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2013年06月18日の記事は以下のとおりです。

映画「G.I.ジョー バック2リベンジ(3D版)」感想

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映画「G.I.ジョー バック2リベンジ」観に行ってきました。
1980年代に放映されていたアメリカの同名人気アニメを実写化した、2009年公開のアクション映画「G.I.ジョー」の続編作品。
今作は3D対応のために、本来ならば2012年夏の予定だった劇場公開を1年近くも延期するという、およそ本末転倒な行為をやらかしています。
私に言わせれば、3D化などは映画料金を無駄に高くするための誰得な所業の産物でしかありえないのですが、今回は2D版の公開時間の都合が合わなかったこともあり、泣く泣く3D版で観賞する羽目となってしまいました(T_T)。
何でも、今作が公開延期をしてまで3D化にこだわったのは、序盤の展開に大きな要因があるらしいのですが……。
せっかく大御所のブルース・ウィリスも出演しているのですから、3D化なんて傍迷惑な所業などやらずにさっさと劇場公開しても良かったのではないかと、つくづく思えてならなかったのですけどねぇ(-_-;;)。

前作のラストで、アメリカ大統領そっくりの顔になって本物の大統領と入れ替わっていたザルタン。
彼は、前作で自分達の組織を壊滅状態に追い込んだG.I.ジョー達を殲滅すべく蠢動し始めます。
その頃、核保有国のパキスタンで大統領が何者かに暗殺されるというニュースが世界を駆け巡ります。
パキスタンの政情混乱に伴う核の拡散を憂えるアメリカの国防会議?の席上で、アメリカ大統領を演じるザルタンは、自身の権限を駆使してG.I.ジョーに核の奪取を行わせる作戦を行わせるよう指示するのでした。
元々高い戦闘能力と何世代も先行した感のある超兵器で武装しているG.I.ジョーの面々は、さしたる大きな犠牲を出すこともなく任務を達成することに成功します。
しかし、ザルタンが仕掛けた死の罠は、帰還のための輸送機を待ちながら、任務を達成した満足感と望郷の念で油断していたG.I.ジョー達に襲い掛かったのでした。
味方を装い、突如奇襲的に航空機による攻撃を仕掛けてきた敵により、G.I.ジョーは壊滅状態に。
しかもこの攻撃の際、現地のG.I.ジョーを束ねる司令官だった前作の主人公デュークもまた、身を呈して部下を逃がしたのが災いし、帰らぬ人となってしまうのでした。
ザルタンによる殲滅攻撃で生き残ったG.I.ジョーの面々はわずかに3人。
彼らは、自分達に攻撃を命じたのが大統領であることを察知し、復讐と報復の戦いに身を投じていくことになります。

一方、これまた前作のラストで捕縛され、冷凍睡眠状態?で特殊な牢獄に入れられていたコブラコマンダーが、同じく前作のラストで死んだと思われていたストームシャドーと、コブラコマンダーの部下であるファイアーフライの手引きで脱獄に成功します。
彼らは、天敵であるG.I.ジョーを壊滅させたザルタンと共に、世界を牛耳る計画へと邁進していくことになるのですが……。

今回の「G.I.ジョー バック2リベンジ」は、良くも悪くも意表を突く展開が目白押しですね。
前作の主人公デュークが今作も主人公思いきや、序盤で早々に部下をかばって死んでしまいますし、G.I.ジョーの初代司令官兼「最強の助っ人」として「あの」ブルース・ウィリスが登場したりするのですから。
ただ前者については、物語の展開的にもエンターテイメントの観点から見ても、明らかに失敗だったと言わざるをえないところですね。
この手の物語では、観客は主人公に感情移入して楽しむのが常なのに、その主人公が早々に死んでしまったわけですから、出鼻を挫かれること甚だしいわけで。
前作でアレだけ奮闘したのは一体何だったんだ、ということにもなってしまい、結果的には前作の価値すらも著しく損ねることにもなりかねない、極めて愚かな所業にしかなっていないですね。
物語のラストで殉死させその死を美化する、といった展開にするならまだしも、序盤でああまであっさりと死なせてしまっては、その後の展開に多大な支障を来しかねないことくらい、製作の段階で分かりそうなものなのですが。
実際、この展開は、映画製作者達が映画の完成直後に行ったテスト試写会でも散々な評価だったらしく、それが今作が3D編集に走った原因のひとつにもなっているとのこと。
3Dでより良い映像を見せる、というのではなく「ストーリーの失敗」を理由に3Dに走るなんて、観客からしたら傍迷惑も甚だしい行為でしかありえないのですけどね。
まあ、既に完成した映画を1から作成し直す時間的・経済的な余裕なんて無かったがための苦肉の策ではあったのでしょうが。

その一方で、かつてG.I.ジョーを束ねていた初代司令官として登場したブルース・ウィリスは、さすが大御所だけのことはあり、他の登場人物を圧倒する存在感を醸し出していました。
活躍は抑え目だったものの、要所要所の登場シーンでツボを押さえている感がありました。
ただ、映画の前宣伝でも盛んに喧伝されていた「最強の助っ人(ブルース・ウィリス) VS 最強の刺客(イ・ビョンホン)」の直接対決は、作中では全く見られず終いでしたが。
イ・ビョンホンが扮するストームシャドーは、序盤はコブラの手先としてコブラコマンダーの脱獄の手引きなどをしてはいたものの、初代ジョーと対面する頃には自身の過去の真相を知ってコブラを裏切っていましたし。
あの宣伝は一体何だったのか、とすら思えるほどに「ウソ・大袈裟・紛らわしい」の誇大広告もいいところでしたね。
あの宣伝を信じて、ブルース・ウィリスとイ・ビョンホンの直接対決を待ちわびていた観客も少なくなかったのではないかと思えてならないところだったのですが。

あと、前作の終盤で顔が銀色になり、コブラコマンダーから命名を受けたデストロは、今作ではコブラコマンダーの脱獄の際に早々に見捨てられた挙句、それ以降は最後まで全く登場すらしないという、そこらの三下にも劣る扱いもいいところでした。
前作では大企業の黒幕的な存在感があったのですが……。
ラストを見る限り、今作はまだ続編がありそうな状況ではあるのですが、今後の続編で彼の再登場は果たしてあるのでしょうか?

手堅いアクション映画ではありますので、その手のジャンルが好きな方は観に行く価値があるのではないでしょうか?

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