親子愛をテーマにしたハリウッドらしからぬ映画「A.I.」
スティーブン・スピルバーグ監督が製作を手がけた2001年公開映画「A.I.」。
日本でも有名なスピルバーグ監督は、大衆娯楽映画を多く製作する傾向にあります。
しかし、映画「A.I.」は元々、1999年に亡くなった故スタンリー・キューブリック監督の企画を受け継いだ作品であったためか、親子愛がテーマの非常に哲学的な内容となっています。
映画「A.I.」は、自分達の御都合主義でロボットを好き勝手に使役したり敵視したりする人間達のエゴイズムと、「感情」をプログラミングされた少年ロボットが「母親の愛」を求める姿が描かれています。
前者は「ターミネーター」シリーズを筆頭にハリウッド映画ではさして珍しいものではありませんが、後者は極めて稀有なパターンです。
この映画のストーリーは、一言で表現するならば「近未来版ピノキオ」。
母親に「子供としての愛情」を抱くようプログラムされた、主人公である少年ロボット・ディビットが、諸事情あって母親に捨てられた後も母親から愛されることを望み続け、ロボットから人間になる方法を探すべく、時間的にも物理的にも長い旅に出るのです。
その旅の結末は、ある意味では主人公の願いを叶えるものであり、別の見方では単に主人公にとって都合の良い幻想を見せただけのシロモノと、個人によって「哀しいハッピーエンド」とも「単純なバッドエンド」とも解釈しえる非常に意味深なもので、映画ファンの間でも賛否が分かれています。
その哲学的なラストシーンはハリウッド映画の中でもかなり異色です。
そのため、映画「A.I.」はアメリカではあまりヒットしなかったものの、日本では逆に大ヒットして制作費を楽々と回収したのだとか。
確かにこの映画はハリウッド映画の長所にして魅力でもある「単純明快な面白さ」といったものがありませんし、どちらかと言えば日本人向けの映画と言えるでしょうね。
好みは分かれるかもしれませんが、「ハリウッド映画らしからぬハリウッド映画」を求める方には、映画「A.I.」は是非ともオススメしたい一品です。
MOH
こちらでははじめまして。MOHです。
ここで「A.I.」の話が出るとは。
「A.I.」は僕が月に一回ほどのペースで映画館に通っていたころ、ポスターとCMに載せられて見に行った一本ですね。初見ではラスト直前のシーンで泣いて、最後の展開で思い切りひきましたが(笑
確かに、賛否両論分かれるラストですが、僕は「これもありかな」という意味で「ハッピーエンド」に分類しています。テディがいい味出していますし。
SFは結構好きですが「人の姿をした、人ならざるものが、人にならんとする」というテーマのロボットものにおいて「A.I.」は、僕の中で「アンドリューNDR114」と並ぶ双璧となっています。
数年前に田舎に引っ越したこともあって最近はすっかり映画館とはご無沙汰ですね。「Lord of the ring the return of the king」が見に行った最後の映画ですね。
最近ガソリンと時間使っても見に行きたいと思わせてくれる映画ないなぁ・・・