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2012年08月09日の記事は以下のとおりです。

中国に「配慮」を示すヘタレなハリウッド映画業界

北朝鮮がアメリカに侵攻し、アメリカ軍を壊滅させて西半分を制圧するなどという、およそありえないレベルの非現実的な映画が、アメリカで公開されるのだそうです。
映画の原題は「Red Dawn」。
元々は1984年公開映画のリメイク作品で、旧作の敵役がソ連とキューバの連合軍だったのが、ハリウッド映画業界の「大人の事情」から北朝鮮になったのだそうです↓

http://megalodon.jp/2012-0808-1900-37/sankei.jp.msn.com/wired/news/120808/wir12080810290000-n1.htm
http://megalodon.jp/2012-0808-1901-00/sankei.jp.msn.com/wired/news/120808/wir12080810290000-n2.htm
>   北朝鮮が米国に侵攻する映画が公開される。ソ連とキューバの連合軍が米国に侵攻する1984年の『若き勇者たち』のリメイクだ。
>
>  米国の小さな町に、北朝鮮の空挺部隊が降下。対抗する米軍は崩壊する。北朝鮮の装甲車両が街を進む。もはや歯向かうのは、ゲリラとなった若者たちの一団のみ。
>
>  これはゲーム好きのティーンエイジャーによる夢ではない。1984年のカルト映画『若き勇者たち』(英語原題Red Dawn)のリメイクとして11月に公開される予定の映画『Red Dawn』の一場面だ。
>
>  オリジナルの『若き勇者たち』では、ソ連とキューバの連合軍が米国に侵攻し、若く魅力的な米国の若者たちが「ウルヴァリン」を組織してこれに抵抗した。オリジナル版が、当時強大な敵とされていた交戦中のソビエト連邦に対する大衆の恐怖心をベースにして成功したのに対し、今回のリメイクでは、
観客が北朝鮮を現実的な脅威として真剣に受け止めることが期待されている。
>
>  今週末にネットにアップされた予告の映像からは、
北朝鮮が長距離輸送機の大部隊を所持するという、不思議なことになっていることがうかがえる。そしてもちろん、その輸送機の一団が、米軍のジェット戦闘機3,000機をどうくぐり抜けてきたのかとも、誰もが思うだろう。
>
>  実際の北朝鮮は、人口2,400万人で、国内総生産(GDP)はノースダコタ州と同じくらいという国だ。飢える人も多く、現代的兵器を持ちグローバルに軍隊を運用する能力には欠けている。
オリジナルの脚本では、侵攻してくるのは中国だった。中国は、少なくとも73億ドルのGDPと、現代化が進む約200万人の軍隊を擁している。しかし、世界で最も成長している映画市場のひとつを、残忍な世界征服者として描くのはビジネスとしてまずい。そのためプロデューサーが、チケットの販売を当てにされていない北朝鮮に切り替えたのだ。
>
>  北朝鮮が米国を侵攻したという内容の軍事アドヴェンチャーゲーム『HOME FRONT』のシナリオを書いたのは(異論がないわけではないが)オリジナルの『若き勇者たち』の脚本を担当したジョン・ミリアスだった。ミリアス氏は今回のリメイク版の脚本を見て、「(リメイクは)愚かな企てだ」と述べたと伝えられている。
>
>  ※HOME FRONTは2011年3月発売。朝鮮人民軍によって西半分が占領された2027年の米国が舞台になっている。
元々の敵国は北朝鮮ではなく中国だったが、発売前に切り替えられたとされる。韓国では発売禁止タイトルに指定されている。

映画の中とは言え、敵役は素直に中国にしていた方が、国家的なパワーバランスの観点から見てもまだ一定のリアリティが保てたのではないですかねぇ(苦笑)。
北朝鮮が特殊工作員をアメリカ国内に潜入させてテロないしはホワイトハウスの占拠を行うとか、アメリカへ向けてミサイルを発射するとかいった軍事活動ならば、現実的に考えても想定しえる事態であるかもしれません。
しかし、アメリカ相手に長距離輸送機を大量に飛ばして西半分を制圧するって、それはいくら何でも現実離れしすぎとしか評しようがないでしょう。
第一、旧作の敵役がソ連とキューバの連合軍だったのであれば、新作の敵役はそのバランスの兼ね合いを考えても「中国と北朝鮮の連合軍」辺りが妥当だったでしょうに、それを北朝鮮単独にしてしまうって……。
旧作とのバランスを考えても、とてつもないスケールダウン以外の何物でもありませんね。

かつてのハリウッド映画には、2001年公開のトンデモ反日映画「パール・ハーバー」を日本向けに大々的に宣伝・公開し、しかもそれで(半ば酷評・嘲笑・ネタにされながらも)大ヒットを勝ち取ってのけたほどの度胸と興行的な勝算があったものだったのですが……。
アメリカの対中感情も決して良好というわけでもなく、中国を敵役として描いたところでアメリカ世論の反発も少なくて済むでしょうに、中国にビビッた挙句、無理筋なストーリーにしてまで敵役を北朝鮮に変更してしまうとは、ハリウッド映画もずいぶんと堕ちたものですねぇ。
日本のトンデモ映画たる「ファイナル・ジャッジメント」でさえ、名称は架空のものに変更しながらも「中国モデルの残虐な軍による日本侵攻」を描いていたというのに。
どうせフィクションなのですし、リメイク映画版「Red Dawn」でも同じことができなかったのですかねぇ(-_-;;)。
今回の件は、ハリウッドの映画業界ですらも中国頼みにならざるをえなくなってしまった証左と言えるのではないでしょうか?
映画の世界ですら強者として振る舞えず「大人の事情」に配慮せざるをえないって、どこまでヘタレになっているのかと。

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