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次回作の銀英伝舞台版「初陣 もうひとつの敵」公演決定

銀英伝舞台版の次回作が発表されました。
副題は「初陣 もうひとつの敵」、2014年8月上旬に日本青年館大ホールで公演されるとのことです。

銀英伝舞台版公式サイト
http://www.gineiden.jp/
「初陣 もうひとつの敵」トップページ
http://www.gineiden.jp/uijin/index.html

副題の名称からして、銀英伝3巻のユリアン・ミンツの初陣から要塞VS要塞絡みの戦いまでを描くことになるのは確実でしょうね。
「もうひとつの敵」というのは十中八九、ヤンを召喚する査問会絡みのエピソードを指すことになるのでしょうから。
銀英伝3巻はラインハルトが裏方に徹していて戦場に出てこないですし、舞台版としては「外伝」扱いということにしたいのでしょうね。
また次回作では、今回の舞台でラインハルト役を演じている間宮祥太朗が出演することが確定しているのだとか↓

http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2013/04/post-2f52.html
>  本日、2回目の更新となります。
>  舞台「銀河英雄伝説」の次回公演は、8月上旬に日本青年館で行われます、舞台「銀河英雄伝説」初陣 もうひとつの敵 となりますが、
今回の 内乱 でラインハルト・フォン・ローエングラムを演じてくださった、間宮祥太朗さんの出演が決まりました!
>  今日(9日)のアフタートークショーで発表となり、劇場内のお客様から大きな拍手が贈られておりました。

彼はやっぱり、次回作でもラインハルト役を演じることになったりするのでしょうかねぇ。
初回の舞台でラインハルト役を演じた松坂桃李は、テレビや映画の出演で忙しくなったので、銀英伝舞台版には出れなくなってしまった、ということになるのでしょうか?

他のキャストや詳細な情報については今のところ何も発表されていないのですが、次回作のヤン役は果たして誰になるのでしょうか?
本伝の舞台に引き続き河村隆一が続投、ということであれば万々歳ではあるのですが。
前にも言いましたが、いくら本伝と外伝で舞台の規模が違い、かつ配役側の事情もあるとはいえ、主人公クラスの主要キャラクターの配役をコロコロ変えるのも考えものではありますからねぇ。
一応、日本青年館大ホールという会場自体は1370人分の座席数があるのだそうで、現在第三章「内乱」の舞台が行われている1200人の収容能力を持つ青山劇場を、規模において凌いではいます。

日本青年館大ホール 座席表
http://www.nippon-seinenkan.or.jp/dai-hall/seat.html

これから考えると、河村隆一の続投という路線も決してありえないことではないように思えるのですが、さて実際はどんなものなのでしょうか?

イギリス初の女性首相・マーガレット・サッチャーが死去

かつてイギリス初の女性首相として辣腕を振るい、旧ソ連の崩壊にも一役買った「鉄の女」ことマーガレット・サッチャー女史が死去したと報じられました。
享年87歳だそうです↓。

http://megalodon.jp/2013-0408-2231-37/sankei.jp.msn.com/world/news/130408/erp13040821040001-n1.htm
>  【ロンドン支局】英BBC放送は8日午後、米国と強固な連帯を組んで旧ソ連共産主義を崩壊に導き「鉄の女」の異名を取ったマーガレット・サッチャー元英首相が同日午前、脳卒中を起こした後、死去したと報じた。87歳だった。総選挙に3度勝利し第二次世界大戦後の英政界では最長となる約11年半の間、首相を務めた。在任中に国有企業の民営化、規制緩和、金融改革を断行し、長期的な経済衰退から英国を復活させる礎を築いた。
>
>  リンカーンシャー州グランサム生まれ。1959年、フィンチリー選出の保守党下院議員になり、70年、エドワード・ヒース内閣の教育相。75年の同党党首選でヒース党首を破り、英国の政治史上初の女性党首になった。79年の総選挙で「英経済の復活」と「小さな政府」の実現を公約に掲げて勝利し、女性初の英首相に就任した。
>
>  新自由主義に基づき国営産業と国営企業を民営化するとともに、労働組合と激しい政治闘争を展開。「揺りかごから墓場まで」の福祉国家体制にも大なたを振るった。
>
>  82年、アルゼンチン軍が南大西洋の英領フォークランド諸島に侵攻した際、間髪を置かず艦隊を派遣、74日間の戦闘で英兵255人の死者を出したが、アルゼンチン軍を駆逐した。ロナルド・レーガン米大統領の戦略防衛構想(SDI)、いわゆる「スター・ウォーズ計画」を支持して、ソ連と共産主義を崩壊に追い込んだ。妥協を許さない政治哲学は「サッチャリズム」と呼ばれた。
>
>  同元首相の経済政策は二度の不況、失業率の上昇という苦しみを伴ったが、一部修正されて労働党のトニー・ブレア、ゴードン・ブラウン両政権に受け継がれ、現在の堅調な経済成長をもたらしている。

マーガレット・サッチャーと言えば、去年日本で公開された映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」でも、近年認知症を患っている様子がしばしば強調されていましたが、とうとう逝ってしまったのですねぇ(T_T)。
何と言っても高齢でしたし、脳絡みの病気では治る見込みも期待しようがなかったでしょうけど。
田中芳樹が「日本も見習え!」などと愚劣な絶賛をやらかしていた英国病に苦しんでいたイギリスを再生させた功績は、やはりイギリス国民にとっては大きなものがあるでしょう。
その一方で、過剰なまでのコスト削減と民営化によって、公共サービス、特に医療関係に多大なまでの歪みが生じてしまった問題もありはするのですが。
賛否いずれにせよ、彼女がイギリスの歴史を動かした名のある宰相のひとりに数えられることは確実でしょうが、さてその評価は一体どのようなものになっていくのでしょうか?

映画「ジャンゴ 繋がれざる者」感想

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映画「ジャンゴ 繋がれざる者」観に行ってきました。
レオナルド・ディカプリオが悪役として登場することで話題となった、クエンティン・タランティーノ監督製作のアクション映画です。
今作の日本公開は2013年3月1日のはずだったのですが、以前にも言及していたように熊本では4月6日からしか解禁されておらず、結果として1ヶ月遅れの観賞となりました。
まあ、たとえ遅れていてもきちんと地方で公開されているだけ、今作はまだマシな部類には入るのでしょうが、この映画の地域間格差は、地方在住の人間にとっては本当に泣けてくる話でしかないですね(T_T)。
なお今作は、作中に様々な拷問描写や流血シーンが満載のため、R-15指定されています。

映画「ジャンゴ 繋がれざる者」の最初の舞台は、アメリカ南北戦争勃発から2年前となる1858年のテキサス州の荒野。
当時はまだアメリカにも奴隷制度が存在していた時代であり、映画の冒頭でもスペック兄弟という2人の奴隷商人が、奴隷市場から購入した5人の黒人奴隷を鎖に繋いで連行しつつ、テキサスの荒野を移動していました。
そんなある日の夜、野宿をしていた一行の前に、荷台の上に巨大な歯のような飾りを乗せた1台の荷馬車がやってきます。
その荷馬車の持ち主で、自分のことを歯医者と名乗ったキング・シュルツは、スペック兄弟に対し「ブリトル三兄弟のことを知っている奴隷が欲しい」と申し出ます。
「ブリトル三兄弟のことを知っているか?」というキング・シュルツの奴隷への呼びかけに対し、ひとりの黒人奴隷が名乗りを上げます。
その黒人奴隷の名はジャンゴ。
目的の奴隷が見つかったことで、その場でジャンゴを買い取ろうとするキング・シュルツでしたが、突然来訪して好き勝手言いまくるキング・シュルツにも、それに応えるジャンゴにも不快感を覚えたらしいスペック兄弟はこの申し出を拒否。
のみならず、2人に銃を向け、殺害を示唆する脅迫まで行ってきたのでした。
するとキング・シュルツは、予め隠し持っていた短銃でスペック兄弟を銃撃。
ひとりをその場で殺し、もうひとりを馬の下敷きにして動きを封じこめてしまうのでした。
相手を完全に無力化させたキング・シュルツは、奴隷を売買する契約書を適当にでっち上げると、その場でジャンゴの鎖を解き自由の身にします。
そして、残った4人の奴隷に対しては、スペックを60㎞ほど離れた街へ連れて帰るか、この場で殺して自由の身になるかの選択肢を提示し、ジャンゴひとりを連れてその場を後にするのでした。
もちろん、馬の下敷きになっていたスペックはその直後、解放された残り4人の奴隷達によって殺されてしまうことになるのですが(苦笑)。

ジャンゴを引き連れたキング・シュルツは、テキサス州西部にあるエル・パソの街に辿り着き、とある酒場へと入っていきます。
この街では、黒人が酒場へ入ることが法律で禁止されているらしく、ジャンゴの姿を見た酒場の店主は悲鳴を上げて郡保安官を呼びに店を飛び出して行ってしまいます。
そしてやってきた郡保安官を、不意を突いて突然射殺してしまうキング・シュルツ。
街はたちまちのうちにパニックに陥り、今度は郡保安官よりも上位の連邦保安官が、それも集団で酒場を包囲する形でやってくることになります。
しかし、包囲されたはずのキング・シュルツはそんな様子にも全く動じることなく、自分が殺した郡保安官が実は指名手配されていた賞金首であり、連邦判事が発行したという手配書も交えて自分達の正当性を堂々と訴え、さらには賞金の200ドルを払えとまで要求する豪胆ぶりを披露していました。
そしてキング・シュルツとジャンゴは、いよいよ本命の賞金首であるブリトル三兄弟を抹殺へと向かうことになるのですが……。

映画「ジャンゴ 繋がれざる者」では、奴隷制度や黒人差別が大手を振ってまかり通っていた時代を扱っていることもあってか、白人達が黒人を「ニガー」という差別用語で呼んでいたり、大富豪が奴隷を酷虐に扱ったりするシーンなどが満載です。
特に「ニガー」については、日本であれば真っ先に言葉狩りに引っ掛かって自主規制を余儀なくされていたのではないかと思えるほどに、作中のあちこちで徹底して呼ばれまくっていました。
さすがにアメリカでも批判自体はあるようなのですが、それでも愚劣な言葉狩りの類に見舞われることのない辺りは、アメリカの良いところと言えるのではないかと。
当時のアメリカで「ニガー」という蔑称が普通に蔓延していたという歴史的事実は、差別意識の有無を問わず否定のしようがないわけですからねぇ。
まあ、アメリカにはアメリカで、日本とは全く異なる言論のタブーもあるでしょうし(特にポルノやアニメ・コミック関係の表現の問題とか)、一概にどちらが良いとは言えたものではないのでしょうけど。

予想外な展開としては、レオナルド・ディカプリオが演じるカルビン・キャンディが意外なくらいあっさり退場していたことが挙げられますね。
映画の前宣伝でも当然のごとくメインキャストな扱いでしたし、カルビン・キャンディは最後の最後で倒れるラスボス的な役どころとばかり考えていたので、あのあまりにもあっけない最後は少々拍子抜けな感がありました。
逆に、ある意味本当のラスボス的な位置付けにあるスティーブンなんて、前宣伝ではえらい小さな扱いだった上に登場も遅いですし、カルビン・キャンディと比較しても小物過ぎる感がどうにも否めないところで。
観察眼はあるにせよ、単なる偏執狂的な執事以外の何物でもなかったですし、死に様も見苦しいシロモノ以外の何物でもなかったですからねぇ。
エンタメ作品的な視点から見ると、何でこんなのがラスボスだったのか実に理解に苦しむところがあります。
素直に三下的な役回りと退場を担わせておいた方が、作品的にも映えたのではないかと思えてならないのですが。

あと、今作の主人公であるジャンゴは、キング・シュルツに奴隷から解放されて以降、彼の手ほどきで正確無比な早撃ちガンマンへと変貌しています。
キング・シュルツがどちらかと言えば「敵の隙を狙い、不意を突いて奇襲する」タイプなのに対し、ジャンゴはそれにさらに早撃ち要素を追加した形です。
元々素質自体はあったのでしょうけど、キング・シュルツと一緒に修羅場を掻い潜ることでアレだけの実力を手にしたのでしょうね。
特に終盤は、敵が気づいた時にはもう撃たれている状態の早撃ちを披露していましたし、この辺りは単純なアクション映画としても充分な見応えがありました。
個人的には、2人がタッグを組んで賞金稼ぎとして敵をなぎ倒していく光景をもう少し見てみたかったところですね。
ジャンゴも、冬の間はキング・シュルツの手伝いとして少なからぬ指名手配犯と殺り合っていたようでしたし、こちらのシーンがもう少しあっても良かったのではないかと。

ところで、カルビン・キャンディが最期を迎える寸前、彼はキング・シュルツに握手を執拗に求め、それが生命取りになってしまったのですが、アレは結局何を意図して行ったものだったのでしょうか?
まさか、純粋に表層的な礼儀作法にあそこまでこだわったわけではないでしょうし、詐欺なやり取りを交わしたジャンゴとキング・シュルツとの間に本当の信頼関係が築けるなどというお花畑な思考が働いたわけでもないでしょう。
となると、カルビン・キャンディ的には何らかの意趣返しな意図があったと考えるのが自然なのではないかと思うのですが、それにしてはああいう行為をカルビン・キャンディがしなければならない理由がないんですよね。
カルビン・キャンディが殺害された後、外で待機していたであろう用心棒が大挙して屋敷を囲ったところを見ると、カルビン・キャンディは元々自分に恥をかかせたあの2人&ジャンゴの妻ブルームヒルダを五体満足に逃がすつもりなど最初からさらさらなく、遮蔽物も何もない屋敷の外で完全包囲してなぶり殺しにするつもりだったのではないかと私は疑っていたくらいだったのですし。
むしろ、作中で自身が殺害されてしまったように、わざわざ敵に隙を見せるような危険な行為を、何故カルビン・キャンディが自ら率先して行わなければならないのかと。
不愉快な人間に屈辱を与えることで精神的な満足が得たかった、的なしょうもない動機からくるものだったりするのでしょうかね、アレって。

アメリカ西部劇系やスピーディなアクション映画が好みな方には、文句なしにオススメできる一品です。

銀英伝舞台版で二転三転するキャスト問題

銀英伝舞台版第三章「内乱」が、3月31日から4月13日まで東京の青山劇場で公演されています。
原作2巻の救国軍事会議クーデターをメインに扱っている今回の舞台、さて肝心の出来は如何ほどのものになるのでしょうか?

銀英伝舞台版は、外伝舞台における主要登場人物(特にラインハルト役の)キャストの二転三転ぶりが悪い意味で話題になっていますからねぇ。
そりゃ、本伝舞台に比べれば規模が小さな外伝舞台で大物俳優を使うわけにはいかないのでしょうけど、ここ1年程はそれが大きな仇となって、舞台全体の評価まで大きく下げる惨状を呈している始末です。
本伝舞台レベルの公演を頻繁に繰り広げるような経済的余裕はさすがにないのでしょうし、かといって1年に1度の公演では継続的な宣伝という観点から言ってもマズいのでしょうから、規模が小さい外伝舞台もそれなりの重要性はあるのでしょうけど。
当初から本伝とは別に外伝舞台もこなす予定だったのであれば、本伝・外伝を問わず、一貫して同じ配役で舞台公演ができるようなキャスト構成を最初から考えておくべきだったのではないかぁ、とは外野の視点から見る限りでは思わずにいられないところなのですが。
一定の話題性や集客が必要だから本伝舞台で大物俳優を使う、という戦略自体は充分に妥当なものではあるのでしょうけど、外伝舞台のみならず本伝舞台でさえもキャストが二転三転するのではねぇ。

銀英伝舞台版も、既に第三章まで展開しているのですから、本伝舞台ももう原作10巻のラストまで突き進むつもりではあるのでしょう。
しかし、そこまで舞台を続けるのであれば、キャストの二転三転問題はそろそろ解消させないと、今後の舞台にも暗い影を落とすことになりかねないのではないかと。
本伝と外伝でどうしても一貫性のあるキャスト構成が無理なのであれば、いっそどちらかを捨てる、という選択肢も真剣に検討すべきなのではないですかねぇ。

民主党の十八番・国会でのクイズ問題

自民党に政権を奪回されて以降、凋落の一途を辿っている民主党は、この期に及んでもなお国会でクイズ問題を披露することに忙しいようです。
かつての麻生政権時代に漢字テストを披露して悦に入った時代が忘れられないのでしょうかねぇ↓

http://megalodon.jp/2013-0330-2138-55/news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000002787.html
>  参議院の予算委員会で、憲法を巡る質疑に安倍総理大臣が思わず怒りをあらわにしました。
>
>  
民主党・小西洋之参院議員:「総理は日本国憲法において、包括的な人権保障を定めた条文、何条か知らないという理解でよろしいですか?」
>  安倍総理大臣:「これはすみませんけどね、大学の講義ではないんですよ」
>  
民主党・小西洋之参院議員:「包括的かつ総合的に定めた条文は何条ですか?日本国憲法何条ですか?」
>  安倍総理大臣:「まずですね、あまり人を指すのはやめたほうがいいですよ」
>  憲法クイズのような質問にいら立ちをあらわにした安倍総理に対して、さらに批判の矢が飛びました。
>  
生活の党・森ゆうこ参院議員:「総理のご答弁、慎重になさるべきであるとご注意申し上げたい。何かございましたら」
>  安倍総理大臣:「ありません」
>  
生活の党・森ゆうこ参院議員:「そういう態度が不遜だと言っているんです」

しかも、この小西なる民主党議員は、アイデアとしても二番煎じでしかない挙げ足取りな己の質疑を恥じ入るどころか、自身のブログで大々的に誇示すらしている始末。
オマケに「憲法を学ぶ学生なら誰でも知ってる」と称して、タカハシカズヒロなる架空の憲法学者の名前を得意満面に掲げるありさまですし↓

http://megalodon.jp/2013-0330-2342-56/blogs.yahoo.co.jp/konishi_hiroyuki_524/17548507.html

国会で憲法の条文暗記クイズなんてシロモノを披露していながら、自身は憲法学者の名前を間違うという失態を演じてなお、ここまでドヤ顔できる厚顔な神経は相当なものがあります。
この辺りは「さすが民主党!」とでも褒めるべきところなのでしょうか(苦笑)。
いっそ、国会議員なんか辞めて党ごと吉本新喜劇にでも転職し芸風を磨けば、少しは国民から「笑いのネタ」として認められもするでしょうにねぇ(爆)。
この調子では、次の参院選でも民主党は壊滅間違いなしですね。
もちろん、大多数の日本国民に民主党が貢献できることと言えば、自身の滅亡以外にはありえないわけなのですが。

タイタニア4巻の2013年3月24日時点の執筆状況

https://twitter.com/wrightstaff/status/316013727931592704
<『タイタニア4』の原稿受け渡し中です。今回は50枚。乗ってきました。>

前回の原稿受け渡しから半月弱で50枚の原稿執筆というのは、一般的な作家の執筆速度としてはどんなものなのでしょうかねぇ。
他の作家など及びもつかない遅筆を誇る田中芳樹的には、確かに「早い」と言えるのかもしれませんが(苦笑)。
分量的に見ると、現在執筆中らしい4章全てが終わったわけではなく、4章の途中経過といったところになるのでしょうか?
原稿50枚と言っても、ノベルズに直すと20ページ行くかどうかといったところになるでしょうし。

ところで、過去に田中芳樹は、創竜伝文庫本の座談会などで、タイタニアの続巻を書いていることをほのめかす文章を披露していた経歴があるのですが、その際に執筆していたであろう原稿なり文章なりは全く活用していないのでしょうか?
らいとすたっふ公式のツイートを見る限りでは、どうも田中芳樹は最初から執筆を始めているみたいですし、過去に執筆していた原稿があれば、執筆スタート時点である程度まとまった原稿の受け渡しも可能だったはずなのですが。
過去の原稿やアイデア自体が、すくなくとも田中芳樹的には気に入らなかったり採用に値しなかったりでボツになっているのかもしれませんが、ならば執筆をほのめかすような発言なんて自著でしなければ良いのに、とは思わずにいられないですね。
過去にそういうことを繰り返していたからこそ、4年近くも前のタイタニア4巻執筆宣言でも、実際に執筆を始めるまではまるで信用されなかったのですし。
まあ、3年以上も経過してようやく執筆開始、という時点で既に信用も何もあったものではないのですが(爆)。

ところで、銀英伝舞台版第3章「内乱」の舞台公演が、いよいよ2013年3月31日に初日を迎えることになりますね。
ストーリー的には、銀英伝2巻の救国軍事会議クーデターをメインに扱ったものとなるみたいですが。
外伝舞台以降、ラインハルト役のキャストが二転三転してまるで落ち着かなくなった銀英伝舞台版ですが、今後も続くであろう続編は果たして大丈夫なのでしょうかね?
これでヤン役まで入れ替わり立ち代わりキャストが変更されまくったりしたら、いよいよもって舞台公演それ自体の危機的状況に直面することにもなりかねないですし。
配役が変わるだけでキャラクターのイメージがガラリと変わってしまうのですし、メインの配役は完全に固定して欲しいものなのですが……。

次世代無線LAN規格「IEEE802.11ac」の解禁がもたらす影響

次世代の無線LAN規格「IEEE802.11ac」が電波法改正で解禁となり、無線LANの世界が新たな時代を迎えようとしています↓

http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1303/27/news072.html
>  NECアクセステクニカは3月27日、最大1.3Gbpsでの通信に対応するIEEE802.11ac(Draft)準拠の無線LANルータ新モデル「AtermWG1800HP」など、全6モデルを発表、2013年4月初旬に発売する。電波法改正により国内での802.11acが解禁となった。
>
>  ラインアップは最大1.3Gbpsでの3×3 MIMO通信に対応する個人向けハイエンドモデル「AtermWG1800HP(PA-WG1800HP)」、WG1800HPを2台セットにした「AtermWG1800HPイーサネットコンバータセット(PA-WG1800HP/E)」、最大867Mbps通信(2×2 MIMO)に対応する11acスタンダードモデル「AtermWG1400HP(PA-WG1400HP)」、同機種の2台セット「AtermWG1400HPイーサネットコンバータセット(PA-WG1400HP/E)」、WG1400HPと11ac対応スティック型USB無線LAN子機をセットにした「AtermWG1400HP USBスティックセット(PA-WG1400HP/U)」、11ac対応スティック型USB無線LAN子機「AtermWL900U(PA-WL900U)」の前6モデル。
>
>  価格はオープン、発売時実売価格はAtermWG1800HPが1万9000円前後、WG1800HPイーサネットコンバータセットが3万5000円前後、AtermWG1400HPが1万6000円前後、WG1400HPイーサネットコンバータセットが2万9000円前後、WG1400HP USBスティックセットが2万3000円前後、AtermWL900Uが9000円前後と予想される。
>
>  最大ポイントは次世代無線LAN規格「IEEE802.11ac(Draft)」への対応だ。
802.11acは5GHz帯のみを用い、規格理論値最大約7Gbps。第一世代では実効スループットで1Gbpsクラスの到達を想定し、これまでの802.11nより「高速」「広エリア」で、4Kクラスの高解像度映像の伝送なども実用範囲で利用できるパフォーマンスを特長とする。チャンネルボンディングによる周波数帯域の拡大(最大160MHz幅)、通信の多重化(最大8×8 MIMO)、変調方式の多値化(256QAM)、フレームアグリゲーション(隣り合うチャンネル/送信データを束ね、フレーム単位で一度に送れるデータ数を増やす手法。データフレームサイズは11n比で16倍となる1048757バイト)などにより高速化を実現する。

現行主流の無線LANでは、実質的な速度が非常に低い上、しかも「10メートル以内レベルの近距離での使用限定」という大きな制約があり、これが有線に後れを取る大きな要因となっています。
それに対し、次世代無線LAN規格「IEEE802.11ac」では、かなりの遠距離でも高速かつ安定して使用可能という利点があります。
かく言う私自身、私も、試験的ながら「IEEE802.11ac」の技術が搭載された無線LANルータ「WZR-D1100H」を使用しているのですが、安定性という点ではPLCにすら勝る優れ物です。
私の場合は2Fから1Fという遠距離接続をやらざるをえないため、速度という点ではPLCとほぼ同じ程度でしかないのですが、これで速度も向上するとなれば相当なまでに使い勝手の良い機器となるであろうことは確実です。
同じ部屋の中限定であれば、通信速度の向上も普通に見込めるのですし。
これまで有線と比較して速度が遅い上に不安定だった無線LANが積極活用できるようになれば、家庭のみならず企業でも使用頻度は高まるのではないでしょうか?
特に、10台程度のパソコン使用がメインの中小企業だと、ギガコース使用&有線も可能な無線LANルータの導入というコンボは大きな威力を発揮しそうです。

次世代の無線LAN規格「IEEE802.11ac」が電波法改正で解禁となり、無線LANの世界が新たな時代を迎えようとしています。
今回の規格登場で、ネット接続のあり方も大きく変わってくるかもしれませんね。

薬師寺シリーズに実写化のオファー?

https://twitter.com/adachi_hiro/status/315614174199808001
<先日、ある方に「薬師寺涼子は実写映像化しないのですか?」と聞かれた。「いま実写化すると、お涼は剛力さんになりそうで」と言ったら、「あー、それはありますね」と真顔で頷かれたので困った。そこは笑うところだから。>

https://twitter.com/adachi_hiro/status/315631495547076609
<@fukurokujyu0207 剛力さんは剛力さんで魅力的な方なんですけどね。内緒ですけど、ずいぶん前に講談社に「この子は薬師寺をやるために生まれてきたような子なんですよ」との売り込みがあったそうです。オトナの事情でお断りしてしまったようなのですが、写真だけでも見たかったです。>

せっかく実写化のオファーが来たのであれば素直に便乗しておけば良かろうに、何故わざわざ話を棒に振りますかねぇ、講談社も。
薬師寺シリーズなんて、実写化しにくい田中作品の中では比較的安い製作費で実写化しやすい部類に入るでしょうに。
「アンフェア」や「ストロベリーナイト」シリーズなどのように、女刑事が主人公の作品なんて、昨今ではさして珍しくもないのですし。
基本的に1話完結方式の薬師寺シリーズは「話の区切り」がつけやすく、その点でも実写化にはおあつらえ向きなわけで。
作品の品質だけで見れば、パクリ元たる極楽大作戦やスレイヤーズなどの方がはるかに優れているのですが、こちらは「どこら辺を実写化すべきなのか?」という問題が常に付き纏いますからねぇ。
シリーズ化するほどの人気が獲得できる保証もない以上、「いつでも終わらせられる」形にするのは、特に実写化の際には必須事項になるわけで。
もちろん、今更言うまでもなく原作からしてゴミもいいところな薬師寺シリーズは、そのまま原作を忠実に再現すれば大コケするのは確実なのですから、ストーリーなどは原型を留めないほどに改変する必要性が生じるであろうことは間違いないのですが(爆)。

薬師寺シリーズ以外で比較的安価に実写化製作が可能な田中作品と言えば、「晴れた空から突然に…」くらいしかないですからねぇ。
他の作品は、ファンタジー要素が強すぎたり、軍隊同士の衝突などの描写が頻発したりする等の問題から、下手すればハリウッド映画並の製作費や大量の配役動員が要求されるようなシロモノばかりなのですし。
銀英伝が舞台化したのだって誰も予想できなかったくらいなのですし、実写化というのは舞台化以上にハードルが高いのですからねぇ。
講談社が薬師寺シリーズの実写化オファー話を蹴った「大人の事情」とやらの実態が如何なるものだったのか、少々気になる話ではあります。

映画「相棒シリーズ X DAY」感想

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映画「相棒シリーズ X DAY」観に行ってきました。
人気テレビドラマ「相棒」シリーズのスピンオフ作品で、同シリーズの脇役である警視庁刑事部捜査一課の伊丹憲一と、警視庁サイバー犯罪対策課の岩月彬をコンビが主人公の物語となります。
今作では休暇でイギリスにいるらしい杉下右京や、杉下右京の元相棒である神戸尊もチョイ役で出演していますが、本当にちょこっとだけしか登場していないですね(苦笑)。
私の「相棒」シリーズの映画観賞歴は、2010年末に公開された「相棒-劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜」に続き今作で2作目。
あの頃と同じく、TVシリーズの「相棒」は相変わらずほとんど観賞していなかったりするのですけどね(^^;;)。

東京のとあるビルの下で、燃やされた数十枚の1万円札と共に屋上から落下したと思しき男性の遺体が見つかり、警察が捜査に入るところから物語は始まります。
今作限定ながらも晴れて脇役から主役へと出世することになった警視庁刑事部捜査一課の伊丹憲一は、現場検証の最中、ひとりの来訪者を迎えることとなります。
その人物、警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課の岩月彬は、今回の事件で遺体となった中山雄吾が、実は岩月彬が一週間かけて追跡していた不正アクセス事件の容疑者であったことを告げます。
そこまで追跡していたのだからさぞかし遺体に関心があるのかと思いきや、岩月彬は「殺人事件は自分の管轄外だから」と、これで自分の仕事は終わったとばかりにその場を立ち去ろうとします。
その態度に腹を立てた伊丹憲一と、自分の職分にのみ忠実な岩月彬は、以後、顔を合わせる度に皮肉の応酬を交わすほどの犬猿の仲となってしまいます。
中山雄吾は、死亡する直前にあるデータをネット上にばら撒いており、そのデータは何者かによって削除依頼がプロバイダ管理者等によって頻繁に出されていました。
元々中山雄吾は東京明和銀行のシステムエンジニアであったことから、削除依頼は東京明和銀行の上司が出したのではないかと伊丹憲一は睨みます。
そして伊丹憲一は、東京明和銀行の上司・朽木貞義と面談する際、あくまでも不正アクセス事件のみを追う岩月彬と偶然鉢合わせすることになります。
2人は朽木貞義から、ネット上に流出したとされるデータを入手。
ところがここでも、どちらがデータ調査の主導権を握るかを巡り、2人は対立することになります。
結局、その場は岩月彬が伊丹憲一を完全無視してデータを持ち去るという形で決着するのですが。
さらに2人にとって災難は続き、その後、警視庁の捜査本部で二人一組のチームを編成することになった際、刑事部と生活安全部でそれぞれ1人ずつ余りが生じたことから、2人は全く異なる所轄でありながら上層部の意向によってコンビを組まされる事態となってしまうのでした。
考え方も行動原理もまるで正反対な2人は、互いに苦虫を噛み潰すような表情を浮かべながらも、捜査に乗り出していくことになるのですが……。

映画「相棒シリーズ X DAY」は、昨今の金融問題が大きなテーマとなっている作品です。
日本政府は数百兆~千兆円規模の借金を抱えているとか、少子高齢化で経済が衰退していくとか、今やすっかり決まり文句と化した感すらあるプロパガンダが展開されています。
作中でも、財務省関係者や政治家達が、「日本国債は暴落する」だの「日本経済は破綻する」だのといったスローガンを堂々とのたまい、しかもそれが具現化する日を「XDay」と呼んでいる始末です。
ところが現実には、当の財務省自身が、とにかく日本の格付けを下げる方向にばかり動く外国の格付け会社に対し、こんな意見書要旨を出している過去があったりするんですよね↓

http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
> 1.貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
>  従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
>
> (1)日・米など先進国の
自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
>
> (2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
>  例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。
> ・ マクロ的に見れば、
日本は世界最大の貯蓄超過国
> ・ その結果、
国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
> ・ 日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
>
> (3)各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。
> ・ 一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤字国でも、日本より格付けが高い国がある。
> ・ 1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債はAAA格を維持した。
> ・ 日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。
>
> 2.以上の疑問の提示は、日本政府が改革について真剣ではないということでは全くない。政府は実際、財政構造改革をはじめとする各般の構造改革を真摯に遂行している。同時に、格付けについて、市場はより客観性・透明性の高い方法論や基準を必要としている。

この意見書要旨は2002年に出されたものなのですが、リーマン・ショック後でさえも日本の国債は買い手がつかないどころか、逆にますます買い手超過・金利低下が続くありさま。
日本経済の実態は、とても作中で言われているような「XDay」なるものが出現するような状況からは程遠いものがあるという事実を、他ならぬ財務省自身が主張しているわけです。
にもかかわらず、作中の警察幹部や財務省関係者達が「XDay」なるものの脅威を声高に説いた挙句、それに関連して「日本人は複雑な真実よりも分かりやすいウソを信じる」などとのたまうに至っては、一種のコメディとして大いに笑えるものがありますね。
まさか、上記引用の意見書要旨が「分かりやすいウソ」なわけがないのですし、そもそもそんなウソを、財務省が、しかも日本国内ではなく外国の格付け会社相手につかなければならない理由自体が全くありません。
日本国内向けのプロパガンダと違い、外国向けの意見書要旨というのは、下手すれば外交問題にまで発展するレベルのリスクがあるのですから当然のことです。
となると、作中で大いに謳われている「XDay」というもの自体が、実は財務省が考える壮大なまでのウソであり、作中の登場人物達はまんまとそれに騙されている、という全く逆の構図も実は立派に成立しえるわけですね。
財務省が「XDay」のような日本経済の破綻を訴えるのには大きな理由があります。
それは第一に「増税がしたい」からであり、第二に「天下り先が欲しい」からです。
「このままでは日本経済は破綻する、【だから】増税をしなければならない」というのは、増税反対の声をかき消すのには充分な説得力を持ちえます。
1998年の消費税増税や、民主党政権下で決定された三党合意の消費増税などは、まさにこの論法に基づいて決められたものですし、だからこそ彼らは「日本経済の破綻【という名の葵の印籠】」を、増税反対の声を抑えるために何かと振りかざすわけです。
そして一方、増税が決定されれば、財務省はその権限を大いに駆使することで、特定の組織に対して「お前のところの税率は低めにしておいてやるから天下りさせろ」と主張することも可能となるわけです。
消費税の増税問題では、日用品や出版物などに対する軽減税率の適用が何かと話題になっていますが、これもその一環だったりするわけで。
財務省にとっての「日本経済の破綻」というスローガンは、自分達の利益を通すのに非常に都合の良い「分かりやすいウソ」である、というわけです。
そういう観点から見ると、作中における「XDay」というのは、作品の意図とは全く異なるもうひとつの意味を持ってくることになりますね。
「日本経済は安泰だ」という「分かりやすいウソ」に騙される人間を嘲笑っている政財界の大物達が、「日本経済は破綻する」という「分かりやすいウソ」に騙されていることに気づかない、などという「複雑な真実」の構図が現出することになるわけで。
まあ、映画の製作者達がそこまでの意図やメッセージを込める形で今作を製作したのかと問われると、私も大いに疑問符をつけざるをえないところではあるのですけど。
作中の登場人物達は、杉下右京や岩月彬も含め、「XDayは実際に起こりえる」という前提を当然のものと考えた上で「XDay」について語っていたりするわけですからねぇ(-_-;;)。

「XDay」関連以外の作中の展開に目を向けてみると、今作の主人公である伊丹憲一と岩月彬が、顔を合わせる度に皮肉の応酬を交わしながらも、次第に分かりあっていく過程が、王道的な展開ながらも良かったですね。
当初はやたら淡々としていた岩月彬も、物語終盤では意外にも犯罪を追う熱血漢と化していましたし。
このコンビ、映画後も続くことになるのでしょうかねぇ。

刑事物や「相棒」シリーズのファンであれば、やはり今作はオススメの一品なのではないかと。

映画「だいじょうぶ3組」感想

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映画「だいじょうぶ3組」観に行ってきました。
「五体不満足」の著書で知られるベストセラー作家・乙武洋匡(おとたけひろただ)の同名小説を原作とし、さらに同作品に登場する「生まれつき手足のない新任教師」を、原作者自ら出演&熱演する人間ドラマ作品です。

東京の郊外にある松浦西小学校。
新学期を迎えるとある年の4月、5年3組に二人一組の教師が赴任してきました。
ひとりは、生まれつき両手足がないという先天性四肢切断を持ち、松浦西小学校5年3組を担当することになった新任教師・赤尾慎之介。
もうひとりは、一応今作の主人公で、教育委員会から派遣した赤尾慎之介のサポート役の補助職員・白石優作。
2人は仕事仲間であると同時に幼馴染の関係にもあり、互いにタメ口で語り合う仲でもあります。
新学期初日から遅刻してきたらしい2人は、赤尾慎之介の手足のない身体に驚きの表情を浮かべる5年3組28名の生徒達に挨拶した後、職員室で早々に遅刻について叱られることになってしまいます。
さらに5年1組を受け持つ担任教師・青柳秀子には、「もっと教師としての自覚を持ってください」などとキツい調子で釘を指される始末。
しかし、赤尾慎之介はそれでもメゲることはなく、担任就任早々に今度は桜の大木の下にホワイトボードを持ち出し、5年3組の生徒一同を集めてホームルームの授業をおっぱじめたりするのでした。
当然、青柳秀子はカンカンに怒って補助職員の白石優作に詰め寄り、白石優作は言い訳と謝罪に四苦八苦することになるのですが(苦笑)。

それからしばらく経過したある日。
5年3組の生徒のひとりである「ブーちゃん」こと山部幸二の上履きが紛失するという事件が発生します。
報告を受けた赤尾慎之介と白石優作は、生徒全員に上履きを探させると共に自分も一緒に学校中を探し回るのですが、紛失した上履きは全く見つかりません。
そんな中、5年3組では、上履きを隠した人間がクラス内にいるのではないかという疑惑が持ち上がります。
5年3組はクラスメイト同士が掴み合いを始めるほどに騒然となりますが、赤尾慎之介の取りなしで何とかその場は沈静化し、事件はとりあえず棚上げにされます。
その後、運動会や遠足など、様々なイベントを迎えることになる5年3組の面々達。
そして赤尾慎之介は、その中でクラスメイト達の信奉を少しずつ獲得していくことになるのですが……。

映画「だいじょうぶ3組」では、原作者たる乙武洋匡が自ら演じる「生まれつき手足のない新任教師」こと赤尾慎之介を補助する、TOKIOの国分太一が扮する教育委員会の職員・白石優作が主人公ということになっています。
ところが実際には、作中における登場頻度や露出度は、どう見ても赤尾慎之介の方が圧倒的に多く、逆に白石優作のそれは、むしろ全体的に見てもかなり少ない部類に入るようにすら思われるくらいなんですよね。
かく言う私自身、エンドロールで国分太一の名前が一番最初に出てくるのを見るまでは、てっきり乙武洋匡の方が主演だとばかり考えていたくらいでしたし。
原作自体が乙武洋匡の自伝ということもあり、当然主演もそちらだろうと考えるのが自然だったのですから、これはちょっとした驚きでしたね。
まあ実質的には、国分太一と乙武洋匡の2人が主演ということではあったのでしょうけど。

その国分太一が演じる白石優作は、かつては作中の赤尾慎之介と同じく教師だったものの、昨今話題になっているモンスタークレーマーへの対応に忙殺された挙句、教師職から教育委員会へ異動となって挫折を味わったという過去を持っています。
赤尾慎之介の補助職員になったのも、幼馴染の要望を叶えると同時に、かつてのように子供達と再び向き合いたいからという理由もあったのだそうで。
そんな彼にとって、生徒達の信頼を次々と勝ち取っていく赤尾慎之介の存在は、さぞかし眩しいものに見えたことでしょうね。
特に物語後半では、登山遠足のために同行できない赤尾慎之介と一緒に遠足に行くべく、5年3組の生徒達が一丸となって校長に陳情するという光景まで現出しているわけですし。
並の教師どころか、それなりに慕われている教師でさえ、生徒をそこまで駆り立ているのは至難の業もいいところでしょう。
そりゃ白石優作も、赤尾慎之介相手にある種の尊敬と敗北感も覚えようというものです。
それが、登山遠足で生徒と昼食を兼ねた休憩をしていた際に現れたのでしょうね。
もちろん、当の赤尾慎之介は赤尾慎之介で、障害者としての悩みや葛藤もあれば、健常者に対して越えられない壁のようなコンプレックスを常に抱いていたりもするのですが。

今作の大きな特徴のひとつは、手足がない赤尾慎之介が、普段どのように日常生活を送っているのかがきっちり描かれている点ですね。
普段どうやって食事をしているのかとか、手紙に文字を書く様子とか、電動車椅子なしで階段を上る様とか、作中の赤尾慎之介というより原作者の乙武洋匡が普段やっていることが再現されているような感じでした。
物語序盤でも、生徒達が興味津々で赤尾慎之介が食事をする様に注目しているシーンがありましたが、観客にしてもそれは同じ心境だったことでしょう。
こういう描写が生々しく描かれている作品というのは、映画に限らず巷のエンターテイメント媒体でもそうそうあるものではないので、その点は結構新鮮な部分がありましたね。
この辺りは、さすが「五体不満足」の著者である乙武洋匡ならではの体当たりな演技が光っていると言えるでしょうか。
一方で、白石優作の恋人らしい坂本美由紀は、正直作中での存在意義が今ひとつ分かりにくい存在でした。
いくら白石優作が忙しそうにしているからって、変に遠慮して自己主張を控えた挙句、自分で勝手に不満を爆発させている様は、見ていてもどかしいものがあった上に「面倒な女だな」と考えるのに充分なものがありましたし。
彼女の言動から垣間見えるその心情は「もっと私のことを見て!」というものではあったのでしょうけど、別に白石優作だって坂本美由紀に全く構わなかったわけではなく、彼的にはむしろ誠実に向き合っていた部類に入るでしょうに。
相手が浮気をしているとか、なおざりな態度に終始しているとか言った事情でもあるのならともかく、そうではないのに不満を鬱積させるというのはどうにも理解に苦しむものがありますね。
映画ではラストで強引に上手く行きそうな雰囲気に収めようとしていましたが、あの後の2人の関係って果たしてどうなるのでしょうかね?

元々が自伝ということもあり、作中の物語は淡々とした調子で進行していくため、アクションシーンや手に汗握るスリリングな展開等の派手な描写は一切存在しない作品です。
しかし、教師・生徒それぞれが抱く葛藤や心の交流など、人間ドラマ的な要素はそれなりに「魅せる」ものがある映画でもあります。
そういったものが好きな方と、あとは作中の小学校の風景を見て昔を懐かしみたい方にはオススメの作品であると言えるでしょうか。

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