熊本市中心街の空洞化問題
- 2012/08/24 19:35
- カテゴリー:その他色々, 九州・熊本ローカル事情
熊本市中心街の空き店舗・空室面積が5年連続で増え続けています。
商業施設の郊外移転や熊本合同庁舎の移転、さらには政令指定都市化に伴う熊本市役所の機能分散などが影響しているとのことで、中心街の衰退傾向が明確に示された形です。
http://megalodon.jp/2012-0824-1902-50/kumanichi.com/news/local/main/20120823002.shtml
> 不動産鑑定・評価の鑑定ソリュート熊本(熊本市)がまとめた2012年度の同市中心市街地の空き店舗・事務所調査によると、空室面積の合計は前年度比24・8%増の約6万3千平方メートルで、5年連続で増えた。調査を始めた2006年度以降、空室面積は最低だった07年度の約2・7倍に増えており、特に上通から下通にかけての目抜き通り周辺で顕著になっている。
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> 中心市街地では昨年来、新たなオフィスや店舗の供給は横ばいで、同社は「商業施設の郊外移転に加え、熊本合同庁舎移転や熊本市役所の区役所への機能分散も中心部の集客に影響し、店舗の撤退につながった可能性がある」とみている。
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> ことし4~6月、白川と坪井川で挟む、南千反畑町、南坪井町、上林町から桜町、山崎町までの一帯で調査。空き室情報がある約350件を分析した。
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> 空室面積の約3分の1は、上通や下通など六つの主要通り沿いに集中。通り別で空室面積の増え方が最も大きいのは上通の38・9%増で、銀座通り21・0%増、下通17・7%増と続いた。
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> 一方、シャワー通りでは、空室が33・8%減少したほか、新市街も10・3%減、並木坂も8・2%減と、いずれも改善傾向となった。
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> 平均賃料(1階、1平方メートル当たり)は1・4%低下の4302円で、2年連続のマイナス。06年度の調査開始以降、最高だった07年度から17・6%下落した。平均賃料の最高は上通の5979円、最低はシャワー通りで3203円だった。
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> 同社の麻生田栄壽社長は「地価の下落に対し、賃料の高止まりも空室増加の要因の一つ。観光客が増えても中心商店街への波及効果は限定的で、むしろ合同庁舎や市役所職員、来庁者の減少が周辺の飲食店に影響を与えている」と指摘する。(田川里美)
熊本と同じような「中心街の空洞化現象」自体は、他の地方都市でも起こっているでしょう。
九州最大の大都会である福岡市の中心街でさえ、郊外のショッピングモールの乱立で昔に比べれば相対的な重要度は落ちているわけですし。
まあ福岡の場合はそれでも鉄道網とバス路線の要衝であることと、福岡空港とのアクセスが良好であること等の恵まれた条件に、かなり救われている部分があるのですが。
九州新幹線全線開業の際も、福岡市中心街は一番の恩恵を受けていましたし。
交通の便が良いから人が集まるし、人が集まるから街が発展し、さらに交通網が整備されていくという良循環で上手く回っていますからねぇ、福岡は。
熊本市中心街も、熊本城や西日本最大の上通・下通・サンロードのアーケード通りなどの見どころはありますし、バス交通網の中心である熊本交通センターがありはするのですが、如何せんそれだけではパンチ不足というのが何とも言えないところで(T_T)。
鉄道網を軽視してきたツケが今頃になって回ってきた感じですね。
元々熊本駅と熊本市中心街は距離が離れすぎていて、鉄道が満足に使えない場所ですし、公共交通機関としての移動手段の使用頻度は、市電やバスの方が高いくらいなのですから。
九州新幹線全線開業の恩恵も、熊本市中心街はあまり享受できていない感が多々ありますし。
せめて地下鉄でもあればもう少し事情も変わってくるのでしょうが、元々が湿地帯だった上に多くの河川と地下水が存在する熊本市は、地下鉄を作ること自体が難しい状況です。
そもそも地下鉄自体、九州では福岡にしかありませんし。
元々映画ファンである私も、シネコンを含むショッピングモールが熊本市郊外に乱立するようになるまでは、熊本市中心街に唯一存在する映画館までわざわざ足を運んでいたものでしたが、シネコンでの映画観賞が常態化して以降は、熊本市中心街へ赴く機会はほとんどなくなってしまいました。
ショッピングモールという代替手段があるのに、ただでさえ遠い上に慢性的な渋滞や駐車料金の徴収などの問題が常に付き纏う熊本市中心街にこだわらなければならない理由がないですし。
「交通網の優越」と「独自の経済・商品価値」のいずれもない熊本市中心街が今の苦境を脱するのは、正直難しいものがあるでしょうね。