映画「魔法使いの弟子」感想
映画「魔法使いの弟子」観に行ってきました。
封印された邪悪な魔法使いモルガナ一派と、魔法使いの指導者マーリンの弟子との数百年もの長きにわたる戦いの物語。
はるか昔、魔法使いの指導者マーリンと3人の弟子は、邪悪な魔法使いモルガナを後一歩のところまで追い詰めていました。
ところがその時、マーリンの弟子のひとりであったホルヴァードがマーリンを裏切り、逆にモルガナがマーリンを殺してしまいます。
死に瀕したマーリンは、その場に居合わせた弟子のひとり・バルサザールに対し、自分の後継者以外にモルガンを滅ぼすことが出来ないことを告げ、後継者を探すよう指示して息絶えます。
その後、バルサザールはモルガナと対峙し、最後の弟子であるヴェロニカと融合させた後、ひょうたんっぽい壷の中に封印。
さらに裏切った弟子であるホルヴァードも封印し、バルサザールはマーリンの後継者を探すべく、長い時間を旅することになります。
そして現代のニューヨークで、バルサザールはついにマーリンの後継者を発見。
ここから本編が始まることになります。
さて、バルサザールが長い旅の末ついに見出したマーリンの後継者である主人公ですが、これがとにかく凄まじいまでにヘタレな上に意志薄弱な存在。
バルサザールが注意したにもかかわらず、部屋の中を勝手に荒らしまくった挙句にホルヴァードの封印を解いてしまい、余計な危機的状況を自ら率先して招いている主人公。
その場はバルサザールが自分ごとホルヴァードを壷の中に10年間再封印することで何とか難を逃れる主人公。
しかし、10年後に封印が解かれ、再びバルサザールと出会って以降も、相変わらず主人公のヘタレ&意志薄弱ぶりは健在。
ホルヴァードやモルガナに対抗するためにバルサザールから魔法を学んでいる際も、バルサザールからの忠告や警告を無視して片思いの女の子にうつつを抜かした挙句、またもや自業自得的な危機的状況を自ら率先して招く主人公。
「魔法使いにとって恋は邪魔」的なことをいうバルサザールに対し、「この10年間、僕がどんな思いで生きてきたか分かる?」などという主旨の主張をかましたシーンに至っては、あまりのカッコ悪さとヘタレ節全開ぶりに逆に反感すら抱いてしまったほどです。
「我慢」というものが全くできない意志薄弱ぶりも少なからず披露していたことも相まって、全く主人公には感情移入ができませんでした。
まあさすがに、主人公も終盤付近では「物理オタク」的な智恵を駆使してホルヴァード&モルガナを圧倒していくのですが、それまでのヘタレ&意志薄弱ぶりがあまりにもひど過ぎ、名誉挽回にはまるで至っていないですね。
映画全体の雰囲気的には、今年の2月に公開された映画「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」に近いところがありますね。
……主人公が桁外れなまでに「無能な働き者」であることを除けば。
ニコラス・ケイジが演じるバルサザールの方が主人公などよりもはるかに風格があって格好良い上に見せ場も少なからずありましたし、この映画、主人公をバルサザールにした方が良かったのではないでしょうか?
ちなみに、序盤で主人公が封印を解いてしまった裏切者ホルヴァードは、最後の場面で主人公に手傷を負わされたものの、結局打倒はされることなく逃亡してしまっており、続編が作れる構図で映画自体が終わっています。
果たして続編は出るのでしょうかね、この作品は。
さすがに、続編でもあの主人公のヘタレぶりが健在、というのは勘弁して欲しいところですが。