものですね。
まあ、今の民主党政権は、中韓朝相手に三跪九叩頭でもやりたがっているようにしか見えないシロモノなのですし、先の竹島の対応を見ても「これなら大丈夫!」と安心してやってきたであろうことは一目瞭然なわけですが。
韓国の竹島上陸にせよ、中国との尖閣問題にせよ、その本質はどちらも「自国民の政治的な不満を外へ逸らす」ことを目的とした相手国側の政治的な都合によるものでしかありません。
何故日本がそんなものに巻き込まれなければならないのか、はなはだ理解に苦しむものがあります。
相手の意図が分かり切っているのであれば、むしろそれを逆手にとって相手国に痛撃を与えるくらいの政略くらい、構想・実行してもらいたいところなのですが。

韓国大統領の竹島上陸に見る日本の「戦争を招く平和外交」

2012年8月10日に韓国大統領の李明博が竹島上陸を敢行してから、ただでさえ歴史上類を見ない日本の拙劣な外交はいよいよ末期症状を呈するようになっていますね。
事実上の侵略行為と、大統領自ら不法入国の罪を犯した上に他国のこれまた事実上の元首(天皇)を公の場で公然と侮辱する言動を披露するような国に対して、軍事活動どころか経済制裁の選択肢すらも自ら放棄するとは…↓

http://www.hokkoku.co.jp/newspack/seiji2012081301002372.html
>  政府は13日、これまでに韓国と合意した金融協力を変更せず、維持する方針を明らかにした。李明博大統領が竹島に上陸したことで日韓間の緊張が高まっているが、両国経済の相互依存が深まっていることを配慮し、国際的な合意を順守することが関係改善にも重要と判断した。
>
>  日本と韓国は緊急時にドルなど外貨を融通し合う通貨交換(スワップ)協定の大幅拡充や、日本によるウォン建て韓国国債の購入で合意している。
>
>  昨年10月に合意したスワップ協定では、韓国への資金支援枠は従来の5倍以上に増え、総額700億ドル(約5兆5千億円)とした。韓国経済の安定は日本の利益にもつながるためだ。

日韓の貿易依存度で比較すれば、韓国の方が日本のそれを大きく上回っているでしょうに。
日本の輸出・輸入を含めた貿易依存度はせいぜい20%代後半程度しかなく、これは世界的に見てもかなり低い部類に入ります。
それに対し、韓国の貿易依存度は限りなく100%近いとまで言われており、しかも対日本については部品をはじめとする輸入が極めて多い状態です。
日韓通貨スワップが、実質的には日本の韓国に対する経済援助でしかないことも、ほとんど公然の秘密状態なのですし。
直接の軍事力行使は難しいにしても、日韓スワップの凍結や経済援助の全面停止、場合によっては国交断絶など、竹島侵略を行った韓国に対して日本が打てる手はいくらもあるでしょうに。
日本が韓国に対する何らかの経済制裁を検討する素振りを見せただけでも、韓国経済は悲鳴を上げざるをえないところでしょう。
にもかかわらず、これだけ国益を損ない領土を侵犯されながら、何故日本は相も変わらず「穏便な対応」に終始しなければならないのかと。

これまで日本は、過去の自民党政権も含め、河野談話や管談話など、韓国に対する度の過ぎた謝罪・融和政策を繰り返してきました。
しかし、日本がそうした外交を繰り返せば繰り返すほどに、韓国の要求は逆にエスカレートするばかりで、ついには韓国大統領の竹島訪問という事態を招く羽目となったわけです。
「穏便に」「とにかく秩序を乱してはいけない」という、良く言えば平和希求、悪く言えば事なかれ主義の外交を相手に見透かされ、「こいつには何をしても大丈夫だろう」と相手国に却って居丈高な態度を取られてしまっているのです。
第一次世界大戦で極端な平和主義に走り、結果的にナチス・ドイツの台頭を許す羽目になってしまったイギリス・フランスの外交と同様に、「平和主義者の融和政策が相手国の野心を刺激し戦争を誘発する」以外の何物でもないですね、今の日本外交は。

しかも、ここで国が毅然とした対応でもって相手国を非難し、実力行使も辞さない覚悟を示せば、普通の民主主義国家なら支持率の増大が期待できるはずであり、これは「あの」政治パフォーマンス至上主義の民主党ならば、むしろ喜んで飛びつきそうなものであるはずではありませんか。
にもかかわらず連中は、何故かこの手法だけは何が何でも回避しようとしていて、何とも滑稽な限りでしかないのですが。
野田佳彦こと野駄目カンタービレも「政治生命を賭して」消費税増税に邁進できるのならば、同じように「政治生命を賭して」中韓朝その他外国の「侵略行為」に経済制裁&実力行使を示唆するくらいのことをすれば、韓国の大統領と同じく低迷している支持率の向上が見込めるというのに、肝心な時に本当にヘタレきわまりないですね。
まあ、カンタービレは韓国民団に選挙支援をしてもらったなどという経歴の持ち主なわけですし、「親愛なる同志」とすら言える民団に配慮せざるをえなかったのでしょうけど。
ここまで超弱腰外交など展開して国民の支持が得られるとでも思っているのでしょうかね、今の脳足りんな民主党政権は。
2010年の尖閣諸島問題でも、それは身を持って学ばざるをえなかったはずでしょうに。

ところで、最近の韓国の対日外交を見ていると、彼らは「あの国のあの法則」を理解した上で、それを最大限に生かす戦略を構築しているように思えてならないですね。
「あの国のあの法則」の内容は以下の通り↓

あの国のあの法則
http://www.h3.dion.ne.jp/~duke/politics/hosoku1.html

とにかく日本にイチャモンをつけつつ、日本経済に寄生して内部から骨抜きにするという、両立困難な命題を見事達成してしまっている韓国は、まさに「あの国のあの法則」の最優秀プレイヤーとしての名を世界に轟かせていると言えるでしょう(笑)。
あの国の異常なまでの反日思想と、日本に寄生してことある毎に当然のような顔で経済的な支援を要請するスタンスは、普通に考えれば矛盾している意外の何物でもありませんし、韓国内でこの矛盾が一体どのように処理されているのかとは、常日頃から思わずにはいられないところなのですが、「寄生することで『あの国のあの法則』を発動させ、日本の弱体化を促している」というのであれば、彼らの言動にはそれなりの一貫性があることになります。
韓国にとって最大の対日兵器とは、戦闘機でも戦車でもなく「あの国のあの法則」であるというわけです。
となると、日本に寄生している韓国および韓国人達は、皆が皆「あの国のあの法則」を自覚した上で確信犯的にあのキチガイな言動の数々を繰り広げている、ということになるわけですね。
ならば日本が韓国に対して取るべき対処法は、韓国との友好関係を如何にして断ち切り、中国やロシアに与させるか、ということになるのではないかと(苦笑)。
「あの国のあの法則」によって、味方にすればこれ以上ないほどに厄介な存在と化している韓国は、敵に回せば非常に頼もしい国に変貌するのが確実なのですから(爆)。
今回の事件をきっかけに、是非とも韓国とは国交も含めて一切合財断交し、他国に保護責任を擦りつけるという外交戦略を取って欲しいものなのですがね、日本には。
もっとも、中国やロシア、さらにはアメリカでさえも、韓国や朝鮮のごとき「お荷物」を引き取るのは何が何でも拒否するでしょうけど。

映画「トータル・リコール」感想

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映画「トータル・リコール」観に行ってきました。
1990年にアーノルド・シュワルツェネッガー主演で劇場公開された、同名アメリカ映画のリメイク作品。
今作ではコリン・ファレルが主人公を担っています。

リメイク版「トータル・リコール」では、旧作のそれとは世界設定が大きく異なっています。
旧作「トータル・リコール」では、人類が火星に進出し、火星のエネルギーを採取し火星を牛耳っているエネルギー会社との戦いが繰り広げられるのですが、リメイク版の舞台はあくまでも地球。
作中の地球は、21世紀末に勃発した世界大戦で大量の化学兵器が使用された結果、大気中に致死性の猛毒が充満したことでほとんどの地域が居住不能となってしまい、人類はわずか2箇所の居住可能区域に集中して生活するようになっています。
現在のイギリスにあるブリテン諸島を中心に、限られた富裕層が居住するブリテン連邦。
貧民層がひしめき合いながら居住するオーストラリア大陸のコロニー。
この両者を繋ぐ唯一のルートは、地球の内部をくり抜き、核を通して地球の表と裏を繋ぐ「フォール」と呼ばれる地中エレベーター。
この「フォール」は数万単位の人間やロボットすらも運搬できる能力を有しています。
「フォール」の地球の表から裏まで移動する際にかかる所要時間は、だいたい30分~1時間といったところになるでしょうか。
コロニーの労働者の中には、「フォール」に乗ってブリテン連邦まで移動し、そこで単純労働に勤しむ者も数多く存在しました。
今作の主人公であるダグラス・クエイドもまた、すくなくとも作中の序盤ではそんな労働者のひとりとして働いている人間のひとりでした。

ここ最近、ダグラス・クエイドは毎晩おかしな夢を見ることに悩まされていました。
その夢の内容とは、どこかの施設と思しき場所で、全く知らない女性と逃亡する中、追手に撃たれて女性と離れ離れになってしまい、自身は追手達に捕縛されてしまうというもの。
夢から覚めたダグラス・クエイドは、彼の身を案じた妻のローリーとセックスに及ぼうとするものの、直後にローリーが電話で呼び出されてしまい、結局何もすることがないまま、単身「フォール」へと向かうのでした。
ダグラス・クエイドは、シンセティックという治安維持目的のロボット大量生産の仕事に携わっており、真面目な勤務で昇進のチャンスを掴んでいました。
しかし、貧民層のコロニー出身という出自が仇となってしまい、彼の昇進はブリテン連邦出身の対立候補によって見送られてしまうのでした。
やるせない気分になったダグラス・クエイドは、ふと街中で見たリコール社の宣伝を思い出します。
リコール社は、客の都合に応じた都合の良い記憶を植え付けることで、客に疑似体験を楽しませることを生業とする企業。
ダグラス・クエイドの友人兼勤務会社での同僚であるハリーの反対を押し切り、彼はリコール社を訪問。
そしてスタッフに対し、「諜報員として活躍する」という記憶を植え付けることを依頼するのでした。

しかし、いざ記憶を植え付ける作業へ入ろうとした時、突如機械がアラートを発し、スタッフ達は作業を中断。
さらにその直後、今度は大勢の武装警官達がリコール社内へとなだれ込み、リコール社のスタッフ達を撃ち殺してダグラス・クエイドに銃を突きつけてくるではありませんか。
自分が何故銃を突き付けられなければならないのか、混乱に陥るダグラス・クエイドでしたが、今度はその彼自身の身の上に異変が起こります。
なんと彼は、類稀なる戦闘技術を発揮し、複数の武装警官達をその手で壊滅させてしまうのです。
当然、そんな戦闘技術を身につけた覚えもないダグラス・クエイドは、リコール社の惨劇がニュースで大々的に報じられる中、身を隠すように自宅へと戻ることに。
混乱しながらも帰宅したダグラス・クエイドは、妻のローリーに事情を説明。
半信半疑ながらも、とりあえずダグラス・クエイドと抱擁するローリー。
ところが、ここでローリーは突如、ダグラス・クエイドを絞め殺そうとし、2人はそのまま戦闘に突入してしまいます。
そしてローリーは、驚くべきことをダグラス・クエイドに告げるのでした。
自分はダグラス・クエイドの妻ではなく監視役であり、彼の名前も偽名、経歴も全て偽の記録と記憶によってでっち上げられたものであると。
衝撃を受けざるをえなかったダグラス・クエイドは、すっかり恐怖の存在となりおおせてしまったローリーの魔の手から脱出、逃避行を余儀なくされることになるのですが……。

映画「トータル・リコール」では、主人公の妻であるローリー役を、映画「アンダーワールド」シリーズの主演として有名なケイト・ベッキンセールが演じています。
疑問の余地なくその影響なのでしょけど、作中におけるローリーは、ほとんどまんま「アンダーワールド」シリーズの主人公にして女性ヴァンパイアのセリーンそのものです。
アクションシーンはもちろんのこと、黒ずくめの服装を終始身に纏っているところも全く同じで、他の治安部隊達と比べても明らかに浮いていましたし。
明らかに「アンダーワールド」を意識して造形されているのが丸分かりなキャラクターでしたね(苦笑)。
1990年版「トータル・リコール」と異なり、彼女は終盤まで生き残り続けて最後まで主人公達の脅威であり続けます。
ただ、あのラストのダグラス・クエイド襲撃は、正直何がやりたかったのかよく分からないところはありましたね。
あの時点では、ローリーの上司でコロニー侵略の総指揮を担っていたコーヘイゲンは既に死んでいた上、「フォール」も破壊されて侵略の勝敗の帰趨も決していたのですから、彼女がダグラス・クエイドを殺す意味なんて何もなかったも同然だったのですが。
ローリーにとって、コーヘイゲンの命令は、命令権者が死んで状況が激変してさえも何が何でも遂行しなければならないものだったのでしょうか?
ラスボスたるコーヘイゲンが生きていた中で死んだ1990年版のローリーの方については、そんな疑問を抱く必要もなかったのですが……。

また、コーヘイゲンがオーストラリアのコロニーを侵略する意思をアレだけ明確に表明した上、「フォール」を使った侵略経路まで最初から判明していたにもかかわらず、ダグラス・クエイド以外に「フォール」の破壊を意図した人間がコロニー側にいなかったのも少々疑問ではありました。
ブリテン連邦とコロニーを繋ぐ唯一の道である「フォール」を破壊すれば、敵側の侵攻意図を挫き、少なくとも一定の時間を稼ぐことは充分に可能なことは誰の目にも明らかなのですから。
現地のブリテン連邦の治安維持部隊が「フォール」を死守していたような感じもまるでなく、コロニーの住民達はただただパニックに陥って逃げ惑っていただけでしかありませんでしたし。
それ以前に、既に実質的な従属という形でコロニーを支配下に置いているブリテン連邦が、わざわざ数万の大兵力を派遣してコロニー相手に侵略と殺戮を行わなければならない必然性がまるでなかったりするんですよね。
ブリテン連邦が必要としている「コロニーの労働力」にしても、既に「フォール」を介して大量に送られているような状態なのですし、単純労働者が必要なのであれば、それ専用のロボットを大量増産するという方法だって使えるはずでしょう。
あの世界では、治安維持目的のロボットが普通に作れるだけの技術力が既に確立されているのですからなおのこと。
また、ブリテン連邦の土地が少ないからコロニーの土地獲得を目的としているのであれば、元々ブリテン連邦側はあそこまで強権力が行使できるのですから、合法的な経済活動と権力の行使で「フォール」を中心に自分達の居住区域を少しずつ広げていく方が却って効率が良さそうなものなのですが。
ダグラス・クエイドを使ってレジスタンスの壊滅にも成功した後であればなおのこと、彼らに悪のレッテル貼りをすることで、コロニーの住民達に「ブリテン連邦こそが正義」と信じさせることも可能なわけなのですし。
あの時点で、ブリテン連邦がコロニーを、それも力づくで侵略などしなくてはならない理由は何もないはずなのですが。

アクションシーンや演出などでは1990年版に勝りますが、ストーリー設定や説得力などは1990年版の方に軍配が上がる、といったところになるでしょうか。
個人的には、1990年版「トータル・リコール」に「アンダーワールド」的な要素をミックスした作品として楽しんでいましたね、今作は。

著作権者に無断で出版された解説本「『銀河英雄伝説』の謎を楽しむ本」

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ここ数日、実に6年半以上使い続けてきたパソコンを買い替え、その環境構築とデータ移行に没頭しておりました。
数日かけて何とか一通り作業は終わり、後は適時チェックを入れるだけの段階に入れたので、ブログ記事投稿を再開していきたいと思います。
新規パソコンに没頭していた間も色々と世の中は動いていましたし、映画もリメイク版「トータル・リコール」を観賞しには行っていて、感想記事もすぐに書きたかったところではあったのですが(T_T)、まあその辺りについては追々語っていくことに致します。

さて、新規パソコンの環境構築作業が終わり、久々に定番のらいとすたっふ関連サイトの巡回を行ってみたところ、以下のようなツイートが投稿されていました↓

http://twitter.com/adachi_hiro/status/234889129391951872
田中さんから電話があって、「PHP出版から「銀英伝」の本、出した?」と聞かれた。まったく知らなかったので、そう答えたら「この前、本屋で見かけた」と。調べてみたら、本当に出している。まあ、書籍タイトルに著作権はないし、止められるモノでもないけど、もうこの出版社とは付き合わない。>

http://twitter.com/adachi_hiro/status/234890178815225856
<もちろん、徳間や東京創元社以外の会社でも「銀英伝」の本を出して良いです。でも原作者サイドに連絡すらせずに出すというのは、とても理解できないです。>

http://twitter.com/adachi_hiro/status/234902968288292865
<PHP出版が原作者サイドに無断で出した「銀英伝」の解説本。Amazonの書評を読んだらひどく低評価。そりゃそうだよなあ。無断で出している以上、使える材料も限られているわけだし。はっきり言って迷惑だ。PHP出版には、けっこう良いイメージもあったんだけど、こりゃダメだわ。>

ちなみに、問題となっているPHP出版が出したという銀英伝本というのはこういうもののようです↓

『銀河英雄伝説』の謎を楽しむ本
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-80506-1
amazonサイトのページ
http://www.amazon.co.jp/dp/456980506X

公式サイドやamazonレビューで酷評されている様子を見ると、却ってどんなことが書かれているのか、ついつい知りたくなってきてしまいますね(苦笑)。
らいとすたっふ公式ですら存在を認知せず、世間一般でも全く話題にならなかった辺り、その程度の本でしかないであろうことは確実なのでしょうけど。

まあ、小説の中身を丸写ししているだけのような盗作行為ならまだしも、解説本で公式サイドに連絡をする必要があるのか否かは少々微妙なところではありますね。
らいとすたっふに無断で出そうが公認になろうが、出来の良し悪しは作る人間次第なわけなのですし。
コミケその他での田中作品同人本なんて、当然らいとすたっふの許可も得ず無断で出版されカネを取っているところまであるわけなのですが、らいとすたっふ的にそれは問題ではないのかと。
こちらだって、らいとすたっふ公式が定めた「らいとすたっふルール2004」を盛大に踏み倒しているわけなのですが。
それに、田中芳樹御大ですら声を大にして非難していたパチンコにさえ公認を出してのけた「前科」を持つらいとすたっふが、解説本の無断出版に目くじらを立てるというのも滑稽な印象が拭えないところですね。
解説本の出来が悪いのと、らいとすたっふ公式への連絡や許可があるか否かは、全く別の問題でしょうに。

ところで、私は件の本を酷評しているamazonレビューを見て、以下のページの議論で名前が出ていた「奇想天外SF兵器」のネタを連想していました↓

https://www.tanautsu.net/the-best04_03_03_ab.html

基本的な知識が間違っているのと、10番勝負云々が書かれているという辺りが特に。
件の本の具体的な著者名は不明(「銀英伝考察団編著」とありますが)なのですが、ひょっとして同じ人が書いていたりするのでしょうかね、これって。

情報番組「ZIP!」の兄弟犬「ZIPPEI(ジッペイ)」が熱中症で死去

日本テレビ系の朝の情報番組「ZIP!」で人気の兄弟犬「ZIPPEI(ジッペイ)」が、車内熱中症で死亡していたことが判明しました。
飼い主が9匹の犬を連れて車で外出時、停めていた車のエアコンが切れたことが原因なのだそうです↓

http://megalodon.jp/2012-0811-0210-02/sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120810/ent12081011380014-n1.htm
>  日本テレビ系の朝の情報番組「ZIP!」で人気の兄弟犬「ZIPPEI(ジッペイ)」が、車内熱中症で死んでいたことが10日、わかった。日テレが同日放送した同番組内で発表した。
>
>  同局によると、ZIPPEI兄弟の飼い主が9日、兄弟を含む9匹の犬を連れて車で外出。
外出先で日陰の駐車場に車を止め、犬を車内に残して車を離れた。約1時間後に車に戻ったところ、つけたままにしておいたエアコンが停止しており、9匹ともぐったりしていたという。介抱したが、番組に出演していた兄弟を含む7匹が死んだ。
>
>  ZIPPEI兄弟はシベリア原産のスピッツ「サモエド」で、いずれも4歳。同番組が始まった昨年5月から出演し、人気を集めていた。番組制作以外では通常、飼い主のもとで過ごしており、兄は今月7日から、弟は先月21日から、それぞれロケを終えて飼い主に戻されていたという。

真夏の車内に長時間犬を、それも9匹も残すって、この飼い主は犬の管理がまるでなっていないとしか言いようがないですね。
私の実家も室内犬のマルチーズを5匹飼っているのですが、冬ならまだしも、真夏の車に長時間犬を放置なんて思いもよらないのですが。
昨今の「熱い」夏は犬にとっても負担が大きいものであり、この時期は散歩時ですら、熱されたアスファルトで足の肉球を火傷したり、「照り返し」でバテてしまったりすることが珍しくもありません。
そのため、散歩は日中の時間帯を避け、朝か夕方の気温が下がった時間帯に行ったり、靴を履かせたり熱中症対策の水を常に携帯したりといった慎重な配慮が、飼い主には当然求められます。
散歩でさえそうなのに、ましてや蒸し焼きになるのが確実な日中の車内に長時間置いて留守にするなど、自殺行為も甚だしい非常識な扱いだったと言わざるをえないところなのですが。
エアコンが何故停まっていたのかは不明ですが、たとえ過失であるにせよ、飼い主の犬の管理は雑もいいところだったと評さざるをえないでしょう。
飼い主が犬を本当に可愛がっていればいるほど、今回の事件でのショックは大きなものになるのではないかとは思うのですが……。

ところで、私は件の番組は全く見ていなかったのですが、「ZIPPEI(ジッペイ)」という犬には、以前にも「テレビ局からの要請による声帯手術疑惑」というネタで騒がれていたことがあったみたいですね。
日本テレビによれば、手術はあくまでもテレビ出演以前から飼い主が行っていたもので、その目的は近所のクレーム対策だったとのことですが↓

人気犬ジッペイ声帯手術に批判 提供元「出演目的の切除でない」
http://www.j-cast.com/2012/02/03121184.html?p=all

テレビの出演目的から犬に声帯手術を施した、というのであれば論外もいいところですが、近所からのクレーム対策としてのそれは決してありえないことではない、とは私も思わずにはいられないですね。
私の実家の犬達も、声帯手術は受けていないものの、避妊手術ならば施していたりしますし。
実家の犬達の場合は、つがいのマルチーズに1度仔犬を産ませた上で全犬に手術を施す、という経緯を辿っているのですが。
犬の避妊手術は、仔犬が悪戯に産まれて管理が困難になることを事前に防ぐという以外にも、性器関係の犬の病気を事前に予防するという意味合いもあり、人間が犬を飼うための必要悪という一面もあります。
声帯手術なども、犬の鳴き声がうるさく、かついくら躾をしても改善の見込みがなく、近所から苦情が来るような騒ぎにまでなれば、必要に迫られて……という面は確実にあるのではないかと。
実際、私の実家の犬達も、普段は大人しいものの、家に来客や宅配便などが来たり、散歩時に余所の犬と遭遇したりした際には、狂ったように吠えかかったりするものですし。
この辺りは「人間の都合」という要素も絡んでくるので、単純に「悪」と決めつけて断罪できるものではないでしょうね。
もちろん、もし「ZIPPEI(ジッペイ)」がテレビ出演目的で声帯手術を受けていたというのであれば、話の構図はまた違ってくるでしょうけど。

飼い主の杜撰な管理で「ZIPPEI(ジッペイ)」兄弟は死んでしまったわけですが、日本テレビ系列番組の「ZIP!」の今後は一体どうなるのでしょうかね?
番組自体は犬をメインにしたものではないでしょうから、番組消滅まではさすがにいかないでしょうけど、コーナー自体がなくなる可能性は充分に考えられるかと。
ある程度の冷却期間を置いて再び別の犬を「番組の顔」として持ってくる、という可能性もなくはないでしょうが、テレ東系列の「LOVE!○○くんが行く!」シリーズの旅行犬達の病死と違って、こちらは事故死に近いものがありますからねぇ。
下手に復活させても、番組どころかテレビ局のイメージそのものが大幅にダウンするリスクもありますし、コーナーの行方が気になるところではあります。

世紀の大愚行「社会保障と税の一体改革関連法案」が可決成立

デフレ化の日本で増税という愚行を実現する「社会保障と税の一体改革関連法案」が、とうとう可決されてしまいました。
1年以内の経済状況を見て実施の可否を決める景気条項が存在するので、即増税が確定というわけではないようですが……。
しかもその際、野田佳彦こと野駄目カンタービレが「法案成立後、【近いうちに】解散を行う」などと明言したのに対して、同じ民主党の輿石東などは、「(合意を行った)2人がいなくなったら話は終わりだろう」などという、一国の政党の党首とはとても思えないようなトンデモ理論を堂々と披露していたりします↓

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012080900748
>  民主党の輿石東幹事長は9日の記者会見で、野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁が「近いうちに国民に信を問う」ことで合意したことに関し、「9月にお互いに代表選がある。2人とも代わってしまうことはまずないと思うが、2人がいなくなったら話は終わりだろう」と述べ、民主党代表選と自民党総裁選の結果、どちらかの党首が代われば合意は無効になるとの認識を示した。
>  また、輿石氏は「新たな事態になれば、その時点で再度(合意を)やったらいい」と述べ、党首が交代した場合、合意の有効性を確認する必要があるとの考えを示した。
>  これに対し、自民党の谷垣禎一総裁は同日、都内で記者団に「与党の幹事長ともあろう人が、よくそんなばかなことを言えると思う。もう政治家失格だ」と非難した。 (2012/08/09-23:41)

さらにこれに触発されたのか、当のカンタービレすらこんな妄言をほざくにまで至っています↓

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2012081000553
>  消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連8法案は10日午後の参院本会議で採決され、与党と自民、公明両党などの賛成多数で可決・成立する。これに先立つ参院特別委員会での締めくくり質疑で、野田佳彦首相は衆院解散時期を「近いうち」とした自民、公明両党党首との合意について、「解散権はそのときの首相の判断だ。もし私が(民主党)代表でなくなった場合は、後の首相の解散権を縛れる話ではない」と述べ、9月の代表選で再選されなかった場合、次期首相は拘束されないとの考えを示した。
>  新党「国民の生活が第一」の中村哲治氏が代表選の結果、首相が退陣した際の合意の効力をただしたのに対し、答えた。「近いうち」の解散については、民主党の輿石東幹事長が合意の当事者が交代した場合は無効になるとの認識を示しているが、首相は「公党の党首間の合意があったということはしっかり(後継者に)伝える」とも強調した。 
>  特別委は締めくくり質疑終局後、関連法案を民主、自民、公明3党の賛成多数で可決した。関連法案は、現行5%の消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることが柱。民自公3党が修正合意し、6月26日に衆院を通過した。
>  一方、生活、共産など野党7会派が提出した首相問責決議案は、民自公3党の反対で本会議採決は見送られる。7会派は反発を強めており、生活などは特別委の高橋千秋委員長への不信任動議を特別委に提出した。動議は直ちに否決されたが、7会派は平田健二参院議長に対する不信任決議案を本会議に出し、対抗する方針だ。(2012/08/10-12:59)

衆議院の総選挙を恐れての牽制発言ではあるのでしょうが、よくもまあこんな連中が一刻の首相だの幹事長だのといった地位にのし上がれるような政党が政権与党になったものだと、ついつい嘆きたくもなってしまいますね(T_T)。
政府どころか一般企業でさえも、トップの首が挿げ変わるだけで商取引や契約などが無効化するなんて話、聞いたこともないのですけどねぇ。
ならば、今回可決された「社会保障と税の一体改革関連法案」も、民主党が下野さえすれば全て「なかったこと」にできるのかと。
もちろん、いくらカンタービレや輿石東でも、そんなブーメランなことは寸土たりとも考えてさえいないのでしょうけど。
民主党に来年まで居座られてしまうと、1年後の増税判断を民主党が担うという最悪の事態にもなりかねないので、その観点だけで言ってさえも喫急に民主党を政権の座から叩き出す必要があります。
如何なる立場にあっても「無能な働き者」にしかなりえない民主党は、政権与党どころか野党にしてさえも害悪以外の何物でもないのですし、存在それ自体を消滅させてしかるべきシロモノでしかないでしょう。

それにしても、増税をしない公約を掲げた民主党が、その正反対の増税推進へと爆走する事実は、長期的な政策や利益よりも目先の(言うことだけはバラ色な)空手形に国民全体が幻惑されるようになったという点で、日本の政治の凋落を感じさせるものではありますねぇ。
ただ、同じ増税でも、「増税は行わない」と公約して政権交代を実現した民主党と、最初から増税を掲げていた自民党とでは、その意味合いがまるで異なります。
今のこの時期の増税が最悪の選択であることは間違いありませんが、本質的に嘘吐きである民主党と自民党のスタンスは区別して評価すべきではないかと。
……というより、現時点では自民党以上に支持できる政党という存在自体が、実は全くなかったりするんですよね。
共産党や社民党は今更言うまでもなく論外ですし、中国人民解放軍野戦軍司令官の政党もダメ。
その他の政党も、政党の規模が小さすぎたり、党の体質が「第二民主党」と言わんばかりなシロモノだったりと、正直いまいち信用ならないというのが実情だったりしますし。
とはいえ、その自民党も、カンタービレの空手形に迎合して「社会保障と税の一体改革関連法案」の成立に加担してしまった谷垣禎一には、何が何でも降板してもらわないとマズいわけなのですが。
元々谷垣禎一は、かつての自民党政権時代に、「あの」朝日新聞にやたらと持ち上げられていたこともあり、私はあまり支持していませんでしたが、今回の件はその傾向を確定させるものではありましたしねぇ(-_-;;)。
できれば、安倍・麻生両氏に再び自民党を率いてもらいたいところなのですが、果たしてどうなるのやら。

中国に「配慮」を示すヘタレなハリウッド映画業界

北朝鮮がアメリカに侵攻し、アメリカ軍を壊滅させて西半分を制圧するなどという、およそありえないレベルの非現実的な映画が、アメリカで公開されるのだそうです。
映画の原題は「Red Dawn」。
元々は1984年公開映画のリメイク作品で、旧作の敵役がソ連とキューバの連合軍だったのが、ハリウッド映画業界の「大人の事情」から北朝鮮になったのだそうです↓

http://megalodon.jp/2012-0808-1900-37/sankei.jp.msn.com/wired/news/120808/wir12080810290000-n1.htm
http://megalodon.jp/2012-0808-1901-00/sankei.jp.msn.com/wired/news/120808/wir12080810290000-n2.htm
>   北朝鮮が米国に侵攻する映画が公開される。ソ連とキューバの連合軍が米国に侵攻する1984年の『若き勇者たち』のリメイクだ。
>
>  米国の小さな町に、北朝鮮の空挺部隊が降下。対抗する米軍は崩壊する。北朝鮮の装甲車両が街を進む。もはや歯向かうのは、ゲリラとなった若者たちの一団のみ。
>
>  これはゲーム好きのティーンエイジャーによる夢ではない。1984年のカルト映画『若き勇者たち』(英語原題Red Dawn)のリメイクとして11月に公開される予定の映画『Red Dawn』の一場面だ。
>
>  オリジナルの『若き勇者たち』では、ソ連とキューバの連合軍が米国に侵攻し、若く魅力的な米国の若者たちが「ウルヴァリン」を組織してこれに抵抗した。オリジナル版が、当時強大な敵とされていた交戦中のソビエト連邦に対する大衆の恐怖心をベースにして成功したのに対し、今回のリメイクでは、
観客が北朝鮮を現実的な脅威として真剣に受け止めることが期待されている。
>
>  今週末にネットにアップされた予告の映像からは、
北朝鮮が長距離輸送機の大部隊を所持するという、不思議なことになっていることがうかがえる。そしてもちろん、その輸送機の一団が、米軍のジェット戦闘機3,000機をどうくぐり抜けてきたのかとも、誰もが思うだろう。
>
>  実際の北朝鮮は、人口2,400万人で、国内総生産(GDP)はノースダコタ州と同じくらいという国だ。飢える人も多く、現代的兵器を持ちグローバルに軍隊を運用する能力には欠けている。
オリジナルの脚本では、侵攻してくるのは中国だった。中国は、少なくとも73億ドルのGDPと、現代化が進む約200万人の軍隊を擁している。しかし、世界で最も成長している映画市場のひとつを、残忍な世界征服者として描くのはビジネスとしてまずい。そのためプロデューサーが、チケットの販売を当てにされていない北朝鮮に切り替えたのだ。
>
>  北朝鮮が米国を侵攻したという内容の軍事アドヴェンチャーゲーム『HOME FRONT』のシナリオを書いたのは(異論がないわけではないが)オリジナルの『若き勇者たち』の脚本を担当したジョン・ミリアスだった。ミリアス氏は今回のリメイク版の脚本を見て、「(リメイクは)愚かな企てだ」と述べたと伝えられている。
>
>  ※HOME FRONTは2011年3月発売。朝鮮人民軍によって西半分が占領された2027年の米国が舞台になっている。
元々の敵国は北朝鮮ではなく中国だったが、発売前に切り替えられたとされる。韓国では発売禁止タイトルに指定されている。

映画の中とは言え、敵役は素直に中国にしていた方が、国家的なパワーバランスの観点から見てもまだ一定のリアリティが保てたのではないですかねぇ(苦笑)。
北朝鮮が特殊工作員をアメリカ国内に潜入させてテロないしはホワイトハウスの占拠を行うとか、アメリカへ向けてミサイルを発射するとかいった軍事活動ならば、現実的に考えても想定しえる事態であるかもしれません。
しかし、アメリカ相手に長距離輸送機を大量に飛ばして西半分を制圧するって、それはいくら何でも現実離れしすぎとしか評しようがないでしょう。
第一、旧作の敵役がソ連とキューバの連合軍だったのであれば、新作の敵役はそのバランスの兼ね合いを考えても「中国と北朝鮮の連合軍」辺りが妥当だったでしょうに、それを北朝鮮単独にしてしまうって……。
旧作とのバランスを考えても、とてつもないスケールダウン以外の何物でもありませんね。

かつてのハリウッド映画には、2001年公開のトンデモ反日映画「パール・ハーバー」を日本向けに大々的に宣伝・公開し、しかもそれで(半ば酷評・嘲笑・ネタにされながらも)大ヒットを勝ち取ってのけたほどの度胸と興行的な勝算があったものだったのですが……。
アメリカの対中感情も決して良好というわけでもなく、中国を敵役として描いたところでアメリカ世論の反発も少なくて済むでしょうに、中国にビビッた挙句、無理筋なストーリーにしてまで敵役を北朝鮮に変更してしまうとは、ハリウッド映画もずいぶんと堕ちたものですねぇ。
日本のトンデモ映画たる「ファイナル・ジャッジメント」でさえ、名称は架空のものに変更しながらも「中国モデルの残虐な軍による日本侵攻」を描いていたというのに。
どうせフィクションなのですし、リメイク映画版「Red Dawn」でも同じことができなかったのですかねぇ(-_-;;)。
今回の件は、ハリウッドの映画業界ですらも中国頼みにならざるをえなくなってしまった証左と言えるのではないでしょうか?
映画の世界ですら強者として振る舞えず「大人の事情」に配慮せざるをえないって、どこまでヘタレになっているのかと。

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