映画「バイオハザードⅤ:リトリビューション」感想
映画「バイオハザードⅤ:リトリビューション」観に行ってきました。
前作「バイオハザードⅣ アフターライフ」からの続きとなる、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の「バイオハザード」シリーズ5作目。
今作は3D/2D版が同時に上映されていますが、私が観賞したのは2Dの日本語吹替版となります。
また、相変わらず血みどろの戦いが作中で展開されていることから、前作同様にPG-12指定されています。
今作の物語は、前作後半における戦いの舞台となったアルカディア号の船上で、ジル・バレンタイン率いるV-22オスプレイ群の襲撃を受けたラストシーンの直後から物語が始まります。
前作で救出した囚われの人々が次々とやられていく中、ミラ・ジョヴォヴィッチ扮する主人公アリスは、V-22オスプレイの大群相手に孤軍奮闘するのですが、パイロットを仕留めたオスプレイの墜落に巻き込まれ、海に放り出されてしまいます。
ここで突然場面は切り替わり、アリスは突然、夫と娘がいる家庭の一員として目覚めることになります。
手話が必要な娘ベッキーと、妻と娘を思いやる夫トッドに囲まれ、平和な朝を迎えるアリス。
しかしそこへ突如、ゾンビの大群が家の中へ押し寄せ、夫のトッドは真っ先に襲いかかってきたゾンビの犠牲となってしまいます。
アリスはベッキーと共にゾンビの大群から逃げ惑うのですが、娘を隠匿するために自分を囮にして目立つように逃げている中で、ゾンビと化したトッドに襲われそこで意識がなくなってしまうのでした。
さらにまた舞台は切り替わり、今度のアリスはアンブレラ社が抱える秘密基地の一室で囚われの身となっている状態で覚醒します。
胸の中央に赤い光を放つ虫型の機械に操られているような状態で出てきたジル・バレンタインに、尋問と音波攻撃のごとき拷問を受けることになるアリス。
しばしば拷問を受け、無気力な状態となっていたアリスでしたが、そこへ突然、アンブレラ社のセキュリティシステムが何者かの操作で2分間停止するという事態が発生します。
その間に戦闘服に着替えて武装も整え、牢から出ることに成功したアリスは、セキュリティシステムの回復と共にアリスを捕縛ないし殺害せんと動き出した追手から逃げることになります。
しかし、逃げた先では何故かとうの昔に壊滅していたはずの東京の街並みが無傷のまま存在していました。
戸惑いながらも、追手やゾンビの大群から逃亡を続けるアリスでしたが……。
映画「バイオハザードⅤ:リトリビューション」は、前作までのシリーズ作品を観賞していることが前提となっている作品であり、今作単体だけでは何のことやら分からない展開が延々と続きます。
前作や前々作はまだある程度(作中内での)時間を置いた上で物語が始まっていましたが、今作は前作ラストの直後からスタートな上、前作までのキャラクターも多数登場することもあってか、前作までのシリーズ作品との関連性がかなり強かったりするんですよね。
今作を観賞する際には、これまでのシリーズ作品を予め復習してから臨むのが賢明ではないかと。
今作では、前作でラスボスとしてアリスに殺されたはずのアルバート・ウェスカーが何故か生きており、しかも囚われの身となったアリスをわざわざ助けるべく動いていたりします。
理由はウェスカー本人があっさり白状するのですが、現在アンブレラ社を牛耳っているレッド・クイーンと対立した結果、反旗を翻して離反していたとのこと。
今作のラストでは、ホワイトハウス周辺にいる人類をまとめる立場にある上、一度は自らT-ウィルスの中和剤を投与して超能力を奪ったアリスに対して、再度T-ウィルスを注射して超人的な能力を再度付与させたりしています。
限りなく黒幕に近い立場にありながら、アンブレラ社と決別してなお指導者的地位に居座れてしまう辺り、相当なまでの保身術と政治的手腕を伺わせるものがありますね。
まあ、残された人間側も、ゾンビとアンブレラ社に対抗できるウェスカーの知識が必要だった、という事情もありはしたのでしょうけど。
今作では、とりあえずの当面の敵がレッド・クイーンであることが判明します。
レッド・クイーンが人類の絶滅を目標にしていることも明らかになりますし、次回作となるであろう映画版の「バイオハザードⅥ」では「レッド・クイーンの打倒」が目的となるのでしょう。
しかしこのシリーズ、いくらハリウッド映画としては非常に珍しい「日本のエンターテイメント作品の実写映画化の成功作品」であるとは言え、一体いつまで続編を作り続けるつもりなのでしょうかね。
足かけ10年にもわたるシリーズの積み重ねで、さすがに前作までの流れを思い出すのも結構手間暇がかかるようになってきていますし、そろそろ完結の方向へ動いてほしいものなのですが。
これまでのシリーズや、映画「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」で多く見られたミラ・ジョヴォヴィッチの派手なアクションシーンは今作でも健在。
また、映画としては比較的短い部類に入る96分という上映時間で、終始アクションシーンが繰り広げられる構成となっています。
その点では、ハリウッド作品として「手堅い」出来であると言えるでしょうか。
映画版「バイオハザード」シリーズ作品、およびミラ・ジョヴォヴィッチのファンには必見の映画と言えるでしょうね。