相変わらず現実離れした「自転車は車道を走れ!」キャンペーン
日本の警察というのは、相も変わらず現場の実情からかけ離れた「自転車は車道を走れ!」キャンペーンを展開し続けているようですね。
自転車絡みで最も多く発生し死亡率も高い事故は「対自動車」だと事実を無視してまで↓
http://megalodon.jp/2013-0526-2256-32/www3.nhk.or.jp/news/html/20130525/k10014839591000.html
> 自転車と歩行者の接触事故を減らすため、全国の警察は、自転車の通行が可能だった歩道のうち、350キロ余りの区間を原則、通行できなくする措置を取りました。一方で、自転車が車道を安全に走るための専用レーンの設置はなかなか進んでおらず、今後、対策を急ぐ方針です。
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> 警察庁によりますと、自転車が歩行者に接触する事故は去年、全国で2625件と、10年連続で2000件を超え、死亡事故も5件起きるなど深刻な状態が続いています。
> このため、警察庁は、自転車の通行が可能な歩道のうち、道幅が3メートル未満の狭い所は、子どもや高齢者などを除き、自転車での通行を徐々にできなくする方針をおととし決めました。
> これを受けて、全国の警察が「自転車通行可」の標識を取り外した歩道は、去年1年間で合わせて516か所、区間の距離は356キロに上ることが分かりました。
> 都道府県別では、千葉県が87キロと最も長く、次いで埼玉県が44キロ、岩手県が32キロなどとなっています。
> 一方、警察は自転車が車道を安全に走るための専用レーンの設置も行っていますが、地元の合意などが必要で、昨年度、整備されたのは53か所にとどまっています。警察庁は、自転車が通行できる歩道を今後も減らすとともに、専用レーンの整備を急ぎ、歩行者と自転車双方の安全を確保したいとしています。
前にも述べたことがありますが、自転車事故の件数も、それによる死亡者数も、実際のところは自動車事故共々むしろ逆に減少傾向にすらあります。
自動車事故件数の減少速度が、自転車事故のそれよりも速いがために、比率上では自転車事故が増えている「ように見える」という「数字のトリック」が発生しているだけでしかないのです。
他ならぬ警察自身が公開している資料を見ても、それは明らかなのですし↓
自転車関連事故の推移
http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/pdf/2_shosai.pdf
対歩行者の自転車事故が「前年比で41件増えている」と言っても、それ以外の事故件数も死亡者数も右肩下がりで減っていることと比較してみれば、ほとんど誤差の範疇でしかないことが一目瞭然なのですけど。
この「数字のトリック」を錦の御旗のごとく振り回して自転車規制を推進する警察の方針は、何度考えても理解に苦しむものがあります。
しかも地方では、ただでさえ鉄道網やバス等の公共交通機関の整備が充分でなく、その分クルマの依存度が高く、また自動車道路が狭い一方で無駄に広い歩道が整備され、しかもそこではロクに歩いている人自体が少ないという道路事情もあったりするわけです。
地方ではむしろ、広い歩道を自転車に開放して有効活用すべきですらあるというのに、それを禁じてわざわざ自転車に車道を走らせることに、一体どんな意味が見出せるというのでしょうか?
却って事故と死亡者数が増大するだけでしかないのは、最初から誰の目にも明らかなのですが。
自転車が車道を走るようになれば、対歩行者相手の自転車事故を1件減らすことと引き換えに30件以上ものの対自動車事故が頻発するであろうことは、これまた以前の記事でも述べた通り、統計的にも表れている話でしかないのですし。
事故と罰則を増やすことで、警察関係の仕事と罰金等の収入、そして規制強化に伴う天下り先の確保を狙ったものとしか思えないのですけどね、警察が推進している自転車規制の熱の入れっぷりは。
自転車を「軽車両」とする現行の道交法自体が時代遅れな産物と化しているようにしか思えないのですが、「現実を法律に合わせる」かのごとき警察の対応には大いに疑問符をつけざるをえないところですね。